さて、物語も本格的に始まります。ここからは、その状況により臨場感を感じさせやすくするために、様々な人物の視点を使っていこうと思います。恐らく、日常系はこの作品ではあまり書かないかと思います。その辺りは、ご了承下さい。
では、本編を開始します。
【本編】惑わせの一声
[CiRCLE 2番スタジオ]
「さぁ、練習を始めるわよ」
友希那さんの一声で、Roseliaの練習は始まります。"ライブが控えていようが控えていまいが、私達には関係ない。ただ練習を重ねるのみ"と、頂点を目指す友希那さんはそう思っているんだと思います。それが伝染しているのか、私含めて皆さんそんな思考になりつつあるような感じがします。
「あこ、Bメロから少しずつズレていたわ。次からはそこも意識しなさい」
「はい!」
「リサも、サビに入る前にズレていたわ、気を付けなさい」
「オッケ~☆」
決して妥協しない、頂点を求め続けるその姿は、私が望んだ姿なのかも知れませんね。それにしても、今日、妙にピリついているような……?
「燐子、もう少し音を大きくして次演奏してみて、少し控えすぎよ」
「はい…!」
多少の違和感があるものの、練習時間は過ぎていく。それが杞憂か否か、考える余地も無いまま……
まさか、
[帰路]
「りんりん~、疲れたよ~!」
「あこちゃんが…頑張った…証拠だよ」
「そうかな~?えへへ」
何時もと変わらぬ帰路。何時もと変わらぬ会話。何時もと変わらぬ辺りの喧騒。2人に違和感を与えるものは無く、そうして今日が終わる。結局、燐子が感じた違和感は、
[商店街]
「……ふむ」
何時もの活気が溢れる商店街で、俺は買い出しに来ていた。今回は何となく、こちらに来てみたい気分だった(スーパーとかに買い出しに行く事もしばしば)。
「おっ!刄じゃあねぇか!今日はこっちに来たのか!」
「…こちらに来たくなったんでな……そうだな、これと……」
不思議と、この商店街の喧騒は、嫌いじゃなかった。ふと空を見ると、綺麗な夕焼けが商店街を照らしている。俺が画家なら、すぐにでもこの風景を描き始めただろうな。と、買うものを伝えると、八百屋の店主が俺を見て一言。
「よし、今日は少しまけてやる!」
……おや、今日はラッキーだったようだ。礼を言い、会計を済ませ、八百屋を後にする。こんな感じで、この商店街は大体こんな感じである。……思わず、笑みが零れそうだ。
ふと、ある一軒の店が目に映る。………まだ、訪れた事はないな……ふむ。そう考えながら扉に手をかけ、店に入る。扉の上のベルが鳴り、それを聞きつけた店員がこちらに声をかける。
「いらっしゃいませ!」
店の名前をよく見ないで入ったのだが……。……成る程、パン屋か。……ふむ、たまには角食以外でも良いだろう。俺はトレイとトングを取り、カレーパンとメロンパンを1つずつ取る。
「……久々に角食以外を買うな」
ふと、物思いに耽る。この商店街に来ると、毎回こうなる。この賑やかな雰囲気が、そうさせるのか、はたまた全く別の要因があるのか、わからないのだが。
「……会計を頼む」
「はい!えぇと……」
レジを打っている人を見る。……速いな、見た感じ、高校生だろうか?…親の手伝い、といったところか。と、不意に目が合う。……見すぎていたか?
「…初めて見る顔ですね」
「……初めて来たのでな」
「そうですか、あ、合計で220円になります」
……安っ。1個150円辺りだと思ったのだが、どうやら違ったみたいだ。これは嬉しい誤算だ。…角食も置いてあるし、これからパンは、ここで買うとしよう。ポイントカードもあるらしいしな。……ふむ?
「…ところで、何故あのパンだけ売り切れているんだ?…そんなに人気のパンなのか?」
……そう、
「あぁ~……パンが大好きな友達とチョココロネが大好きな友達が沢山買ってくんです」
「……相当好きなんだろうな」
「あはは……(苦笑)」
そんな雑談まがいなものを交わしていると、俺の時同様に扉を開ける音が店内に響いた。
「さ~や~、パン買いに来たよ~」
少し話をしていると、新しい客が来る。……随分とおっとりした声だ。……さーや?
「モカ、いらっしゃい。……あ、さあやっていうのは、私の名前です」
そう言い、自己紹介をしてくる。彼女は、
「…あれ?燐子先輩の事知ってるんですか?」
……む?声に出ていたか。
「……燐子の兄だからな」
「……………ゑ?」
えぇぇ~~!?!?
……3回目、だな。やはりうるさい。やはり見た目からは兄妹とは思わんだろうな。………先程のやつは…あまり驚いてないようにも見えるな。
「いやぁ、ビックリしましたよ!燐子先輩にお兄さんがいたなんて!」
「そ~ですよ~、モカちゃんビックリしました~」
……驚いていたのか。顔や声に出してないだけだったのか……。…にしても、
「…会った以上、名前を教えて欲しいんだが…?」
「そ~ですね~、超絶美少女の
「……………そうか」
………
「……白金 刄だ、宜しく頼む」
翌日
昨日の一件もあり、少し疲れたので、俺は少し横になっている。因みに、燐子はバンドの練習に行っている。…さて、何をしたものか。
「………寝るか」
疲れたならば寝れば良い、確か中学のクラスの奴が言ってたな………………zzz…
「…………ん」
起きて、ふと時計を見る。17:43か………結構寝たな。…………ん?
「……そろそろバンド練習が終わっても良い時間じゃないか……?」
……今までこの時間まで帰って来なかった事はない。自主練は家でやっているから……
「………外れて欲しい予感だが…」
身支度を整え、燐子を捜しに行く。………
[公園]
「………」
「……あこ…ちゃん」
……見た感じ、あこの方に何かあったな…。柄でもないのだが………致し方ない。
「………お互いそろそろ夕飯の時間だろう?…帰らなくて良いのか?」
「……刄兄」
「…
あこの態度をよく見て、憶測が確信に
あこと燐子からの話の概要をまとめると、あこの言った"お姉ちゃん"という言葉が、紗夜の気に障ったらしく、激怒されたらしい。バンド練習は解散、どうしたら良いかわからなく、いつの間にかここに来ていた、との事だ。………あの時感じたのは、これか。
「……
「……はい」
…今にも泣きそうだな。にしても、「どうしてそんな事を言うんですか!」くらいは言ってくるかと思ったが、そんな事はなかった。まぁ、訳を説明する手間が省けたな。
「……今日は…帰ろ?あこちゃん…」
「…うん」
ふむ。取り敢えず、紗夜に会ったら聞いてみるとするか。……だとしたら、紗夜の姉?妹?にも会っておいた方が良さそうだ。…まぁ、Roselia崩壊とまではいかなかったな………
[帰宅途中]
「………ん?」
…少し先に、銀髪の女性とスーツの女性がいる。それだけなら、スルーして先に行ったのだが………
『……友希那さん?』
………嗚呼、
「…………FWFに………」
「…………」
……スカウトか。当の本人は迷っているようだが。…………ん?
『…………………』
………………不味いな。2人の顔付きを見た瞬間、そう悟る。
…………あこを家に連れて帰り、俺達は自宅に帰る。それ以降、今日の白金家には、会話はなかった。
ということで、第4話が終わりました。
Roseliaが大変な事になってきました。しかし、まだこれは序章に過ぎません。一体、どうなるのでしょうか?次回は、Roseliaがバラバラに!?果たしてRoseliaは、そして刄は、どう動くのか!?
次回 『ギャラルホルンは鳴り止まない』