-ゲッカ・ヨナミネ-
20歳。千葉出身。漢字表記は
※原案はウォーズ -IKUSA-先生。
ゴールドホーク隊の窮地に駆け付けて来たユリネ機のジムスパルタンが、「黒坊主」ことクラーク・ランドバックのアッガイを撃退していた頃。プラチナファルコン隊の救援に動いていた1機のジムストライカーも、ルティラ機のピクシーと激戦を繰り広げていた。
『あのジムストライカー……やはり、あの「
『す、凄いです……!』
『でも、大丈夫なのかしら……。あのガンダムタイプ、性能だけじゃないのよ。パイロットの腕もかなりのものだったわ……!』
台風の如き戦い振りから、「暴風花」の異名で恐れられているジムストライカー。その勇姿をヴィルヘルミーナ達は固唾を飲んで見守っている。自分達を一蹴したピクシーを相手にしているこの状況では、いくら噂のエースが増援に来たと言っても楽観は出来ない。だが、そんなヴィルヘルミーナ達の不安を吹き飛ばすように、ジムストライカーは軽やかな挙動でピクシーと渡り合っている。
『心配しなくたって大丈夫だよ、皆っ! このアタシ……「暴風花」ことゲッカ・ヨナミネ少佐にぜ〜んぶ任せておきなさいっ!』
満身創痍のプラチナファルコン隊が緊迫した様子で戦況を見守る中、ジムストライカーのパイロットであるゲッカ・ヨナミネ少佐は快活な笑顔を咲かせて友軍を勇気付けている。
焦げ茶色の髪を右側のサイドポニーに纏めた、愛らしさと豪快さを兼ね備えたスタイル抜群の美少女。そんな彼女の愛機であるジムストライカーは夜間迷彩が施されており、左肩には三日月とデイゴの花のパーソナルマークが描かれている。
『そこおぉおッ!』
『ちッ……そんなの当たるもんかッ!』
基本武装に加えてビームライフルを携行しているゲッカ機は、ルティラ機のピクシーをプラチナファルコン隊に近付けさせまいと、牽制射撃を試みていた。ルティラ機としてもビーム兵器をまともに喰らうわけには行かないため、迂闊に近付けず回避に徹している。
『もうエネルギー切れ!? ああもぉおっ!』
だが、本来の装備ではないためか長くは持たなかったようだ。ゲッカ機のビームライフルはすでにエネルギーが底をついてしまっている。こうなれば、ジムストライカーの本領である接近戦で勝負を付けるしかない。
『……ッ!』
ビームライフルを投げ捨てたゲッカ機は、そのまま流れるように素早くツインビームスピアを展開させる。ピクシーのビームダガーとは明らかにリーチが違う、光熱の槍。その迫力に思わずルティラが息を呑む一方、ゲッカは勝気な笑みを浮かべて操縦桿を握り締めている。
『ガンダムタイプなだけあって、なかなかやるね……! でも……帰って美味い泡盛飲むためにも、頑張って生き残るぞ〜……!』
豊満に実った巨乳をぷるんっと豪快に弾ませながら、ゲッカは強気な笑顔で眼前のピクシーを見据えていた。泡盛を任務後の楽しみにしている彼女は、ガンダムタイプのピクシーを相手にしていながら余裕の表情を浮かべている。だが、状況を正しく理解していないわけではない。
(……よりによってガンダムタイプのMSで攻撃して来るなんて、なおのこと許せない。でも、このパイロット……まるっきり性能頼りってわけじゃないみたいだね。悔しいけど……腕は良いっ!)
