-エイジ・レンフォード-
17歳。サイド2出身。ブリティッシュ作戦によって家族と故郷を奪われた過去を持ち、悲劇の連鎖を食い止めるべく立ち上がった若きエースパイロット。灰色を基調とする、マグネットコーティング仕様のジムに搭乗する。階級は少尉。
※原案はエイゼ先生。
-アオオニ-
29歳。岐阜出身。アリスノア・カーターの友人でもある流浪の傭兵であり、明朗快活でありながらも義理堅く情に厚い好青年。黒を基調としつつ、ガンダムタイプのバックパックを装着した現地改修機のゲルググに搭乗する。傭兵であるため、階級を持たない。
※原案は蹴翠 雛兎先生。
-ミキエラ・バルボッサ-
37歳。キャンベラ出身。恰幅の良いベテランの女性パイロットであり、若者達を厳しく叱りながらも導いていく、スターイーグル隊にとっての母親のような存在。ジム改に搭乗する。階級は准尉。
※原案はダス・ライヒ先生。
-ガノン・ギルバード-
34歳。サイド3出身。ドズル・ザビに忠誠を誓っていた武人であり、生き恥を晒したまま生き残ることを良しとせず、死に場所を求めて「黒死霊」に参加していた。リックドムIIに搭乗する。階級は中尉。
※原案はバッフロン先生。
-ヴェローニカ・シェーンベルク-
22歳。サイド3出身。ニコラ・バルヒェットに師事していた女性パイロットであり、彼女を倒したという連邦軍への憎しみから「黒死霊」に参加した過去を持つ。灰色を基調とするザクIIS型に搭乗する。階級は曹長。
※原案はクレーエ先生。
『……全くあいつら、俺に任せりゃいいと思って好き放題飛び回りやがってよ。ちったぁこっちにも気を遣って動けってんだ』
リュウジが操縦しているレゾルグ専用MAは、無軌道にメガ粒子砲を乱射している……ようにも見える。
だが実際はスミルの言うように、同胞の機体にだけは当たらないように常に全方位を見渡し、合計29門の射角を微調整し続けているのだ。
それほどの広い視野を持つ彼は当然、真っ向から自分の首を狙いに来ているヴァイス機も捕捉している。だが、その表情に焦りの色はない。
確かにIフィールドバリアを持たないリュウジ機は、ただ無数のメガ粒子砲を搭載しているというだけの、巨大な移動砲台でしかない。強力なビーム兵器を持っているMSに1機でも取り付かれたら、それだけでも致命打になりうる。
『さァて……あんたは果たしてここまで来れるかな? 旦那ァ』
だが。リュウジが操るメガ粒子砲の弾幕と、「黒死霊」のMS隊の迎撃を全てかわし、そこに辿り着くのは至難の業。それを知る「黒死霊」の首領は独りほくそ笑み、宿敵の出方を目を細めて窺っていた。
『素晴らしいMAですな大尉、まるでドズル閣下が蘇ったかのようです……!』
その巨体を遠方から一瞥し、感嘆の息を漏らしているガノン・ギルバード中尉。彼のMS-09R-2「リックドムII」はMMP-80マシンガンの連射でスターイーグル隊のMSを牽制し、その行手を執拗に阻んでいた。
ドズル・ザビに忠誠を誓う武人だった彼は今、連邦軍に一矢報いるという信念に己の全てを委ね、「黒死霊」に参加している。そんな彼にとって、リュウジが搭乗しているMAには特別な意味があるようだ。
『ニコラ少佐の無念を晴らすためにも……貴様達は必ず、私の手で倒して見せるッ……!』
『その意気だぞヴェローニカッ! 我らはまだ負けてなどおらんッ! 己が胸に英霊達の誇りを宿している限り……我らジオンに敗北の2文字はないッ!』
彼の僚機として背後から追従しているヴェローニカ・シェーンベルク曹長の愛機――灰色を基調とするMS-06S「ザクIIS型」も、135mm対艦ライフルで敵方のMSを狙い続けていた。生存率を高めるためか、その両肩はシールドに換装されている。
「五指」の4位ことニコラ・バルヒェット少佐の教え子だった彼女は、敬愛する師を奪った連邦軍への静かな憎しみに燃えているのだ。口数こそ少ないが、その豊満な胸の奥には獰猛なまでの憤怒の炎が滾っているのである。
そんな彼らの猛攻を一身に浴びている1機のジムは、あまりの苛烈さに防戦一方となっていた。懸命にブルパップマシンガンで撃ち返してはいるが、反撃としてはあまりにも手数が足りていない。
その手に装備している、RGM-79HC「ジムガードカスタム」の大楯――ガーディアンシールドが無ければ、とうに撃破されていたのだろう。
『何時までも終わったことに……執着してるってのか、コイツらはッ!』
灰色を基調とするそのジムを駆るエイジ・レンフォード少尉は、それでも屈することなく怒りの咆哮を上げていた。
先の戦争で故郷のサイド2に毒ガスを流し込まれ、家族や友人を全て奪われた過去を持つ彼は、今もなお戦いを止めようとしない残党達への義憤に駆り立てられているのだ。
戦争が終わってもなお悲劇が続いてしまうというのなら、あの時の犠牲者達は一体いつ浮かばれるというのか。そのやり場のない怒りが、彼を突き動かしているのである。
『何も終わってなどいない! 否、終わらせはしないッ! そう思っているのはお前達連邦軍だけだということを思い知るがいい、小僧ォッ!』
『いい加減にしろよ、あんた達ッ! そっちの都合ばかり、押し付けるだけ押し付けてさァッ!』
ブルパップマシンガンとMMP-80マシンガンの銃弾が絶え間なく飛び交い、エイジ機のジムとガノン機のリックドムIIが激しく飛び回る。マグネットコーティングによって強化されているエイジ機の挙動にも、ガノン機は難なく付いて来ていた。
『君のような子供には分からないこと……! そこを通しなさいッ! あの隊長機を潰せないッ!』
『ぐ、あッ……!?』
さらに、ガノン機に気を取られていたエイジ機の隙を突くように。リュウジ機の元へと向かおうとしているヴァイス機に目を付けていたヴェローニカ機は、先にエイジ機から撃破しようと対艦ライフルの引き金を引く。
エイジ機も咄嗟に大楯で防御しようとしたのだが、ガーディアンシールドの装甲でも対艦ライフルの高速弾には耐え切れなかったのか――大楯の上半分が消し飛んでしまった。その衝撃で体勢を崩されたエイジ機は、敢え無く後方に吹き飛ばされていく。
(ヴァイスさんッ……! 助けに行かなきゃいけないのにッ……こんなところで、こんなところで俺はァッ……!)
