-ラファエル・フロレンティーノ-
26歳。バルセロナ出身。筋骨逞しいオネエ系であり、人生経験も実戦経験も豊富なナイスガイ。戦後に鹵獲されたドムキャノン複砲仕様に搭乗する。階級は少尉。
※原案はmikagami先生。
-ミヤコ・ウシザネ-
25歳。秋田出身。ジャンナ・セルペンテの友人である元調理兵であり、そばかすが特徴の純朴な女性。装甲強化型ジムに搭乗する。階級は伍長。
※原案はアルキメです。先生。
-デニス・ヴェランデル-
24歳。ストックホルム出身。ヨーロッパ各地を転戦してきたエースパイロットの1人であり、どこか悲観的な青年。陸戦用ジムに搭乗する。階級は軍曹。
※原案はクルガン先生。
-ジャン・パール・ベアルン-
27歳。モンペリエ出身。鉄の女傑と呼ばれる自他共に厳格なパイロットであり、数多の戦場を潜り抜けてきた猛者。ジムストライカーに搭乗する。階級は上級曹長。
※原案はDixie to arms先生。
パリ校外に設けられた模擬戦場の地形は、森や湖畔だけではない。先の戦争で破壊された後、復興が進まないまま市街地戦の演習に使われるようになった、廃都市の一部もエリアに組み込まれているのである。
『デュークちゃんが勝ったらしいじゃない……! アタシ達も負けてらんないわよ、ミヤコちゃんっ!』
『はぁいっ! 頑張りましょうね、ラファエル少尉っ!』
MS-09K-2「ドムキャノン複砲仕様」を駆る、ラファエル・フロレンティーノ少尉。
筋骨逞しいオネエ士官、という異色の上司とも畏憚なく接する純朴な部下に、ラファエル自身も頼もしげな笑みを零している。デュークには避けられている気がするが、多分気のせいだろうと。
『こうなった以上、貴様にはダイト准尉の分まで暴れてもらうぞ。勢いを与えたら厄介なチームだ』
『へいへい、分かってますよぉ。……よりによってこの人と組まされるなんて、つくづくツイてねぇぜ』
『聞こえているぞ。余程きついお灸を据えて欲しいようだな』
『勝っても負けても、ぐちぐちダメ出しされるのは目に見えてますからね』
『ふん、よく分かっているではないか。ならばまずは、その甘い狙いから是正してみせろ』
一方、Bチームのジャン・パール・ベアルン上級曹長とデニス・ヴェランデル軍曹は、廃ビルを盾にラファエル機からのペイント砲撃を凌ぎながら、剣呑な雰囲気で軽口を叩き合っていた。
ジャンが搭乗するRGM-79FP「ジムストライカー」に続き、デニスのRGM-79F「陸戦用ジム」も、100mmマシンガンを手にペイント弾を撃ち返していく。市街戦に秀でた両機はパイロットの経験値もあって、Aチームの猛攻に対しても全く怯んでいない。
『掻き回すわよぉッ!』
『はいッ!』
しかし、相手の2機が手練れであることはラファエルも承知の上。彼は牽制射撃をミヤコ機に任せ、ホバーによる高速移動で弧を描くように市街地を駆けて行く。
遮蔽物の多い市街地では、その機影を捉えることは出来ても正確に命中させることは難しい。それを利用し、挟み撃ちを仕掛ける算段であった。
『させっかよッ!』
『やるじゃない、あなた! さてはイイ男ね!?』
『そういうシュミは当事者同士で完結させてくれませんかねぇ!』
ラファエルの狙い通り、デニス機の迎撃はその殆どが廃ビルに阻まれている。やがて直線上の道路に滑り込んだ複砲仕様は、素早くペイント弾を積んだ砲口をデニス機へと向けた。
『その
『ざぁんねん、勝てばイイのよ色男ッ!』
射程でも、威力でも、勝ち目などあるはずもなく。ミヤコ機による後方からの牽制射撃に翻弄されながら、デニス機は真正面からの
『あなたの仰る通りだ、ラファエル少尉。勝てば良いのです、勝てば』
『……あらぁ、参ったわね』
が、作戦通りなのはBチームにとっても同じこと。デニス機が陽動を引き受けている間に、照準が定まらないよう太陽を背に上昇していたジャン機が、一気にラファエル機の頭上にペイント弾の雨を降らせたのである。
廃ビルの上に着地して、歴戦の強者としての意地を見せたジャンのジムストライカーを仰ぎ。ラファエルは己の敗北を実感し、嘆息する。
『ほんっと、部下に優しくねぇんだから。こんな作戦、模擬戦じゃなけりゃ絶対に付き合いませんからね』
『心配するな。その時は、撃たれても死なんような機体に乗せてやる』
『結局俺は撃たれる役ですか……』
複砲仕様のペイント弾を浴び、仰向けに転倒しているデニス機も、忌々しげに上官を見上げていた。そんな彼の悪態に対しても、ジャンはにやりと口元を緩めている。
