機動戦士ガンダム -烈火のジャブロー-   作:オリーブドラブ

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-第6話からの登場人物-

-レオ・アークライト-
 20歳。ロンドン出身。第8陸戦小隊の隊長を務める世話焼きな好青年だが、その戦いぶりから「黒い悪魔」とも呼ばれている。黒のガンダムピクシー4号機に搭乗する。階級は大尉。
 ※原案はZG先生。

-ネロ・ダイル-
 26歳。ウランバートル出身。レオの部下であり、普段は気だるげだが戦闘時には冷徹な戦士の貌を覗かせる。ブルーディスティニー0号機に搭乗する。階級は少尉。
 ※原案はヘイトリッド先生。

-アリサ・ヴァンクリーフ-
 18歳。マルセイユ出身。第9陸戦小隊の隊長であり、リュータの同期。名家出身のお嬢様だが、「七光り」と呼ばれることを嫌い連邦軍に入隊した。ジムライトアーマーに搭乗する。階級は少尉。
 ※原案はシズマ先生。

-ヒダカ・アマサキ-
 20歳。兵庫出身。第9陸戦小隊の所属パイロットである、元整備士。シミュレーターで好成績を叩き出したことをきっかけに、パイロットも兼任するようになった。オレンジ色に塗装された鹵獲機のザクIIに搭乗する。階級は曹長。
 ※原案はシズマ先生。

-アクセル・ウィルマン-
 22歳。グラナダ出身。第10陸戦小隊の隊長を務める寡黙な青年であり、若年ながら数々の戦場を渡り歩いて来た。オーガスタ配属時に受領した、ジムドミナンスに搭乗する。階級は中尉。
 ※原案はmikagami先生。

-カルロ・ジェノヴェーゼ-
 32歳。ベネツィア出身。第10陸戦小隊に所属するプレイボーイであり、ヴィヴィアンヌの水着グラビアを目にして以来、彼女を狙い続けている。前線で得たデータをジャブローでフィードバックするために配備された、陸戦強襲型ガンタンクに搭乗する。階級は曹長。
 ※原案はmikagami先生。



第6話 漆黒の悪魔 -レオ・アークライト-

『パスカル少佐に任された以上、この防衛戦は絶対に譲れん。バーニング少尉、合わせる(・・・・)ぞッ!』

「了解ッ!」

 

 その頃。地下洞では、陸戦中隊とグフタンクの攻防が続いており――ジムキャノンとガンタンクの主砲が、同時に火を噴いていた。

 

 パスカルによって引き抜かれるまでは、RX-78-6「マドロック」の実験部隊にも所属していたマテウスは。ブランリヴァル隊のエイガー少尉と共に古巣で培った砲術を、遺憾なく発揮している。

 かつては鹵獲機のザクキャノンでも戦っていた彼は、その当時からの経験を活かし、グフタンクの顔面に寸分狂わず着弾させていた。同時に撃ち込まれた120mm低反動キャノン砲の火力もあって、その姿勢は大きく揺らいでいる。

 

『第8陸戦小隊、これより前線に出るッ!』

 

 攻めるなら、今。彼らが生んだ好機を活かすべく、マテウス機の頭上を飛び越すように――陸戦中隊の「新手」が合流して来た。

 漆黒に塗装されたガンダムピクシー4号機に搭乗する、第8陸戦小隊隊長レオ・アークライト大尉。そして彼の部下であり、純白のブルーディスティニー0号機を乗機としている、ネロ・ダイル少尉だ。

 

『随分遅くなっちまったが……待たせたな、リュータ!』

『別にサボってたわけじゃなくってさぁ。こっちも今まで、手が離せなかったんだよねぇ』

「ネロ! レオ大尉まで!」

 

 小隊長らしからぬワンマンアーミーな戦いぶりから、「黒い悪魔」とも呼ばれるレオのピクシーが、スラスターを噴かして地を駆ける。その後に続き、バイザーから紅い輝きを放つネロのブルーディスティニーも、凄まじい速度で疾走していた。

 

