孤独の森   作:芦田 夏糸

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まだ春も来ていないのに、怖い話を書こうかと思います。
今回も、ゆっくり書いていきますよ。


第一話

 

 

都内にある某神社を囲む神樹の森は、噂が絶えない有名な所だ。

夏に成れば風物詩と言って極一部の若者達が足を踏み入れては、二度と某神社の話をしたがらない程、不思議な体験をする。

 

可笑しな囁き声を聞いてから、耳鳴りが止まらなくなり、眩暈、吐き気を催し、神社の管理者に発見されるまで神樹の森の入り口付近で倒れていた。

同じ場所をグルグル回って、一定の時間敷地内から出れなくなった。

神社の敷地に入った時刻と、出た時刻が同じだった。

森の奥から祭囃子が聞こえた為、不思議に思い行ってみたら、音が聞こえた筈の辺りは静まり返っていた。

 

何処まで話が大きくなっているか、それを置いて話したとしても。

話を大きくして語るのは怪談話をする上の、良くある手だ。

 

しかし、この神社。

調子に乗って若気の至りを働かす若者以外にも、とある噂話を頼りに様々な人が入り込むのだ。

 

 

大型掲示板で転がって居そうな、何処かで聞いた事の有る怪奇現象を目にしようが、精神を病めてしまう程、恐ろしい目に合おうが。

どんなに危険なリスクを背負おうとも構わない。

 

そんな、姿勢すら見られる。

 

 

上の怪奇現象よりも、奇っ怪なジンクスに近い[存在]が居る。

そして、それに会う為に、散々な目に合う。

その、[存在]を目にすれば。

 

 後は、よくある話だ。

 

[恋人同士に成れた][宝くじが当たった][受験に受かった]

 

その点では他の心霊スポット成る物とは一線を引いて[某神社]は違っている。

つまりは、幸福を得たいが余り、危険を犯す。

その願いは例え他人から「下らない」が切り捨てる程度だとしても、仏にも縋りたい願いも持つ者が集まるのだ。

 

得体の知れないモノを見るが為に、神社へ踏み入れる。

一種の度胸試しにすら捉える事も出来るが、そんな見栄を張るが為の行為には思えない。

 

何とも馬鹿馬鹿しい話では有るが、わざわざ恐ろしい体験をしに行く。

偶然にもそれらしき存在を目にした者はには、望んだ結果が付いてくる。

 

それ等が更にが人を呼び、話は大きくなり。その話に隠された[事実]が見えなくなる。

 

 

 

 

それも、よくある話なのだ。

 

 

 

 

 

* * *

 

 

暑い。

どうしてこうも連日で[今年の最高温度]が来るのだろうか。

地球温暖化は嘘だったと言う輩の横っ面を、ぶっ叩いてやりたい気持ちで一杯だ。

 

可愛らしいハンカチでは、肌からジワリと染み出す汗を受け止められず、首に白いタオルを巻いた。

遠くから見ても、近くから観察しても、祖父祖母の農業を手伝う村娘とでも言おうか。

お洒落に巻こうも、アレンジの仕様がない。

乙女心と羞恥心は、朝の登校時に背負投をしてやったので、今は黙り込んでいる。

 

「あっつい…」

 

誰しもが思っている事を口にする。

都内で同じ言葉を、同時刻にて言った者は何人か居るかも知れない。

余りの暑さに、木陰へと避難する。

 

短く切りそろえた桃色の髪を、何とか一つに纏め、結い上げる。

少しは首元が涼しくなったのか、彼女は満足そうに首をタオルで拭った。

 

 -サクラー!

 

背後で彼女を呼ぶ声がする。

それに返事してやると、先生からの呼び出しがあったと告げられる。

成績の良い彼女の事だ。呼び出しと言っても、赤点云々の話では無く生徒会の事だろう。

赤点とは無縁の少女は、首に巻いていたタオルを外し握り締め、名を呼んでいた少女と共に校舎へと向かっていった。

 

 *

 

夏休み前と言う事で、多くのプリントを印刷され、生徒会室に放置する形で山をなしていた。

後は冊子をして纏められるだけの紙山。それ等を、呆気にとられながらも長机の上を眺める。

しかし、少なからず予想はしていた。

そのお陰で、初っ端から挫けずに済んだ。

 

それが数十分前の事だ。

 

「ねぇ、本当にこれ、私達だけでやるのぉ?」

 

隣りで、サクラと一緒に来たいのが悲鳴に似た声を上げた。

仄かに埃臭い生徒会室に備え付けられた年代物の扇風機にも負けない音量でだ。

 

 -信じらんない!幾ら何でもコレは教師の仕事でしょう!

