機動戦士ガンダム -烈火のジャブロー-   作:オリーブドラブ

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-中編からの登場人物-

-ヴァルタル・フリーデゴード-
 36歳。サイド3出身。歴戦の古強者として世界各地を転戦してきた「十指」の8位であり、赤と緑を基調とする専用のザクIに搭乗する。階級は大尉。
 ※原案は猩猩先生。

-リゼ・ラングリフォン-
 23歳。バルセロナ出身。優しく穏やかな女性パイロットであり、その物腰に反して高い指揮能力を有している。水色を基調に白色のラインを引いたジムD型に搭乗する。階級は少尉。
 ※原案はマルク先生。

-カジ・ヤマグチ-
 28歳。山口出身。戦後に入隊した新兵であり、給料に対する愚痴が絶えない問題児だが、実力は確か。ジム改に搭乗する。階級は伍長。
 ※原案は秋赤音の空先生。

-シンタロー・カネダ-
 26歳。千葉出身。戦争による困窮から脱するために入隊した過去を持ち、経験不足ながら凄まじいハングリー精神の持ち主である。ジムに搭乗する。階級は伍長。
 ※原案はダス・ライヒ先生。

-シトリ・ハルパニア-
 19歳。シドニー出身。コロニー落としで家族を失った名家の令嬢であり、実戦経験は浅いが熱い闘志の持ち主。ガンタンクIIに搭乗する。階級は曹長。
 ※原案はリオンテイル先生。

-イザベル・ファリントン-
 22歳。サクラメント出身。裏表のない実直なパイロットであり、どんな困難にも挫けない強さを秘めている。ガンキャノン重装型に搭乗する。階級は少尉。
 ※原案はクルガン先生。

-レント・アルマー-
 17歳。サンパウロ出身。戦争末期に徴兵された少年兵であり、未熟ながら人一倍強い正義感の持ち主。鹵獲機であるクリーム色基調のザクIIに搭乗する。階級は伍長。
 ※原案はシズマ先生。

-マリナ・ヴァネッサ・エルロン-
 22歳。サン=モール=デ=フォッセ出身。名家の出身であり、軍人らしからぬ嫋やかな雰囲気を纏う女性だが、その佇まいに反して射撃の腕はずば抜けている。ジムスナイパーに搭乗する。階級は少尉。
 ※原案は爆霊地獄₹97先生。

-トウカ-
 20歳。宮城出身。コロニー落としで家族を奪われたことで、かつては激しい復讐心に燃えていた鉄血の女傑。ジムスナイパーカスタムに搭乗する。階級は大尉。
 ※原案は影騎士先生。

-フィーネ・エイム-
 27歳。アラスカ出身。オデッサでジルベルトと戦った過去を持つ、歴戦の女傑。陸戦型ガンダムに搭乗する。階級は少佐。
 ※原案はエイゼ先生。



中編 凶眼の赤鬼 -ヴァルタル・フリーデゴード-

 絶えぬ輝き(イルミネーション)を纏い続ける、夜の東京。眠ることを知らないその都市を見下ろす、ジオン軍残党の群れは――颯爽とドダイから飛び降りると、ビルの屋上やアスファルトを踏み砕き、続々と着地していた。

 その先陣を切る黄色いザクIIの一つ目(モノアイ)が、赤く妖しい光を放つ時。部下達のMSは一斉に散り、迎撃に動いた連邦軍へと向かい始めて行く。

 

『……某はこれより、『目標』の破壊に向かう。迎撃部隊の陽動は任せたぞ』

『了解! 地獄で会いましょうや!』

『最期にあなたと共に戦えて、光栄であります!』

『某も同じ想いだ。済まんが、地獄の底まで付き合ってくれ』

 

 満足な補給線もなく、連邦軍の勢力圏内に飛び込んできた彼らは皆、最初から死ぬ覚悟を決めていた。

 連邦に一矢報いる。その想いだけで彼らは、隊を率いるザクIIのパイロット――ジルベルト・ロードボルトに、己の最期を託したのである。

 

