この素晴らしい奉仕部に祝福を!   作:149

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#5 邂逅と正体

カエル討伐の翌日。俺は一睡も出来ずにギルドに向かっていた。だって俺を逃さないためとか言って俺の両隣で寝るんだもんあの二人。健全な男子高校生が寝れる訳がない。つまり死にかけみたいになっていた。

 

「佐藤君おはよう」

 

「おはよ〜!」

 

「…おはよう」

 

ギルドの扉を開け、カズマたちを探し見つけると近寄り声をかけた。

 

「おうおはよう…?」

 

カズマは俺の方を向くととじっと俺を見つめた。

 

「どうした俺の顔をじっとみて」

 

「いやなんか昨日より目がすごいことになってる気がして…」

 

あぁ寝てなくて犯罪者ばりに目がやばいことになってんのか。

 

「気にすんなこれはデフォルトだ」

 

そう流しつつ3人とも席に座る。めぐみんは一心不乱に食事をし、アクアは店員を捕まえておかわりをしているようだった。どうやらカズマたちは遅めの昼飯をとってるみたいだ。てゆうかめぐみんは明らかに女の子の食欲じゃないだろもはや思春期男子並だろあれ。

 

「ハチマンたちはなんか食べるか?」

 

「じゃあなんか頼んで食べるわ雪ノ下たちはどうする?」

 

「私もいただくわ」

 

「私も!丁度お腹減ってたんだよね〜」

 

メニュー手にとり、何があるのか眺めていた。

 

(へぇ〜さすが異世界見たことないようなのがいっぱいあるな。…ん?え?ジャイアントトードの肉?あれ食えんの?)

 

そう驚きながらも俺たちは注文を済ませた。

 

「ところで聞きたいんだがスキルの習得ってどうやるんだ?」

 

めぐみんがフォークを握り締めたまま顔を上げ

 

「スキルの習得ですか?そんなもの、カードに出ている現在習得可能なスキルってところから…。ああ、カズマは冒険者でしたね。初期職業と言われている冒険者は、誰かにスキルを教えてもらうのです。まずは目で見て、そしてスキルの使用方法を教えてもらうのです。すると、カードに習得可能スキルという項目が現れるので、ポイントを使ってそれを選べば習得完了なのです」

 

冒険者は確か全てのスキルが習得可能だったはずだ。要するに器用貧乏みたいな感じか…。

 

「…つまりめぐみんに教えて貰えば、俺でも爆裂魔法が使えるようになるってことか?」

 

「その通りです!」

 

すっごいくいつきをみせるめぐみん。

 

「その通りですよカズマ!まぁ、習得に必要なポイントは馬鹿みたいに食いますが、冒険者は、アークウィザード以外で唯一爆裂魔法が使える職業です。爆裂魔法を覚えたいなら幾らでも教えてあげましょう。というか、それ以外に覚える価値のあるスキルなんてありますか?いいえ、ありませんとも!さぁ、私と一緒に爆裂実を歩もうじゃないですか!」

 

「ちょ、落ち、落ち着けロリっ子!つーかスキルポイントってのは今3ポイントしかないんだが、これで習得できるものなのか?」

 

「ろ、ロリっ子……!?」

 

カズマの一言にショックを受けたのかしょんぼりとうなだれていた。

 

「冒険者が爆裂魔法を習得しようと思うなら、スキルポイントの10や20じゃきかないわよ。10年ぐらいかけてレベルを上げ続けて一切ポイントを使わず貯めれば、もしかしたらしゅうとくできるかもね」

 

そんなまつのか長いな。俺は届いたジャイアントトードの肉を食べながら話に耳を傾けていた。あ、意外にうまいこれ。

 

「ふ…この我がロリっ子…」

 

うなだれためぐみんは「…この胸が…」と呟きながら自分の胸を見た後顔を上げ由比ヶ浜を見ていた。わかるよすごいもんな何とはゆわんけど。めぐみんの視線に気付いたのか由比ヶ浜が