 給料に見合った働きをしなさいよねっ!

 

などと、教師に対しての恨み辛みを、ここぞとばかりにブツブツと呟く。

しかし、スラリとした伸びやかな手を止める事無く、早く終わらせたい一心で機械的に動かす。

文句を言っても、作る冊子の数が減るわけでもない。

せっせと手を動かさなければ、この詰まらない単調な作業から開放され無いのは分かっている。

 

この作業を、頼まれたのは仕方が無いと言えば、仕方が無い。

元はといえば、生徒会のみでの仕事であるが、他の部活を掛け持ちしている生徒が多いので、こうした学校に貢献する作業を頼めるのは極僅か。

たまたま、部活動が休みだったこの二人に白羽の矢が当たったのだ。

気分が乗らない友人の気力を上げる為にも、サクラは一つ提案を持ちかけた。

 

「これ終わったらさ、食堂にカキ氷食べに行こう」

「あ、それいいかも」

 

思わぬサクラからの提案に、いのの曇った表情が晴れやかになる。

俄然、やる気が出てきたと、何味を頼もうか、練乳は沢山かけてもらおう、二入で心をフワフワ浮つかせた。

 

紙の山の半分が冊子になるか、成らないか。

いのが担任のアスマや、生徒会担当の教師である筈のカカシ不参加に、また文句を言い始めた辺りだ。

 

乱暴に生徒会室の扉が開かれる。

 

「ちぃーっす」

 

髪色が赤に近いショッキングピンク、メガネを掛け、制服を着崩した女子生徒が生徒会室を覗き込んでいた。

 

「よぉ、手伝いに来たぜ」

 

ニカリと歯を見せて、人懐っこい笑みを見せている。

突然現れた女子生徒に、サクラは驚いた。

 

「香燐!バトミントン部は休みじゃ無いでしょう?」

「ンだよ、折角ウチが手伝いにやって来たって言うのによ」

 

女子にしてはガサツな物言いでは有るが、手伝う姿勢は有るようだ。

サクラが作ろうとしていた冊子の半分を取り上げる。

あ、っと驚きに声を上げるサクラを無視して、それを仕上げ様と手元にたまたま合った紙数枚と重ね合わせるた。

しかし、どう見ても可笑しい。

 

「ちょっと、香燐。手伝おうとしてるのはいいけどさ、それ、ページ違うわよ?」

「…あ”?」

 

いのに突っ込まれ、香燐は怪訝そうな顔をしてみせた。

気付いて居なかったのだろうか。

ホッチキスで止めようとしていた手を止め、パラパラと冊子を捲り、ページの確認をすると納得したように頷いた。

 

「ホントだな」

「アンタやっぱり天然入ってるわよね、流石はナルトの親戚…」

 

目を瞑り、うんうん、と頷く度にポニーテールが揺れた。

サクラもそれは前々から思ってはいたが、口にしてはいけない気がして、黙っていた事である。

それをこの親友はズバリ確信をついて、ベストなタイミングで言い放つ。

 

香燐はそれを聞くと、髪色にも負けない程、顔を真っ赤にさせメガネをカチャカチャと弄りだした。

 

「う、うるせぇ!な、なんでウチがあの馬鹿男と似てるだなんてっ、」

 

そこで、いのの目が鈍く光った。

 

「あらぁ?似てるとは言ってないわよ?[流石、ナルトの親戚]とは言ったわね。…もしかして、自分が天然だって自覚あり?」

「おいぃっ!!」

 

直ぐに頭に血が上り、実にオーバーなリアクションを返してくる香燐はいののオモチャになる。

ここも金髪の同級生と似ている点でもある。

揶揄ってやれば面白いと言っていた。

コロコロと掌で転がされる香燐を、可愛そうだと思いつつ、サクラも彼女が見せる赤面と、恥ずかしがり反発する様を可愛いと思ってしまうのは、救いようがない。

 

人が増えた事により、多少は心に余裕が出来た。

サクラが香燐に冊子の作り方や、ページの説明をキチンと教えれば、黙ってそれに頷き真面目な顔つきで作り始めた。

その真剣な横顔を、ニヤニヤと面白いモノを見るように顔を歪めるいのを止めるのにサクラは体力を使ったが、途中参加の香燐のお陰で、思ったよりも早く終わった。

 

「終わったら、食堂でカキ氷食べに行こうと思ってたの。」

 

 -香燐も一緒に行こう?