 その目的は、ガンダムの破壊。即ち、連邦軍の象徴として展示されている、レプリカの破壊であった。

 このプロパガンダを聞き付けた彼らは、パレードの会場に選ばれた東京の街に、死に場所を見出したのである。

 

 例えレプリカであろうと、自分達の友人や家族を殺したガンダムが「英雄」として祭られている。その事実が、彼らには耐えられなかった。

 

『……見ていてください、師父。某も今、そちら(・・・)へ参ります』

 

 ホワイトベース隊に倒された、無数のジオン兵。そこに父や兄、戦友がいた彼らには。たったそれだけのために、命を捨てられる理由があったのだ。

 

 ◇

 

 しかし、いくら気勢が充実しようとも、それだけで勝てるほど戦闘は甘いものではない。どこまで行っても、「戦いは数」なのである。

 

『死にたがりが揃いも揃って……! カジ、10時の方向ッ!』

『わかってらァッ!』

 

 シンタロー・カネダ伍長のジムと、カジ・ヤマグチ伍長のジム改は、ビームスプレーガンとブルパップマシンガンを絶え間なく撃ち放ち。命さえもかなぐり捨てる残党の執念に慄きながらも、訓練通りに撃破し続けていた。

 実戦経験のない新兵が生き延びるための厳しい訓練は、ようやくその成果を証明していたのである。

 

『こいつら、死ぬのが怖くないんですか!? ていうかちゃんと保険入ってるんですか!? こんな連中相手に働いて、あんな薄給じゃあやってらんないですよ!』

『でしたらカジ伍長は、後方の支援に回ってください。こちらは我々で対処しますから』

 

 そんな彼らを率いる、リゼ・ラングリフォン少尉の愛機――RGM-79D「ジムD型」は。水色を基調に白色のラインを引いた、独特のパーソナルカラーを有している。

 

『……冗談じゃありません! こんな目に遭った上に、ボーナスまで掻っ攫われたらいよいよ働き損ですよッ!』

『同感です……! ただでさえ今月はキツいんですからッ!』

『それだけ言ってられる余裕があるなら、まだまだ頼りになりそうですね。引き続き、この防衛線の死守を願います!』

『了解! せめて給料分くらいは働きませんとね!』

『ほんっと、ノせるのが上手な隊長だぜ!』

 

 彼女は現場を指揮する隊長機として、部下達に指示を出しつつ、自らもビームガンで接近する敵機を迎撃していた。この都市の隙間を自在に駆け抜けるグフの群れを、彼女達は1機たりとも撃ち漏らすことなく仕留めていく。

 

 やがて、この近辺の残党全てを撃滅したリゼ達の視線は――333mにも及ぶ、この街の象徴たる電波塔。「東京タワー」へと向けられた。

 

 正確には。そのメインデッキの上に立つ、1機のザクIへと。

 

『あの旧ザクは、彼ら(・・)でも仕留めきれないというの……!?』

 

 赤と緑を基調とする、たった1機の旧式MS。本来ならとうに容易く撃破されているはずのその機体は、今も東京タワーの上で、紅い一つ目を輝かせている。

 すでに対処に向かっているパイロット達の実力をよく知っているからこそ、リゼは戦慄を覚えているのだ。本当にあれは、ただのザクなのかと。

 

 ――結論から言えば、ただのザクに違いない。ほんの少しばかり、出力を高めただけのザクI。今となっては骨董品同然と言っていい、旧型だ。

 

『ジルベルトめ、随分と手こずっているな。……どうやらまだまだ、俺達(・・)が働かねばならんらしい』

 

 強さの由来は、ただ一つ。それは隔絶された性能差すらも凌駕する、常軌を逸したパイロットの技量。

 

 「十指」の8位に君臨する、ヴァルタル・フリーデゴード大尉の実力があってこそのものなのである。彼はジルベルトの進む道を切り開くため、陽動を引き受けていたのだ。

 

『頭上を取って優位になったつもりかも知れませんが……そんなところに居たって、いい的になるだけですわッ!』

 

