大会デュエルの日常   作:魔法使い?

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てすと

ADSの動画も投稿もしてるんだけど、
投稿してみてると、よくわかんないデッキよりガチっぽいほうが人気多いので試してみる

もう1つのよくわかんないコンボやエロいストーリーでギャーギャーやってるより
デュエルだけ頑張った内容どっちが需要あるんですかね?


インフェルニティVSアーティファクト

 遊戯王OCG。今、一番売れているというカードゲーム。

 その人気は日本だけにはとどまらず、海を越え全世界で楽しまれているトレーディングカードゲーム。

 ルールはとても簡単で子供から大人までさまざまな年代に遊ばれている。

 このカードゲームの歴史はとても長い物であり、カードの種類は数千を超える。

 コレクターとしてカードを集めるのもよし、カードゲームという名の通り、対戦としての遊び方もある。

 

 

 

 ある日の週末。週の終わりになれば子供たちは休みとなりレアカード求めてカードショップに訪れる。

 社会人もまた休みの人も多く、子供のころからあこがれていたこのカードゲームで遊びに行く人も多い。

 その多くは大会目的でやってくる人が多い。

 小さなカードショップの為、人数は12人集まるかどうかいつも怪しいことが多いが、みな大会で優勝という小さな夢見て本気のようだ。

 

 今日もまた大会が始まっていくつもの試合が消火された。そしてついに決勝へと始まる。

 

「メイン40。サイドエクストラ15、15。確認しますか?」

「同じく40と15、15。確認とりますか?」

「結構です」

 

 互いにカードをまとめて、向かい合う2人はすぐ枚数が確認できるよう、メインデッキとサイドデッキ、エクストラデッキの枚数を提示する。

 この確認は互いに不正がないか確認を取る物。

 メインは必ず40枚以上なければならないが、エクストラとサイドは別になくてもルール上は問題ない。

 だが、エクストラがないとデュエル前に【バーン】デッキ等を特定できたり、サイドがないとサイドチェンジ後にデッキをチェンジしないだろうと相手に悟られてしまうことがある。

 大会に来て本気で勝つ以上、こんなことは無いと思うが、デュエル前にこういった読みあいが存在する。

 

「よろしくお願いします」

「お願いします」

 

 デッキの上から裏で、手札になる5枚のカードをテーブルの上に並べて手札の準備をする。そして電卓に8000、8000と打ち込む。

 それとメモの用意。相手のライフも計算するというこの行為は、ないと思うが相手のライフの偽造を防ぐためである。

 相手プレイヤーの電卓がもし事故で消えてしまったり、相手と自分のライフが違うということが起こることが結構ある。

 でもこうやってメモを残すことはライフを削ったという決定的な証拠となるからだ。

 

 2人はじゃんけんをして先攻と後攻を決める。このじゃんけんも2人は本気、なぜならこれも勝率をわける決定的なものだ。

 この遊戯王OCGは先攻有利ゲーと一般的には言われているからだ。大きな大会でも集計を取ったところ、先攻プレイヤーが勝率が高いという結果がある。

 先攻プレイヤーは基本的には妨害札を受けない。

 こういったことから、先攻プレイヤーはカードを展開して守りに固めることができる。こうすることで次の相手プレイヤーは先攻とは反対に、妨害カード満載でターン始まるという明らかに不利な状況だからだ。

 

「先攻をいただきます。俺のターンドロー」

 

 じゃんけんで勝った田中はデッキからカードを引き、手札を6枚にして確認する。そして手札をパチパチと音を立て、シャッフルしながらどう行動するべきなのか考える。

 《ダーク・グレファー》《インフェルニティ・ネクロマンサー》《インフェルニティ・デーモン》《インフェルニティ・ブレイク》《次元幽閉》。

 これを見て、思わず心の中でガッツポーズをとる。先攻で強い展開できて、布陣を作ることができる手札だったからだ。逆に後攻だったら相手の妨害札を受けてしまう手札だっただろう。

 相手の妨害を防ぐ手段が全くないのだから。

 

「ダグレns効果でデーモン切ります。何かありますか?」

「何もないです」

 

 まずは田中は相手の《エフェクト・ヴェーラー》の有無を確認を取る。ヴェーラーは相手ターン中、手札から墓地に送ることで相手のモンスター効果を無効にできる。

 先攻プレイヤーは基本妨害されるということはないが、ヴェーラーのような手札誘発は別。

 先攻を取ったのにも関わらずもしかしたら採用率が高いヴェーラーを握っているのであろうかと内心ドキドキしながらプレイしていた。

 でも、何も相手はアクションを取らなかったのでそのまま続ける。

 

「《ヘルウェイ・パトロール》を墓地に。そしてヘルパトの効果でネクロss」

 

 ダグレの効果は手札の闇属性モンスターをコストにすることでデッキから闇属性モンスターを落とすことができる。

 田中が使用するデッキはこれを見てもわかるように【インフェルニティ】というテーマデッキ。全ては闇属性で統一されており、墓地からの展開に優れたテーマデッキである。

 ヘルパトを墓地に送った理由は、このカードを墓地から除外することで攻撃力2000以下の悪魔族を特殊召喚できる。

 インフェルニティのキーとなるネクロとデーモンは悪魔で統一されていることから、この展開能力はまた相性がいい。

 