 

サクラが誘えば、香燐は顔を赤くして吃りながらも、それに了解する。

 

「相変わらず、素直じゃないのねー」

「う、うるせぇなぁっ…!」

 

いのに肘で小突かれながらも、満更では無さそうだった。

西校舎と、食堂が有る東校舎を結ぶ廊下に、黄色い声が響き渡る。

 

誰かヒットを打ったのか、聞良い音と歓声にバックホームを指示する大声。

地上で青春を謳歌する蝉の合唱が重なり、騒がしくも、心地よいと思ってしまうのは、今この空間に満足しているからだと、サクラは頭の片隅で思った。

楽しげに笑う友人達を目を細めて見詰める。

 

(なんでだろ。いつも通りの筈なのに、)

 

何気ない日常に幸福を感じでしまうのは、何かしらのフラグだと誰かが言っていた。

その先に起こると思われる事態に、強い不安を感じる取るからだとか。

 

 

(まさかね)

 

 

 *

 

どうして、こうなってしまったのだろう。

夏の定番だとは頭では解っているものの、余計な考えが過ぎりそれどころでは無かった。

隣に居る筈の友人達の声が、遠く、離れて聞こえた。

うわん、うわんと低く響く耳鳴りがそれを邪魔している。

赤い苺のシロップと氷だった物が混ざり、その甘い冷たさを満喫する間もなかった。

 

 『でさ、9時に踏切前に立っては駄目なんだってさ』

 『馬鹿言え。それが本当だったら、何人死んでんだよ。嘘に決まってるだろっ』

 『じゃあ、何でこんな噂があるのよぉ。香燐、説明出来る?』

 『出来る訳ねぇだろ!』

 

 -そんな、は、話…。な、なぁ、サクラ。

 …サクラ?

 

名を呼ばれ、意識が浮上する。

頭の中を支配していた耳鳴りが止まり、視界もクリアになった気がした。

 

「え…?なんの話?」

 

サクラの気の抜けた返答に、盛り上がっていたテンションを急に下げられ、いのも香燐も肩を下ろす。

何か大変な事を仕出かした事に気づく。

 

「ごめん、話の腰を折っちゃったわね」

「いや、別に良いけどさ。まぁ、今から話す話題の方が大事なのよ」

 

 -いーい?二人共、意識飛ばさないでよ。

 

今度は何を語りだすつもりだろうか。

香燐は息を呑み、サクラは少しだけ意識を飛ばす。

真面目に聞いても、悪い方向にしか向かさなさそうだからだ。

 

 

 

 

 

 -あのね、[願いが叶う神社]って知ってる?

 

 凄いいっぱい木が生えていて、森って言うのかな、ああ云う場所は。

 そこがね、昼間でも薄暗くって、もう雰囲気がバリバリ有るのよ。

 そこで[あるもの]を見て、見た瞬間[強く願ったモノ]が叶うんだって。

 

 [白い人]って云うの。

 白い人は名の通り、白い。兎に角、白い。真っ白なの。

 だけどそれは、身に付けている物が全て白いからなどと言う話じゃなくて、本当に全身が真っ白。

 肌も、髪も、全て白。

 

 それがね、夕方になると、その神社に現れてフラフラ…って出るんだってさ。

 神社って言っても、敷地内よ。森の中の方なの。

 

 それだけだと、何となく探索してたら会える感じだと思わない?

 でもね、神社の敷地内に入ると不思議と方向感覚が狂って、帰り道が分からなくなのよ。

 何処から来たのか分からないから、戻るのも一苦労。

 太陽で確認しようとしても、暗くて見えないでしょ?

 コンパス持って入っても、富士樹海みたいに磁石が可笑しくなるらしくって、役に立たない。

 

 ここまで来たら「もう、無理ゲーじゃん!」って思うでしょ?