 

「どうしたのめぐみん」

 

「いえ…なんでもないです…どうせ私なんか…」

 

またうなだれ再び定食をもそもそと食べ始めた。まぁどんまいめぐみん由比ヶ浜は格が違うのだろう。などと考えていると

 

「ヒッキー」

 

由比ヶ浜が俺に声をかけ

 

「ごめんなさい」

 

俺は反射的に謝ってしまった。別にやましいこと考えてたからとかじゃないよ?ハチマンウソツカナイ

 

「?…なんで謝ってるの?」

 

「い、いやなんでもないそれよりどうした?」

 

「スキル欄に新しいのが出てるんだけど」

 

そう言い俺にスキルカードを見せる

 

「…スライム召喚…か」

 

(十中八九昨日のスライムだろう。でもそれなら任意召喚ってなんなんだ?テイムしたモンスターを任意で召喚するのかと思ったけど…まだわからないことが多いな)

 

「多分昨日のスライムだろう。また後で召喚してみればいい」

 

「そ、そうだよねわかった」

 

何故か若干顔を引きつらせていた。

 

「なぁアクア。お前なら便利なスキルたくさん持ってるんじゃないか?何か、お手軽なスキルを教えてくれよ。習得にあまりポイントを使わないで、それでいてお得な感じなの」

 

アクアは水の入ったコップを片手にしばらく考え込む

 

「…しょうがないわねー。言っとくけど、私のスキルは半端ないわよ?本来なら、誰にでもホイホイと教えるようなスキルじゃないんだからね?」

 

アクアはコップを指差しそのコップを頭の上に乗せ

 

「さあ、このタネを指で弾いてコップに一発で入れるのよ。すると、あら不思議!このコップの水を吸い上げた種はニョキニョキと…」

 

…これってどう考えても

 

「誰が宴会芸スキル教えろっつったこの駄女神!」

 

「ええーーーー!?」

 

めちゃくちゃ心外とゆう風に叫ぶアクア。いや地味に気になるんだけど確かに覚えたいかってゆわれたら覚える気わかないけど。そしてアクアもめぐみんの隣でうなだれながらタネを指で弾いて転がしていた。どんだけショックなんだよ。ただ落ち込むのはいいけどコップを頭の上から下ろして欲しい。単純に目立つからほんとにやめてほしい。

 

「あっはっは!面白いねキミたち!ねえ、キミがダクネスが入りたがってるパーティーの人?有用なスキルが欲しいんだろ?盗賊スキルなんてどうかな?」

 

横から突然声をかけられそちらを向くと二人の女性がいた。声をかけたのはほおに小さな刀傷のある身軽な格好をした銀髪美少女にガチガチのフルプレートの金髪美少女。てゆうか銀髪美少女の方戸塚に似てるな…あぁ戸塚に会いたい。戸塚に会えるなら死ねる。そんなことを考えていると軽く違和感を覚えた。

 

(…どこかで会ったことある気がする…でもあんだけ可愛いなら忘れるはずないんだが…てかダクネスって誰)

 

「えっと、盗賊スキル?どんなのがあるんでしょう?」

 

その質問に上機嫌で

 

「よくぞ聞いてくれました。盗賊スキルは使えるよー。罠の解除に敵感知、潜伏に窃盗。持ってるだけでお得なスキル盛りだくさんだよ。キミ、冒険者なんだろ?盗賊のスキルは習得にかかるポイントも少ないしお得だよ?どうだい?今ならクリムゾンビア一杯でいいよ?」

 

カズマは少し考え

 

「よし、お願いします!すんませーん、こっちの人に冷えたクリムゾンビアを一つ!」

__________________________________________________________

 

「まずは自己紹介しとこうか。私はクリス。見ての通りの盗賊だよ。で、こっちの無愛想なのがダクネス。昨日ちょっと話したんだっけ?このこの職業はクルセイダーだから、キミに有用そうなスキルはちょっとないと思う。けどなんでキミもついてきたの?」

