機動戦士ガンダム -烈火のジャブロー-   作:オリーブドラブ

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-第6話からの登場人物-

-フィリップ・D(ダルシアク)・ダイゴ-
 22歳。オルレアン出身。名門ダルシアク家出身の生真面目な正義漢であり、戦死した戦友「ダイゴ」の名を忘れぬようにと名乗り続けている。白とターコイズブルーを基調とするジムストライカーに搭乗する。階級は少尉。
 ※原案はMegapon先生。

-グーイ・ノア-
 19歳。リバプール出身。のんびり屋でマイペースな印象を受ける若手パイロットだが、その振る舞いに反して非常に優れた技量を備えている。装甲強化型ジムに搭乗する。階級は少尉。
 ※原案はスノーマン先生。



第6話 甲冑の志士 -フィリップ・D・ダイゴ-

 ヴァイス隊、ガンド隊、そしてレティシア隊。彼らのようなエースパイロット集団を護衛に付けているビッグトレーは、死兵達の猛攻に晒されてもなお止まることなく、進撃を続けている。

 

『か、艦長、ダメです! こいつら、撃っても撃っても止まりませんッ! ……あぁ、あぁあぁあーッ!』

『いかんッ、総員退避! 退避だぁあッ!』

 

 だが、この作戦に参加している全ての部隊が、彼らほどの戦力を引き連れているわけではない。すでに1隻のビッグトレーとその護衛部隊は、死兵達の殺気と気迫に飲まれたまま、爆炎に沈められていた。

 

『こ、こいつらイカれてる……! 自分達が死ぬことすら、何とも思ってねぇんだ……!』

『じょ、冗談じゃねぇ……! こんな連中、まともに相手にしてられっかよ……!』

 

 その凄惨な光景を目の当たりにした他部隊は、ビッグトレーに体当たりを仕掛け爆散したドムの最期に戦慄を覚えている。

 

 自爆覚悟の特攻を当たり前のように仕掛けて来る死兵が、群れを成して押し寄せて来る。

 そのような異常事態にも冷静に対処できるエースの真似事など、誰にでも出来ることではないのだ。

 

『狼狽えるなッ! 俺達の背には、帰るべき場所と守るべき人々が居るんだぞ! 性能においても物量においても技量においても、こちらが圧倒的に優っているんだ! その現実を見失うなッ!』

 

 だが、そうであってもやらねばならない。その旨を高らかに叫び、迫り来るザクの胸にヒートランスを突き刺した1機のジムストライカーは、ビッグトレーを守護する「騎士」の勤めを果たさんとしていた。

 

 そのボディは白とターコイズブルーを基調としており、左胸には甲冑を纏った女性を象ったパーソナルマークが刻まれている。胸部右側には、軍旗を模したマークも施されていた。さらに両脚の脛部には、ジムドミナンスと同形状のスラスターが増設されている。

 

『俺達なら必ず守り抜ける! 他ならぬ俺達自身がそれを信じない限り、勝利が訪れることはないッ!』

 

 ジムストライカーの象徴とも言えるツインビームスピアに代わり、ヒートランスを装備しているその機体のパイロット――フィリップ・D(ダルシアク)・ダイゴ少尉は、ヴァイス達に続けと言わんばかりに声を張り上げていた。増設されたスラスターによる加速を活かし、ザクを一瞬で屠った灼熱の大槍が、天高く掲げられている。

 

 優美にして勇猛なその背はさながら、オルレアンが生んだ伝説「ジャンヌ・ダルク」のようであった。彼の鼓舞に突き動かされたのか、他部隊のMSも僅かながら勢いを盛り返し始めている。

 

『さっすが、名門ダルシアク家の次男様ですねぇ。DD先輩の一声で、他の連中もすっかその気になっちまってるじゃないですか』

『……茶化すな、グーイ。それと、その呼び方はやめろと何度も言ってるだろうが』

 

 そんな彼の側に駆け付けてきた、RGM-79F「装甲強化型ジム」のパイロット――グーイ・ノア少尉も、のんびりとした物腰で彼のカリスマ性を称賛していた。

 

 一見するとマイペースな印象を与えている彼だが、今回の総攻撃に招集されただけあって、その腕前はかなりのものらしい。

 パイロットの柔らかな口調に反した素早い挙動で、彼の装甲強化型ジムはハイパーバズーカを構え、次々とザクのコクピットを吹き飛ばしている。

 

 一方、フィリップは自分を「DD」と呼ぶ後輩の態度に難色を示していた。

 彼が名乗っている「ダイゴ」という名は、先の戦争で死別した戦友のことを指しているのだ。その存在を決して忘れまいと、そしてその名に恥じない自分になろうと、彼は敢えて「ダイゴ」と名乗り続けているのである。

 

『やだなぁ。ダイゴってのは……大切なご友人の名前だったんでしょう? だから僕も覚えてあげようって言ってるんですよぉ。DD、ってね』

『全く……もういい、好きにしろ』

 

 からかっているようではあったが、実際はグーイも同じ思いを持っていた。

 

 人類の半数以上が死に絶えた、地獄の戦争。その激動の時代を生き延びた者達の1人として、彼も「ダイゴ」と名乗るフィリップの胸中には思うところがあったのだろう。

 

(カタリナ先輩……ケンジロー先輩。あなた達もきっとどこかで、上手くやってますよね? あの頃、みたいにさ)

 

 共に青春を謳歌した士官学校時代の先輩達が、次々と戦場に旅立って行く姿をただ見送ることしか出来なかった、過去の自分を思い返すたびに。グーイもまた、その悔しさをバネにして戦い抜いてきたのだから。

 

 一方、そんな上官達に続き前線に立っていた部下達の機体も、特攻して来る死兵達を矢継ぎ早に撃ち落としている。

 

『おーおー、隊長達もよくやるよなァ。上がバリバリ出張ってると、下がサボれなくなっちまうから困るぜ。ま、こっちも生まれ(・・・)の所為か……昔ッから実戦には事欠かなかったモンだけどよォッ!』

 

 後方のビッグトレーと、その近辺を固める戦車隊。彼らを庇うように飛び立つRGM-79L「ジムライトアーマー」は、ビームサーベルを振りかぶりドムの上体を両断していた。

 




 現在、作者の活動報告にて本章に登場する新キャラを募集しております! 機会があればお気軽に遊びに来てくださいませ〜(о´∀`о)

Ps
 このフィリップ隊のお話も、次話と合わせての2話構成となっておりまする(´-ω-`)
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