「手札を3枚セット。そしてネクロ効果でデーモンss。デーモン効果でネクロ加えます」

 

 インフェルニティは自分の手札が0枚のときに効果を発動できるテーマ。手札が0枚にならなければ始まらない。田中はいきなりハンドの罠カードを一気に伏せ手札を0にして準備は完了。

 モンスターを引きすぎてもいけないし、引かなくてもダメという加減が難しいので、デッキ構築からこのテーマは始まっている。

 何もできないことがよくあるが、インフェルニティを使う上では、こういったことは何度も田中はもちろん承知している。

 田中は決勝まで来たことから彼はとてもこのデッキを使いこなしていることがわかる。

 

 ネクロは1ターンに1度、墓地のインフェルニティカードを蘇生できる効果。

 そしてデーモンは手札が0のとき、特殊召喚されるとインフェルニティをサーチできる効果。

 ネクロとデーモンの蘇生とサーチ効果はどれもインフェルニティの展開の糧と爆発を生み出す重要ななくてはならない効果である。

 

「ダグレとデーモンで《ラヴァルバル・チェイン》をss。効果でデーモン外してヘルパト落とします」

 

 エクシーズモンスターのチェインはデッキから好きなカードを墓地に送ることができる。

 これもインフェルニティにとってはダグレと同じように、墓地を肥やすことで展開を強化できるもの。

 再びヘルパトを落としたことにより、手札のネクロを特殊召喚してさらに展開が可能になった。

 

「ヘルパト効果でネクロss。効果でデーモンss。《インフェルテニィガン》をサーチします。そしてカードをセット」

 

 チェインでデーモンを落としたことでもう1度特殊召喚が可能に。もう1回特殊召喚したことで再びサーチ効果が発動する。

 このようにインフェルニティはネクロとデーモンを駆使して蘇生とサーチを繰り返すテーマ群。

 単純だがこれが超強力で、古くからこのテーマは存在するのにも関わらず、最近生まれたデッキとも、衰えることなくほぼ互角に戦える。

 ほぼ無限に展開のルートが存在することから、インフェルニティの使用難易度はとても高い。だが、とても面白いデッキであると田中は思っている。

 

 このインフェルニティというテーマの人気はネット上にも広がっており、日々掲示板では研究が進められている。

 ここの住人は、このテーマを使うアニメのキャラクターの台詞が「満足」という言葉を使ったことから、満足民と呼ばれる。

 田中もまた満足民の住人である。

 とくにここの住人のすごい所はインフェルテニィの展開力を生かして、さまざまなループコンボが生み出してある。

 だが、エクストラとメインの圧迫がひどく、実用性はほぼ無に等しいので大会では全く使えないコンボであるが。

 

「ネクロ2体で《虚空海竜リヴァイエール》ss。ネクロ落として効果でヘルパトssします。ヘルパトとデーモンで《恐牙狼 ダイヤウルフ》」

 

 妨害札がないので、まだまだ田中の長いターンが進む。リヴァイは除外されたレベル4以下のモンスターを特殊召喚できる効果を持つ。

 ヘルパトは除外して発動なのでリヴァイと相性がとても良い。除外から引っ張ってきたことでもう1度発動する機会を生み出すことができるのだから。

 ヘルパトはデーモンと同じレベル4。2体はランク4のモンスターへと変える。

 

「ダイヤウルフ効果でチェインとダイヤウルフ破壊します」

「はっ!?」

 

 ダイヤウルフは自分の場の獣族モンスターと好きなカードを破壊できる効果がある。ダイヤウルフ自身が獣族なので、自身を対象にしてその効果を発動することもできる。

 自分のカード同士を破壊したことで、全くインフェルニティを知らない対戦相手は思わず声を上げてしまった。

 

 無意味な行為だと思われがちだが、田中が行ったこのダイヤウルフの行為には2つの意味がある。

 1つはダイヤウルフを破壊することで、このカードのORUになっていた素材のカード2枚を墓地に送ることができたということ。これによりデーモンとヘルパトが墓地に落ちたこととなる。

 2つ目は邪魔となった自分のカードを破壊することで、展開できるゾーンが増えたということだ。

 インフェルニティは展開力に掛けたテーマ。もちろん5枚のモンスターゾーンを全て使うということも滅多にないことではない。

 こうして破壊することでもっと展開する準備ができたのだ。

 

「ガン効果でネクロとデーモンss。デーモン効果でデーモンをサーチします。そしてヘルパト効果でデーモンss。効果で《バリア》をサーチ。デーモン2体で《No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル》をss。キービートルでバリアを保護します。ネクロ効果でデーモンss。バリアサーチしてセットしてターンエンドです」

 

 さらに展開して守りをさらに強固な物にへと変える。

 今、田中がサーチしたバリアは自分の場にインフェルニティが攻撃表示のとき、魔法・罠・モンスター効果なんでも無効にできる効果を持つ。

 それに加え、今エクシーズ召喚したキービートル。この効果で保護されたカードはあらゆる破壊から防ぐことができる効果がある。

 インフェルニティが直接サーチしたカードは、1枚1枚、改めてセットするため、相手にセットされた位置がバレバレという弱点があるため、《サイクロン》などに当てられると弱いが、こうすることで弱点を減らすことができた。

