幸せになって欲しくて   作:Cross Alcanna

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どうも、Cross Alcannaです。

前回に引き続き、ライブ回です。今回は2曲登場します。両方とも歌詞は出しますので、どうぞお楽しみ下さい。後、『羽沢家の長女』のライブ回の後書きに登場曲を載せましたので、お知らせします。

では、本編を開始します。



【Extra】Fantasy World

曇天を揺らす警鐘と拡声器

 

 

ざらついた共感覚

 

 

泣き寝入りの合法倫理

 

 

事なかれの大衆心理

 

 

昨夜の遺体は狙い通り

 

 

誰かが持ち去っていった

 

 

砂風味の黄金林檎 廃墟になった街

 

 

繰り出される言葉は、まるで非現実的な世界を織り成し、ダーティーな世界観を醸し出している。童話の『不思議の国のアリス』とはまるで逆の世界。穢れきった世界の、とある少女の話。そんな物語を孕んだこの曲は、刄によって歌われている。

 

 

こんな灰被りの現状はボロ布で着飾って

 

 

いつかこの檻の向こうに

 

 

いつかこの檻の向こうに

 

 

昨夜の願いは期待通り

 

 

この銅貨2枚ちょっと

 

 

血生臭い両手洗って 愛を謳っている

 

 

狂気とは、まさしくこのことだろう。どこか狂った調子が、脳裏に焼きついて離れない。狂気を帯びた歌詞が、観客の狂喜乱舞を促す。ボーカルをアリスとすると、観客は、アリスを取り巻く狂気そのもの。こうして、『廃墟の国のアリス』は、出来上がっていく。

 

 

合法的妄言の烟草 愛情失調症恋情

 

 

38口径の拳銃 逃がしはしない

 

 

損得と体裁の勘定 一方通行の干渉

 

 

排水溝で腐敗していた共感覚

 

 

穢れた世界に幽閉されたアリスは、何を思うか。それを見て、何を思うか。荒廃した世界が、どのような世界なのか、ここで語られる。

 

 

覚めない夢のような感情が

 

 

泥まみれに落っこちて

 

 

見たことない惨状が 現実だと知ったんだ

 

 

ノスタルジア環状線 雲の上を半回転

 

 

格子状に咲く天井を今日も見ている

 

 

疑うことなく箱庭で踊るアリス

 

 

天空に広がる鳥籠のアリス

 

 

数えきれぬ感傷と忘却の夜に

 

 

澄みきった瞳でボクを見ないでくれ

 

 

カラスが手招く

 

 

際限ないデフォルメと廃棄のリリック

 

 

ストロボで化けた鉄格子

 

 

ここに来ちゃいけない

 

 

訳もわからない言葉の羅列とリズムに、皆が虜になる。時に見える感情的な言葉が、それを加速させる。

 

 

曇天を揺らす警鐘と拡声器

 

 

バグ塗れの共感覚

 

 

泣き寝入りの合法倫理

 

 

事なかれの大衆心理

 

 

オーロラ 無愛想にエラッタ

 

 

ペンキの落書きはどうだ

 

 

塗りたての黄金林檎 廃棄になった夢

 

 

時々チラつく『不思議の国のアリス』に登場する物々。それらが、より一層こちらの荒廃ぶりを出している。

 

 

洗脳と堕落の象徴 愛情失調症恋情

 

 

深謀遠慮の参謀 錯綜 救えない

 

 

派閥 論争 同族嫌悪 血塗られた惨状

 

 

どうか君だけは

 

 

ここからは、どこか誰かの思いや訴えを彷彿とさせる言葉が続く。何かを願う気持ちだったりが見える。やはり、狂気の檻にとらわれているからだろうか。平凡を望むような感じにとれる。

 

 

明日が来れば明日を求めてしまうように

 

 

満たされない心情と表裏一体の幸福感

 

 

どこへ行けば此処以外の所に行けるの?

 

 

どこへ行けば単純な愛に触れるの?

 

 

愛されるの?

 

 

ここらでこの曲という名の物語は、佳境に達する。ここからの歌詞には、狂気と言うより現実世界の皮肉がこもっているようにも感じ取れる。

 

 

鮮血の雨 弾いたアスファルト

 

 

疑わしきは罰せられた

 

 

催涙 或いは瞞し 沈む夜を

 

 

3 2 1 で走り出して

 

 

そんな果てで辿り着いた

 

 

誰かが捨てた夢の上

 

 

きっとこれは悲しい戯曲さ

 

 

「君もそうなの?」

 

 

狂気に塗れた世界の檻が扉を閉ざし、再びアリスを幽閉しようとする。我々は、謂わば"アリスを飼う者"なのであろうか。そうであるならば、我々こそ狂気なのだろう。

 

 

どんな夢も壊れて くずかごに集めた

 

 

最底辺の惨状がこの世界の心臓だ

 