そして彼女は最後に、この市街地に残されたミヤコ機に狙いを付けた。歴戦の女傑を前にしても、ミヤコの装甲強化型に怯む気配はない。
『さて、残りはミヤコ伍長か。……悪戯に愛機を汚したくなければ、さっさと棄権することだな』
『その時は、私も整備士さん達と一緒にお掃除するだけです。ここまで来て、参りましたなんて言えませんっ!』
『……失礼、愚問だったな。それならせめて、掃除する箇所が少なくなるように、コクピットを狙わせて貰うッ!』
戦時中から最前線で活躍してきたジャンと、元調理兵のミヤコとでは、天と地ほどの実力差がある。それでも果敢に挑まんとするミヤコの気概に報いるべく、ジャン機はスラスターを噴かして一気に接近した。
ミヤコ機の迎撃を巧みにかわし、接近戦に特化した機体ならではの挙動で、間合いを詰めていくジムストライカー。その銃口が装甲強化型のコクピットを捉え、決着が付くと思われた――次の瞬間。
『させるかァッ!』
『なぁッ……!?』
この市街地に合流していた、デュークの重装型が突然、ジャン機の射線を遮るように飛び込んで来たのである。
そのままペイント弾を浴びたデューク機は失格となったが――この瞬間に生じた一瞬の動揺が、命取りとなった。
『ありがとうございます、デューク准尉っ! やあぁああーっ!』
『うぉおおッ……!』
盾となったデューク機の上から、不意を突いて跳び上がったミヤコ機のペイント弾が、僅かに動きを鈍らせたジャン機に勢いよく降り掛かったのである。咄嗟にかわそうと機体を捻らせるジャンだったが、もはや手遅れであった。
スラスターを噴かして真横に跳び、着地した頃には――すでに彼女のジムストライカーは、コクピットも含めて全身をペイント塗れにされていたのである。それは、ジャンに敗北を認めさせるには十分過ぎる量であった。
『……やったな、ミヤコ。見事な狙いだったよ』
『凄いじゃない! ミヤコちゃん、あなたがMVPよっ!』
『はいっ! 皆さんのおかげで……あ、あれっ? ……えへへ、弾切れになっちまっただぁ。ジャンナさんみたいには、なかなか行かねぇべ』
そんな結末を齎したミヤコに、デュークとラファエルが賛辞を送る。彼女の装甲強化型もペイント弾を撃ち尽くしてしまい、戦う術を失ってしまったが……この模擬戦における功績を鑑みれば、十分立派に戦ったと言えるだろう。
思わず故郷の
『……全く。私もまだまだ、訓練が足りなかったようだな。灸を据えねばならんのは、私も同じだったか』
『も、ってなんですか。結局俺は据えられる展開なんですか? こんな目にまで遭ってそれはあんまりでしょうが』
『ジャン曹長、ほどほどにされますようお願いしますよ』
『ダイト准尉……ほどほどとか言わないで、ここはいっそ中止にしときませんか? ここは』
その一方で。ジャンの
◇
両チームの熾烈な戦いが、相討ちに近しい結末を迎えた頃。双方のリーダーも真っ向からの一騎討ちに、決着を付けようとしていた。
『……これで終わりよ、アリサ。私に勝つには、ちょっとばかり早過ぎたみたいね』
『くッ……!』
ジムライトアーマーのスピードにモノを言わせる高機動で、陸戦型ガンダムを翻弄するはずだったのだが。その目論見は、遮蔽物を巧みに利用して長期戦に持ち込み、エネルギー切れを誘ったレイチェルの立ち回りによって破綻してしまったのである。
レイチェル機の前で片膝を付くアリサ機は、せめて気持ちだけは屈しまいと、懸命に立ち上がろうとしていた。
かつてリュータ・バーニング少尉が搭乗していた、鋼鉄の牙城――陸戦型ガンダムを仰いで。
そんな彼女に銃口を向けるレイチェルは、コクピットの中で深々とため息をついている。普段の彼女をよく知っているからこその反応であった。
『らしくないじゃない、アリサ。あんなに冷静さを欠いた挙動で、私に勝てるはずもないのに――!?』
『私だって……私だってッ!』
その一瞬の隙を突くように、爪先で砂利を蹴り上げて。レイチェル機の視界を眩ましたアリサ機は最後の好機に全てを賭け、体当たりを仕掛けながらマシンガンを持つ腕を振り上げる。
『私だって、あなたのように自由に生きられたら、その方が良いに決まってるって分かってる! けど、私達はチームなの! もっと、ちゃんと……私達のことも見てよ! 見なさいよッ!』
『……!』
刹那、戦いの中で溢れ出たアリサの心情に目を剥き。レイチェルは僅かに逡巡しながらも――体当たりを真っ向から受け止め、マシンガンの銃身で彼女の機体を叩き伏せるのだった。