 地球圏最速と謳われるピクシーと、その機動性に引けを取らない「EXAM(エグザム)」の申し子。

 ビームサーベルを携えた「黒」と「白」の両機は、105mmマシンガンによる迎撃を巧みにかわしながら、全くスピードを落とすことなく肉迫していく。

 

『……生憎だが』

『ここまで来れば、俺達の間合いだ』

 

 そして、ビームサーベルで斬り込める位置まで近づいた瞬間。

 温和で世話焼きだったレオが、気だるげで飄々としていたネロが。冷酷な戦士としての貌を、覗かせる。

 

 やがて、同時に跳び上がった両機の光刃が唸り、グフタンクの両腕へと沈み込んでいく。それでも装甲の厚さ故、決定打には至らなかったが――機動力がさらに鈍っていることが、ダメージの深さを物語っていた。

 ジャブロー防衛任務の裏で、各機のデータ収集を託されているこの2人の手腕は、機体の性能をより強く引き出しているのだ。

 

『面倒だなぁ……まだくたばらないんですか、アイツ』

『だから俺達が来たんだ。面倒だからと言って、手を抜くなよ? ネロ』

『分かってますよぉ』

 

 すれ違いざまにビームサーベルを振るい、距離を取った頃には、第8小隊の2人はすでに元の表情に戻っている。だが、未だに倒れず戦闘を続行しているグフタンクを睨む彼らの眼は、冷たいままとなっていた。

 

『こちら第9陸戦小隊! ただいま戦線に到着致しましたッ!』

「アリサ……!?」

 

 そこへ、さらに追撃を仕掛けるべく。第8小隊に続きこの場への合流を果たした、第9陸戦小隊のMS隊が岩陰から跳び出して来た。

 その先頭に立つ、ジムライトアーマーに搭乗していたアリサ・ヴァンクリーフ少尉の、艶やかながらも可憐な声が――通信機を通して、ガンタンクに届けられる。ビームライフルを絶え間なく撃ちながら、彼女は必死にリュータの名を呼んでいた。

 

『リュータ、無事ッ!? ……い、いや別に……あなたが心配だとか、そういうことじゃないけど。ただ苦戦してる友軍機を、放っておくわけにはいかないってだけだし』

「あぁ、分かってるさ。……お前も来てくれるなんて心強いよ、アリサ」

『……そ、そう? 心強いだなんて……えへへ』

 

 連邦軍高官の娘という、やんごとなき身分の美少女でありながら。「七光り」と呼ばれることを嫌い士官学校の門を叩いた、かつての同期。そんな彼女の変わらない態度に安堵したのか、リュータは頬を緩めていた。

 一方のアリサも、リュータの様子から怪我はないと判断したのか、モニター越しに華やかな笑みを零している。自分達のやりとりに、ヴィヴィアンヌが微妙な表情を浮かべていることなど、知る由もなく。

 

『おっ、と……なかなか良い狙いね。けど、それくらいじゃあ私のライトアーマーには擦り傷一つ付かないわ! ヒダカッ!』

『はいはい、任せてくださいよ……隊長』

 

 装甲を犠牲に機動力を高めたライトアーマーの特性を活かし、105mmマシンガンの掃射をかわし続けるアリサ機。そんな彼女の「陽動」に乗じて、90mmブルパップマシンガンを撃ち放っていたのは――鹵獲機のザクIIに搭乗する、ヒダカ・アマサキ曹長だった。

 識別のためとしてオレンジ色に塗装され、ジムと同規格のシールドを背負っている彼の機体も、グフタンクの弾雨を巧みにかわし続けている。一見すれば気だるげな佇まいだが、シミュレーターでの好成績故に整備士からパイロットに転向したほどの腕前は、確かなものであった。

 

『……でも、友軍機をほっとけないだけって無理があるでしょ。バーニング少尉のピンチと聞いて、大慌てで動き出したのはどちら様でしたっけ?』

『ちょっ……ヒダカ! あなた少し黙ってなさいよッ! リュ、リュータ、耳を貸しちゃダメ! 知ってるでしょ!? この男、いい加減なことしか言わないんだからッ!』

「ふふっ……あぁ、分かってる。分かってるさ」

『ほらぁ、バーニング少尉もこう仰ってるわけですし。隊長が素直になれない恥ずかしがり屋だなんて、誰も思ってないってことですよ。だから安心して、心置きなくツンツンしてください。見ていて非常に面白いので』