 

俺は違和感が引っかかりついてきていた。ちなみに雪ノ下由比ヶ浜はまだ食事中だったので置いてきて残り二人はしょぼくれたままだったので放置してきた。

 

「まぁ盗賊スキルが気になっただけだ」

 

「なるほどまぁ特に問題はないからいいけどじゃあ始めようか」

 

「ウス!俺はカズマっていいます。クリスさんよろしくお願いします!」

 

「ではまずは《敵感知》と《潜伏》をいってみようか。じゃあ…ダクネスちょっと向こう向いてて?」

 

「…ん?…わかった」

 

ゆわれた通り反対を向く。するとクリスがタルの中に入りダクネスに石を投げつけそのまま樽に身を隠した。…え?これが潜伏?

 

「……」

 

石をぶつけられたダクネスは無言でクリスの入ってる樽に近づき、

 

「敵感知…敵感知…!ダクネスが怒ってる気配をぴりぴりかんじるよ!…ダクネス!?わかってると思うけどスキルを教えるために仕方なくやってることだからね!?お手柔らかにぁぁぁぁぁ、やめてえええええええ!」

 

タルごと横にひっくり返されゴロゴロと転がされていた。敵感知なくても怒ってるのわかる気がするが…そこは触れないでおこう。そのあと目が回っていたクリスが回復しクリスの一押しスキルである窃盗という魔法を教わっていた。

 

「じゃあ、キミに使ってみるからね?いってみよう!『スティール』っ!」

 

クリスが手を突き出し叫ぶと手には財布のようなものが握られていた。

 

「あっ!おれの財布!」

 

どうやらカズマの財布らしい。幸運依存だからあれかもしれないが幸運が強い奴が使うと確かに便利だ。

 

「おっ!あたりだね!まぁ、こんな感じでつかうわけさ。それじゃ、財布を返…」

 

そこまで言いかけて何か思いついたのかにんまりと笑みを浮かべ

 

「…ねえ、私と勝負しない?キミ、さっそく窃盗スキルを覚えてみなよ。それで、あたしから何か一つ、スティールで奪っていいよ。それが、あたしの財布でもあたしの武器でも文句は言わない。この軽い財布の中身だと間違いなくあたしのものの方が価値があるよ。どんなものを奪ったとしても、キミはこの自分の財布と引き換え…どう?勝負してみない?」

 

とかずまに勝負をふっかける。当の本人は悩んでるみたいだが口元は軽く微笑んでいる。

 

(多分受けるだろう。しかし…)

 

俺は違和感の正体に気付き確信していた。

 

(後でカマをかけるか)

 

「さっそく覚えたぞ。そして、その勝負のった!何とられても泣くんじゃねーぞ?」

 

悩んでた割にノリノリだなこいつ

 

「いいねキミ!そういう、ノリのいい人って好きだよ!さあ何が取れるかな?今なら財布が敢闘賞。当たりは、魔法がかけられたこのダガーだよ!こいつは四十万エリスは下らない一品だからね!そして、残念賞はさっきダクネスにぶつけるために多めに拾っといたこの石だよ!」

 

こっちもか。

 

「ああっ!きったねえ!!そんなのありかよっ!」

 

確かに汚い拾った石を見せびらかしながら超ドヤ顔してるしだから自信満々で勝負吹っかけたのかこの人。

 

「これは授業料だよ。どんなスキルも万能じゃない。勉強になったでしょ?」

 

「よし、やってやる!俺は昔から運だけはいいんだ!『スティール』っ!」

 

叫ぶとカズマの手には何か握られていたそれを恐る恐る開いていくと…白いパンツだった。

 

「ヒャッハー!あたりも当たり、大当たりだぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

「いやぁぁぁぁぁぁ!ぱ、パンツ返してええええええええええええっ!」

 