乗機の性能に依存しているだけのパイロットなら、ピクシーの速さにモノを言わせて突っ込んで来ていただろう。しかしルティラはゲッカの出方を窺うように、深追いすることなく回避に徹していた。その判断が出来るだけのパイロットが、ガンダムタイプに乗っているのだ。手強いに決まっている。
『……確かに今までの連中とは少し違うようだけど、それでもこの程度ならボクの敵じゃあないね。怪我しないうちに帰った方が良いよ、お嬢ちゃん!』
『お、お、お嬢ちゃん言うなぁ〜! これでもアタシはオトナのレディなんだぞ〜!』
ルティラ機からの挑発に対して、「オトナのレディ」であることを主張して能天気に振る舞いつつも、ゲッカはその頬に汗を伝わせて冷静沈着に相手の実力を測ろうとしていた。ぷりぷりと怒る彼女は豊満な巨乳を上下にばるんばるんと弾ませている。
(……なんて強がってはみたものの、ハッキリ言ってこっちの勝ち目はかなり薄い……! 何なんだよ、あのビーム兵器のリーチは! あんなの反則じゃないの!?)
一方。ツインビームスピアのリーチを目の当たりにしたルティラの方も、戦慄の表情を浮かべて頬に汗を伝わせていた。ゲッカ自身の技量も非凡だというのに、ジムストライカーのリーチも常軌を逸しているのだ。
(いくら動きを読めても、このリーチの差じゃあ……!)
同じ近接戦用のビーム兵器ではあるが、ピクシーのビームダガーとは対極の性質であると言っていい。ゲッカが操るあの槍をかわしながら、ビームダガーが届く間合いまで接近するのは至難の業だ。その難しさを実感したルティラの柔肌に、芳しい汗の香りが滲む。
『随分と大袈裟な武装まで持ち出して……。よっぽどボクに恨みがあるみたいだけどさ。こっちもただでやられるわけには行かない! 仲間達をやられてるのはこっちも同じなんだから!』
『キミ個人に恨みは無いよ。でもね?だからと言って、ジオンのやってることを認められるほど……お人好しじゃないのさ、アタシは!』
しかし、だからと言って。ボルドの仇を目の前にして、ここで引き下がるわけには行かない。その一心で戦う決意を新たにしたルティラは、操縦桿を握り締め
そんな彼女の勇姿に共鳴するかのように、ゲッカも乳房を弾ませて操縦桿を押し倒していた。彼女を乗せたジムストライカーもツインビームスピアを振り上げ、ビームダガーを振るうピクシーを迎え撃って行く。
『はぁあぁあッ!』
『でやぁあぁあッ!』
闇夜を駆け抜ける忍者の如く、ビームダガーを手に地を駆けるピクシー。その刺客に真っ向から立ち向かい、ツインビームスピアを突き出して行くジムストライカー。両機の決着は――僅か一瞬の出来事だった。
『くッ……あぁあッ!?』
『でぇえ……えぇいッ!』
ツインビームスピアの刺突を紙一重でかわしたルティラ機が、一気にゲッカ機の懐に飛び込もうとした瞬間。その動きを読んでいたゲッカ機が、即座にルティラ機の腹部に前蹴りを突き出して来た。ニュータイプとしての「直感」でその蹴りを察したルティラは、咄嗟にスラスターを逆噴射させて急停止してしまう。
『く、うぅッ……し、しまっ……!?』
眼前に迫る蹴りをかわそうとするあまり、ビーム兵器を持っている敵の前で足を止めてしまった。それが彼女の「敗北」に直結したのだ。ゲッカ機はその僅かな隙を突き、ツインビームスピアを一気に振り下ろしたのである。
『とぉおぉッ……りゃあぁあぁあッ!』
『が、ぁッ……!? そ、そんなぁッ……!』
その光刃の熱に気付いた瞬間、ルティラ機は咄嗟にビームダガーで受け止めようとした。しかし小振りなビームダガーの出力では、ツインビームスピアの威力は到底止められない。
