”HELLSING最強の糸使い”の弟子に恋しなさい!!   作:とある月好き

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初投稿です。基本好き勝手書いてるだけなので、よろしく。


試験と旅立ち

「なぁ師匠、始めて半日経ったぜ。もう年なんだからあんまり無理すんなって。」

 

「えぇ、流石に年には敵いません、もう指先の感覚がありませんよ。もう少し若ければまだまだイケるのですがね。」

 

 曇天の中、”九鬼財閥”によって用意された人工島で二人の”死神”が相対する。

 

「だろ、俺も実はかなり辛くてさ、どうよこの辺りで・・・止めにしないか?」

 

「いつも若いことを自慢していたアナタが何を弱気になっているのです。この老いぼれより先に音を上げるなど・・・」

 

 無数のおびただしい”スクラップ”と瓦礫の中二人の声が響く

 

「いや、流石に三日三晩ぶっ続けで兵隊どもとヤってたんだ・・・その最後によりにもよって師匠と"死合い”とか———————ギブアップぐらい許せよな。」

 

「残念ながら・・・これはアナタが”ヘルシングの死神”となるための試験でもあり選別でもあります。”まった”も”無理”も認められません。」

 

「俺はその試験だか、選別だか知らないが何も説明の無いままここに来たんだ。勝手な理屈押し付けんなよっ!!」

 

 ——————まるで鉄が捻じれるような音と共に二人の間に火花が散り、瓦礫が崩れる——————

 

「前もって伝えた筈ですが、最後の試験は当日になるまではわからないと」

 

「言ってたが・・・説明ぐらいあると普通思うだろ!!」

 

 火花は不規則に二人の周囲を激しい音の中散り、スクラップから漏れた軽油に引火する。

 

「だから"ガキ"なんだよお前は、なんにでも説明書があると勝手に思いやがる。」

 

 ————————————二人の視界が炎で包まれる————————————

           

                瞬間!!

 

  「誰がガキがジジィ!!」——「お前だよクソガキィ!!」

 

 驚異的な速さで飛び出す二人50メートルはあった距離は一瞬で縮む!!・・・40・・・”音が段々と強くなる”・・・30・・・”激しく火花が舞う・・・20・・・二人の体から血煙が上がる・・・10・・・”無数細い光が二人の体全体を包む・・・1・・・”「「死ね!!」」”—————勢い止まらず交差する時———————

 

「マジかよ!?・・・確実に獲ったと思ったのに!!」

 

「糸が切れましたか、流石にあれだけ干渉しあえば当然といえば当然ですが。」

 

 ほんの少し前まで二人の全身を包んでいたこの糸は鋼鉄の装甲車をも切断できるほどの鋭さと強度がある特別製なのだが。細い糸状の金属であるそれは所々から擦り切れ無数の束となり二人の周囲に落ちる。引火した炎は広がり続け辺りが黒煙に包まれる。

 

「あ~ぁ・・・師匠もういいだろ、得物も互いになくなったし潮時だろ。」

 

「えぇそうですね。これ以上はただの時間の浪費でしょう。アナタの成長は見れましたから」

 

 先の雰囲気がウソのように消える、まるで何事もなかったように喋りあう二人

 

「それでいつ迎えは?まさか泳いで帰れなんて言わないよな。」

 

「既に連絡済みです、あと2,3分もすれば迎えのヘリが来ますよ。」

 

「———————それは準備がよろしいことで。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「——————結果はどうだった?」

 

 

「パーフェクトでございます。お嬢様」

 

ロンドン郊外にあるとある屋敷、その一部屋で、今回の最終試験について話す、ヘルシングの主”インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング”とかつて死神の異名を持った老執事”ウォルター・C・ドルネーズ”

 

「だろうな、報告書を見ただけでも十分だったがお前の意見も聞いときたかったからな。」

 

自然とインテグラの顔に笑みが浮かぶ

 

インテグラは手元の資料に目を落とす。

 イギリス陸軍の歩兵部隊精鋭50名、武装を施した装甲車六輌、戦闘ヘリWAH-64三機、センチュリオン2輌、試験開始から3時間後対象Aと接触、戦闘行動開始、2時間の経過ののち部隊の7割以上の戦闘不能を確認し、これ以上の作戦続行を不可能と判断、部隊の撤退を開始。

部隊の安全区域移動を確認したのち爆撃機によるAへの攻撃を開始、同時に巡洋艦からの砲撃を開始。Aが地雷原エリアに突入を確認、爆撃、砲撃の中断、再度遠距離射撃に特化した部隊を投入——————etc

 

試験開始、48時間経過これ以上の対象Aへの攻撃は無駄と判断し、全部隊の島からの離脱を確認後・・・最終プランに移行——————死神の投入。

 

12時間後・・・試験終了の信号を受信、近くで待機していた救助艦を派遣

 

 最終被害

全歩兵部隊計200名、負傷

装甲車六輌、大破

戦闘ヘリWAH-64伍機、大破

センチュリオン4輌、大破

巡洋艦1隻、中破

 

 

「ずいぶん派手にやったものだ死傷者が出ていないのは奇跡だな。」

 

「マサトも随分と手心を加えたようで。」

 