…俺はいるパーティー間違えたかもな…。クリスは自分の服を押さえながら、涙目で絶叫した。

__________________________________________________________

あの後カズマがクリスの身ぐるみほとんどはいでギルドに戻ろうとしていた。

 

「…クリスさん」

 

「?」

 

半泣きになりながらこちらをみる。

 

「うちのパーティーメンバーがすいません」

 

「いやぁ〜あたしが勝負吹っかけたからなんも言えないんだけどね…まさかパンツとられるとは思わなかったよ。…それよりギルドに戻ろうか八幡君」

 

この話は終わりと言わんばかりにギルドに歩いていく。やっぱりだやっぱりそうだ明らかにおかしい。最初は戸塚に似てるから違和感を持ってるのかと思ってたけど。さっきので確信した。のでカマをかけることにした。

 

「ところでエリス様今日は仕事はないんですか?」

 

「ああ、仕事ですか?仕事なら今日はありませんよ。私に仕事がないのは平和なのでなによ…」

 

今までとは全く違う喋り方で喋るクリスいやエリス様。

 

「な、なにをいってるの八幡君確かにエリス教徒だけどエリス様なんてそんな」

 

「…俺まだあなたに名乗ってませんよ」

 

そして固まった。そう俺はまだ自己紹介をしていないのだ。なのに俺の名前を知っているのはおかしい。

 

「こんなとこでなにやってるんですかエリス様」

 

「…ばれましたか。流石ですね比企谷八幡さん」

 

そう観念したようにエリス様の口調で喋り始めた。

 

「こうしてる事情はまた今度説明します。そしてこのことは二人の秘密にしてください」

 

そう言い頭を下げた。俺は慌てて

 

「わ、分かってますよ。元から秘密にするつもりです」

 

こうやって姿を変えてこの世界に降りてきてるのはなにかしら事情があるのだろう。てゆうかカズマエリス様のパンツとか色々追い剥ぎしたのか…うんあいつクズだな。

 

「ありがとうございます。それじゃギルドに戻りましょう。それと…この姿の時は砕けてもらってクリスとして接してくださいお願いですよ?」

 

そう笑顔で俺に話しかける。俺が違和感を抱いた理由はこれだった。笑う姿がエリス様に似ていたから違和感を抱いたのだ。

 

「わかった…善処する」

 

クリスはふふっと笑うとギルドに戻っていった。

__________________________________________________________

 

ギルドに戻ると何故かギルドにいた女性陣が冷ややかな視線を向けており雪ノ下や由比ヶ浜まで引いている。そしてその視線の中心にいたのは

 

黒いパンツを手に持ったカズマだった。なにやってんのあいつなんでまたパンツ持ってんの?

 

「…なにやってんの」

 

このまま他人のふりをしてどっか行こうか迷ったが声をかけた。近寄るのは心底嫌だったが雪ノ下たちを放って帰れんし一応パーティーメンバーだし一応。

 

「ハチマンハチマン聞いてカズマさんったらめぐみんがスキル習得できたのか聞くとまあみてろって言い出してスティールをしたの。そしたらめぐみんのパンツをとって…」

 

「おい待てほんとに待て別にとろうと思ってとったわけじゃないから!ほんと待って!ハチマン!助けて!」

 

まぁしょうがないここは…

 

「確かに路地裏でもクリスのパンツとか財布とか色々はいでたもんな」

 

俺がそう言うといよいよカズマを見る周囲の女性たちの視線が冷たいものになっていく。ふっこれも天罰だ戸塚に似ているしかもエリス様のパンツをとったんだ。天罰だ天罰。そんな空気になっていく中、突然バンッとテーブルが叩かれダクネスが立ち上がっていた。

 

「やはり。やはり私の目に狂いはなかった!こんな幼げな少女の下着を公衆の面前で剥ぎ取るなんてなんと言う鬼畜…っ!それにそこの男の目つきは見られるだけで興奮してしまう…っ!是非とも…!是非とも私を、このパーティーに入れてほしい!」

