-ヴァイス・ヴァレンタイン-
32歳。ミシシッピ出身。開戦当初から戦い続けてきた叩き上げのベテランパイロットであり、冷静な判断力と熱い心を兼ね備えている。ジム後期生産型の指揮官機仕様に搭乗する。階級は中尉。
※原案はヒロアキ141先生。
-カイト・マクラウド-
20歳。グラスゴー出身。ヴァイスの相棒として先の戦争を潜り抜けてきたベテランパイロットであり、熱くなりがちな彼のサポートに回ることが多い。ペイルライダーデュラハンに搭乗する。階級は中尉。
※原案はアメイジングシャドウ先生。
ある機体は首を失い、またある機体は手足をもがれ。五体満足で立っている進駐軍の機体など、もう1機も残ってはいない。
それでも彼らはこのまま、人工の大地の土となることをよしとせず。満身創痍の愛機を引きずり、戦い続けようとしていた。
『……連邦にしちゃあ、よくやった方だと思うぜ。つまらねぇ「祭り」だったことに、変わりはねぇがな』
『ぐ、ぅぁッ……!』
だが、そんな彼らの鬼気迫る殺意すらも跳ね除けて。焼け野原と化した、かつての森林地帯の中央に立つ、ダンテ機のゲルググは。
足元に倒れ伏していたミック機を掴み上げ、とどめの一撃を刺そうとしている。すでにその機体も左腕と、アイデンティティとも言うべき肩部の砲身を破壊されていた。
『寂しがることはねぇぜ、王子様。すぐに屋敷の連中にも、後を追わせてやるからよ』
『チトセ、さんっ……!』
振り上げられたビームナギナタの光刃は、容赦なくジムキャノンのコクピットに向けられている。この場にいる全部隊が壊滅状態に陥った今、それを阻止できる者もいない。
まさしく、絶体絶命――その時だった。
『……!』
ダンテ機が「新手」の到来を感知した瞬間、上空から無数のビームが迫って来たのである。咄嗟にミック機を蹴り飛ばし、回避に徹したゲルググがいた位置に、その閃光が雨のように降り注いでいた。
すでに彼らの頭上には、何機ものMSが飛来していたのだ。続々と降下してくる進駐軍の精鋭――第1部隊は、辛うじて現場に間に合ったのである。
『……MSの反応? なァんだ、また遊んでくれる奴らが来たのかい。モテるねぇ、俺も』
『ぐぅッ! あ、あれは……第1小隊!? ズムシティからはかなりの距離があるはずなのに……まさか、ルゥトゥ大佐が!?』
ミックがその考えに至る瞬間、先陣を切って飛び込んで来た1機のジムが、2本のビームサーベルを同時に抜き出していた。後期生産型を指揮官機仕様にチューンナップしているその機体は、左肩にガルーダのマークを刻んでいる。
『待たせたな皆、よく持ち堪えてくれた! これより第1部隊も、前線に加わるッ!』
第1部隊の切り込み隊長として、真っ先にダンテ機に挑み掛かっていたヴァイス・ヴァレンタイン中尉は、叫ぶように同部隊の参戦を表明する。
彼が振るう2本のビームサーベルは、獲物を食い破る牙のようにゲルググの胴体を狙っていた。数多の死線を潜り抜けてきた、「叩き上げ」の技量は伊達ではない。
『せっかく掴んだ平和なんだ……! それを乱す奴は、絶対に許さねぇッ!』
『ハッ、これはこれは……随分とめでてぇ輩が出て来たもんだぜ! 平和ァ? なァに勝手に終わった気になってんだよ、バカがッ!』
スラスターの出力も向上している彼の機体は、ゲルググのコクピット付近を正確に捉えていた。しかしダンテも、その速攻には完璧に反応している。
ヴァイスの叫びを塗り潰すような怒号と共に、彼の光刃をビームナギナタでいなすと、手首を返して反撃の一閃を放っていた。が、ヴァイス機も咄嗟に2本のビームサーベルを回転させ、ダンテ機の斬撃を防いでしまう。