 

 少し気が抜ける話が入るんだけどさ、夕方って言ってもどうやら白い人が出るのは6時から7時までの1時間みたいなんだよね。

 7時になると、神社を管理してる人とか、警備員とかが見回りを始めて、方向が分からなくなってヤバくなったらその人達を待ってた方が安全に帰れる。

 …ちょっと気が抜けたでしょ?

 何よ、サクラ。

 何か言いたそうな顔してるわね?

 

 

 

 

雰囲気を醸し出し、語り終えたいのがジトリと横目でサクラを見る。

サクラは何度か可笑しな点を見つけ、その度に口をモゴモゴとさせていた。

 

「突っ込み所が有り過ぎて、困るわよ。…何処から話そうかな」

「ちょっと!今いい感じに冷えたのに、文句を付ける気なの?」

「そう言う訳じゃなくて、何だか、『私の友人の友人から聞いた話~』みたいに、厚みが無い内容って云うか…そんな感じよね」

 

意味有り気な暈し方に、気を張り黙って聞いていた香燐も首を傾げる。

 

「だって、そうじゃない。コンパスが使えなく理由は、此処で証明のしようが無いけど。その神社を管理してたり、見回りをしてる警備員の方は[迷わない]の?それって只の慣れ?

その[白い人]が本当に居たら、警備員さん達、願いが叶っちゃうじゃない。一回限りとかそう云う決まり?」

出るわ出るわ。疑問の嵐。

その疑問は香燐も引っかかっていた様で、いのとサクラの顔を交互に見ては応えを待っている。

 

「あのねぇ~…私もまた聴きなのよ。掲示板から拾ってきたの!文句ある?!」

 

 -それにね。管理人と警備員は[見れない]と思うわよ。だって、白い人が現れて消えるのは1時間の間だけで、見回りが始まるのは7時からって決まってるんだから。

 

いのの発言に 何故それを先に言わないと、またもや、サクラは言いたそうな雰囲気を顔に出した。

 

「本当に[白い人]って7時きっかりに消えるのね?」

「そうなんじゃない?噂だけど」

 その二人のやり取りを見ていた香燐が、ゆっくりと口を開く。

 

「なぁ、それって、ウチも聞いた事有るかも」

 

それを言っていいのか、悪いのか、彼女なりに空気を読んだ結果、今のタイミングだったようだ。

 

「それなりに、霊感が強いヤツが行くと、耳鳴りとか目眩とか凄いんだろ?森の奥から笛の音聞こえたりとか」

「え、ヤバ。やっぱガチじゃんっ」

「…ちょっと、結局いのも、冷やかしだったんじゃないの」

 

いのの引き具合に、サクラは今までの真剣さは何だったのだと突っ込みたくなるが、敢えてそれをグッと堪えた。

何を思ったのか、香燐が発砲スチロールで作られた安っぽいカキ氷の器を、端からちぎっている。

落ち着かない香燐の手元を観察しながらも、サクラは香燐の声に耳を傾けた。

 

「神社の森に入って、鬱になった奴とか音高で居なかったか?」

「何よ、それ」

 

香燐が顔を歪め、あっただろ、新聞にも載ってたぞ、と腕を組み言ってみせる。

残念ながら、いのは新聞よりもファッション雑誌での情報収集が殆どで、サクラはその事件を新聞で見た事は有るが、まさか今話している怪談話が関連する話だとは思わなかった。

つまりは両者とも初耳なのだ。

 

「それに、あの神社ってサスケの家が管理してんだよな」

 

 -ウチ、知った時はマジびびった。

 

一瞬、空気が凍った。

そんな話まで、と。

 

「えっと…サスケって、あのサスケ君?」

「そうだよ!うちはサスケ。そいつしか居ないだろ」

 

 -う、うっそー!!

