幸せになって欲しくて   作:Cross Alcanna

6 / 44
どうも、Cross Alcannaです。

お気に入りの伸び具合に、また戸惑っている今日この頃です。この伸びのペース、速いんですかね?初めてなのでよくわかっておりません。頑張って、もう1話くらい同日投稿しようかと思います。

では、本編を開始します。



【本編】ギャラルホルンは鳴り止まない

[白金家 リビング]

 

 

「……ふむ、ここはこうして………」

 

 

前話も、似た始まり方をした気がするが、まぁ良い。……俺は今、高校の学習範囲の勉強をしている。暇をもて余しているのと、燐子に頼まれても教えられるように、こういった時間は勉強に充てている。

 

因みに、今やっているのは高校2年の範囲の中盤辺りだ。

 

 

「……む、こんな時間か………少し休憩を挟むとしよう」

 

 

今日も燐子はバンド練習に行っている。あの件もあって、多少心配しているものの、あまり干渉する訳にもいかないだろう。……燐子に頼まれない限りは。

 

 

「………外に出るか」

 

 

休憩していると、外に出掛けたくなる事が多い。これといった目的もないのだが。そうと決まれば、準備をしなくてはな。

 

 

 

 

 

 

[ショッピングモール内]

 

 

「………ふむ」

 

 

…来たのは良いものの、何処に行こうか。そんな他愛も無い思案に暮れていると、不意に後ろから……

 

 

「ねぇねぇ!」

 

 

「………む?」

 

 

……誰だ?こんな知り合いは記憶の限りいないはず。………とすると、あっちが一方的に知っているパターンか。

 

 

「………誰だ」

 

 

氷川 日菜(ひかわひな)!おねーちゃんは氷川 紗夜!」

 

 

………声がデカい。あとピョンピョン跳ねるな。ここショッピングモールだろうが。周りの迷惑を考えてないのだろうか?

 

 

「……で?何で急に話かけてきた?」

 

 

だが、ここで紗夜の妹との遭遇は嬉しい。あの件の解決には、恐らくこいつの協力が必要になる。

 

 

「……おねーちゃんが最近変なんだよね、何か知らない?」

 

 

……よし、自然に協力を仰げそうだ。外に出て正解だったな……そうと決まれば、行動に移すのみ。

 

 

「……実はだな…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[公園]

 

 

「………という事があったそうだ」

 

 

「………そっか」

 

 

ところかわって公園。この話をモール内でするわけにもいかないので、場所を変えて概要を話す。するとさっきとうってかわって大人しくなった。こいつ、緩急激しいな。

 

 

「………実はね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あたし、皆から"天才"って言われてたの」

 

 

そう、昔からあたしはおねーちゃんとよく比べられてた。あたしが"天才"と呼ばれる一方、おねーちゃんは苦虫を噛み潰したような顔をしていた。それに、恨めしそうな目も。

 

 

「おねーちゃんは、あたしがおねーちゃんのやってる事を真似すると、それをすぐ止めて、別の事をするんだ。それをあたしが真似して、別の事をして………ずっと、その繰り返し」

 

 

おねーちゃんと()()()()()()()()()るん♪ってくるのに、おねーちゃんが止めた途端に、るん♪ってこないの。そういてまたおねーちゃんと同じ事をして…の繰り返し。

 

 

「最近、おねーちゃんはギターを始めたの。だからあたしも、ギターをやり始めた。アイドルオーディションに行ったら1回で通って、ギターをする事になったの。」

 

 

そうして…………「……もう…良い」…へ?

 

 

「互いに思いがすれ違ってた訳か……そりゃ解決も出来ないわな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

要は、紗夜は妹と比べられる事が嫌で、日菜には自分と同じ事をして、自分の居場所を潰されたくない。方や日菜は紗夜と同じ事をしたいが、紗夜がそれを嫌がる理由に気付いていない、って事か……ん?よくよく考えれば…

 

 

「…日菜、紗夜がお前と一緒の事をやりたがらない理由、わかるか?」

 

 

「……わかん…ない」

 

 

……ふむ、意外と簡単に片付きそうだな。思ったほど難しいわけでもないな。

 

 

「…紗夜はな、お前と比べられるのが嫌なんだ。だからお前を突き放してしまう。」

 

 

「…そう……だったんだ……」

 

 

……だが、知るだけでは当然解決にならない。だから、俺はこう言う。

 

 

「……お前の本音を言ってやれ」

 

 

「……本音を…」

 

 

「……姉妹も兄弟も、時には本音を言い合わなければいけない。……そうやって、仲良くなるんだ。…まぁ、友達とかもそうなんだが…」

 

 

「……うん!」

 

 

いまいちしまらなかった気もするが、これで日菜は大丈夫だな。後は「るん♪ってきた!」………ん?