 

「いらない」

 

「んんっ…!?く…っ!」

 

カズマの即答に、ダクネスが頬を赤らめてブルッと身を震わせた。こいつあれだ確実に変態だ。とゆうかドMだ。なに俺の目つきで興奮するって貶してるのか褒めてるのかどっちなのそれ。

 

「ねえカズマ、この人だれ?昨日言ってた、私とめぐみんがお風呂に行ってる間に面接に来たって人?」

 

「ちょっと、この方クルセイダーではないですか。断る理由なんてないはずではないのですか?」

 

まぁ恐らくとゆうか確実にめぐみんとアクアと同タイプだと思ってるからだろう。アクアは性能は女神だからいいはずだけど中身がポンコツ、めぐみんも火力こそ最高威力なもののやっぱポンコツ。だから断りたかったのだろう。

 

「…実はなダクネスめぐみん。俺とアクアたちは、こう見えて、ガチで魔王を倒したいと考えている。という訳で俺たちの旅は過酷なものになることだろう。特にダクネス、女騎士のお前なんて、魔王に捕まったりしたら、それはもうとんでもない目に合わされる役どころだ」

 

恐らく魔王討伐でビビらせて身を引かせようって作戦なんだろうが…てゆうかちゃっかり俺たちを入れるな俺は極力働きたくないんだ。

 

「ああ、まったくその通りだ!昔から、魔王にエロい目に合わされるのは女騎士の仕事と相場は決まっているからな!それだけでもいく価値がある!」

 

「えっ!?…あれっ!?」

 

どうやらドMには逆効果らしいてゆうか燃えたぎってる。

 

「えっ?…なんだ?私は何かおかしなことを言ったか?」

 

どうやら無自覚らしい。カズマはダクネスのことは諦めめぐみんに標的を移した

 

「めぐみんも聞いてくれ。相手は魔王だ。この世の最強の存在に喧嘩売ろうってんだよ、俺とアクアたちは。そんなパーティーに無理に残る必要は…」

 

それを聞いためぐみんが立ち上がりマントをばさっとひるがえしながら。

 

「我が名はめぐみん!紅魔族随一の魔法の使い手にして爆裂魔法を操りし者!我を差し置き最強を名乗る魔王!そんな存在は我が最強魔法で消しとばして見せましょう!」

 

厨二病にも逆効果らしいこっちも燃え滾ってる俄然やる気になっちゃってるよ。てゆうかめちゃくちゃ注目集めてるからやめてボッチは視線に敏感なの。入るパーティーを間違えたかなと後悔をしていたその時

 

『緊急クエスト!緊急クエスト!街の中にいる冒険者の各員は、至急冒険者ギルドに集まってください!繰り返します。街の中にいる冒険者の各員は、至急冒険者ギルドに集まってください!』

 

街中に大音量でアナウンスが響き渡る。

 

(魔王かなんかが攻めてきたのか…!?それだとまずいまだ駆け出しもいいところなのに)

 

「おい!緊急クエストってなんだ?モンスターが街に襲撃に来たのか?」

 

不安げに聞くカズマに焦っている俺たち四人とは対照的に何故か嬉しそうなダクネスとめぐみん。ダクネスが嬉々とした声で

 

「…ん、多分キャベツの収穫だろう。もうそろそろ収穫の時期だしな」

 

…………………………は?