 

ノスタルジア環状線 雲の上を半回転

 

 

格子状に咲く天井を今日も見ている

 

 

疑うことなく箱庭で踊るアリス

 

 

天空に広がる鳥籠のアリス

 

 

数えきれぬ感傷と忘却の夜に

 

 

澄みきった瞳でボクを見ないでくれ

 

 

カラスが手招く

 

 

際限ないデフォルメと廃棄のリリック

 

 

君を飼い殺す鉄格子

 

 

ここに来ちゃいけない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

狂気の世界は我々の前から失せ、残るは拍手喝采。一時の廃墟の国のアリスに、それを我々に見せた彼らに、賛美を送る。そして……

 

 

「次はまりなボーカルの、『Panta rhei』!」

 

 

まだ、幻想世界は終わらない。次も、摩訶不思議な世界の幕開けである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

One, only that which you feel

 

 

One, only that which you see

 

 

現実ではないからこそ見え、起こる事象が、ボーカルの歌声から語られる。これこそが、Grand Diamondの最大の武器。歌で、観客を歌詞の中にある世界に引きずり込む。どのバンドよりも、この力は勝っているとされている(都築オーナー談)。

 

 

Crashing to the ground,

 

 

Everything is crumbling down

 

 

Without warning, all that we know…

 

 

有り余るほど 重なった色彩も

 

 

『剥がれ落ち消えてく Frameだけ虚ろに残る』

 

 

Where does the truth lie for us?

 

 

象徴を失って迷い始める大衆よ

 

 

さぁ、また別の幻想の世界にご案内。

 

 

Trust in everything that you believe,

 

 

Living in this chaotic new world

 

 

今、目を澄ます

 

 

Trust in yourself not what they believe

 

 

幻想の解の先へ

 

 

さあ騒然とノイズ 響く最中を

 

 

Open up your eyes. Keep it up

 

 

All doubts will fade out. Open up. Open up

 

 

One, only that which you feel

 

 

One, only that which you see

 

 

本格的に幻想世界に入ったかのような描写の数々(この曲の英語部分を翻訳すればわかります)。まだ覚める事は、許されないようだ。

 

 

Like in wonderland,

 

 

Everyone says red is blue

 

 

Without lying; they don’t falter

 

 

感覚はもう 双極線描いて

 

 

交錯することもなく

 

 

どこまでもすれ違う

 

 

しかもこの曲は、ただただ意味もわからない言葉を並べたような曲ではない。しっかり言葉さえ聞き取れれば、意味を理解するのは容易い。

 

 

Don’t let anything stand in your own way

 

 

Fighting in this violent new age

 

 

只、ここに立つ

 

 

Don’t let yourself fall for what they say

 

 

心奥の解を抱いて

 

 

今、時の螺旋その中央に

 

 

ここからは、誰かの葛藤のような描写になる。現実に目を向けろ、という意味合いなのか、はたまた、腐った幻想世界を変える使命があるのだ、という意味合いなのか。

 

 

We gotta get outta this crazy world, hurry up!

 

 

But there’s no way to another world, give it up!

 

 

Nowhere to go now, you gotta stay

 

 

Now dive deep into yourself,

 

 

that’s what it takes to wake up!

 

 

しかし、当然の事、これはライブで語られている歌詞(ものがたり)。終わりはやってくる。時間の問題、でもあるだろう。

 

 

Trust in everything that you believe,

 

 

Living in this chaotic new world

 

 

今、目を澄ます

 

 

Trust in yourself not what they believe

 

 

幻想の解の先へ

 

 

さあ騒然とノイズ 響く最中を

 

 

Everything that you believe. You are yourself

 

 

One, only that which you feel

 

 

One, only that which you see

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし!次行くぞ!『砂の惑星』!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……やはり、凄いわ。お父さんもそうだけど、一人ひとりのクオリティが高いわ。……尋常じゃないまでに」

 

 

やはり、凄かった。予想を遥かに超えてくる。歌という世界にのまれるような感じだった。…負けていられないわ。

 

 

「……はい。改めて思い知らされました。私達より上のバンドが、どんなレベルなのか……」

 

 

「…そうだね~、私達もゆっくりできないね!」

 

 

「……お兄ちゃん……私も負けない……!」

 

 

「刄兄カッコいい!でも、あこ達だって負けないよ!」

 

 

「……燐子」

 

 

「は、はい」

 

 

「誘ってくれてありがとう。お陰で火がついたわ」

 

 

「ですね」

 

 

「い、いえ……そんなこと……」

 

 

……帰ったら練習ね。……でも、久し振りのお父さんのライブだもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──まだ楽しんでも、良いわよね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……やっぱり、凄い」

 

 

負けてられない、って言いたいけど……今のところ勝てる算段が見当たらない。……でも、それでも。

 

 

「すっっごいね!私達もあんな演奏出来るかな!?」

 

 

「あぁ!きっと出来る!」

 

 

「何か……練習したくなってきた……!」

 

 

「おぉ~、つぐがつぐってる~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──諦めない、諦めてやるものか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すっごいね!有咲!!」バッ!

