-リーフ・T・ライア-
29歳。バンクーバー出身。カーマインパンサー隊最強の射撃能力を持つスナイパーであり、狙った獲物は決して逃がさない。防塵処理と砂漠用迷彩を施したガンナーガンダムに搭乗する。階級は少尉。
※原案は八神優鬼先生。
ジェイムズ機を撃破した後に向かって来たMSの数が、一つ足りない。戦闘中でありながら、ブルースはその点に「引っ掛かり」を覚えていた。
単純に考えて並のパイロットならば、フィーネ機とキョウイチ機でさえ押し負けている自分に恐れをなして、逃げ出した可能性が高い。
だが、それはあり得ないのだ。そもそもこのデザートキングダム自体が、凡骨に辿り着けるような領域ではないのである。
だとすれば。
『――!』
そこから導き出される、ある一つの「仮説」に思い至った瞬間。フィーネ機とキョウイチ機が同時にスラスターを噴かし、一気に上昇し始めた。
噴射によって巻き起こる砂塵が彼らの足元を覆い尽くし、ブルース機の眼前が砂嵐によって塞がれてしまう。
『俺と同じ手でやり返そうというのか? ふん……コブラが自分の毒で死ぬとでも? 俺に対してその判断は悪手だぞ、愚か者共らがッ!』
だが、ドムの
全弾を撃ち尽くし、ビームサーベルを抜くしかなくなったフィーネ機と、片腕しかないキョウイチ機など、目がまともに見えずとも敵ではない。ブルース機はそう言わんばかりに、ヒートサーベルを悠然と構えている。
そして。
『ぬッ――!?』
『――馬鹿め』
それこそが、ブルース自身の云う「悪手」なのだということを本人が理解した頃には。フィーネとキョウイチの冷たい呟きと共に、ドムの片腕が焼失していた。
飛び上がった陸戦型ガンダムと陸戦用ジムを仰いでいたブルース機は、視野の外側から襲い掛かってきたビーム攻撃により、ヒートサーベルを握る手を消し飛ばされてしまったのである。
(やはり……そういうことだったかッ!)
「仮説」への到達が遅れてしまったことを悔やむブルース機の視線は、フィーネ機とキョウイチ機が立っていた場所に向けられていた。未だに砂埃で覆われているその地点からは、「第3の熱源反応」が発生している。
やがて全ての砂埃が風に払われ、視界がクリアになった頃には。
『ガンダムだと……!』
何も存在していなかったはずのその場所に、ガンダムタイプのMSの姿が現れていた。
その得物から放たれた閃光が、ブルース機の片腕を吹き飛ばしたのだろう。
『……砂埃に紛れて敵を欺いているのは、自分だけだと思ったか? どうやら、これの特許は俺が頂いてしまったようだな』
――RX-78SP「ガンナーガンダム」。
防塵処理と砂漠用迷彩を施したその機体を駆る、リーフ・T・ライア少尉はコクピット内で不敵な笑みを浮かべていた。
彼はブルース機のドムと同様に、エンジンを切って砂の中に隠れていたのである。ブルースの注意が、フィーネ機とキョウイチ機に向けられている間に。
(あの2機は残党狩りの中でもトップエース級の猛者のはず! それを囮に使うとは……この俺も、随分と高く買われたものだッ!)
リーフ機の虚を突いた狙撃に、ブルースは冷や汗をかきながら感嘆の笑みを溢していた。
彼のガンナーガンダムが使用している専用ビームライフルは、この近距離で使うにはあまりにも高火力な代物だ。
ブルース機のドムが特別製の重装甲でなければ――片腕が吹き飛ぶ程度では済まなかっただろう。
本作で読者応募企画を開催していて毎回面白いと思うのが、やはり作者が知らない公式MSがどんどこ登場して来る部分なんですよねー。デザートジムやガンナーガンダムの存在も今回の企画で初めて知りましたし、第3部を連載していた頃にガンダムGダッシュの存在を知った時の衝撃は今でも記憶に新しかったりします(*´ω`*)