 

「は?キャベツ?キャベツって、モンスターの名前か何かか?」

 

そんなカズマをかわいそうな人でもみるかのようにみるめぐみんとダクネス。危ねえ俺も聞くとこだったありがとうカズマ

 

「キャベツとは、緑色の丸いやつです。食べられるものです。」

 

「噛むとシャキシャキする歯応えの、美味しい野菜のことだ」

 

「そんなこと知っとる!じゃあ何か?緊急クエストだの騒いで!冒険者に農家の手伝いさせようってのか、このギルドの連中は?」

 

「あー…。カズマは知らないんでしょうけどね?ええっと、この世界のキャベツは…」

 

説明しているアクアの言葉を遮るようにギルドの職員が大声で説明を始めた。

 

「みなさん、突然のお呼び出しすいません!もうすでに気付いている方もいるとは思いますが、キャベツです!今年もキャベツの収穫時期がやってまいりました!今年のキャベツは出来が良く、一玉の収穫につき1万エリスです!既に街中の住民は家に避難していただいております。では皆さん、できるだけ多くのキャベツを捕まえ、ここに納めてください!くれぐれもキャベツに逆襲されて怪我をしないようにお願い致します!なお、人数が人数、額が額なので、報酬の支払いは後日まとめてとなります!」

 

…………………よし帰って寝るか。何キャベツで怪我するって何キャベツから避難って。見ると雪ノ下や由比ヶ浜、カズマもなに言ってんだこいつはみたいな顔をしてた。その時、ギルドの外で歓声が起こった。それが気になり外の様子を見にいくと街中を緑の物体が飛び回っていた。日本人組四人が立ち尽くしているとアクアが解説を始める。簡単に言うとこの世界のキャベツは収穫時期になると食われてたまるかと飛び逃げるらしい。なんなのこの世界ほんと。

 

「比企谷君…やる気は湧かないのだけれど魔法や体ならしにはいい機会じゃないのかしらそれにお金も稼げるみたいだし」

 

……確かに。それに試したいことも色々とある軍資金を貯める意味でもいいのかもしれない。いいのかもしれないけどキャベツか…。

 

「…由比ヶ浜雪ノ下お前らはカズマたちについてけ」

 

「わかった…けどヒッキーはどうするの?」

 

「俺は実験だじゃあまた後で」

 

そう言うと俺は人気のないところまで走って行き、複数のキャベツと対峙した。周りに人がいないことを確認しイメージする

 

(《雷帝》の感覚は昨日で掴んだ。あとはこれでやれることを増やしていくだけだ。今回試すのは出力調整。まずこのキャベツたちがこげるか焦げないかくらいの電気を体に纏わせる。あとはこれを一気に周りに広げる!)

 

俺の周りを纏っていた電気は瞬く間に広がり次々とキャベツを感電させてゆく。

 

(一発目だけどうまく行ったな。これを無意識でできるようになれば…)

 

とりあえず成功したことを喜び、次々とキャベツを狩っていった。

__________________________________________________________

 

「何故たかがキャベツの野菜炒めがこんなに美味いんだ。納得いかねえほんとに納得いかねえ」

 

無事キャベツ狩りが終わった街中では収穫されたキャベツ料理が出されていた。そのキャベツ料理を食べ悪態をつくカズマ

 

(確かにうまいな)

 

聞いたところによると雪ノ下が魔法で動きを止めたりし由比ヶ浜が止めをさすか回収を続けていたらしい。そこでアクア曰く

 

『ユキノは氷や水の属性が得意だけど火はダメダメね。まぁ水の女神である私には劣るけどね!』

 

とのことらしい。さすが氷のじょ…。雪の下に睨まれた。なに心読めるの?そんなスキルあるの?俺が冷や汗をかいていると

 

「しかし、やるわねダクネス!あなたさすがクルセイダーね!あの鉄壁の守りには流石のキャベツたちも攻めあぐねていたわ」

 

「いや私などただ硬いだけの女だ。私は不器用で動きも早くはない。だから剣を振るってもロクにあたらず、誰かの壁になって守ることしか取り柄がない…その点、めぐみんは凄まじかった。キャベツを追って街に近づいたモンスターの群れを、爆裂魔法の一撃で吹き飛ばしていたではないか。他の冒険者のあの驚いた顔と言ったらなかった」

 