 

学校内の情報を知り尽くした、通称学校噂掲示板のいのも知らない情報が有ったとは。

サクラは、噂の心霊スポットが学校一モテる男が関わっていた事よりも、いのがそれを知らなかった事に衝撃を覚えた。

 

そこから香燐が聞いた話によると、その神社の名は[南賀ノ神社]と云う。

古くからある有名な神社らしいが、ネットの復旧と共に奇っ怪な現象や、有り得もしない話が広まったと思われる。

 

 

「でも、古い神社だったら、[白い人]も昔から居たのかしら?」

 

 

サクラの何気ない疑問に、二人は黙った。

それを知る人物は、この学校内に居ても聞けやしない。

内容が内容であるが為に。

 

「ま、まぁ…。居たんじゃない?多分」

「何だか締まりが無い形で終わったな」

 

 

 -…怖い話。

 

香燐の声がやけに大きく食堂に響く。

 

 

これ以上、関わらなければ。それだけで終わった筈だった。

 

 

 * * *

 

 

「なによ、これ。ヤバ…」

 

時間は深夜の1時を回っていた。

いつもなら、明日に響かないよう寝てしまうが、昼の話が気になり、それを検索してみると、この掲示板がトップで引っかかったのだ。

 

思った以上にあの地は[危ない]らしい。

掲示板から見つかる話題はどれも、これも、作り話にしては危険な臭いがするものだった。

もしかすると、このうちの半分、否、それ以上は本当なのかも知れない。

嘘を作ってまで、この神社の話は書いてはいけない気がした。

 

何がそうさせたのかは、分からないがあの[神社]はオカルトマニアや、心霊スポットマニアにはたまらない場所らしい。

 

(サスケ君の家…近くに有るんだよね…)

 

家族が代々管理者をしているなら、それはごく普通な事だ。

敷地内、とまでは行かないが、徒歩3分もかからない場所に有った筈。

今更ながら、恐ろしくは無いのだろうかと余計な心配をしてみる。

 

カチカチとクリックしては読み進めていく。

スレが立ったのは、どうやら昨日のようだ。

 

話の内容を知るべく。

サクラはネットの海へと神経を集中させる。

 

 

 

* * *

 

 

 

【緊急】おまいらの知恵を借りたい【募集】

 

 

 

1 やっちまったぜZE☆彡  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

 

ちょっとヤバいかも知れない

おまいらの知恵が今オレには必要だ

役に立つコメを期待する

頼む

 

2 没するリア充  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

クソコテ乙

 

 

 

 

3 没するリア充  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

 

まずオチケツ

内容が無いぞ

 

 

4 やっちまったZE☆彡  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

>>2

頼むから真面目にコメしてくれ

 

>>3

悪い

急ぎすぎて書いてなかったな

 

 

 

最初にオレのスペック

 

 

高校生

彼女ナシ

家族と離れて寮で一人暮らし

背 普通

顔 自分では良いと思ってる

 

バイトはしてる

事の発端は先輩によるもの

 

オレは仲の良い大学に行った先輩のつてでバイトを始めた

小さな居酒屋で、結構繁盛していたほうだった

それが突然、客足が遠のいて店が傾き始めた

常連さんまでも来なくなった

そんな店の不景気な時期に、大学に先輩も来なくなった

店長は「何度連絡しても通じないから、お前行ってこい」ってオレに言う訳

サークルの先輩達もオレを頼りにしてるし

オレは先輩のアパートに向かった

 

 

 

4 没するリア充  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

おk

聞いてやるから

 

続けろ

 

 

つか、高校生が居酒屋ってイイのかよ

 

 

5 やっちまったZE☆彡  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

>>4

ありがとうwww

そこは黙っていてくれ。頼むぞ

 

 

先輩のスペック

 

筋トレ命

彼女無し

背 高い

顔 キワモノ(顔が魚類) 

特徴 誰にでも敬語

 

 

先輩は8000円のボロアパートに住んでいる

前台風が来たときに泊まらせてもらったことがあるが

雨漏りがやばかった

 

部屋の鍵は開いていた

ノックしてもブザー鳴らしても返事が無かった

電気もついていないから留守かと思ったが

居留守の可能性も否定出来ない

オレは先輩の部屋へ入った

 

部屋に入った瞬間寒気がした

 

中はやっぱり暗くって何故か湿っぽかった

雨漏りをよくする部屋だったが、こんなに湿っぽくない筈

先輩の寝室に入っても居ない

風呂場にもトイレにも居なかった

もう一度寝室に戻って変わりなかったら帰るつもりだった

 

本当に留守かと思って引き返そうとした時

押入れから声がした

 

「Sですか」

 

先輩だった

 

 

 

6 没するリア充  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

 

先輩は自宅警備員へ退化したんじゃね?