敢え無くそのまま押し切られたルティラ機は、流れるように片腕と両足を斬り落とされてしまうのだった。まるで、三日月を描くかのような軌道で。
『ぐっ、うぅっ……!』
『大人しく投降しな! そうすりゃ、命は助かるぞぉ?』
両足を斬り落とされ機動力を失ったピクシーは、もはや死を待つ鉄の棺桶でしかない。そんなルティラ機を見下ろすゲッカは、勝利を確信しつつ投降を呼び掛ける。しかしルティラからの返答は、思いがけないものだった。
『ははっ……投降? 冗談じゃない……! スペースノイドだからっていう理由だけで、何も知らないままボクを迫害していた連中に屈服するなんて……ボクは、死んでも御免だよ!』
『……っ!?』
なんと投降を拒絶したルティラは、ピクシーのコクピットから飛び出して生身のまま逃走し始めたのである。連邦軍に心身共に「屈服」することだけは、彼女の人間としての尊厳が許さなかったのだ。ゲッカ機に背を向けて走り出したルティラは、安産型の巨尻をぶるんぶるんと左右に揺らして草原を駆けて行く。
ノーマルスーツを押し上げる扇情的な尻房の膨らみが、月明かりに照らされ蠱惑的な光沢を放っていた。細く引き締まった腰つきの曲線が、豊満な桃の実りを際立たせている。スーツをぴっちりと緊張させている肉感的な太腿も、その存在感をこれでもかと主張していた。月光という名のスポットライトを浴びたルティラの健康的な肉体美に、ゲッカは思わず目を見張る。
(例え負けても、死んでも……! これ以上、アイツらに……いいように弄ばれてたまるかっ! ボクは、ボクはもうっ……アイツらの「玩具」じゃないっ!)
涙を堪えるように唇をキュッと結びながら、ルティラはゲッカ機を背に走り続けている。その脳裏には、過去に味わった恥辱の記憶が過っていた。瑞々しく実った豊満な巨尻を、ばるんばるんと上下に揺らして走るルティラ。彼女は自分の身体を細く優美な両腕で抱き締め、引き締まった腰をくねらせている。
ピクシー奪取のため、連邦軍に諜報員として潜伏していた頃。ルティラは特徴的な発音――いわゆる「ジオン訛り」のせいでスペースノイドであることを周囲の連邦兵達に見抜かれ、何度も虐めを受けていたのだ。昼も夜も場所も問わず、心身共に憔悴し切るまで。
(ボクは……ボクはもう、アイツらのような連中に屈したくないっ! あんな連中に媚びるしかなかったボクにはもう……戻りたくないんだっ!)
ジオンのスパイであることだけは辛うじて露見せずに済んだものの、彼女個人の尊厳は幾度となく傷付けられた。その苦い経験が、「屈服」を拒絶させているのだ。連邦軍への降伏は、死よりも屈辱なのだと。
(声の雰囲気からして、かなり子供っぽいとは思ってたけど……まさか本当に……!? ううん、それよりも……!)
一方。そんな彼女の予期せぬ行動と、(自分以上に)幼く見えるその容姿に瞠目したゲッカは、彼女の「真意」を悟り顔色を変える。それまでの快活さを一瞬で消し去り、剣呑な表情を露わにした彼女は素早くコクピットのハッチを開いていた。
「死んでもだなんて……それこそ、冗談でも許さないっ!」
ピクシーから脱出した彼女の手に握られていた手榴弾。それが意味するものを察したゲッカは、彼女の後を追うようにジムストライカーのコクピットから飛び降りて行く。ジャブローの大地に降り立った彼女は豊満な巨乳と桃尻をぶるんぶるんと激しく揺らしながら、ルティラの後を猛烈な勢いで追い掛けた。
「はぁっ、はぁっ……!」
「……! そんなの……させないっ!」
そして、崖に追い詰められたルティラが自害しようと手榴弾を足元目掛けて振り上げた瞬間。そこに飛び込んで来たゲッカが、渾身のタックルをお見舞いする。彼女の豊満な釣鐘型の巨乳が、ルティラの小振りなお椀型の乳房ににむにゅりと押し当てられて行く。