「ふふ、我が必殺の爆裂魔法の前において、何者も抗うことなど叶わず。…それよりもカズマとユキノそれにユイの活躍こそ目覚しかったです。魔力を使い果たした私を素早く回収して背負って帰り、ユキノとユイで周りのキャベツを一掃してましたから」

 

「…ん私がキャベツやモンスターに囲まれ、袋叩きにされている時も、カズマは颯爽と現れ襲いくるキャベツ達を収穫していってくれた。それにユイとユキノもモンスターを狩ってくれた、礼をゆう」

 

「確かに、潜伏スキルで気配を消して、敵感知で素早くキャベツの動きを捕捉し、背後からスティールで強襲するその姿は、まるで鮮やかな暗殺者のごとしです」

 

素直に褒められたからか雪ノ下と由比ヶ浜は微妙に頬を染めていた。てかキャベツにスティールって何

 

「カズマ……私の名において、あなたに【華麗なるキャベツ泥棒】の称号を授けてあげるわ」

 

「やかましいわ!そんな称号で俺を呼んだら引っ叩くぞ!…ああもう、どうしてこうなった!」

 

カズマは頭を抱えテーブルに突っ伏した。その理由がどうやら俺がいない間にダクネスの加入が決まったらしくそのことで頭を抱えていた。

 

「…ふふん、うちのパーティーもなかなか、豪華な顔ぶれになってきたじゃない?アークプリーストである私に、アークウィザードのめぐみんにユキノ、レア職業のユイにハチマン。そして防御特化の上級職前衛である、クルセイダーのダクネス。7人中6人が上級職なんてパーティー、どこを探してもいないわよカズマ?あなたすごくついてるわよ?感謝なさいな」

 

さらに頭を抱えるカズマ。確かにそう聞くと最強のように思えるが、一日一発の火力超重視効率無視の魔法使い、攻撃が当たらない防御特化のクルセイダー、未だに活躍を見ていないアークプリースト。それに聞いた話によるとダクネスはモンスターの中心に突っ込むらしい。まさかとは思うが…

 

「んく…っ。ああ、先ほどのキャベツやモンスターの群れにボコボコに蹂躙されたときはたまらなかったなあ…。このパーティーでは本格的な前衛職は私だけのようだから、遠慮なく私を囮や壁代わりに使ってくれ。なんなら、危険と判断したら捨て駒として見捨ててもらってもいい。…んんっ!そ、想像しただけで、む、武者震いが…っ!ああ!ハチマンが私を見ている…っ!あんな目で見られたら…っ!」

 

そのまさかでした。ただ気持ち良くなりにいっただけでした。てかなんか…うん…濃いなすごく。そんなダクネスに呆れていると何故か背筋が寒くなった。何事かと振り返ると

 

「「…」」

 

何故か無言で俺を見ている雪ノ下と由比ヶ浜がいた。心なしか目のハイライトが消えている気がする。

 

(比企谷君はやっぱり由比ヶ浜さんやダクネスさんのような体が好きなのかしら…)

 

(ヒッキーダーちゃんにデレデレしてるしやっぱ異世界の人の方が好みなのかな)

 

俺は何も見なかったことにして前を向いた。だってこええもんまじで。するとカズマと目があい

 

「ハチマン明日は服や防具を買いに行こうと思うんだがどうだ?」

 

「…いいんじゃないか?」

 

「じゃあ決まりだな。雪ノ下さん達にも言っといてくれじゃあまた明日な」

 

「おうまた明日」

 

カズマ達と別れ雪ノ下達に明日のことを伝達していた。

 

「防具ね。よくわからないのだけれど大丈夫なのかしら」

 

防具とかか正直特に考えてなかったからどうするかな。悩んでいるとあることを思い出した。

 

「…俺たちずっと制服じゃん」

 

「「あ」」

 

取り敢えず明日は防具より服だな…そしても二人に挟まれ色々と悶々としながらもなんとか眠ることができた

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