『試合終了! 勝者、Bチームッ!』
陸戦型ガンダムを体当たりで揺るがすには、ジムライトアーマーの機体はあまりにも軽過ぎたのである。
アリサ機の奮戦も虚しく、この戦いはリーダー機を逆転が不可能な体勢に追い込んだ、Bチームの勝利に終わってしまうのだった――。
◇
「えっ……?」
それから、数日後。レイチェルの攻めに攻めた水着姿がいつも表紙を飾っている、パリ防衛隊の特集記事を扱う雑誌を手にしたアリサは――その誌面に瞠目していた。
その週に発行された同誌には、レイチェルの扇情的な水着姿は一つも掲載されておらず。どちらかといえばむしろ、アリサが好んで読んでいるファッション誌のような、優雅なコーディネートに包まれている彼女の姿が載せられていたのである。
「……私はこういうのも好きなんだけど、アリサはどう?」
「ま、まぁ、その……嫌いじゃない、かな」
「そう! それは良かったわ! じゃあ今度の休み、サン=トノレ通りまでデートしましょ? とっておきのコーディネート、してあげる」
「デートって……も、もう……しょうがないわね……」
そんな彼女の隣に立つ、レイチェル本人の言葉に、満更でもない反応を示しながら。アリサははにかんだ笑みを零して、戦友の変化に喜んでいた。
自分の笑みに釣られるように、妖艶な微笑を浮かべている
「……雨降って、地固まる。という奴かな」
「ふふっ……まさしく、その言葉通りの落とし所でしたね」
そして、その様子を遠くから静観していたパスカル・ネヴィル中佐と、ローズマリー・アクランド中尉は。穏やかに目蓋を閉じて、踵を返すのだった。
――それから、数日後。少しだけ距離が縮まったレイチェルとアリサは、サン=トノレ通りのファッションブランド店でのショッピングを満喫していた。の、だが。
「ほらほら、これなんかどう? リュータ好みなんじゃないかしら。きっと彼も喜ぶわよ」
「ちょっ、なんでそこでリュータが出てくるのよ! だいたい彼の好みなんてあなたに分かるわけ……!」
「分かるわよぉ。だって今までグラビアに使ってきたモノも、リュータに自撮りで
「そ、そそそれってどういうこと!? あのえっちな水着だか下着だかよく分からない格好のことで、しょっちゅうリュータに連絡してたっていうのッ!? わ、私なんて月1回の文通が精一杯なのに……! ていうか……こないだの表紙なんてほとんど紐だったじゃないッ!?」
「あはははー……じゃあ私外で待ってるから、試着終わったら呼んでねー」
「ま、待ちなさい、まだ話は終わってないわよッ! レイチェルゥウゥウッ!」
再び別の問題が浮上し、2度目の模擬戦が始まるきっかけとなってしまったのだという。彼女達の痴話喧嘩に散々巻き込まれたデューク達が、「またか」とため息を零していたのは言うまでもない――。
◇
「パスカル中佐、来月に開催される『戦技会』の件なのですか……本当に、ご自身のジムトレーナーを士官候補生に使わせるおつもりで?」
「あぁ。ヴィヴィアンヌが見出した原石というものが、どれほどのものなのか……私も見てみたくてな。『戦技会』に使うジムトレーナーの数が足りんというのであれば、私の
「……彼女も責任重大ですね。先の戦争を戦い抜いたパスカル中佐の機体で、戦技会に出場するなんて」
「どんな言葉を並べようと、所詮はただの練習機に過ぎんよ。……その程度の機体でどこまで食い下がれるか、見せてもらおうではないか。士官学校のひよっこ共にな」
ここまで読み進めて頂き、ありがとうございます! 第3回で一旦終了としつつも、泣きの一回でもう一度だけ開催させて頂いたキャラ募集企画ですが、楽しんで頂けたのであれば大変何よりでございます。この度は本企画を盛り上げて頂き、誠にありがとうございました!(*≧∀≦*)
この後は続編に当たる「機動戦士ガンダム -プリンセス・オーケストラ-(https://syosetu.org/novel/233101/)」へと続いていき、第1部でも活躍していたパスカル機のジムトレーナーが主役機を務めることになります。果たして、女傑の愛機を受け継いだ「原石」とは? こちらもどうぞよしなに(о´∀`о)
ではではっ、失礼しましたー!٩( 'ω' )و
Ps
募集企画を設ける度に、読者応募キャラの乗機を見た作者が「なにそれ(゚ω゚)」って顔になるのが恒例だったのですが、今回の第4弾は特にその辺が顕著だった気がします_(:3」z)_←にわかマン