「でぇえぇいっ!」
「わぁあっ……!?」
その弾みでルティラの手から離れた手榴弾が、崖下へと転がり落ちて行く。ゲッカに押し倒されたルティラが豊かな乳房の温もりに包まれている一方で、落ちた手榴弾は誰も巻き込むことなく爆ぜていた。ゲッカの捨て身の行動により、ルティラは自害すら失敗してしまったのである。
「なっ……! なん、でっ……!? なんでわざわざ邪魔するんだよぉおっ! くそっ、離せぇえっ!」
「キミだって……キミだって、たくさん苦しんで来たんだろうけどさ……! だからって……こんなとこで、みすみす命を捨ててんじゃないよ! 諦めんなぁあっ!」
「……っ!?」
スペースノイドを人とも思わない、冷酷で下劣な男達。そんな連邦兵達に囲まれ、屈辱の日々を過ごしていたルティラにとって、ゲッカの存在は青天の霹靂であった。自爆に巻き込まれるリスクを承知の上で、彼女はルティラを助けに来たのである。
「なんでボクを……! ボクはお嬢ちゃん達の仲間を痛め付けた敵だぞ! そんな奴をどうして……!」
「……アタシはね、こんな戦争をおっ始めたジオンの連中のことは許せないんだ。でもっ……だからって皆が皆、死んでいい存在だなんて……少しも思ってなんかない!」
「う、嘘だ……そんなの嘘だっ! 連邦にそんな人……居るわけないっ! そんなのっ……嘘だぁあっ!」
決着が付いた後ならば、例え敵兵であっても助けようとする。そのような連邦兵がこの世に居ることを受け入れられず、ルティラは駄々をこねる子供のように首を振っていた。
そんな彼女の抵抗を抑え付けようと、ゲッカは豊満な巨乳をむにゅりと押し当てて彼女を組み敷いている。ゲッカの瑞々しい柔肌から匂い立つフレグランスな香りが、ルティラの鼻腔を擽っていた。フラナガン機関に拾われるまで孤児として生きて来た彼女にとって、その匂いは「母」のように甘美で優しい。
「助かったんだろ? それならみっともなくていいから、拾った命に感謝して生きろよ! 死んで楽になろうとするならアタシ……キミのこと、一生軽蔑するからな……!」
「……っ」
「本当の負けは、死ぬことを言うんだよ……! 生きてさえいれば……勝ちなんだからっ……!」
「……本当の、負け……」
死という逃避を許さない厳しさ。敵であっても絶えることのない、慈愛に満ちた優しさ。その両方に触れたルティラは、ゲッカを押し除けようとしていた両腕で――無意識のうちに、彼女を抱き締めていた。母親を求める幼子のように、甘えていた。
そんなルティラの心根に隠された弱さを、ゲッカ自身も感じ取っていたのだろう。彼女は静かにルティラの頭を抱き寄せ、豊満な乳房で彼女の顔を包み込んでいた。母のように優しく温かい香りに、ルティラの表情が僅かに安らぐ。
「……
「ゲッカだよ。ゲッカ・ヨナミネ。キミは?」
「……ルティラ」
それまで、ただの敵同士でしかなかった2人は。この時初めて互いの名を明かし、兵士ではなく人間として触れ合っていた。そんな彼女達の様子を見守っていたプラチナファルコン隊の面々も、この戦いの「決着」を悟り胸を撫で下ろしている。
「……敵討ちがしたいのなら、いつでも掛かって来な。生きてさえいれば、何度でも……アタシが相手になってあげるから」
「……うん……」
月夜の下、優美な曲線を描く肉体を絡め合わせ、互いの温もりを伝え合っているゲッカとルティラ。彼女達の扇情的な肢体にぴっちりと密着しているノーマルスーツが、月明かりに照らされ妖艶な光を放っていた。
ピクシーもジムストライカーもイケメンMSなのでこの対戦カードには作者もワクワクしておりました(*´ω`*)