ついに来ました、第1章最終話。Roseliaと刄の物語はどうなっていくのか?しかし、ここまではまだ序章に過ぎません。さぁ、ここまでに貼った伏線に、何個気付いていますか?
では、本編を開始します。
[CiRCLE 3番スタジオ]
「そろそろ休憩にするわよ」
「白金さん、ミスの確認をしてるんですか?珍しいですね」
「…お兄ちゃんに……届けると…考えると……もっと…練習しないと…ダメかな……と」
そう、今回のライブは、お世話になった刄が来る、Roseliaにとって、今までより少し特別ものである。それ故、皆がいつも以上に真剣になっている。
「……そうですね、この前のお礼としてみせる以上、下手なものは聴かせられません」
「はい!刄兄にはカッコイイあこをみて欲しいです!勿論、Roseliaの思いも!」
「そうね、音楽は、人に思いを伝えられるという事を、彼から学んだわ。だからこそ、私達がそうできる事を、彼に示しましょう!」
『はい!/オッケー!』
各々の思いを込めたライブの時が、徐々に近づいている………
同刻
[CiRCLE カフェテリア]
「………ふむ」
青々とした空の下に1人ポツリと座り、コーヒーを飲む男性が1人…と、赤髪の女子。そのテーブルでは、何やら話し声が聞こえてくる。
「へぇ!凄いですね!あのRoseliaの解散を止めるなんて!」
「…まぁ、あいつらは気付いたみたいだ。……もうすぐで一人前のバンドになる」
当たり障りのないありきたりな会話で盛り上がっている。すると、巴からある提案がなされる。
「…そうだ!今からつぐのとこ行きませんか?」
「……つぐ?」
「アタシの幼馴染みの1人で、珈琲店をやってるんですよ!」
魅力的な提案であるそれを聞くと、刄はばつが悪そうに、
「……申し訳ない、この後は、やる事がある。…すまない、今日は行けない」
本当にばつが悪そうに断りをいれる。本当は行きたいという雰囲気が見られるあたり、刄は結構コーヒーが好きなようだ。
「じゃあ、場所教えますよ!予定がない時にでも行ってみて下さい!」
「……悪いな…頼む」
そう言って巴が教えた珈琲店は、"羽沢珈琲店"だった。
[商店街]
「………後は魚か……」
…巴の誘いも魅力的だったが……買い出しや料理、勉強もあるため、今日は断った。と、魚屋の前で、誰にかわからない弁明をする。
「おっ!刄じゃあねぇか!何買ってくよ!!」
「……そうだな…何が安い?」
「今日は……鮭と鯵が安いぞ!!」
……ふむ、なら鮭と鯵は確定だな……。後もう1種類くらい買っておきたいな……ん?
「……何で…これがここにある……?」
「おっ!良いのに目をつけたな!」
……なんでここにあるのか、不思議ではあるが………
「……ふむ、これも買うとしよう」
「おっ!毎度!!」
[白金家 食卓]
こうして買い出しも終え、俺は家に帰る。そして、今日の家の食卓には、あの時買った蟹が並んだ。
「……蟹…珍しい…ね」
「……商店街にあったから……買ってきた」
「……あはは…」
………俺らは苦笑いしながら、夕飯を食べた。……ふむ、美味しいな。あればたまには買うとしよう。
ライブ当日
[CiRCLE 受付]
「………これで良いのか?」
「うん!大丈夫だよ!」
……前に燐子から渡されたチケットを見せたが、それで入れるのか。金がかからないのは良いな。………ん?なんだ?まりなが何かを渡そうとしてくる。
「……なんだ?これは」
「特別入室証だよ!今回のライブ限定でRoseliaの控え室に入れる証明証!」
……そんなものがあるのか?…まだわからんことが多いな。…折角だ、行ってみるとするか…。
[Roselia 控え室]
さて、控え室に来たわけだが…とりあえずノックするか。
「…?はーい!」
「……刄だ、入って良いか?」
「……お兄…ちゃん……?」
…反応があったことだ、開けてもいいだろう、と言う解釈をして扉を開ける。
「……まりなから…これを貰った」
……そう言い、入室証を見せる。…ふと皆の方に目をやると、あこは目を輝かせ、燐子はビックリしていて、他の奴はこちらをじっと見ている。
「……期待しているぞ」
『はい!/えぇ/…うん!』
「……時間もない…観客として、楽しむとするか」
…俺は足早に控え室を出て、観客席の方に向かった。
[CiRCLE ライブ会場]
刄が観客席について少しすると、ライブが始まる。3、4つのバンドが演奏をし、その度に会場に熱がほとばしる。
そうしていると、Roseliaが登場する。リサのMCで皆の名前が呼ばれる。呼ばれたメンバーは、自分の楽器を鳴らす。歓声が湧く。
「……これがバンドか」
絶句。驚愕。感嘆。様々な感情がこみあげる。今までにない感情の嵐が、彼を襲う。そんな彼は……
「……
楽しんでいた。今の今まで、楽しいと口にしてこなかった彼が、「楽しい」と口にしたのだ。このライブは、彼にとって良いものであるのは間違いないだろう。
「……凄いな」
迫力ある曲の数々。そのどれもが、彼を圧倒する。しかし、
「…次で最後よ」
観客からのライブの終わりを惜しむ声が増える。が、それを遮るように、友希那が声をあげる。
「この曲は、生まれ変わったRoseliaの再誕の一曲、そしてそのキッカケをくれた人への曲」
「……嗚呼、いっそこのまま………」
ーーーーRe:Birthday
「終わらなければ、良いのに」
[Roselia 楽屋]
「いやぁ~、楽しかった~☆」
「今日はいつもより良いライブだったんじゃないですか!?」
「そうですね、手応えはありました」
各々、余韻に浸っている。そんな中で1人、携帯の画面を見て微笑む人が。
「……りんりん?どうしたの?」
燐「……あこちゃん…これ、見て」
燐子が笑顔で見せた画面には、こう書いてあった。
〔…今日のライブ、楽しかったぞ。 ……これからも、頑張れ〕
ということで、第7話が終わりました。
これで、第1章が終了です。Roseliaがまた一歩進みだしました。彼も、ライブを楽しんでいましたね。それだけ、Roseliaが進化した、ということでしょうか。次回は、第2章……ではなく、幕間(日常編)が始まります。とある日、刄が向かったのは……?そこで出会った新たな人物とは…?
次回 幕間(日常編)1 『Tea Time』