 また、ブレイクもセットしてあることでバリアで守りきれないチェーンの乗らないカードのケアも完璧だ。

 ブレイクはフリーチェーンで好きなカードを破壊することができる万能カード。しかも2枚のバリアと違って山本にセットしているという情報を知られていないので不意を作ることができる。

 これで守りを作ることができた田中はターンを終える。

 

 またインフェルニティの展開でモンスターを4体で抑えたのには理由がある。

 モンスターを5体で埋めてしまった場合に、相手がモンスターを処理せず、次のターンモンスターを引いてしまうとモンスターを処理することができずに、手札を0枚にすることができない。

 場のネクロはともかく、伏せてあるバリアやブレイクが発動できなくなってしまうからである。となると、せっかく守りを作ったのに、無駄になってしまうから。

 次のターンの事故のケアもこれで完璧である。

 

 

 

ターン1終了時の場

 

田中

LP:8000

手札:0枚

場 :モンスター

   インフェルニティ・デーモン ATK/1800

   インフェルテニィ・ネクロマンサー DEF/2000

   虚空海竜リヴァイエール ATK/1800 ORU1

   No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル ATK/2500 ORU1 (効果対象インフェルニティ・バリア)

   魔法・罠

   インフェルニティ・バリア×2 (2枚とも山本に知られている)

   インフェルニティ・ブレイク

   次元幽閉

 

山本

LP:8000

手札:5枚

場 :モンスター

   なし

   魔法・罠

   伏せ0枚 

 

 

 

「俺のターンドロー。《強欲で謙虚な壺》発動。何か発動しますか?」

「発動しないです」

 

 1ターンのターン制限である3分までとはいかないが、長かった前のターンが終わりようやく山本のターンに変わった。

 インフェルニティの場を見るとかなり絶望的な状況であるが、山本はあきらめることはなかった。

 まず剛健をバリアで無効にするか確認を取ったが、マストカウンターではないこのカードは無効にするということは田中はしなかった。

 効果を発動し、その効果で3枚のカードをめくる。《アーティファクトの神智》《アーティファクト・ムーブメント》《簡易融合》。

 優秀な効果である神智をほかのデッキに採用するということはよくあるが、ここで見えた3枚のカードで山本のデッキは【アーティファクト】で確定したといってもいいだろう。

 発動したこのターン特殊召喚できないという制約があるが、アーティファクトは相手ターンにカード効果で破壊されたとき、効果を発動できるカード群なのでデメリットはほぼないといってもいい。

 

 

 山本が使用するのは最近できたテーマデッキ。流行というものにとくに敏感な山本は、いつも流行なデッキを作成する。

 前の環境で環境トップであった【征竜】デッキを、大きな大会で誰かが優勝したときから目を付けて、すぐに作ったくらい流りのデッキが好きである。

 

「カードを5枚セット。《カードカーD》をns。何かありますか? なければ2枚ドローエンドまで」

「何もないです」

 

 カーDは通常召喚したメイン1にリリースすることで、2枚ドローし、このターンのエンドフェイズになる効果がある。

 この効果を使ったターン特殊召喚できない効果があるが、剛健と同じデメリットなので全く問題なかった。

 カーD1枚が2枚のカードになる。

 田中はアドバンテージを稼がれてしまう為、このカードを止めようかと悩んだが、5枚カードを伏せられたことでこのカードもマストカウンターでないと思って防がなかった。

 とはいったものの、この2枚ドローで引いたカードが2枚ともが、これからマストカウンターになるかもしれないと考えたが、これはどちらにしろ防ぎようがないものだと田中は考えるしかなかった。

 鉄壁のインフェルニティの布陣とはいっても、セットカードの数には限りがある。1枚1枚考えて使わないときつい物がある。

 

 

「俺のターンドロー。優先権を行使して《サイクロン》を発動します。一番右のカードを破壊で」

 

 田中のターンになり、すぐ今引いたカードを発動。ここでいう優先権はターンプレイヤーが先にカードを発動することができるという権利。

 インフェルニティの弱点。それは手札が0枚じゃなくなるドローフェイズ時。手札が1枚になるということは、伏せてあるバリアとブレイクが使えなくなってしまう。

 山本はそこの隙を見て、自分で自分のカードを破壊し、展開を始めて場を荒らしてくると考えたのだ。サイクを打つことで手札が0枚になれば、バリアとブレイクで相手の展開を止めることができると決めた。

 

 しかしここは怪しい所。アーティファクト相手ではカードを破壊するという行為をするのは、相手の展開を手助けする悪手になると田中は知っていたが止むをえなかった。

 前のターンに剛健で見た神智もこの5枚の中に伏せてあったわけだから、不確定要素で打つのは最前のプレイングかは不明。

 

「それにチェーンして神智打ちます。チェーンは?」

「考えます」

 

 サイクで対象を取ったカードとは別の所から神智が出てきた。このカードはアーティファクトをデッキから特殊召喚できるという効果がある。

 これはバリアで無効にできるが、もう1つの神智の効果により相手によって破壊されたとき、相手のカードを破壊されるという効果がある。

 これを無効にするのは悪手。バリアを打つのはこの後出てくるアーティファクトに打つべきだと考え、そう思った田中はチェーンは何も発動しなかった。

 

