-ランダ・バーロン-
27歳。サイド3出身。長い軍歴を持つベテランパイロットだが、スペースノイドであることから長年に渡って迫害されてきた過去を持ち、今では卑屈な捻くれ者となっている。背部の装甲を増設されたジムライトアーマーに搭乗する。階級は曹長。
※原案は茸し先生。
-クルト・クニスペル-
25歳。ズラテー・ホリ出身。後方支援に秀でた歴戦の戦車兵であり、MS隊の戦いを陰ながらサポートしている。61式戦車に搭乗する。階級は曹長。
※原案はG-20先生。
-ライヤ・ペオニー-
21歳。ブルーミントン出身。普段は面倒臭がりな印象を受けるが、任された仕事は堅実にこなす女性パイロット。彼女専用にカスタマイズされたガンキャノンIIに搭乗する。階級は軍曹。
※原案はアルキメです。先生。
『墜とした俺が言うのもなんだが……まァ、
フィリップ隊のビッグトレーを護衛しているジムライトアーマー。
その機体は背部を中心に装甲が増設されており、ライトアーマーとしても中途半端な印象を与えている。瞬く間にドムを仕留めたパイロットの腕こそ一流ではあるが、その機体の速さは本来あるべきポテンシャルを損なっているようであった。
それはサイド3出身のスペースノイドであるが故に、謂れなき差別に晒されながら戦い続けてきたランダ・バーロン曹長ならではの自己防衛策なのだ。いつ背後から撃たれても助かるようにと、彼は愛機の利点を潰してでも、その装甲を増強しているのである。
『クルトよォ、間違っても俺には当てるんじゃあねぇぞ。こちとら、ただでさえ装甲が薄いライトアーマーなんだからよ』
『お前のライトアーマーならちょっとやそっと、誤射の範囲だろうが。こっちを気にしてる暇があるなら、前見ろ前』
『へいへい……わぁったよ』
そんな「戦友」の背を守るように、後方からの支援砲撃を繰り返している61式戦車の部隊。その先頭に座している1台から、クルト・クニスペル曹長の声が響いて来る。
『じゃあ、後ろは任せて良いんだな?』
『そういう仕事なんだからしょうがねぇだろうがよ。……ウダウダ言ってないで、とっとと行って来い』
ランダを「ジオン野郎」などと罵らない変わり者の戦車長は、前だけを見ろと素っ気なく言い放っていた。その不器用な気遣いに不遜な笑みを溢すランダは、愛機のスラスターを噴かして前方に突っ込ませて行く。
ライトアーマーの装甲を増強してまで拘っていた、生への執着を手放してでも。スペースノイドを差別しないような「変わり者」だけは、生き残らせるために。
『右70度、仰角60度ッ! 撃てぇッ!』
そんなランダの胸中を察し、死なせまいとするクルトも。部下達に的確な指示を飛ばし、死角からランダ機に迫るザクを一斉砲撃で撃ち落としていた。
『全くもう……ランダ曹長ったら、ちょっと装甲を増やしたからって前に出過ぎですよぉ。サポートしてる私達の苦労も、たまには顧みてくださいよ』
RX-77-4「ガンキャノンII」を駆るライヤ・ペオニー軍曹も、クルトの戦車隊に続きランダ機の接近戦をサポートしている。
角型のバックパックに搭載された多目的精密照準機は、砂塵に紛れたドムの機影を正確に捉え。そこに備わっているビームキャノンから噴き出した閃光が、重MSの胴体に風穴を開けていた。
全身に白、青、黒による縞模様の迷彩柄を施したその機体は、ライヤ専用にカスタマイズされた特別機なのである。多目的精密照準機の側面に「咆える白獅子」のエムブレムをペイントしている本機には、防塵処理も行われているのだ。
『お前のビームキャノンに巻き込まれちまったら、ライトアーマー擬きなんざひとたまりもねぇからな。ビビってるからこそ前に出てんだよ、こっちは』
『言っても無駄だぜ、ライヤ。あいつはああいうバカだからな』
『……そうみたいですねぇ。疑り深い上官に付き合わされると、疲れのあまり手元が狂っちゃうかも知れませんよぉ?』
『ハッ、これだけ離れてりゃあ素人でも当たらねぇよ。安心してブッ放すんだな』
ランダとクルトに軽口を叩いている彼女だが。操縦桿を握るその手は、ビームキャノンの照準を調整しながら、90mmブルパップマシンガンの全弾を正確に命中させるという離れ業をやってのけている。
『……やれやれ、です。あちらさん、数と勢いだけの烏合の衆のようですが……そういう輩の相手をするのが、1番面倒なんですよ』
ビームキャノンによる砲撃と並行しながら、彼女の愛機はハンドグレネードの投擲まで行っていた。その爆弾が底を尽きるや否や、彼女のガンキャノンIIは腰に装備されていた数本のヒートナイフを引き抜き、眼前のザクに投げ飛ばしている。
息つく間もない、正確かつ迅速な連続射撃。その完璧な「仕事ぶり」は、面倒臭がっているような言動からは想像もつかない、戦闘マシーンのような挙動であった。
『ヒュウ、あいつの腕も一向に衰える気配がねぇな。ここんところ、生温い掃討戦ばっかりだってのに』
『砲撃だけでなく、投擲まで完璧ときたもんだ。MSでサーカスでもやろうってのかい、あいつは』
そんな彼女の戦いぶりに、ランダとクルトが口笛を吹いた頃。
『……! グーイ、見ろ! あそこのザクは……!』
『このデザートキングダムの部隊を統率している……例の「双天獅」とかいう輩ですか。先の戦争では真っ先に地球に降下して、散々暴れ回ってくれてたっていう……!』
彼らよりもさらにデザートキングダムに近しい「最前線」で戦い続けていたフィリップ機とグーイ機は、死兵達の大群に紛れてペガサス級に迫ろうとしている、2機のザクを捕捉していた。
群青色と枯れ色のボディを持つそのザクは紛れもなく、噂に聞く「双天獅」。この死兵達の精神的支柱となっている、2人組のエースパイロットであった。
『行かせるかぁぁあッ!』
『堕ちろ、ザク風情がッ!』
その機影を目撃した瞬間にヒートランスを投げ付けたフィリップ機に続き、グーイ機もビームガンを連射する。だが視界外からの攻撃であるのにも拘らず、2機のザクは紙一重で彼らの迎撃をかわしていた。
そして、自分達の行く道を阻まんとするフィリップ機とグーイ機の姿を捕捉した「双天獅」のザクは――そのまま視線をペガサス級の方角へと戻すと、足早に走り去ってしまう。
『なっ……!? 俺達など眼中にないとでも言うのか、ふざけおってッ!』
『DD先輩、俺達までここを離れたらビッグトレーがやられちまいますよ! ランダ達を死なせるわけにはいきません!』
『くッ……!』
だが、フィリップ隊が属するビッグトレーが今もなお死兵達の猛攻に晒されている以上、迂闊に持ち場を離れるわけにもいかない。
隊長は後ろ髪を引かれる思いを抱えながら、ペガサス級が擁する精鋭――カーマインパンサー隊に、望みを託したのだった。
『……奴らのことは頼んだぞ、カーマインパンサー……!』
現在、作者の活動報告にて本章に登場する新キャラを募集しております! 機会があればお気軽に遊びに来てくださいませ〜(о´∀`о)
Ps
いよいよ次回からは「双天獅」とのバトルが始まりまするー(`・ω・´)