-ショウ・カナタ-
18歳。富山出身。レインのことを戦時中から知っている青年士官であり、ぶっきらぼうな振る舞いに反して根は優しく仲間思い。濃紺と灰色のツートンカラーで塗装されたジムドミナンスに搭乗する。階級は少尉。
※原案は大剣先生。
-ブラン・ドゥルジー-
25歳。アレス出身。ショウの部下である陰気な印象の美女であり、類稀な美貌の持ち主でありながら、そのあまりに情緒不安定な振る舞い故に周囲からは避けられがち。砂漠戦仕様の陸戦型ガンダムに搭乗する。階級は軍曹。
※原案は妄想のKioku先生。
ブルース・ゲイボルグ専用機のドムトロピカルテストタイプが起動し、ジェイムズ機が一瞬のうちに撃破された頃。
『はぁ、はぁっ……! やっとここまで入り込めた……! 少佐、まだ動けますか!?』
『む、無論だ……! この戦いを少ない犠牲で終わらせたい。そう言い出したのは他ならぬ朕なのだ、こんなところで立ち止まってはおれんっ!』
この戦闘の終息を目指して敵の首魁を捜索していたレイン機とフロンレシア機も、デザートキングダムの基地内へと突入していた。長い激闘を物語る荒廃しきった砂の基地は、すでにどの施設も深く傷付けられている。
もはや基地と呼ぶよりは、その跡地と呼ぶ方が適切とも言える。それほどまでに、このデザートキングダムと呼ばれた地は寂れているのだ。
黒ずんだMSの残骸が幾つも打ち捨てられている光景が、その印象をさらに強めている。その中には残党達によって撃墜されたものなのか、連邦軍の
ブルース機のザクがデザートキングダムに向かった可能性がある。その一報をダイナ機から受けていたレインとフロンレシアにとっては、今がまさに正念場であった。
『うっ……ぐ!?』
『少佐ッ!』
『そんなっ……こんなところで!? 動け、動いてくれっ!』
だが、僅かでも犠牲を抑えて戦いを終わらせたいと願うフロンレシア機は、主人の想いに反して――力無く片膝を着いてしまう。ここに辿り着くまでに何機ものザクやドムと交戦してきた彼女の機体は、この土壇場でとうとう限界を迎えてしまったのだ。
一年戦争を戦い抜いて来たレインとは違い、実戦経験がほとんどないフロンレシアでは、無傷でここまで到達することは出来なかったのである。脚に甚大なダメージを負っている彼女のデザートジムではもはや、これ以上前に進むことは叶わない。
『……!』
『まずい……囲まれたッ!?』
そんなレイン達をさらに追い詰めるかのように。施設の屋上から彼らを冷たく見下ろしている死兵達が、2機のデザートジムを完全包囲していた。
頭上を取られている上に、数でも不利。まともに戦えば、確実にどちらもただでは済まない。
『レ、レイン! もう良い、お前だけでもここから離脱しろ! 朕に構うな、ここまでで十分だっ!』
『そんなこと……今さら出来るわけないでしょう! それにどうせ逃げ場はないんです、戦うしかありませんッ!』
フロンレシアはレインだけでも懸命に逃そうとしているが、平和を願う彼女の
『レインッ!』
『少佐、伏せてッ!』
彼らを取り囲む数機のザクとドムは、そんなレインとフロンレシアを嘲笑うかのように、ザクマシンガンとジャイアントバズを向けて来る。その銃口と砲口から「皇帝」を守ろうと、レイン機が咄嗟に身を呈した――直後だった。
『えっ……!?』
『……!?』
突如、基地の外側から飛んで来た眩い閃光が1機のドムを瞬く間に撃ち抜いてしまったのである。その新手の方向に視線を向けた他の死兵達も、矢継ぎ早に撃破されていった。
『これは……ビーム攻撃!?』
『コクピットだけをピンポイントで撃ち抜いてる……! しかも……早い!』
時間にして、僅か5秒。たったそれだけの間に、レイン機とフロンレシア機を包囲していたザクとドムが、全滅してしまったのである。