 激戦の中でその力を何度も味わい、傷付いてきた上で。それでもなお屈しないシトリ・ハルパニア曹長は、RMV-1「ガンタンクII」の主力である120mm低反動キャノン砲を撃ち放つ。

 コロニー落としによって家族を失って以来、復讐に心を燃やしてきた彼女は――経験を補うセンスを武器に、ヴァルタル機を正確に捉えていた。

 

『眠らない街、っていうのもオツなもんだな。……よく見えるぜ、お前達の動き』

『なッ……!?』

 

 だが、才能だけに敗れるような弱卒など「十指」には1人もいない。颯爽とメインデッキから飛び降りながら、ヴァルタル機はシトリ機目掛けて急降下して行った。彼女の迎撃で左腕を吹き飛ばされても、全く怯むことなく。

 

 僅か数秒。たったそれだけの間に、赤と緑のザクIは、ガンタンクIIとの距離を詰めていた。ヒートホークの刃さえ、届くほどに。

 

『させないッ!』

 

 しかし、そうはさせじと動く者がいた。イザベル・ファリントン少尉の乗機――RX-77-3「ガンキャノン重装型」が、2丁のブルパップマシンガンを連射しながら、240mmキャノン砲を撃ち放ったのである。

 シトリ機が接近された時に備え、あらかじめ待ち構えていたのである。ヴァルタル機の死角から、確実に仕留めるために。

 

『……賢いな』

『うそッ……!?』

 

 相手が「十指」でなければ、間違いなく決まっていた。しかしヴァルタル機は被弾する寸前、仰け反るように真横からの一斉射撃をかわすと――流れるようにビルの影へと消えてしまう。

 どんなに自分に有利な体勢であっても、決して功を焦ることなく冷静に対処する。そんなベテランならではの立ち回りを目の当たりにしたイザベルは、遮蔽物だらけの市街地で敵機を見失ったことに、少なからず焦燥を覚えていた。

 

『イザベル少尉、奴はあなたを狙っています! すぐにそこから離れないと……!』

『そんなことしたら、今度こそシトリが的になるよ! ……大丈夫。今度はしっかり当てて(・・・)みせる』

 

 それでも、挫けない。挫ける姿を見せてはいけない。イザベルはその一心で不敵に笑い、己を奮い立たせる。

 敢えてその場を動かず、「的」を引き受けるかのように。ビルからビルへと素早く動いている、ヴァルタル機の注意を引きつけるように。

 

『……経験は浅いようだが、度胸は一人前か。面白いッ!』

『来る……!』

 

 そして、彼女の心意気を買ったヴァルタルが。その勇気に対する賞賛として、一気に真上から斬り掛かった瞬間――イザベル機も、動き出した。

 速さでは、ヴァルタル機の圧勝。背後からの接近を悟り、振り向いた時にはすでに、ヒートホークの刃は重装型の肩口に沈み込んでいた。この近距離では、重装型の豊富な武器も意味をなさない。

 

『レント、今ッ!』

『おおおぉおーッ!』

『な……にィッ!?』

 

 だが、それは覚悟の上。イザベルの真の狙いは、ヒートホークを敢えて食らい、ヴァルタル機を足止めすることにあったのである。

 

 赤と緑のザクIを狙い、その後方から飛び掛かって来た鹵獲機のザクII。

 クリーム色に塗装されたその機体を駆る、レント・アルマー伍長は雄叫びと共に――ヒートホークの一閃で、ヴァルタル機の首を刈り取ってしまうのだった。

 

 イザベルは先ほど、当てるとは言ったが。自分の弾を当てるとは、一言も言っていないのである。

 

『……ふっ、ザクとはなッ!』

 

 誰かが言ったように、MSの性能差は戦力の決定的な差とはならない。「十指」の一翼を担っていた者として、それを見せ付けていたはずの自分が、同じザクに不覚を取る。

 なんとも、奇妙な皮肉があったものだと。首を切り落とされたザクIの中で――ヴァルタルは自嘲していた。

 

