機動戦士ガンダム -烈火のジャブロー-   作:オリーブドラブ

91 / 177
-第3話からの登場人物-

-アリスノア・カーター-
 29歳。グラナダ出身。ロビン・カーターの義兄であり、義妹を探すために傭兵になった凄腕のパイロット。黒いフルアーマーガンダムに搭乗する。傭兵であるため、階級を持たない。
 ※原案は蹴翠 雛兎先生。

-タシギ・メスヴェン-
 24歳。カンタベリー出身。テオの部下であり、後方からの狙撃に特化した優秀な女性パイロット。サラミス砲を搭載した専用のジムに搭乗する。階級は少尉。
 ※原案はアルキめです。先生。

-ジュスト・ベルティーニ-
 25歳。キシナウ出身。一週間戦争から参加していた元戦闘機乗りであり、明るいムードメーカーでもあるケンジローの兄貴分。ジムコマンドに搭乗する。階級は中尉。
 ※原案はクルガン先生。



第3話 砲煙の戦姫 -タシギ・メスヴェン-

『あっ……!?』

 

 ダイナ機を両断するべく振り下ろされた、ヒートナタの一閃。それは彼女の命を瞬く間に奪い去る、はずだったのだが。

 

『……大丈夫か』

 

 FA-78-1「フルアーマーガンダム」。その系列に連なる漆黒のMSが、堅牢な装甲を以て刃を凌いでいたのである。

 ヒートナタをも通さぬ強固な鎧に身を包む、黒いガンダムには――アリスノア・カーターと呼ばれる傭兵が乗り込んでいた。正規パイロット以上のパフォーマンスを発揮している彼は、ヒートナタの威力に怯むことなく、ザクレロの顔面に蹴りを見舞う。

 

『ぬがあぁあッ……!?』

『……沈め』

 

 その弾みで距離を取った瞬間、アリスノアは素早く2連装ビームライフルを撃ち放つ。本来なら、それだけで勝負はついているところ……なのだが。

 

『舐めた真似をォオォオッ!』

『……ッ!?』

 

 ビームを浴びせられながらも素早く機体を反転させたザクレロが、予測を遥かに上回る速さで体当たりを仕掛けてきたのだ。常軌を逸した防御力に目を剥いた瞬間、アリスノア機は反応しきれずに跳ね飛ばされてしまった。

 その機体を咄嗟に受け止めたケンジロー機も、勢いを殺し切れずに吹っ飛ばされてしまう。

 

「ぐぅうッ! ノアッ、大丈夫か!? ……なんなんだ、あのMA! ビームを受けて装甲が焼かれないなんてッ!」

『……恐らく、だが。ソロモンに現れたという大型MAのものと、同系統の技術だろう。ビームを全く通さないバリアを張っていたと聞く』

「そんな……!」

『だが……引くわけにはいかん。義妹(ロビン)に会うまで、俺は死ねん』

 

 戦友が口にした情報に、ケンジローは戦慄する。チェンバロ作戦で連邦軍艦隊を翻弄した、MA-08「ビグザム」。それと同等の力が、レゾルグ機に備わっているというのだから。

 

『ケンジロー、ノア。……下がって』

「……ッ!?」

 

 すると、その時。艶やかな女性の声が、響いてきたかと思うと。

 ケンジロー機とアリスノア機の後方から、凄まじい迫力のビームが飛び出してきた。

 

『ぬぉおあぁッ、狙撃かッ!?』

 

 巡洋艦(サラミス)の大口径ビーム砲を彷彿させる、その閃光は――遥か彼方を飛んでいたレゾルグ機に、寸分狂わず命中する。ビームを通さないバリアを張っているはずのその機体は、大きく揺らめいていた。

 

「サラミス砲……!? タシギか!」

『……やはりね。ビームを通さないバリアなんて、そうそう簡単に量産できるものじゃない。奴のフィールドは、不完全な紛い物よ』

 

 その狙撃は、戦艦の類ではなく――「サラミス砲」と呼ばれるビーム兵器を携行する、タシギ・メスヴェン少尉専用のジムによるものだったのである。

 水色の髪を掻き上げ、かけがえのない戦友(ケンジロー)を遥か遠くから見守っている彼女は、ザクレロ目掛けて引き金を引き続けていた。

 

「ということは、俺達で攻め続ければ……!」

『えぇ、破れるはず。……だから、無茶はしないで』

「約束はできない。けど、絶対に生き延びて見せるさ。お前と一緒にな!」

 

 そんな彼女のサポートを頼りに、再びザクレロに向かっていくケンジロー機。その勇姿に、旧くから彼を知っている怜悧な美女は、微かな笑みを溢していた。

 

『よう、ケンジロー! まだ生きてるみてぇで何よりだぜッ!』

「ジュスト中尉こそ!」

『タシギのおかげで大きな隙が出来てる。……ここで1発ブチ込んで、俺達もいるんだってことを教えてやろうぜッ!』

「はいッ!」

 

 一方。ペガサス級から急降下してきた、RGM-79GS「ジムコマンド」に搭乗しているジュスト・ベルティーニ中尉は。

 親友であるケンジローと共に不敵な笑みを浮かべながら、ザクレロに肉迫していた。タシギ機からの狙撃を懸命にかわしているレゾルグは、彼らの接近に気付けずにいる。

 

『ビームは効かねえって話だが……こいつならどうだッ!』

「当たれぇえッ!」

 

 その不意を突くように。ジュスト機のブルパップマシンガンと、ケンジロー機のビームスプレーガンが、同時に火を噴いた。

 

『ぐぉおぁッ……!』

 

 不完全さが露呈しつつあるIフィールドをさらに揺るがす、ビームの一閃と。そのメリットを活かせない、実弾兵器。

 それら両方を同時に浴びせられたレゾルグ機は、たまらず後退してしまう。その「怯み」こそが、反撃の糸口であった。

 




 活動報告にある通り、キャラ募集企画は7月26日00:00まで続いております。機会がありましたらお気軽にどうぞー(о´∀`о)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。