その時のエイジ機の視界には、真っ直ぐにスラスターを噴かしてリュウジ機へと向かうヴァイス機のジムが映し出されていた。
メガ粒子砲によって焼き切られているヴァイス機の両脚に、散って行った仲間達の姿を重ねていたエイジは、一刻も早く加勢せねばと逸る。だが、ガノン機とヴェローニカ機はそうはさせじと言わんばかりに、エイジ機のジムにとどめを刺そうとしていた。
――すると、その時。真横から飛んできたビームジャベリンの光刃とハイパーバズーカの砲弾が、リックドムIIとザクIIS型の行手を遮っていく。
「新手」の介入を察知したガノン機とヴェローニカ機は、咄嗟に後方に飛び退いていた。すでに両機は、エイジ機の救援に駆け付けて来た2機のMSを捕捉していたのである。
『ぬぅうッ……!? ええい、新手かッ! ヴェローニカ、気を付けろッ!』
『了解……! こいつら、次から次へとッ……!』
ガノン達の前に現れたのは、黒を基調とする鹵獲機のゲルググであった――が、その機体はガンダムタイプのバックパックを搭載した現地改修機であった。先ほど繰り出されたビームジャベリンの投擲も、このゲルググの仕業だったのである。
『しっかりしなエイジッ! 死んで行った皆のためにも、戦いを終わらせたいんだろッ! だったら、こんなところで燻ってる場合じゃないだろッ!』
『アオオニさんッ……!』
ケンジロー・カブト達に協力していたアリスノア・カーターと同じ、連邦軍に雇われた傭兵である青年――「アオオニ」は、良き兄貴分としてエイジに激励の言葉を浴びせている。彼のゲルググは2本目のビームジャベリンを構えながら、エイジ機のジムを背後から受け止めていた。
そんな彼に続き、ハイパーバズーカを装備したジム改もこの場に駆け付けて来る。この機体のパイロットも、アオオニ機と共にエイジ機の援護射撃に動いていたのだ。
『この傭兵バカの言う通りさねッ! あの猪突猛進バカ、あのまま突っ込ませたら間違いなく犬死にだよッ! ここはあたしらに任せて、さっさと行ってやりなッ!』
『ミキエラさん……! ありがとうございますッ!』
経験豊富な下士官として、スターイーグル隊にとっての母として、若者達を叱咤激励してきたミキエラ・バルボッサ准尉。そんな彼女の言葉に背を押されたエイジ機は、スラスターを噴かしてヴァイス機を追い、この場から離脱していく。
その後を追おうとするガノン機とヴェローニカ機の前には、ミキエラ機とアオオニ機が立ちはだかっていた。
決してここを通すわけには行かない、という敵方の殺気を察知したガノンは、好敵手を見つけたと言わんばかりに口角を吊り上げる。次々と増えていく「邪魔者」を前に、ヴェローニカも苛立ちを露わにしていた。
『……我々「黒死霊」は元より、その名の通り亡霊も同然。死など今さら恐れはしないッ! 1機でも1隻でも、道連れにしてくれるッ!』
『ニコラ少佐の仇、1機たりとも逃しはしないッ……!』
『いい歳こいて素直に負けを認められないってだけのガキンチョ共が、なぁ〜にをべらべら能書き垂れてんだいッ! 行くよアオオニ、40秒で始末しなッ!』
『俺は最初っからそのつもりだぜぇ、ママッ!』
そんな「黒死霊」の精鋭達を前にしても怯むことなく、ミキエラ機とアオオニ機は真っ向からそれぞれの獲物を手に挑み掛かっていく。
戦いを終わらせたいと願う1人の少年が行く道を、切り開くために。
『アオオニさん、ミキエラさんッ……!』
その献身を目の当たりにしたエイジ機は、一度だけ振り返るが。やがて後ろ髪を引かれる思いを抱えながらも、正面に向き直りスラスターを噴かしていく。
たった1機で無謀な突撃を敢行している隊長を放っておくわけには行かない。そんな己の心に従い、エイジは操縦桿を強く握り締めていた。
『……エイジ・レンフォード。ジム、行きます……!』
そして、力強い宣言と共にペダルを踏み抜いた瞬間。スラスターを全開にした灰色のジムは、ヴァイス機を追うように飛び出して行くのだった――。
本日を持って、今回のキャラ募集企画は終了となりました! 皆様、この度は本企画にご協力頂き誠にありがとうございますー!(о´∀`о)
Ps
再来月に公開される劇場版「ククルス・ドアンの島」に新シリーズ「水星の魔女」、Switchにも対応するという「SDガンダムバトルアライアンス」。2022年のガンダム界隈も楽しみが多そうで何よりでありますなー(*´ω`*)