『だが……メインカメラを潰した程度で、MSは死なんのだよッ!』

『こいつ、まだッ!?』

 

 しかし、これで終わりとはならない。ヴァルタル機は頭部を失いながらも、強引にイザベル機からヒートホークを引き抜き、後方のレント機に襲い掛かる。

 その際、顔面に蹴りを入れられたイザベル機は転倒し、ヴァルタル機を背後から撃ち抜く機会を逸してしまった。僅か一瞬、という言葉すら及ばぬ疾さで、首無しのザクIはレント機へと肉迫する。

 

『あぐッ!』

『レントッ!』

『貴様の首も貰っていくぞ、若造ッ!』

『やられるッ……!?』

 

 奇襲というアドバンテージを失っては、純粋な技量で劣るレントに勝ち目はない。それは矢継ぎ早にヒートホークで両腕を斬られ、抗う術を失った今となっては、誰の目にも明らかであった。

 死を待つだけの無力なザクと化したレント機に、高熱の刃が迫る。コクピット内で飛び散る火花に両腕を焼かれ、窮地に立たされた少年兵には、為す術もない。力を失った彼に訪れる運命は、「死」のみである。

 

『がッ……!?』

 

 だが、それは一対一の勝負ならの話に過ぎない。多勢に無勢、という身も蓋もない現実は、この場においても例外ではないのだ。

 

 レント機にとどめを刺す寸前だったヴァルタル機は、瞬く間に全ての手足を「狙撃」され、ただ生きているだけの達磨にされてしまったのである。

 為す術なく地に落ちるザクIは、自分を仕留めた相手を一目見ることすら叶わず、行動不能となるのだった。

 

『……1機撃破。ザク如きに、私達も随分とナメられたものだ』

『あら、とどめを刺されないのですね? トウカ大尉にしては珍しい温情ですこと』

『殺す価値などない、ということだ。無駄口が過ぎるぞ、マリナ』

『うふふっ、それは失礼しました。では、そういうことにしておきましょう』

 

 数発の同時狙撃により、ついに「十指」の8位を仕留めたRGM-79SC「ジムスナイパーカスタム」と、陸戦型ジムをベースとするRGM-79[G] 「ジムスナイパー」。

 そのパイロットを務めるトウカ大尉とマリナ・ヴァネッサ・エルロン少尉は、怜悧な眼差しで決着の瞬間を見届けている。遥か遠くの、ビルの陰から。

 

『……とどめを刺してしまったら、悲しまれる殿方もいらっしゃることですし』

『……あんな奴のことなど、知らん』

 

 かつては、家族と婚約者を奪ったジオンへの憎しみに燃えていたトウカも、ヴァルタルにとどめを刺そうとはしていない。リュータ・バーニングという、いけ好かない男の存在を知るが故に、無益な殺戮には踏み込めなくなっていたのだ。

 そんな上官から垣間見える、ある種のいじらしさに微笑を浮かべるマリナは、敢えて何も言わず彼女に付き従っている。あなたはその方が良いのだと、幸せになれるのだと、言外に告げて。

 

『全く……! 自分が囮になるだなんて、あまりにも無茶ですよ少尉! もしコクピットに直撃していたら、いくら重装型でも……!』

『もー、レントは心配性だなぁ。イケると思ったから君に賭けたんだし、トウカ大尉とマリナのおかげでお互い無事だったんだから、結果オーライじゃない?』

『全然オーライじゃないですよッ!』

『……もう、イザベル少尉ったら』

 

 一方、咄嗟のこととは言え、無謀な作戦に出たイザベルに詰め寄るレントは、彼女を案じるが故に声を荒げている。自分の乗機(ザク)も両腕をもがれているというのに。

 そんな彼に呆れつつ、同じ思いで無鉄砲な隊長を見遣るシトリも――深々とため息をつくのだった。

 

 ◇

 

 彼らの活躍によって、「十指」の8位が破られた。が、それは残党達の戦意を削ぐようなニュースではない。彼らは最初から、「帰還」など度外視で戦っているのだから。

 