押入れ専属警備お疲れ様ですwww

 

先輩インスマス面wwww

 

 

 

7 没するリア充  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

 

ここはオカルト大型掲示板のスレだぞ

恐ることはない

 

おまえら

トイレには行っておけよ

 

 

 

8 没するリア充  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

 

お前ら聞いておいて知恵貸す気ないだろwww

 

 

 

9 やっちまったZE☆彡  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

 

>>6

先輩はそんな奴じゃない

心臓に毛が生えているんじゃね?ってな奴だぞ

 

その命知らずの先輩があんな感じになってたのはショックだった

心臓に毛が生えていたせいであんな事になったのかと思うと…

臆病なくらいが丁度いいんだな、と思ったわ

 

>>7

おまいもビビってんなwww

トイレ行ったか?

 

その大船に乗りに来たんだよ

助言を貰いにな

オカルト知識0の一般人が

 

>>8

聴き逃げは許さん

 

 

 

先輩は有り得ないくらいに衰弱していた

話を聞くと何日もまともな物を食ってないようだった

殆ど水しか飲んでないようで、最初は吐いたりしてたらしいが

今は胃液も出なくなった、と言ってた

 

↑に書いたように心臓に毛の生えた様な先輩がこんなにやせ細ってるのを見て

オレは怖くなった

取り敢えずオレは土産に買っておいたファミマのデザート大体を差し出した

先輩はそれにムシャブリついた

が、すぐに吐いてしまった

胃が何も受け付けなくなっていた

それでもアクエリを飲んで、少し落ち着いた様子だった

 

先輩は泣きながらオレに縋ってきた

ガリガリなのに有り得ない程に力が強かった

 

「頼む、一緒に付いてきて下さい!」

 

オレの肩を掴んで揺さぶってきた

話によると、この前オレに内緒で合コンを開いて

もの凄く盛り上がった

珍しいことに、先輩の事がタイプだって子もいたらし

 

暑いからこのまま肝試しをしようって事になった

 

いつもなら冷静な先輩が調子に乗って、いつもしそうもないことをした

先輩は同級生の大型車に乗って女の子達と有名な心霊スポットへ向かったワケ

 

その時、連れの女のコがしてしまった事で…事件は起きた

 

 

 

10 没するリア充  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

 

そして、非リア充の零が・・・

俺らの怨念が…

 

 

 

11 没するリア充  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

 

どこのスポットだよ

 

夏厨沸きすぎ掲示板にガキも増えた

まじ邪魔

 

 

 

12 没するリア充  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

 

そのスポットによればこのスレの盛り上がりも変わるぞwktk

 

>>11

そして盛り上がればこのスレも住人によって晒される危険性が出てくる

それでも良いのか>>1

 

んで>>11変に古参醸し出して叩かかれんなよ

 

 

 

13 没するリア充  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

 

曰く付きの13ゲト

 

>>12

許可は取ってないよな、あれ

そのせいでスレからの情報で特定された奴居るらしいし

面白いから張り付いて見てるわw

 

 

 

14 没するリア充  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

 

13トラレタ

 

俺はあのアイドルとかひな壇芸人が大げさな怖がり方が無理だわ

生理的に無理

 

俺だったら、静かに漏らす

 

 

 

15 やっちまったZE☆彡  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

 

 

>>10

あれはお前らだったのか

でも、あれはマジで冗談に出来ない

 

>>11

まあ待て

今書く

聞いて驚くなよ、オカルト音痴な俺でも分かるスポットだ

ガキはどこにいてもやっかいだよな

 

>>12

マジでオレ晒されんの?

オレはいいが、先輩には気の毒だ

そこまで、盛り上がらないように頼むぞお前ら

 

>>13

このサイトでは13が名誉ある番号なのかwww

 

特定されるのか…(怖)

ま、その御陰でオレがここに居るわけだから、文句が言えない立ち位置だわ

 

>>14

芸能人は騒いでリアクションとってなんぼだしな

そのアイドルが乳デカかったら許す

 

漏らすな我慢しろ

 

 

 

因みに○○県にある南賀ノ神社

一応ここから◇◇神社って伏せとく

 

有名過ぎて泣ける

何で先輩そこに行った…

 

 

 

16 没するリア充  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

 

!!?!??!!!!?!

 

 

17 没するリア充  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

 

南賀ノ神社!(;゚Д゚)!

