ソロモン攻略後、コンペイトウと名を改めた宇宙要塞。そこに常駐しているエース達の、平和なひと時を描いておりますぞー。どうぞ(´ω`)
――宇宙世紀0080、12月25日。終戦から間もなく1年が経とうとしているこの日、東京基地の兵士達はささやかなクリスマスパーティーを催していた。
それはチェンバロ作戦以降、ソロモンから「コンペイトウ」と改められた宇宙要塞に常駐している、エースパイロット達も同様であり。彼らも戦後という時代を少しでも謳歌するべく、華やかな飾り付けで殺風景な基地を彩っていた。
「メリークリスマース! さぁ、今日くらいは面倒な仕事も戦争のことも全っ部忘れて、パーっと騒いじゃうよーっ!」
「さぁ野郎共、この俺特製のホールケーキを食らいやがれ! 残した奴には地獄の特訓フルコースをプレゼントだ!」
「……ヨウヘイ中尉、料理出来たんですね」
「モテるからな!」
主にその音頭を取っているロウアー・ダウンとヨウヘイ・チネンは、パイロットだけでなく整備兵やオペレーター達も集めて、格納庫を舞台にパーティーの開催を宣言している。
彼らの輪からは少し離れたコンテナの上で、ショートケーキを口にしているルイ・ヤクモは、上官の意外な特技に珍しく瞠目していた。そんな彼の前に、過激なミニスカート姿のサンタコスを纏う1人の美女がやって来る。
「はぁ、はぁ……ル、ルイ少尉! 如何ですか、このコスチュームは! セクシーじゃないですか!? 見ていてえっちな気分になりませんか!? 点数付けたらどれくらいになりますかっ!?」
「……5点です」
「んはぁあんっ! イイ……厳しめの点数イイ……! やっぱりルイ少尉に1番に見せて正解でしたっ……!」
そんなマイ・ユウキの相変わらずな姿にため息をつくルイは、目線を合わせず静かにケーキを食べ続けていた。彼の
「……そんな格好でマミア中尉に見つかったら、またお説教が始まりますよ。早急に着替えることを勧めます」
「はぁ〜いっ!」
やがてマイは、言われるがままに地を蹴って宙を舞い、優雅にミニスカートをはためかせながら去っていく。そんな彼女の背を見送った青年の隣に、ニヤニヤと笑みを浮かべるヨウヘイとロウアーが飛んで来たのは、その直後だった。
「なぁルイ、さっきの5点ってのは
「……5点満点中、ですよ。だから何だっていうんですか」
「別にィ? ただぁ、それを言わない方が良いって分かるなんて、随分あの人のこと分かってるんだなーって感じですよねぇー?」
からかうように笑っている彼らには、全てお見通しだったのである。着替えを促していたのも、他の男に彼女のミニスカサンタ姿を見せたくない――という、ささやかな男心に基づくものだったということも。
仏頂面で顔を背けても、隠し切れない真っ赤な耳を一瞥すれば、火を見るよりも明らかなのだ。これは確かに、目線を合わせ
マイの方も、ルイにばかり辛辣な感想を求めているところを見るに、誰からでも虐められたいわけではないらしい。お世辞にも健全とは言い難いアプローチだが、ある意味では一途で積極的なのかも知れない。
「……ったく、若いねぇ」
そんな若者達の険しい恋路を、遠くから苦笑を浮かべて見守っているガイエル・バスタードは。今日の新聞を広げ、東京で起きていた事件の記事を見つめている。
その一面を飾る写真に映り込んでいた、菫色の陸戦型ジムを一瞥する彼は。かつて共に戦った仲間の成長に、笑みを零すのだった。
「……立派になったじゃねぇか、ヴィオラ」
◇
その頃、パーティー会場と化している格納庫を目指して、通路を移動している者がいた。全身の至る所に包帯を巻いている彼――ジャン=クロード・ダルシアクは、意気揚々とした表情を浮かべている。
長きに渡る昏睡状態から奇跡的な快復を果たした彼は、ようやく歩ける状態にまで傷が癒えたのである。
そんな彼の傍らで寄り添うように飛んでいる、少女のような体躯の士官――アル・ナディスティアは、心配げにその横顔を見遣っていた。
「ジャン、もう動いてもいいの? 無理して傷が開いたら、せっかくの栄転も中止になるわよ」
「済まないが、さすがに1年もじっとしてはいられなくてな。来年からは地球で教鞭を執ることになるんだ、いつまでも寝てはおれんよ……アル」
戦時中の活躍を評価されていた彼は、地球で士官学校の教官職を務めるようジャブローから要請されていたのである。
そのため、今は先の戦いで負った傷を癒すことが先決なのだが、どうやら彼には完治まで静かにしていられない理由があるらしい。
「それに、俺を差し置いて随分と面白いことをしてる連中がいると聞いてな。例え軍医殿に止められようと、進まざるを得ないのだよ! スイーツが俺を呼んでいる!」
「……ふふっ。あなた、甘いもの好きだものね」
その子供のような理由を知っているアルは、優しげな笑みを浮かべながら彼に肩を貸している。彼が命懸けで守った
「……彼女もきっと、泣いて喜ぶわ」
これほどの穏やかな日々は、決して長くは続かないのだろう。いずれ再び、彼らの力が必要となる時代が訪れる。
だからこそ、せめて今だけは。戦後という、束の間の平和を謳歌するのだ。人々を守るため立ち上がらねばならない、その日が訪れるまで――。
◇
「マイ大尉、なんですかその格好は! 全くあなたという人はッ!」
「ひゃあぁんっ! ごめんなさぁいっ! ……で、でもこれ、すっごく動きやすいんですよ。マミア中尉も如何です?」
「断固! 拒否しますッ!」
これにて、この第2.5部も完結! 最後までこのお話を見届けてくださった皆様に、改めて御礼申し上げます! 読了ありがとうございましたー!(*≧∀≦*)
シリーズ全体の佳境である第3部への盛り上がりを補強したい、という思いから始めさせて頂いたこの第2.5部ですが、皆様にも楽しんで頂けたのであれば何よりです( ˊ̱˂˃ˋ̱ )
このシリーズで書けるお話はあらかた書き切ったと思っておりますが、なんとかあと1回くらいは募集企画を設けて、有終の美を飾りたいなーとも考えております(*´꒳`*)
が、ひとまず今年の読者参加企画はここまで。次の企画はゆっくりまったりと、来年以降に考えていこうと思いますー_(┐「ε:)_
ではでは、また来年に皆様とお会いできる日が来ることを楽しみにしておりますぞー! 良いお年をー!٩( 'ω' )و
【挿絵表示】
Ps
次の舞台はキャリフォルニアベース奪還作戦の予定ですじゃ(゚ω゚)