 田中が神智から出てくるモンスターで一番警戒しているのはアーティファクトでも一番凶悪な効果を持つ《アーティファクト-モラルタ》。

 このカードは相手ターンに特殊召喚されると、相手の表側のカードを破壊することができる。

 また、このカードには選んで破壊できるという珍しいテキストの為、なんとこのモラルタの破壊効果には対象を取らない。

 せっかく作ったインフェルニティの布陣を崩されないよう、バリアで止めるのはここだと田中は考える。

 

「神智にチェーンして《ダブル・サイクロン》打ちます。対象はキービートルで保護されてないバリア、とサイクで狙われたカードで」

「それにチェーンしてバリア打ちます」

 

 間接的にサーチしていたバリアはバレバレとういうことで山本に狙われてしまう。

 どうせバリアが破壊されてしまうのであれば、もっと展開されてしまうと思い、《アーティファクト-カドケウス》を警戒してここで発動する。

 このカードはアーティファクトが特殊召喚されるたびにカードをドローできるという効果を持つ。だが、カドケウスは効果解決時に存在しないと、ドロー効果が使えない。

 もしこの後のチェーン処理でカドケウスが登場してアドバンテージを稼がれるとなっても、ブレイクで破壊すればいいことなのでどっちにしろ変わらないが。

 

「チェーン解決時逆処理していきます。神智効果でモラルタssしたい。そしてサイクで破壊された《アーティファクト-アキレウス》ssしたい。何か発動しますか?」

「何もないです」

 

 相手ターンなのにも関わらずモンスターが2体も展開されていく。

 アーティファクトは全て光属性・天使族であり、レベルとランクは5で統一されている。

 また、モンスターカードなのだが、魔法・罠ゾーンセットできる共通効果で、相手によって破壊されたときに特殊召喚できる効果がある。

 

「2体とも守備でssします。特殊召喚されたモラルタチェーン1、アキレウスチェーン2とチェーンを組みます」

「モラルタにバリア打ちたいです」

「誘発効果でこの2体はチェーン組んであるのでモラルタに対してバリア打てないですね。打つならアキレウスしか……」

「あっ」

 

 山本のモラルタとアキレウスは同時に効果が発動したことで田中の想定外のことが起きてしまう。

 チェーンの組み方はプレイヤーが好きに組んでもいいルールから、こうして山本はチェーンを組むことでモラルタに対してバリアを打てなくさせるプレイングを取った。

 カウンター罠はカードの性質上、チェーンの1つ前のカードしか無効にできない。モラルタを警戒して田中はドローフェイズにサイクロンを打ったのだが、結局無意味となってしまった。

 

「考えます」

 

 再び田中は考える。アキレウスは特殊召喚されたターン、アーティファクトモンスターは攻撃対象ができなくなる。

 今伏せてあるバリアとブレイクでアキレウスを止めるべきなのか考える。

 アイギスの守備力は2200ととても高い。このターンアーティファクトを破壊できないとなると、次のターンエクシーズ召喚を狙われてしまう。

 

 ブレイクとバリアはまだ温存するべきだと考え、ここでは発動しないことにする。ここではなくほかのマストカウンターに打つべきだと。

 

「アキレウス効果でこのターン戦闘破壊を守ります。そしてモラルタ効果でネクロ破壊で」

「はい」

 

 防ぎようがない除去をされ、ネクロを墓地ゾーンへと送る。

 インフェルニティ側はネクロが失ったため、展開を失ったと思われがちだが、まだエクシーズ素材が残っているリヴァイエールが残っている。

 これでヘルパトを再利用してデーモンとともにランク4を作ると。

 

「スタンバイ、メインフェイズに入ります。考えます」

 

 ドローフェイズが終わり、ようやくカードを動かせる。

 山本の伏せカードは5枚あったのが、ドローフェイズで動きまくって2枚しか残っていない。

 田中の伏せカードも幽閉とブレイク、バリアがあるので、展開するには妨害あっても問題ないと思い、行動をとる。

 

「キービートル効果でセットカード保護します」

 

 田中はブレイクを保護することで、サイクロンなどといった破壊から免れようと考える。

 こうすることでマストカウンター発動前に、変な所で打たざるを得ないという考えを止めることができるからだ。

 

「そしてリヴァイ効果でヘルパトss」

「ss時《激流葬》打ちます」

「バリアで無効で」

 

 激流葬で場のモンスターを全て破壊されてしまう。これを受けると田中はジリ貧になってしまう。

 山本のアーティファクトも一層することになるが、手札が0の田中に対して、山本は手札が2枚。

 田中にとっては激流を止めざるを得ないマストカウンターであった。激流葬を打った山本本人もこれを通るとつらくなるが、インフェルニティはここを止めると見込んでわざとここで打ったのだ。

 

「ヘルパトとデーモンでチェインss」

「ss後、脱出装置で」

「あっ……」

 

 チェインを作ってデッキから《トリック・デーモン》を落とし、その効果でデーモンをサーチし、ヘルパトで再び分回しを考えていたがこの脱出で田中のプランが崩される。

 結果論だがここで、ブレイクで残り1枚だった伏せカードを破壊すれば安定行動だったが、どうしてもアーティファクトにはカードを破壊してはならないという心理に陥ってしまう。

 やはりここでも神智やモラルタを考えてしまい、思う行動をとることができなかった。

 よくよく考えたらこれらのカードがあったら、さっきのドローフェイズで使って場を妨害されてたはず。この読みはなかったと山本は後悔する。

 