比喩ではない。文字通りの、秒殺であった。
『あれは……ショウ少尉のジムドミナンス! 一緒に居るのは……』
『ひぃっ! あ、あればブランの陸戦型ガンダムではないか……!』
その離れ業を実行して見せたのは、僅か2機のMSであった。濃紺色と灰色のツートンカラーで塗装された、RGM-79DO「ジムドミナンス」。砂漠戦仕様の防塵処理を施した、陸戦型ガンダム。
どちらも、カーマインパンサー隊やビッグトレーの護衛部隊とも異なる遊撃部隊の機体だ。
『……ふん、なんとか無事ではあったようだが。お前の無茶は、戦時中から変わらんな』
『あ、あはは……お久しぶりです、ショウ少尉』
ビーム攻撃が飛んで来た方向から、その2機が現れたと同時に。レインにとっては顔馴染みである、ぶっきらぼうな士官の声が響いて来る。
彼のことを戦時中から知っているショウ・カナタ少尉は、彼がここに来ているであろうということをすでに予感していたらしい。彼が搭乗しているジムドミナンスの手には、物々しい2連ビームキャノンが装備されている。その砲口から放たれる大火力が、先ほどの残党達を一瞬のうちに葬ったのだろう。
『ふ、ふふふっ……! ご無事で何よりです、少佐殿……くひひっ……!』
『ブブ、ブラン、気持ちはありがたいが朕は1人でも立てる! お前の手を煩わせずとも……!』
『くひひひっ……無理はいけませんよぉ。この戦いを最小限の犠牲で終わらせるのでしょう? ならば、まずはご自身が生き残るのが最優先……ひひひっ!』
『ひ、ひぃい……』
その部下であるブラン・ドゥルジー軍曹の陸戦型ガンダムは、慣れた動作でフロンレシア機に肩を貸し、助け起こしている。彼女の声色からは不安定な情緒の色が滲み出ているようだが、紡がれる言葉は優しげであった。
そんなギャップに困惑するフロンレシアは、感謝の思いを抱きつつも背筋に悪寒を覚えている。実際、ブランは何にも染まらないような黒髪を靡かせる類稀な美女ではあるのだが――その陰気な印象や情緒不安定な言動もあり、男性もほとんど寄り付かないのだと言われている。
そんな部下の相変わらずな言動にため息をつきながらも、ショウは剣呑な面持ちでレイン機と向き合っていた。
『全く、ブランの奴は……。それよりレイン、不味いことになってきたぞ。あの「火葬」がこのデザートキングダムに向かってるっていう情報が入って来たんだ』
『な、なんですって……!』
『「火葬」だと……!? 確かなのか、ショウ少尉!』
『ビッグトレーの近くに居たマリアンネ大尉からの情報です。……残念ながら、間違いありません』
その理由はこの戦場に接近しているという、曰く付きの「増援」にあった。「火葬」という異名を耳にしたレインとフロンレシアは、青ざめた表情で息を飲む。
――現在のアフリカ方面軍においては最強のパイロットと噂されている、「火葬」ことエリムス・ナイドレイブン大佐。
個人の戦闘力においてはカーマインパンサー隊の隊員すら凌ぐと言われている彼は、残党狩りに執念を燃やす生粋のジオン嫌いとしても有名なのだ。
火炎放射器を好み、「テロリストは南極条約の適用外」と公言して憚らず。数ヶ月前には投降した学徒兵達を纏めて焼き払うという事件まで起こしており、それが異名の由来となっている。
ジオンを地球上から根絶やしにするためならば、羅刹に堕ちることも厭わない業火の悪魔。それが「火葬」――エリムス・ナイドレイブンなのである。
最近になってガンダムゲームの新作「バトルオペレーション Code Fairy」の情報が解禁されましたねー! 女の子だけのジオン部隊が主役となるお話とのこと。連邦サイドの救いはないのですか!?( ゚д゚)