お前のセンパイ馬鹿じゃね!?

 

 

 

 

18 没するリア充  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

 

南賀ノ神社キタ━━━(゚∀゚)━━━!!wktk

 

祭りだ!祭りだ!

酒もってこい!

 

 

 

19 没するリア充  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

 

おうおう、集まってくるぞ

オカルトに飢えた輩がな…

 

 

 

 

20 没するリア充  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

 

>>1よ悪いがな神社の名は有名過ぎて釣り針がデカいぞ

そして釣られたオレwwwwwwww

 

 

 

 

21 没するリア充  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

 

祭りときいて

 

 

 

 

22 没するリア充  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

 

晒しタイム

キタ━━━━━━━━m9( ゚∀゚)━━━━━━━━!!

 

 

 

 

23 没するリア充  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

 

 

キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!

 

 

 

 

 

24 没するリア充  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

 

>>1の先輩とやら終わったな―――――

 

 

 

 

 *

 

 

 

 

225 やっちまったZE☆彡  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

 

コメが多い!こんなになるとは思わなかった!

ヤバイだろ!

 

もう最後まで書くわ

後に引けない

 

 

 

合コンメンバー

 

女のコ3人と先輩に他1名

女のコはそれなりに、レベルは高かったって言ってた

先輩は顔はアレでも性格は良かったから、良くフツメン、イケメン組みから合コンに誘われた

 

◇◇神社のある地区はオレらが住んでる市の隣だった

もう割れそうだな…

 

そこまで深夜の国道を飛ばして××市の◇◇神社に直行

車内は怖い話で持ちきりで

 

テンションもやばかったらしい

もうその頃から皆感覚が可笑しくなっていった…

◇◇神社が近づくにつれ、何が可笑しいのか笑いが止まらなくなったらしい

何か些細なことでも可笑しかったようで

車が走ってる事も、対向車線から車が走る様も面白くてゲラゲラ笑った

 

◇◇神社につくと道を囲むように、石で固められた腰丈程の壁があった

よくお城の下に組まれてるあの石みたいに、石垣?だっけ、隙間なくつまれた石

先輩達がその壁にそって歩いたそうだ

そんなに急でもないのに、空気が重く歩くのに一苦労で

よせばいいのに、先輩の友人がは怖がる女の子達を脅かしながら

『これ、一つお土産にしないか?』とか言って積まれた石の一つを指さした

 

その友人、変な宗教にハマって頭オカシイんだけど、スッゲェー面白いヤツでその合コンの盛り上げ役だったんだ

一人の女のコは黄色い声で『怖い怖い』って言ったらしいけれど、誰一人オモシロ先輩を止めない

もう一人の女のコも先輩の真似をして、石垣を崩す真似をした

 

そしたら、取れたそうだ

こう、ポロっと簡単に

先輩達は驚いたけれど、気には止めなかった

めちゃくちゃ、頑丈そうに見えたけど、古い作りだから脆いんだって事にしたらしい

 

こうして話を聞いているオレとしては、古い物が現代に残っている時点でもの凄く頑丈に出来ている物だから

そんな“ポロっと”とれる筈無いと思った

 

石垣を一部崩したオモシロ先輩は合コンメンバーに英雄みたいに歓声を受けた

残りの女のコ達も、一人除いてこぞって崩れた石を持ってさ

 

『記念に』とか言って石垣壊し始めた

オモシロ先輩は『俺漬物作ってるから、この石にしよう』ってよ

いつもなら常識人の先輩は止めに入るけど、その時は普通じゃなかったらしい

ボーッとして見てたんだって

先輩も「可笑しいですよね。私が器物損害を止めないなんて」って言ってたし

 

女の子達は流石に持っていこうとはしなかった

でも、帰り、坂を下っている内に一番怖がってた女のコの一人が頭痛を訴えて先輩が背負った

なんでも『まるで石を背負っているみたいでした。筋トレ道具よりも重くて、重くて』

ここまでくるとオレも『あーあ完全に駄目だ』と思ったわ

 

帰りの道は何事もなかったらしい

でも対した人数が乗ってないにも関わらず、車が重く感じて、ハンドルをきるにも苦労した、と言ってた

 

しかもその石、オレへのお土産だったらしい

勘弁してくれ

 