 チェインでトリデを落とすことができれば、デーモンからもう一度、ネクロをサーチし、からスタートしてバリアやブレイクをサーチできたはずだった。

 だが、これが成功したとしてもチェイン、キービートル、リヴァイでモンスターが埋まってしまっているので、展開してもいい布陣は作れそうにないと思った田中であった。

 

「ターン終了します……」

 

 

 

ターン3終了時の場

 

田中

LP:8000

手札:0枚

場 :モンスター

   虚空海竜リヴァイエール ATK/1800

   No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル ATK/2500 (効果対象インフェルニティ・ブレイク)

   魔法・罠

   インフェルニティ・ブレイク

   次元幽閉

 

山本

LP:8000

手札:2枚

場 :モンスター

   アーティファクト-アキレウス DEF/2200

アーティファクト-モラルタ DEF/1400

   魔法・罠

   伏せ0枚

 

 

 

「ドロースタンバイメイン入ります。何かありますか?」

「考えます」

 

 このターンのドローで山本の手札は3枚になった。

 場にはレベル5のモンスターが2体。ここでもっとも警戒するべきなのはランク5のエクシーズモンスター《セイクリッド・プレアデス》の召喚。

 プレアデスは1ターンに1度、フィールド上のカードを手札に戻せる。このカードの強い所はフリーチェーンなのでカウンターを除いてほぼ確実に妨害できること。

 田中はここでモラルタにブレイクを打って、プレアデスの召喚前に止めるかどうか悩む。

 だが、山本のデッキには前のターンの剛健で見えたエクストラデッキから融合モンスターを特殊召喚できる簡易融合の存在から、ここで妨害しても結局簡易からプレアデスがでるのではないかと考える。

 でも簡易融合がなければアーティファクトのデッキ上、このターン何もできない。長い思考で導きだした結果は。

 

「ブレイクでモラルタ破壊で」

「はい。そのあとライフ払って簡易融合で《重装機甲 パンツァードラゴン》ss。パンツァーとアキレウスでプレアデスssします」

「ですよねー」

 

 やはり読み通りの結果になってしまった。予言していたことをそのままされてしまったので田中は思わず声がでる。ここは失敗したと思った。

 

「バトルフェイズプレアデスでリヴァイエールを攻撃」

「幽閉打ちます」

「プレアデス効果。幽閉にチェーンでキービートルを戻します」

 

 相手の攻撃モンスターを除外できる幽閉で何とかプレアデスを処理できた。

 もしここで山本が攻撃反応系を呼んで攻撃してこなかったら、田中にとってはかなり辛い状況に陥っていただろう。

 一般的には攻撃反応系の罠は発動タイミングが遅いから、除去されると微妙という考えのデュエリストが多い。

 せっかく無制限になった《聖なるバリア-ミラーフォース-》の採用率が少ないことから攻撃反応を警戒するプレイヤーはとても少ない。

 だが、食らってこそ分かる攻撃反応罠の強み。

 

「メイン2。カードを2枚伏せてターンエンド」

 

 これで田中の場にはリヴァイエール1体、山本の場には2枚の伏せカードのみという互いに。

 互いにジリ貧の状況だと思うがアーティファクトの性質上有利なのは俺であると山本は強気でいる。

 その理由は今伏せた2枚のセットされたカードにある。

 フィールドの魔法・罠カードを1枚破壊し、そのあとデッキからアーティファクトをセットできるサイクロンの上位互換《アーティファクト・ムーブメント》。

 その隣の《アーティファクト-ベガルタ》。ベガルタは破壊されたとき、特殊召喚されそのあと自分の魔法罠を破壊できるカード。

 ムーブメントでベガルタを破壊し、モラルタをセット。それをベガルタでモラルタを破壊することで、モンスターを展開できるから次のターンを確実に迎えられる安心感がある。

 モラルタのカードを破壊する効果を含めれば、インフェルニティの突然の妨害も防ぐことができるだろう。

 

 ムーブメントを使って妨害札をはがしてプレアデスを安全に置くということも考えたが、相手の墓地にはヘルパトが存在している。

 手札から特殊召喚できる効果によりプレアデスでインフェルニティモンスターを戻したとしても無理やり回されてしまうだろう。

 だったらプレアデスはキープせずに、安全に次のターンにつなぐことを考えた。ムーブメントを温存することでモラルタの妨害も期待できると信じて。

 

「ドローフェイズ入ります」

 

 山本のドローでも互いに緊張感が走る。

 カードが全くないとはいえ、インフェルニティは手札0枚からいくらでも逆転劇がありえるからだ。

 十分に墓地が潤っているこの中盤ではその強さはかなり増している。デーモンの手札0枚時にドローしたことで特殊召喚できる効果から展開が始まるかもしれない。

 

「………。スタンバイフェイズに入ります」

 

 ドロー時に何も行動しなかったのでトップデーモンはなかった。山本はほっとして田中のターンをどう防ぐか考える。

 

「バトルフェイズ。リヴァイエールでダイレクトアタックします」

「受けます」

 

