-ヴァイス・ヴァレンタイン-
33歳。ミシシッピ出身。開戦当初から戦い続けてきた叩き上げのベテランパイロットであり、冷静な判断力と熱い心を兼ね備えている。ジムストライカーの指揮官用強化型に搭乗する。階級は中尉。
※原案はヒロアキ141先生。
-カイト・マクラウド-
21歳。グラスゴー出身。ヴァイスの相棒として先の戦争を潜り抜けてきたベテランパイロットであり、熱くなりがちな彼のサポートに回ることが多い。鹵獲機のドムトローペンに搭乗する。階級は中尉。
※原案はアメイジングシャドウ先生。
-シルフィア・ラウテル-
21歳。ユトレヒト出身。礼儀正しく知性的な佇まいだが、歯に絹着せない物言いも多い女性パイロット。装甲強化型ジムに搭乗する。階級は少尉。
※原案はクルガン先生。
-エディン・ギルス-
29歳。サンフランシスコ出身。長い軍歴を持つホワイトディンゴ隊の一員であり、機動性を活かした高速での接近戦を得意とする。ホワイトディンゴ隊仕様のジムストライカーに搭乗する。階級は中尉。
※原案は魚介(改)先生。
これまで連邦軍は、「デザートキングダム」と呼ばれるこの基地を侮り続けてきた。その油断を突かれたから、今まで何度も撃退されていたのだと思っていた。
故に、過去最大の戦力を投入した今回の攻撃ならば、確実に勝てるはず。恐らくは誰もが、そう信じていたのだろう。
『こ、こいつら、何発喰らっても止まらねぇ! し、死ぬのが怖くねぇのかッ!?』
『ダ、ダメだ、もう間合いに……うわぁあぁあッ!』
それ自体が慢心であることにすら、気付いていなかったのだ。彼らがようやくその現実を目の当たりにした時には、すでに甚大な被害が発生していたのである。
何十発もの実弾やビームを喰らいながらも、地を駆け砂塵を巻き上げながら、一切の迷いなく突撃して来る「死兵」の大群。その様相はもはや、「MSの部隊」などと呼べるものではなくなっていた。
鋼鉄の巨人に化けた、猛獣の群れ。そう形容するしかない怪物達が、連邦軍の先発隊を一瞬のうちに踏み越えてしまったのである。
被弾も死も厭わず、1機でも多く道連れにするためだけに襲い掛かって来る、残党達の狂気。地響きと共に迫り来るそのプレッシャーは、並のパイロットに耐えられるような重さではない。
想像を絶する殺気の津波に飲み込まれた先発隊のジムは、100mmマシンガンやビームスプレーガンを乱射しながら、次々と撃破されていた。ただヒートホークを振るっているだけのザクが、ただジャイアントバズを撃っているだけのドムが、まるで異次元の怪物であるかのように見えていたのである。
――だが。どれほど自滅覚悟の特攻を仕掛けようとも、所詮はザクやドム。
被弾すれば装甲は削れるし、脚がもげれば走れなくなる。先発隊が目の当たりにした光景はどこまでいっても、「錯覚」の域を出るものではない。
死兵達が纏うプレッシャーにも飲まれないほどの精神力を備えている、一部のエースパイロット達は。その錯覚に惑わされることなく、怪物のような「MS」の急所であるコクピットを狙い、確実に黙らせていた。
『チィッ……気迫だったらこっちも負けてねぇんだ、惑わされるなッ! こいつらを倒さねぇ限り、俺達の「アフリカ戦線」は終わらねぇんだぞッ!』
ほとんどが為す術もなく突破されてしまった先発隊の中で唯一、死兵達のプレッシャーに飲まれることなく戦い続けていた「切り込み隊長」――もといヴァイス・ヴァレンタイン中尉もその1人。指揮官用に強化された彼のRGM-79FP「ジムストライカー」は、雄々しくツインビームスピアを振るい、迫り来る残党達のMSを両断し続けている。
コバルトキャリバー隊から転属してきた彼に合わせて整備されているこの機体は、バックパックの推力を30%も強化した特別仕様であり。左肩には、彼のパーソナルマークであるガルーダのエンブレムが刻まれていた。
『ヴァイス、奴らの狙いは後方のビッグトレーだ! 一旦下がって防衛に専念するぞッ!』
『……! 俺達の帰る場所を奪い、この大砂漠のど真ん中で孤立させようってハラか……! カイト! その機体なら奴らに追い付けるな!?』
『あぁ、任せておけ! 奴らの思い通りにはさせんよ……!』
そんな彼の側に駆け付けてきた「相棒」――カイト・マクラウド中尉も、臆することなく死兵達を蹴散らしている。彼が搭乗しているのは、鹵獲機のMS-09F「ドムトローペン」だった。