そこまで話していた先輩が突然静かになった

オレは先輩が具合を悪くしたのかと思って背中を摩った

すると、先輩は「ここに来る前に誰か連れて来ませんでしたか?」とか

変なことを聞き始めた

オレは「いえ、誰も」と返した

先輩の目がまともに見れない

 

でもオレは店が潰れそうになってることをいった

すると先輩は泣き始めた

 

「止められなかった私のせいです!」

 

先輩はオレに玄関の靴入れを開けて見ろと言った

言われた通りに開けてみた

中に変な石が入っていた

 

もの凄く黒ずんでいて最初は何なのか分からなかった

人の頭にも見えて、気持ち悪い

寒気の原因が分かった

 

というか、この石を見てオレは悟った

 

先輩はコレを持ってきたせいで可笑しくなったんだ、って

 

 

 

 

226 没するリア充  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

ああ、本格的にやばくなってきた

>>1の先輩ソロソロ…

 

それって楔石だよな…

◇◇神社の石でそれ以外無いし…

 

道にそって積まれた石垣って、その外に部外者が行かないようにした囲いみたいなもんなんだろ?

 

他の女のコもヤバいんじゃないか?

オモシロ先輩もう氏んでんじゃね?もって帰ったんだろ?

 

 

 

227 没するリア充  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

>>1

下手な霊媒師はやめた方がいい

 

 

 

228 没するリア充  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

>>227

つうか、下手でも霊媒師は引き受けてくれないと思うぞ

 

 

 

229 没するリア充  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

 

氏んだな

 

 

 

230 没するリア充  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

 

オモシロ先輩オワタ\(^o^)/

 

 

 

 

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◇◇神社の楔石を持ってきたのか!!

この罰当たり

 

オカルトがオナニーより好きな俺が言うのもなんだが

それはタブーだ

先輩氏ぬぞ

 

 

 

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>>1

先輩まだ生きてるか?

歩けるか?

先輩病院に連れて行ってやれ。

 

 

 

 

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>>1のコテ名が笑えなくなった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワロエナイ…

 

 

234 やっちまったZE☆彡  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

 

楔石!?

あの石ってそんな名前だったのか…

まだ石はある

先輩の近くに置いておくとヤバい気がして

学校に持ってった

今、俺のロッカーに置いてある

 

先輩の異常なやつれは止まったが

変わりに俺のロッカーから怪奇現象が止まらなくなった

学生が噂し始めて、事務員にロッカー開けれ見ろとか言われたり

先公が開けようとしたが、何かが邪魔して俺しか開けれない

 

先輩は今ポカリとアクエリで生きてる

骨と皮って感じ

あの逞しい頼り甲斐がある先輩は居ない

言葉もまともに話せない状態で

時々呻く程度

病院に連れていっても違う病院に入れられそうだったから

連れていってない

 

オモシロ先輩から連絡も来ない

俺はどうなったか分からない

合コンメンバーにも何かしらの手段で連絡取ろうとしてるけど

誰一人連絡が取れない

 

店は潰れた

もしかすると不幸が飛び火しているようだ

何故がオレには来ない

逆にそれが怖い

 

ここに書き込む前に、◇◇神社に関する噂話を纏めたスレを見た

本当にやばかったんだって分かって、静かに焦ってる。

噂が集まって凄い怨念がひしめき合ってる、とか言ってるしな

 

 

 

 

235 没するリア充  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

 

>>1

オモシロ先パイも気になる

 

それ、返しに行った方がいいかもな

速攻で!

 

 

 

236 没するリア充  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

◇◇坂も怖いが

俺は先輩の体力の多さが怖い

 

体力お化け

 

:(;゙゚'ω゚'):サムィー

 

 

 

237 やっちまったZE☆彡  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

 

わかった、知

オレに出来る先輩への恩返し…

 

 

 

おまいら有難う

 

 

 

 

 

 

238 没するリア充  20**/**/**(×) **:**:**.** ID:*********

 

 

 

行っておくが>>1

お前も行くんだよ

 

 

関わっちまったからな――――――――

 

 

 

 

* * *

 

なんてモノを寝る前に見てしまったんだろうか。

サクラは深い溜息をつき、ベットに身を投げた。

無論、サクラはその夜を眠れずに過ごす事となる。

 

 

 

 

 

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