 電卓を使って7000から5200へと打ち変える。

 攻撃時に山本はムーブメントを発動すれば、モンスターを展開しリヴァイエールのダイレクトを止めることができた。

 だが、田中の手札にはまだ手札が1枚ある。ここでカードを消費してしまうと、カードを使ったことをいいことにメイン2からいきなり動かれると思ったからだ。

 ライフはまだまだあるので不確定要素をするより安定行動をとると決めた。ムーブメントは相手が行動しないと決めたエンドフェイズに打つべきだと。

 

「メイン2に入ります。モンスターをセットしてターンエンドです」

「エンドフェイズに発動したいです。ムーブメント発動。ベガルタ破壊してモラルタセット。ベガルタssモラルタ破壊。モラルタss。リヴァイエール破壊で」

「はい……」

 

 ここで考えていた通り、山本は動いてモンスター2体を展開する。ここで現れた2体のアーティファクトは田中にとってはほぼ絶望的であった。

 

 

 

ターン5終了時の場

 

田中

LP:8000

手札:0枚

場 :モンスター

   セット

   魔法・罠

   なし

 

山本

LP:5200

手札:0枚

場 :モンスター

   アーティファクト-ベガルタ DEF/2100

アーティファクト-モラルタ ATK/2100

   魔法・罠

   伏せ0枚

 

 

 

「ドロースタンバイメインフェイズ入ります」

 

 山本はこのドローフェイズで《アステルドローン》を引く。

 ドローンはこのカードをエクシーズ召喚に使用する場合、レベル5モンスターとして扱う事ができ、またこのカードをエクシーズ素材になった場合、1枚ドローすることができる。

 山本はドローンを出さずに今場にいるアーティファクトを使って2枚目のプレアデスを出そうかと考える。

 だが、前のターンに考えたようにまだ相手の墓地にはヘルパトを消費していない。

 これでは次のターン奇跡がもし起こり、インフェルニティの爆発的な展開にはプレアデスだけでは防げないと思ったので、プランを変えるしかない。

 

「ドローンnsします。ベガルタを攻撃表示。バトルフェイズ入ります。モラルタでセットモンスターを攻撃」

 

 守備力が2000もあるネクロ警戒でモラルタから殴ったが、表になったのは《インフェルニティ・リベンジャー》。

 ネクロ警戒とは言ったものの、ネクロがもし前のターンに手札にあったとしたら、相手の妨害札警戒関係なしに田中は召喚していたはずであるのでこの読みはない。

 だが、有利なフィールドである山本にとっては全くリスクのない読みであるのはいうまでもない。

 

 リベンジャー。田中がピン刺ししているカードである。レベル1のチューナーモンスター。

 このカードが墓地に存在し、自分の手札が0枚の場合、自分の他のモンスターが戦闘破壊されたとき、そのモンスターのレベルと同じとなって復活する効果があるが、使いづらいその効果からおまけとみている田中。

 田中がこのカードを採用した理由の1つとしては、いつでもデーモンでサーチでき、またダグレやチェインで墓地に送れることでシンクロ召喚を行えること。

 リベンジャーはレベル2の《インフェルニティ・ビードル》とよく比べられることがあるが、リベンジャーは1枚だけ入れるのでエクシーズ型のインフェルニティの邪魔になることは少ない。

 ビードルは自身を2体に分裂する効果を持っているが、その代償としてデッキに3枚も圧迫することとなる。

 また、リベンジャー型は4シンクロと強力な8シンクロを狙うのが特徴だが、ビードルではレベル6とレベル9という何とも言えないシンクロモンスターが多いと田中は考えているため、ビードルの採用はありえないと感じている。

 

「ベガルタとドローンでダイレクト」

「食らいます」

 

 ここでようやく田中のライフが動く。1400と1600の2体の直接攻撃でライフは5000まで動く。

 カードが何もない田中にはこの攻撃はとても痛い物。アドバンテージにも差がつけられてしまい、正直敗北を考えていた。

 

「メイン2。ドローンとベガルタでエクシーズして《アーティファクト-デュランダル》をss。ドローン効果でワンドローします」

 

 プレアデスを出すのではなく山本が考えたプランはこれ。

 デュランダルは2つの効果を持っており、どれか1つだけを相手ターンでも自分のターンでも好きな時に発動できる。

 1ターンに1度、フィールド上でモンスター、通常、魔法、罠が発動したとき、相手フィールド上の魔法・罠カード1枚を選んで破壊する効果に変えることができるもの。

 山本の場には魔法罠が存在していないが、ドローンの効果でアーティファクトモンスターか魔法・罠を引くことができれば、この効果を使うことができるようになる。

 「何か来い」と心の中で念じながらデッキの上のカードを引く。

 

「………っ!?」

 

 引いたカードを見て山本は苦い顔をする。カードを伏せなかったのでアーティファクトでも魔法でも罠でもなかったようだ。

 

「このままターンエンドです」

「ドローフェイズに入ります。ドロー」

 

 ここが田中のラストターンなのだろうか。ライフはまだ5000あるとはいえ、デュランダルが存在する山本の場では、インフェルニティの田中は側はかなり追い込まれた。

 カードを伏せられるだけで無効効果を発動させられてしまう。こうなってしまうと逆転の手が出せない。チャンスは今しかないと。

 

 奇跡が起きれば、この辛い場でも逆転の一手がある。そう信じて手札0のこの状況で祈りながら田中はドローをする。

 あのカードが来てくれればまだ可能性はある。引いたカードは……。

 

