-レオ・アークライト-
20歳。ロンドン出身。第8陸戦小隊の隊長を務める世話焼きな好青年だが、その戦いぶりから「黒い悪魔」とも呼ばれている。黒のガンダムピクシー4号機に搭乗する。階級は大尉。
※原案はZG先生。
-シンジ・ミュラー-
24歳。ネルトリンゲン出身。MSの操縦適性も持っている戦闘機乗りであり、コアブロックシステムの扱いにも長けているエースパイロット。コアファイターに搭乗する。階級は軍曹。
※原案は魚介(改)先生。
-サナル・アキト-
21歳。サイド3出身。若年ながら数多くの戦場で活躍してきた「五指」の3位だが、非常に傲慢で自信過剰な人物。ソノ・カルマの宿敵でもあり、黒と濃緑を基調とする専用のザクIIS型に搭乗する。階級は大尉。
※ターレス名義で活動していた作者の過去作「機動戦士ヘビーガンダム(http://anotheridea.nobody.jp/HeavyG.htm)」のラスボス。
-マデラス-
30歳。サイド3出身。「十指」の6位に相当するサナル直属の部下であり、上官とは対照的に冷静沈着。ヒートサーベルを装備した専用のザクIIに搭乗する。階級は准尉。
※ターレス名義で活動していた作者の過去作「機動戦士ヘビーガンダム」の中ボス。
第1話 不撓の鋼翼 -シンジ・ミュラー-
宇宙世紀0079、12月14日――ジオン地上軍最後の拠点とされる、キャリフォルニアベースでは。
「……不甲斐ない。なんと、不甲斐ない」
サナル・アキト大尉が、愛機のザクIIを仰ぎ苦々しい表情を浮かべていた。黒と濃緑を基調とするその機体は、月光を浴びて妖しい輝きを放っている。
かつてオデッサに結集し、その圧倒的な技量を以て連邦軍を圧倒した10人の戦鬼――「十指」。その上位を占める「五指」の3位である彼は、日を追うごとに苛立ちを募らせていた。
――先のジャブロー攻略戦において、ジオン地上軍は戦力の多くを失い撤退を余儀なくされた。
そんな中、「五指」の5位に相当するガリウス・ブリゼイド中尉と、4位のニコラ・バルヒェット少佐が、この戦闘で消息を絶ったのである。
恐らくは戦死したか、連邦軍の捕虜となったのだろう。いずれにせよ、「五指」の雷名に傷が付いたことには違いない。
加えてニコラは、女日照りが続いていたジオン兵達が、暇さえあれば顔を見に集まっていたほどの美女。南極条約を遵守するような誠実さなど期待できない連邦兵達に囚われたら、何をされるか。
――そんな思考を巡らせていたサナルの中には、仲間の身を案じるような感情などなく。「五指」の
「……サナル大尉。連邦軍の大部隊はやはり、このキャリフォルニアベースに集結しつつあるようです」
「オデッサが落ちた上にジャブローの攻略にも失敗したのだ。勢い付いたアースノイド共が、意気揚々とここに来ることなど自明の理。……それより、
「……いえ。恐らく、今回の大部隊には加わっていないものと思われます」
「チィッ! 雪辱も果たせんとは、つくづく腹立たしい限りだ……!」
傍らに控えている「十指」の6位ことマデラス准尉は、彼の胸中を察した上で現在の状況を報告する。その内容が、さらに彼の機嫌を損ねるものだと知りながら。
――何機ものMSを同時に相手取っても、傷一つ負うことなく圧倒してきたサナル・アキト。そんな彼を唯一、「一対一」の戦闘で打ち倒した者が居たのだ。
連邦軍第6陸戦小隊の小隊長代理を務めている、ソノ・カルマ軍曹である。
「五指」の威厳に傷が付いた分の鬱憤も、彼への雪辱を果たすことで晴らそうと考えていたサナルは、
「ブリゼイドの奴もニコラ少佐も、なんと不甲斐ないことか。……まぁいい、
「……」
そんな彼の横顔を一瞥するマデラスは、いつも通りの仏頂面で星空を仰ぎ、思案していた。
「五指」としての面子に執着している彼では、宇宙に上がる仲間達を守り切れるかはわからない。その時は、自分が身を呈するしかないだろう、と。
――そして夜が明け、翌日の12月15日。ジオン地上軍にとっての最後の砦となる、このキャリフォルニアベースを舞台に。
血で血を洗う凄惨な激戦が、幕を開けるのだった――。
◇
すでにこの戦争の主な舞台は、宇宙へと移っている。故にキャリフォルニアベースに残されたジオン地上軍は、宇宙にいる同胞達に僅かでも望みを繋ぐためにも、HLVの打ち上げを少しでも成功させねばならない。
オデッサが陥落し、ジャブローの攻略にも失敗した今。総攻撃を仕掛けてきた連邦軍の勢いを跳ね除けられるだけの力は、もう残ってはいないのだから。
『くッ、また一つ上がっちまった! このままじゃ逃げられる一方だってのにッ!』