『……失うものさえ持たぬ奴ほど、手に負えないものはない。今の貴様を見ていると、改めてそう思う』

 

 声明など聞くまでもなく、そんな彼らの姿勢を汲み取っていたフィーネ・エイム少佐は、黄色いザクを前にそう呟いていた。彼女が搭乗している陸戦型ガンダムは、その双眸で因縁の宿敵を射抜いている。

 先の戦争における、オデッサの戦場。そこで付けられた傷跡の疼きが、彼女の胸中に眠っていた当時の痛みと、屈辱を蘇らせていた。

 

『……ガリウスを倒したガンダム、とも違うな。やはり、あの時の……そうか、そうか。某と同じく、貴殿も戦わねば折り合いを付けられぬ手合いか』

『一緒にしてくれるな。……この期に及んで貴様が出て来なければ、傷が疼くことも、戦うこともなかった』

『そうか、それは失礼した。……ならば、これで最後としよう』

 

 その一方、かつて互角の勝負を繰り広げていたジルベルトは、どこか懐かしむような声さえ漏らしていた。

 そんな彼の呟きを傍受した瞬間、フィーネは「この者を倒せ」と叫ぶ本能に従い、右手の100mmマシンガンと左手のバズーカを発射する。ジルベルト機もその掃射をかわしながら、ザクマシンガンによる牽制を試みていた。

 

 互いに激しく撃ち合い、装甲を削り合い。徐々に間合いを詰め、近接武器の間合いに近付いていく。

 

『おおぉッ!』

『はぁあぁッ!』

 

 やがて満身創痍の両者は雄叫びを上げ、同時に得物を引き抜いた。ビームサーベルとヒートホークが、互いの首を狙うように弧を描く。

 

『……!』

『終わりだッ!』

 

 だが、チューンナップされていようと所詮はザク。速さでも劣るそのスペックでは陸戦型ガンダムには追いつけず、ヒートホークを振り切る前に、その手首を押さえられてしまう。

 得物を封じられた仇敵の首を刎ねんと、フィーネ機のビームサーベルが振り上げられた。この戦いを誰が見ても、勝負はついたと確信しただろう。

 

 ――だが、彼は「十指」の中でも群を抜く「五指」の2位。この間合いでヒートホークを封じるだけでは、足りなかったのである。

 

『な……!』

『……やはり、貴殿は衰えた。1年前の、あの日より』

 

 大上段からビームサーベルを振り下ろそうと、勢いを乗せた瞬間。迎え撃つように、垂直に振り上げられたジルベルト機の()が――フィーネ機のツインアイに突き刺さったのである。

 指揮官機の証である、額から伸びる角。その鋭利な先端が、陸戦型ガンダムの()を潰してしまったのだ。

 

 予期せぬ反撃に、思わず一歩だけ退がるフィーネ機。その一歩が命取りだと悟った時には――すでに。

 

『――牙を失った虎にくれてやるほど、この命も安くはない』

 

 陸戦型ガンダムは、その首を刎ねられていた。逆手に構えたヒートホークを振り抜く、ジルベルト機の一閃によって。

 

『ぐっ……! ま、待てッ……!』

『……心配せずとも、すぐに終わる。貴殿は寝ているのだな』

 

 頭部を失い、倒れたフィーネ機はなおも立ち上がろうとしている。最後の最後まで、戦い抜くために。

 そんな彼女の闘志に敬意を払うと、ジルベルトは敢えてとどめを刺すことなく、その場を飛び去り「目標」の元へと向かっていく。

 

 ――彼女に付けられた傷で、愛機が動かなくなってしまう前に。

 




 このお話も次回の後編で完結。今回登場していない応募キャラ達は後編で活躍してくれますぞー。お楽しみに!(*´ω`*)


Ps
 なんで最近になって十指だの五指だの言い出したのかというと、そういうジャンプ漫画っぽいのが好きだからです。十二鬼月とか十本刀とか(о´∀`о)
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