「引いたカードはデーモンです。特殊召喚したい。何かありますか」

「ふぁっ。デュランダル効果発動します」

 

 奇跡のトップデーモン。それを見た山本は驚きながらもデュランダルの効果を使い、封じ込める。

 デュランダルのもう1つの効果。それは互いの手札を全てデッキに戻し、その枚数分ドローするという魔法カードである《リロード》と同じ効果なもの。

 デーモンはドローして特殊召喚するとき、手札から見せて発動する。だが、デッキに戻してしまえばその特殊召喚効果は発動することはない。

 

「シャッフルお願いします」

 

 山本は自分でデッキをカットし、その後、不正がないよう認めるかのように田中にシャッフルをやらせる。

 だが、まだデュエルは終わったわけではない。この後の1枚ドローがある。ここで何かを引ければまだ可能性がある。

 

 

 

 

「トップデーモンです。ssしたいです」

「……。うわぁ……」

 

 デッキに戻したはずなのに再びドローした田中のドヤ顔を見て、思わず口にしてしまった。

 他のデーモンは墓地に2枚存在している。唯一残っていたデーモンをデッキに戻したはずなのに、再びデッキの上に戻るというミラクルが起きた。

 イカサマだと思ったが、最後にシャッフルしたのは山本本人。これは認めざるを得なかった。

 

「だけどデュランダル効果チェーン2で発動したんで、タイミングを逃すんでデーモンssできないですよ」

「そうなんですか?」

 

 タイミングを逃す。遊戯王でも難しいと言われるルールであり、遊戯王の上級者であっても詳しく知っているのは少ない。

 一連の効果処理の途中で、間に何かが起きるとタイミングを逃すのがこのゲームの特徴。

 デーモンの効果は「このカードをドローした時」と書かれている。

 これは任意効果であり、チェーン2のデュランダルのリロード効果で、新たにデーモンを引きなおしたことで、最初に引いたチェーン1で組んだデーモンの効果が不発になったことで引きなおしたデーモンの発動タイミングがなくなった。

 

「でもヘルパト墓地にあるんで終わりじゃないです」

「だろうね」

 

 どちらにしろ、ヘルパトが墓地に存在しているのでデーモンのタイミングを逃したところで、結局これで特殊召喚ができる。

 

「ヘルパト効果デーモンss」

「チェーンして《増殖するG》を打ちます」

 

 前のターンでドローンで引いた手札の《アブソード・ポット》がデュランダルのリロード効果でGとなったことで、ここで発動できる。

 山本の伏せが存在しないことで、田中は妨害なしでこれからソリティアできると思ったがGの登場で少し、嫌な顔をする。

 G。の効果は手札から発動できる誘発効果。相手プレイヤーが特殊召喚されるたびにカードを1枚ドローできる効果を持つ。

 インフェルニティの性質上何度も特殊召喚を行き来することから、Gとの相性はかなり悪い。このドローでアドバンテージを広げてしまうので、このGの存在からインフェルニティはせいぜい中堅どまりという声は大きい。

 

「……。ミラージュサーチしてns」

 

 

 《インフェルテニィ・ミラージュ》。制限カードであるガンと同じくこのカードを墓地へ送ることで墓地の2体のインフェルニティを蘇生できる効果を持つ。

 こう効果を説明するとパワーカードと思われがちだが、多くミラージュを採用してしまうと、墓地にインフェルニティが来る前に引きすぎてしまい、手札を0枚にできないということが発生してしまう。

 だが、結局ミラージュなくても大量展開できるので、このリスクを考えてミラージュは採用する派かしないか派かわかれるらしい。

 田中はもちろん大量展開したいという夢を持っているので前者である。その夢が叶い、大量展開をこれから行う。ミラージュが無ければガン発動後に展開ギミックがないので負けていただろう。

 この田中のデッキ構築が大会で役にたったということだ。

 

「ミラージュ効果でネクロ2体ss。ネクロ効果でリベンジャーssとデーモンss。デーモン効果でブレイクサーチしてセット。デーモンとネクロとリベンジャーで《ワンハンドレッド・アイ・ドラゴン》ss。ワンハン効果で墓地のミラージュコピー。」 

 

 考えることなくまるで直感でプレイしているかのごとく、高速で呪文を唱えるようにモンスターを広げていく田中。

 それに対して妨害札が全くない山本は、田中が特殊召喚されるたびに無言でドローをする。このドローの仕方でほぼ勝負は捨てているような感じがしたが。

 田中はGのドローでもしかしたらこの展開を防ぐことができるヴェーラーを引いてしまうのではないかと、内心ドキドキしながら続けていく。

 

 ここで使ってレベル8のシンクロモンスターワンハン。

 効果は2つあるが、1つはインフェルニティでは使われることは全くない。

 残りの墓地の闇属性モンスターを除外することで、そのモンスターの効果を得ることができる効果がとても重要である。

 これで再びミラージュの蘇生効果を使える。せっかくシンクロしたモンスターがコストとなって消えてまたワンハンの素材がよみがえる。

 素人には一周まわってるだけの行動であると思われがちだが、この行為はかなり意味がある。

 このコンボでもう1度デーモンを呼び出すことになるので、墓地のミラージュとエクストラのワンハンの数だけバリアやブレイクなどといった伏せカードを増やすことができる。

 だが、事故率やエクストラデッキの圧迫がひどいのでどちらも1枚ずつの採用であるが。

 