『あなた、帰ったら覚えてなさいよ!?』

 

 ――そして、戦闘中であろうと些細な痴話喧嘩が絶えないのも。第9小隊では、よくあることなのである。

 そんな中でも狙いは全く外さない、彼らの技量あっての光景。その「名物」はこのジャブロー防衛戦においても、例外ではなかったようだ。

 

『あらぁ、アリサじゃない! 相変わらずお堅いわねー、もっと肩の力抜かないとダメよ?』

『レ、レイチェル! あなた、またそんなに胸元をはだけて! はしたないっ! リュータの陸戦型ガンダムの中で、そんな格好しないでよっ!』

『だってこのノーマルスーツ、胸だけやたらとサイズがキツいんだもの。あなたも試してみたら? 涼しくて気持ち良いわよ』

『やるわけないでしょっ! あなたがいつまでもそんなだから、リュータの風紀まで悪くな――ッ!?』

 

 その痴話喧嘩の余波が第5小隊のレイチェルにまで波及し、アリサ以上に苛立っていたヴィヴィアンヌが、般若の形相になりかけた瞬間。

 アリサ機の傍らを、2機のMSが抜き去っていく。

 

 RGM-79DO「ジムドミナンス」。RTX-440「陸戦強襲型ガンタンク」。その両機を擁する第10陸戦小隊が、ようやくこの場に到着したのだ。

 

『……こちら、第10陸戦小隊。これより、第7陸戦小隊を援護する』

『そういうわけだから、お嬢ちゃん達は下がってな。あのグフなら、俺達がヴェルダンに焼いてやるからよ!』

 

 開戦当初から様々な戦場を渡り歩いて来た、アクセル・ウィルマン中尉。彼が搭乗するジムドミナンスの右腕部に装備された、2連ビームキャノンが火を噴き――グフタンクの肩を撃ち抜く。

 マフィアを先祖に持つ、カルロ・ジェノヴェーゼ曹長。彼を乗せた強襲型ガンタンクの、220mmキャノン砲が爆炎を呼び。グフタンクの体勢を、大きく揺るがした。

 

『……いつになくやる気だな、カルロ』

『そりゃあそうだろう。なんたって第7小隊には、ヴィヴィアンヌが居るんだぜ? あの坊主の女だろうが関係ねぇ、俺は己の愛にのみ従う。それがウチの家訓だからな』

『……そうか』

『それに、あの坊主にも見所があるしよ。隊長にとっても、そうなんだろう? だったら隊員として、俺のやるべきことは一つだぜ』

『……あぁ、そうだな』

 

 陸戦中隊屈指の火力を誇る、両機の一斉射撃はグフタンクの足止めに大きく貢献している。データ収集という大役を担いながら、この防衛戦に加わっている彼らの実力は、まだまだこの程度ではない。

 ここが被害状況を考慮せねばならない基地内でなければ、グフタンクは瞬く間に撃破されていただろう。それを実行し得るだけの力が、彼らにはあるのだ。

 

『第7小隊は無論のこと、誰1人として犠牲にはさせん。それこそが、我が第10陸戦小隊の矜持だ』

『おうとも。ヴィヴィアンヌの温もりが、俺を呼んでるぜ!』

 

 そのハンデを踏まえた上でも、自分達なら勝てるという確信のもと。ガンターレットと4連装ボップガンに使用火器を切り替え、第10小隊はさらなる追撃に乗り出していく。

 ヴィヴィアンヌの名を叫ぶカルロの強襲型ガンタンクも、突撃砲形態へと変形し、グフタンクに肉迫していた――。

 




 もう1話だけと言いながら、またしても更新。恐らく次回辺りが最終話になるものと思われますが、最後まで見届けて頂ければ幸いでございます(´-ω-`)
 もちろん5月29日までキャラ募集は続いておりますので、どうぞこちらもよしなに。皆様のご応募、最後までお待ちしておりますぞー!٩( 'ω' )و
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