 

 

「だぁぁぁ!!抱きつくなぁぁ!!」

 

 

凄い!刄さんって、こんなに凄い人だったんだ!刄さんだけじゃない、まりなさんだって、他の人だって!皆が凄く上手い!私、今キラキラドキドキしてる!……もっと!

 

 

「……やっぱり凄い。全員クオリティが高い」

 

 

「めっちゃ凄い!ね!沙綾ちゃん!」

 

 

「そうだね、りみりん」アハハ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──これ以上の、キラキラドキドキを!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「凄いわ!ね!美咲!」

 

 

「……うん、凄い…凄すぎる」

 

 

「凄い凄~い!!刄さんも、まりなさんも、皆凄い!!」

 

 

「あぁ……なんて儚い演奏なんだ!!」

 

 

「……凄い」

 

 

周りの皆も元気になってるわ!やっぱり、刄は凄いわね!私達も負けてられないわよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──もっともっと、皆を笑顔に!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「流石は刄さん!素晴らしい演奏です!!」

 

 

「うん!るるるるん♪って来るね!」

 

 

「ですね!後、まりなさんにはビックリしましたね……」

 

 

…皆が、刄さんやまりなさん達に釘付けになってる。どこか、アイドルのようにも思える。

 

 

「……彩ちゃん」

 

 

「?」

 

 

「……相手が刄さんでも、負けていられないわよ?」

 

 

「……うん!」

 

 

私達は、まだアイドルの卵。未熟なところもあるし、到底刄さん達には及ばない。だからこそ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──背中を見て、走ろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……Fantastic」

 

 

何故だろう。私達は、別に対バンなんてしていないのに、どうしてここまで"完敗した気分"になってるの?

 

 

「……改めてライブで見せられると……こう、勝てないってより実感するな」

 

 

「凄いですけど……あれを超えるとなると、それこそ死ぬ気でやらないとダメですね!」

 

 

「刄さんのギター、上手いなぁ……」

 

 

「どの楽器の、どの部分においても……私達はあのバンドに負けてる」

 

 

…悔しいけれど、レイヤの言う通りね。私達は負けてる。何においても。……あぁ、これなのね。私が完敗した気分なのは。…私達が相手にするのは、こんな猛者ばかりだろう。

 

 

「But!だからと言って、負けていい理由にはならないわ!」

 

 

「……だな、やるなら勝つしかないしな!」

 

 

「ですね!」

 

 

「だ、大丈夫かな……?」

 

 

「大丈夫、ロックなら勝てるよ」

 

 

「レイヤさん……はい!」

 

 

私達は、この大ガールズバンド時代を終わらせる!……見てなさい!Roselia、Poppin' party、Grand Diamond!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──私達が最強だって事、教えてやるわ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱり凄いなぁ~師匠のバンド!」

 

 

「うん……師弟揃ってヤバイな」

 

 

「ちょっとぉ!?どういうこと!?」プンスカ!

 

 

「……否定出来ないわね」

 

 

「えぇ!?楓まで!?」

 

 

「そうだな、否定出来ない」

 

 

「竜胆までぇ!桜はそんなことないよね?ね!?」

 

 

「…………すみません」

 

 

「なしてさ~!!」

 

 

6つのバンド以外に、謎の集団。一際目立っているように感じるが、周りの歓声に書き消されているので、目立ってはいないようだ。

 

 

「……でも、本当に凄いバンドね。私達でも、対バンしたら勝てるかどうかね……」

 

 

「なんてったって、師匠のバンドだからね!」フフン!

 

 

「なんで夏が自慢気なんだ……」

 

 

こんな感じの会話をしているが、彼女らの実力は折り紙つきというレベルではない。寧ろ世界で闘えるレベルである。

 

 

「今は観ることに徹しよう。せっかく来たんだしな」

 

 

「あっ!それもそうだね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱり、刄さんは凄いや!私達のライブを観たのは、このライブへのバネにするためだったのかな?…師匠。師匠は今、とても輝いてます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──私も、穢れなく輝ける日が来るでしょうか?

 




ということで、If.11が終わりました。

『羽沢家の長女』のオリキャラを全員登場させました。出すかどうか迷いましたが、あっちで出したので、こっちでも出さないとと思ったので、結果出すことになりました。後、新作がもう少しで完成すると思うので、楽しみに待っていて下さい。

次回『彼の歌、起源に帰す』

登場曲

 ・廃墟の国のアリス

 ・Panta rhei

 ・砂の惑星

誰との絡みが見たい?

  • 千聖
  • 友希那
  • 美咲
  • ひまり
  • たえ
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