 シンクロ素材であるリベンジャーとミラージュからできるコンボが強いので、これもまた田中のミラージュとリベンジャーの採用理由である。

 

「ワンハン効果でネクロデーモンss。デーモン効果でブレイクサーチしてセット。ネクロ効果でデーモンss。効果でバリアサーチしてセット。デーモンデーモンで《No.101 S・H・Ark Knight》ss。効果でデュランダル吸収」

 

 アークナイトは1ターンに一度、オーバーレイユニットを全て取り除き相手の特殊召喚された攻撃表示のモンスターをこのカードのオーバレイユニットに吸収できる。

 アークナイトも先攻1ターン目で使ったダイヤウルフと同じで、素材になったカードを全て取り除くことができるので相性がとても良い。

 これで場にはモンスターがモラルタだけとなった山本は、焦り始める。この状況を覆す何かをGで引きたいのに、何も引くことができない。

 

「ネクロネクロでリヴァイss。リヴァイ効果でミラージュss」

「うまいですね」

 

 墓地から蘇生できないという制約のミラージュも意味はなさず、除外ゾーンから使いまわす田中のプレイングに驚く。

 これもさっき使ったワンハンの利点でもある。これがリベンジャー型インフェルニティのコンボ。

 

 通常ならエクストラデッキの圧迫からリヴァイエールの採用は1枚だが、山本は先攻《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》ができる確率が上がるからといった考えでリヴァイは2枚採用をしている。

 もったいないとはいえ悩んだ末にこういうエクストラデッキの構築ができたことで、本番の大会ではさらなる展開を作ることができたのだ。

 

「ミラージュ効果でネクロデーモンss。デーモンのサーチ効果は発動しません」

 

 ここでデーモンのサーチ対象であるバリアとブレイクがとっくにデッキから切れたことで発動はしなかった。

 田中の場はアークナイト、リヴァイエール、ネクロ、デーモン、デーモンという場となった。それにまだネクロは未使用なので、まだまだ展開は尽きることはない。

 

 0だったフィールドからここまで来るにあたって田中は特殊召喚は計11回もしたわけだから、山本もそれに比例して手札0枚だったのに手札はGの効果で11枚にもなってしまった。

 ヴェーラー臭すら一切感じさせない山本だったが、ここまでドローしたわけだ。このあとの展開を何も防ぐ手段がないわけではない。

 今の環境からメインヴェーラーは微妙だと感じて、サイドデッキから採用している山本。だがメインから入っている手札誘発はGだけではない。

 

 この《オネスト》の存在だ。10枚目のドローでようやく引き抜くことができた。まだまだチャンスはあると山本は考える。

 自分フィールド上の光属性モンスター戦闘を行うダメージステップ時にこのカードを手札から墓地へ送る事で、エンドフェイズ時までそのモンスターの攻撃力は、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力の数値分アップする。

 アーティファクトは全て光属性で統一されているから、もちろんこのカードも何の苦もなく入れられる。

 これの存在に気が付くことなく攻撃表示で棒立ちしているモラルタに、田中が攻撃してしまえば、このターンライフ5200もある山本は負けるはずはない。

 このターンの猛攻をオネストで山本は防ぐことができたら、Gで増えたアドバンテージで増えてしまったバリアブレイク関係なしに、押し切れることもできかもしれない

 

「デーモンデーモンでダイヤウルフss。ダイヤウルフとモラルタ破壊で」

「あっ」

 

 まさかの2枚目のダイヤウルフ。インフェルニティでは展開を持て余すことが多いので、このカードを2枚採用していることは全然珍しいことも何もない。

 オネストで迎え撃つプランがこれで台無しになってしまう。田中はもしかしたらオネストの存在があると、警戒してのこのプレイングだった。

 

「リヴァイ、デーモン、アークナイトでダイレクトアタック。なければ勝ちですけど」

「何もありません」

 

 

 ここにて田中で勝者が決まる。だが、まだまだ1戦目が終了したばかり。大会ルールのマッチ戦だから2戦勝利したデュエリストが優勝となる。

 だが、これから行われる2戦目は互いにこのデュエルから見た、相手の弱点カードを探ることができる。メタゲームが始まる。

 いわゆる互いのデッキを対策しまくって次の2戦目、3戦目のデュエルが行われる。

 勝利したことで有利なのは田中なのだが、次のデュエルの先攻は山本である。最初に話通りに次に有利な先攻を取ることができるのは山本だ。

 インフェルテニィ対策をとることができる山本は1ターン目から、封じこめることも可能だ。

 だが、同じくアーティファクト対策をとることもできる田中も、サイドデッキから投入したカードで、強気にいくこともできるかもしれない。

 田中と山本、2戦目、3戦目の試合はこれからどう転がるのか全く見当がつかないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 このように大会では運だけではなく己のデッキ構築の段階から勝利が決まることもある。

 新たなカードの登場により環境の変化、新しい既存のカードの使い方からいくらでも可能性がある。

 田中のように古くから存在するインフェルニティのような中堅デッキをずっと使い続け極めるものもいる。

 山本のように新しく登場したカテゴリーをこれから極めて自分のものにしようとするものもいる。

 そう、デュエルの楽しみ方は無限なのだ。カードの組み合わせが無限に存在するように。




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