だが、それほどの優位に立っていながら。キャリフォルニアベースの激戦区に立つ連邦軍の兵士達は、次々と打ち上げられていくHLVの軌跡を見送るばかりであった。
ここが正念場と力を振り絞るジオン地上軍の「意地」は、圧倒的な物量差を前にしても折れない「気迫」を秘めていたのである。
『せめて、あの打ち上げ直前の奴だけでも――あぐッ!?』
『……うるさい蠅めが。目障りだ』
FF-X7-Bst「コアブースター」を駆り、打ち上げ体勢に入りつつあるHLVを狙おうとしていたシンジ・ミュラー軍曹も。標的を目の前にして、痛烈な一撃を浴びせられていた。
HLVの護衛を担っていたサナル・アキト専用のザクIIS型は、高速で移動していたシンジ機のブースターユニットに、ザクバズーカの砲弾を直撃させたのである。
瞬く間に炎上するユニットを切り捨て、コアファイター形態での作戦続行を余儀なくされたシンジは、その頬に冷や汗を伝わせていた。
『真横から俺の軌道を読んで当てやがった……! あんな奴に狙われてたら、捨て身で突っ込んでも撃つ前にやられちまうッ……!』
『HLVを狙いたいのであれば、狙えば良い。……この俺に背を向けて、生き延びる自信があるのなら、な』
「五指」の3位に相当する、隔絶された戦闘力。その一端を目の当たりにして、戦慄を覚えるシンジを嘲笑うように、サナルは口角を歪に吊り上げていた。
が、次の瞬間。建造物の影から飛び出してきた1機の「新手」が、その首を取るべく襲いかかって来る。咄嗟に回避したサナル機の眼前を、2本のビームダガーが横切ったのはその直後だった。
『……そうかよ。じゃあ、俺とも遊んでもらおうかいッ!』
『チィッ……新手のガンダムタイプか! いちいち癪に障る面構えだッ!』
二振りの光刃を振るうRX-78XX「ピクシー」。漆黒に塗装されたその4号機を駆るレオ・アークライト大尉は、「五指」の3位にも冷や汗をかかせる斬撃の嵐を見舞い、彼を後退させていた。
『あれは……「黒い悪魔」のレオ・アークライト大尉か!?』
『知っててくれたとは光栄だぜ、ミュラー軍曹! コイツは俺に任せて、あのHLVをさっさと――!?』
だが、その頼もしい増援にシンジが頬を緩めたのも束の間。レオの注意が僅かにHLVへと向けられた瞬間――迅雷の如きサナル機の飛び蹴りが、ピクシー4号機の腹部に炸裂する。
『……ガンダムタイプだからといって、たった1機のMSがこの「五指」の3位を止められるとでも思ったか』
『へッ……悪いな軍曹、作戦変更だ。どうやらこの野郎、意地でも俺達を通さないつもりらしいぜ』
一瞬の隙さえも与えんと立ちはだかる、絶対的殺意。その片鱗に触れたレオは己の意識を改め、再びサナル機と相対する。
『だったら、こっちもそのつもりで叩きのめすまで……ですね。エリザ少佐! キャノンパーツの投下、願いますッ!』
『了解! しっかり受け取りなさい、シンジ軍曹ッ!』
その戦闘スキルを目の当たりにしたシンジも、サナル機の撃破を優先するべく――遥か上空を飛行している
彼の合図に合わせて、ハッチを開いた緑基調の輸送機から「赤い装甲」が舞い降りてきた瞬間。シンジ機は素早く箱状に変形し、「
『コアチェンジッ! ドッキング・ゴォーッ!』
刹那。上半身と下半身を構成するパーツの狭間に滑り込み、RX-77-2「ガンキャノン」を完成させたシンジは、レオ機の隣に並び立つかの如く颯爽と着地した。
シンジ機が合体を完了させるまで、サナル機と刃を交え続けていたレオは、その瞬間を着地音で感じ取り頬を緩める。スプレーミサイルランチャーを装備したガンキャノンがレオ機の視界に現れたのは、それから間もなくのことだった。
『……待たせたな。これからは、MS2機掛かりだ』
『油断してると、一瞬でお陀仏だぜ』
『ふん……油断だと? それは俺に負ける要素があって、初めて成り立つ言葉だぞ』
これで2対1。しかも相手はガンダムタイプとキャノンタイプ。
だが、これほど不利な形勢にも拘らず、サナルは全く怯む様子もなく悠々と身構えていた。
『……そんなに死にたくば、好きなだけ向かってくるが良い。連邦の犬共が』
活動報告にある通り、連邦軍及びジオン軍の新オリキャラ募集企画は1月15日00:00まで続いております。機会がありましたらお気軽にどうぞー(о´∀`о)
Ps
外伝ということでナンバリングはされていませんが、今回のお話は第2部と第2.5部の中間くらいの位置付けと考えております。ので、完結したらその辺りにまた移転させようかなーと思います(´ω`)