『戦争が終わったら、平和になるとでも思ってたのかァ? ハハッ、こいつァお笑い草だぜ! てめぇらが脳天気だったばかりに……見な! 町は火の海、仲間はズタボロ! 無惨なもんだぜ、可哀想になァ!?』
『……結局はお前も俺と同じで、戦争の中でしか生きられねぇ輩ってことか。なら……同じ穴のムジナとして、俺の手で葬ってやるよッ!』
一見すれば、互角のようにも見えるが。ダンテ機に施されている改造は、ヴァイス機のそれをも遥かに上回っているのだ。
それを僅かな太刀合わせで察したヴァイス機は、己の技量でその差を埋めねばとさらに意気込む。そこへさらに、彼の「相棒」が割り込んで来た。
『また悪い癖が出ているぞ、ヴァイス! 熱くなり過ぎるなッ!』
『へっ……お前の言う通りだぜ、カイト。危うく、これしきのことでくたばるところだったッ!』
ヒートランスを横から突き出し、ヴァイス機を襲うビームナギナタを凌いだのは――RX-80PR-3「ペイルライダーデュラハン」。そして、その機体を駆るカイト・マクラウド中尉だった。
若手ながら、ヴァイスの僚機として何度も共に戦って来た彼は、阿吽の呼吸で同時攻撃を仕掛けていく。2本のビームサーベルと大型のヒートランスという、強力な組み合わせでの接近戦を挑まれたダンテ機のゲルググは、初めて片足を引いていた。
『随分と物騒な大槍じゃねぇか……! いいぜ、それで俺を殺れるかどうか……試してみな!』
『試すまでもない。貴様は死ぬ、今日ここでなッ!』
それは微かだが、確かな「怯み」。ならば、その僅かな隙が生み出す勝利への可能性を、逃す手はない。
ヴァイス機とカイト機は、ここぞとばかりに絶え間なく得物を振るい、一歩も動かないダンテ機に猛攻を浴びせ続けた。決して反撃の隙など与えない――と言わんばかりに。
『そこかぁあぁッ!』
『おおぉおッ!』
その状況に勝機を見た2人は、一気に押し切るべく大振りな斬撃を放つ。だが、それを待ち構えていたダンテ機の回避によって、彼らは大きく体勢を崩してしまった。
それでも素早く姿勢を整え、ダンテ機が振り下ろして来たビームナギナタを防いだのだが。その光刃に込められた力は、2人の見立てをさらに凌ぐ威力を発揮していた。
『くぅッ……なんなんだ、コイツはッ!? 出力が……出力が違い過ぎるッ!』
『これほどまでに規格外な機体が、今まで手付かずだったというのかッ!?』
『……なぜだと思う?』
ダンテが冷ややかな声色で、そう問いかけた頃には。すでにヴァイス機とカイト機は片腕を切り落とされ、強烈なキックによって転倒させられていた。
苦悶の声を上げる間も無く、焼け野原と成り果てた地面に叩き付けられた彼らは。凶悪に聳え立つ蓬色の鬼神を仰ぎ、戦慄を覚えている。
『……つまんねぇんだよ! あぁあつまんねぇつまんねぇッ! そりゃあそうだろッ、ゲルググだぜ!? 勝って当たり前、殺せて当たり前! そんな戦いですらねぇただの虐殺の、何が楽しいってんだ!? 何に昂るってんだァッ!』
その直後。これまで積もり積もった鬱憤を爆発させるかのように、ダンテが吼える。
彼の怒号に秘められた「理由」。それは「虐殺」ではなく「闘争」を渇望する、戦闘狂ならではの矜持によって成り立つものだったのだ――。
活動報告とあらすじにある通り、連邦軍の新オリキャラ募集企画は5月1日00:00まで続いております。機会がありましたらお気軽にどうぞー(о´∀`о)
これまで参加されたことがあるという方も、初めてだという方も大歓迎ですぞー(*´ω`*)
Ps
今月中の更新は前回で最後となる予定でしたが、第1部隊が戦闘を始める導入部分だけでも先行公開したいなーと思いまして、今日も更新となりました。ここからは未登場の読者応募キャラ達がどんどこ登場しますぞー(*´꒳`*)