「だが今回は多方面に随分と借りを作ってしまったな苦情書と請求書が机に収まらないほどだ。」

 

 笑みを浮かべていた顔が途端苦悶に染まり、不機嫌な声色に代わる

 

「仕方ありません、今回の試験はヘルシングの武力を世界へ伝える・・・宣伝の効果を期待したものでもあります、派手にやらなくては意味がありません。」

 

「ふん、まぁそうだな。ところで肝心のマサトはどうした?」

 

「今は。”アーカード”に会いに行ってます。そのうちにお嬢様の前にも現れますよ。」

 

「そうか、転入の手続きはもすませているからな。いつ出て行ってもいいが——————日本か」

 

「川神学園でしたね。日本の武の聖地だと聞いてます。彼らしいといえば彼らしい学校でしょう。」

 

「生まれた地に戻るのはいいが8年はここで過ごしていたんだ、通うならこちらのハイスクールに通えばいいものを。」

 

「”試験が終われば好きにする”。そういう契約でした、既に準備も済ませていますね。試験の際、協力していただいた九鬼の伝手を辿ったようです。・・・あそこは九鬼の日本支部がありますから。」

 

「まぁ暫くは好きにさせるさ、ただいつでも呼び戻せるようにはしておけよ。ウォルター」

 

「承知いたしました。インテグラお嬢様」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ヘルシング邸地下~

 

 

「珍しいな、お前がここを訪ねてくるのは」

 

「あぁ、アーカードさん・・・屋敷を出る前に挨拶ぐらいはと思ってな」

 

部屋の暗がりから現れるアーカード、いつもの特徴的な服装をしておらず、全身黒ずくめのためいきなり現れたよう錯覚する。

 

「殊勝な心掛けだな、生意気な小僧も成長したということか。」

 

「貴方にもお話になりました、礼の一つも言いますよ。」

 

「ならばもう用は済んだろうさっさと行け小僧。」

 

「——————では失礼いたしました。アーカードさん、また何処かで。」

 

「—————胸を張り自信を持て小僧、お前の強さは俺が保証してやる——————」

 

「ありがとうございます。俺が知る限り”最強”の貴方にそう言ってもらえるだけで大満足ですよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

インテグラ様や師匠とも別れをすませ、最低限の荷物を詰めた大きめのバックを肩に担ぎ、まちわせの場所に着く。

予定より早くついてしまったが・・・・・・視線の先に二人の九鬼の執事服に身を包んだ男、どうやら先方はもう来ているようだ。

 

 

「早いですね、お待たせしましたか?」

 

「いえ、我々もつい先ほど来たばかりです。予定の時間より30分は早いですよ”直江正人様”」

 

 人の良さそうな笑顔で答える執事

 

「俺達はここでお前を迎えるためにいる、多少遅れようとも文句は言わんが、いい心がけだな。」

 

 見たでわかる、かなりの強さを持った執事、武の頂点に近い位置にいる人物だろう

 

「ありがとうございます。・・・・・・貴方たちが九鬼の迎えの人でいいんですかね?」

 

「これは挨拶が遅れ大変申し訳ございません。私は九鬼従者部隊序列3位を預からせていただいております。クラウディオ・ネエロと申します。クラウディオで構いませんよ。」

 

「俺は、九鬼従者部隊0位ヒューム・”ヘルシング”だ」

 

「ヘルシング?」

 

 つい訝しげな眼を向けてしまう、ヘルシングの名はこのイギリスだけでなく世界で特別な意味を持つのだ。

 

「気にする必要はないお前が所属している組織とは今は無関係だ。」

 

「そうですか。」

 

「自己紹介も済みましたので、直江様が宜しければ何時でも出発できますよ。」

 

「別れは済ませました、お願いします。」

 

「では、ついてこい”ヘルシングの新たな死神”」

 

「ヒューム、異名呼びなど・・・直江様に失礼ですよ。」

 

「いえ、構いませんクラウディオさんその異名は俺の誇りですから。」

 

「名前負けしないようにするんだな、死神の先代は俺でも死を覚悟する程の戦士だった。それほどの実力がお前にあるのか?」

 

 こちらを値踏みするような視線を隠そうとせずその鋭い瞳が、”お前にその異名を持つ資格があるのか”と問う。

 

「えぇ、実は余り自信はなかったんですがつい先ほどつきました。」

 

 彼の言葉がなければ、もしかしたら動揺したかもしれない程の圧を感じた

 

「ほぅ?」

 

「貴方以上の怪物に”お前は強い”と言われましたから。」

 

  ひどく落ち着いた頭で言葉が出る。

 

 一瞬だった、ヒュームが驚愕の表情をしたすぐ冷静になったのか。顔を戻し、そして不敵に笑う

 

「そうかならば問題はないな。死神」

 

「あぁ問題ない。」

 

「どうやら、話は終わったようですね。迎えの九鬼の飛行機が向こうで待っていますよ。」

 

 

「すみません。案内お願いします。」

 

 

 

 

 

——————そしてイギリスを離れ、いざ向かうは故郷、川神の地——————

 

 

「今帰るよ、父さん、母さん、大和」

 

 死神となった男は約束を守るため川神にに戻る。あの日の少女に思いをはせながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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