 

 

「刄さん!ありがとう!じゃあねー!!」

 

 

………もうあんなとこまでいったのか。………にしても…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……"るん♪"って、何だ?」

 

 

新しい奇怪なワードを聞き、しばらく動けなかった。…ふむ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〔紗夜、練習が終わったら、話したい事がある。公園に来てくれるか?〕

 

 

〔わかりました〕

 

 

よし、紗夜の方はこれでいけるな。………流石にスカウトの方までは、手が回らなさそうだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[公園]

 

 

「………ここに…刄さんが」

 

 

あんな事があった手前、来たくなかったが、約束してしまった以上、来ない訳にもいかない。と、不意に右の方から誰かの気配。見てみれば…

 

 

「………来たか」

 

 

「……はい」

 

 

ベンチに座る刄さんが、そこにいた。私も横に座ると、刄さんから話をしてきた。

 

 

「………何があった?」

 

 

「…っ!?」

 

 

その一言は、私を動揺させるのには、十分過ぎた。何故、知っているのか、そして、()()()()()()()()()()()()()

 

 

「……()()1()()()()()()()()

 

 

きっと今の私は、驚きを隠せていないのだろう。まさか、()()()()()()()()()とは夢にも思わなかったからだ。刄さんは話を続ける。

 

 

「………お前の妹についてだ」

 

 

「っ!!」

 

 

「…お前の妹が、俺に話をしてきた。最近、お前が変だとな」

 

 

あぁ………止めて、下さい

 

 

「…お前達の過去を聞かせて貰った」

 

 

止め……て…………

 

 

「お前の境遇についてm「止めて下さいッ!!」……」

 

 

「貴方に……貴方にッ!私の何が解ると言うんですか!?何かをすれば日菜と比べられて!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…俺の言葉を遮ってまで止めにかかったか……やはり、紗夜にとってはタブーのようなものだろう。

 

 

「日菜と比べられたくないから別の事をすれば!あの子はまた私と同じ事をする!もう嫌なんです!!もう……嫌なんです………」

 

 

………これが本音か。…まぁ、無理もない。日菜は恐らく、感覚派の天才なのだろう。見て聞いて、1発で何でもこなす。身内にいたら、そうなる奴は、少なくない。

 

 

「……姉妹とは、()()()()()()()()?」

 

 

「……」

 

 

…だけれども、義妹がいるからわかる。妹はかけがえもなく、とって変わることなど出来ないものだ。

 

 

「……日菜はそれを知らなかったそうだ。それに、日菜は、お前と一緒の事をしたい、と言っていたぞ」

 

 

「…え……?」

 

 

…不器用過ぎる。俺が言えた事ではないが。そんな彼女に、俺は手を差し伸べる。同じ、妹を持つ者として、()()()()()()()()()()

 

 

「……一度、正直に話してみろ。兄弟も、姉妹も、時には正直に話す必要がある。」

 

 

「正……直…に」

 

 

「…そうだ、そうして仲良くなるものだ」

 

 

「……ありがとう…ございます」

 

 

1つ目の方はこれで解決するだろう。さて、次の問題についてだが………

 

 

「…礼には及ばん。が、まだ問題が残っている」

 

 

「……詳しく知っているんですか?」

 

 

「…詳しくは知らん。が、大方、友希那とやらのスカウトの件についてあこか燐子が聞いて……ってとこだろ」

 

 

「……凄いですね、大方合ってます」

 

 

…そんな事だろうと思った。が、これこそ簡単だ。()()()()()()()()()()()のだが………

 

 

「………待てば良い。時期に動きがある」

 

 

「……え?」

 

 

……この後に、あこと燐子のところに行くつもりだ。恐らく、()()2()()()()()()()()。……燐子の話から聞いた今井 リサ(いまいりさ)という奴が未知数なのだが、まぁ、問題ないだろう。恐らく、すぐ立ち直れる性格と推測できる。

 

 

「…今は、日菜と向き合え。………良いな?」

 

 

「…はい、ありがとうございました」

 

 

…さて、最後の仕上げと行くか…………

 




ということで、第4話が終わりました。

立ち込める暗雲が、少しずつ晴れて来ているようにも感じますが、どうなるのでしょうか?次回は、本格的に歯車が動き出す。嵐の後は、果たして晴れか、雨か………

次回『七転び八起き』
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。