先発隊を突破した死兵達を追う彼の乗機は、MMP-80マシンガンを連射しつつヒートサーベルを振るい、ザクやドムを背後から撃破していく。猛進し続ける残党達に紛れ込んだこともあり、カイト機は一方的に背後からの奇襲で
ヴァイス機も彼に負けじと、強化されたスラスターを噴かして死兵達の群れに飛び込み、無双の光刃を振るっている。
『……お2人とも、そこに居ると当たりますよ』
そんな上官達の猛攻を、スコープ越しに眺めながら。シルフィア・ラウテル少尉は独り、ため息を吐いている。
彼女が駆るRGM-79F「装甲強化型ジム」はビッグトレーの上で片膝を着き、肩に乗せたレールキャノンを構えている。その砲口から離れた一撃は、死兵の群れを先頭から容赦なく吹き飛ばしていた。
『……さすがシルフィアだな、いい狙いだ』
『ハッ、絹着せない物言いは相変わらずだけどな!』
『能書きは結構ですから、少しは私の射線から離れる努力もしてください』
シールドに蹄鉄のパーソナルマークが施されている彼女の愛機は、着弾に伴う爆風がヴァイス機とカイト機に及ばないポイントだけを狙い、引き金を引き続けている。彼女はその怜悧な美貌に違わぬ、正確無比な射撃能力の持ち主なのだ。
そんな彼女の迎撃により、ほんの一瞬だけ死兵達の攻勢が弱まると。その機に乗じて飛び出して来た別のジムストライカーが、瞬く間に前方のザクを切り裂いてしまった。
ホワイトディンゴ隊の部隊色に合わせて再塗装されている、沙漠戦仕様のジムストライカー。それは、キルレンジに踏み込めば生きては帰れない「霧の狩人」と恐れられた、エースパイロットの愛機であった。
『想い人にだけは絶対に当たらない正確無比な援護射撃……か。相変わらずお熱いねぇ、シルフィア少尉。ヴァイスの奴を追っ掛けて、ここまで来ただけのことはあるなァ』
『なっ……! わ、私がこの部隊にヴァイス中尉が居ると知ったのは着任後の話です! いい加減なフェイクニュースはやめて頂けませんか、エディン中尉ッ!』
『あァ分かってる分かってる、心配すんなって。言われなくっても、そういうことにしておいてやるよ』
『分かってる人の台詞ではありませんよ、それは……!』
かつてはジャブローの戦地でも活躍していた、エディン・ギルス中尉。彼のからかいに心を乱され、頬を染めて反論するシルフィアは、砂漠戦仕様のジムストライカーを睨みながら前方の死兵達を吹き飛ばし続けている。
彼女の腕なら、ノールックでも寸分の狂いなく当てられる。そんな信頼があったからこそ、エディンも彼女の恋慕をからかいながら戦っているのである。
一方、先発隊を踏み越えた死兵達を1機残らず片付けたヴァイス機とカイト機は、間髪入れずに迫り来る「第2波」の機影に目を向け、得物を構え直していた。まだハッキリと姿形が見える距離ではないのにも拘らず、彼らの猛進に伴う地響きはヴァイス達の足元を激しく揺さぶっている。
『しかし……これほど激しく迎撃しているというのに、奴らの勢いがまるで止まらんな。「双天獅」とか言う奴らの首魁さえ討てば、状況を変えられるかも知れんが……』
『真横の同胞が吹き飛んでも止まらないような連中が、それで思い留まってくれるかどうかはほとんど賭けだけどな。……ちくしょう、嫌な奴らを思い出すぜ』
自滅を厭わない死兵達の暴走。彼らがそんな手合いに遭遇したのは、今回が初めてではない。
約3ヶ月前、サイド3の進駐軍に属していたヴァイス達は、そこでテロを起こした3人の残党と死闘を繰り広げたことがあるのだ。「
命を絶たない限り決して止まらない、殺意の暴走。そのプレッシャーを味わった経験を持つヴァイス達は、眼前に迫る死兵の大群に過去の強敵達を重ねるのだった。
『思い出したくもないが……まるで、「三獣鬼」が甦ったかのような光景だな』
『へっ……さしずめ、「三獣鬼」ならぬ「
軽口を叩きながらも、冷や汗を流しているヴァイスも。苦い過去を思い返し、唇を噛み締めているカイトも。それまでの経験則と本能から、悟っているようだった。
本当の戦いは、これから始まるのだということを。
現在、作者の活動報告にて本章に登場する新キャラを募集しております! 機会があればお気軽に遊びに来てくださいませ〜(о´∀`о)
Ps
「スーパーロボット大戦 スクランブルコマンダー」で暴走エヴァ3体と戦った時、まだ姿形が見えない距離なのに激しい地響きだけがどんどん近付いて来るのがクッッッソ怖かった思い出((((;゚Д゚)))))))