機動戦士ガンダム -烈火のジャブロー-   作:オリーブドラブ

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-第6話からの登場人物-

-リュート・カドクラ-
 21歳。シドニー出身。コロニー落としで家族を奪われた過去を持ち、スペースノイドへの憎悪を募らせている。ジムライトアーマーに搭乗する。階級は中尉。
 ※原案はサンシタ先生。

-ドロテア・ルイーゼ・マルティン-
 29歳。ケムニッツ出身。囮作戦への従事を条件に、過去の問題行動を不問にすると誘われた元懲罰部隊。プロトタイプガンダムに偽装されたジムに搭乗する。階級は中尉。
 ※原案はザッキーハマー先生。



第6話 断罪の聖槍 -リュート・カドクラ-

『貴様ァッ、そこで何をしておるかッ! 早く我輩の援護に回らんかァッ!』

『……!? は、はいッ!』

 

 レゾルグが怒号を上げて呼び寄せたのは、MS-09R「リックドム」。その機体に乗っていたのは、徴用された学徒動員兵の1人であった。

 

「……! あぁ、あのドムはっ……!」

「まさか、あれのパイロットは君と同じ……!?」

 

 それを目にしたクーディアの様子から、その実態を察したケンジローは、周囲の友軍機に合図を送る。あのドムは俺に任せてくれ、と。

 

(助けに来てもらっておいて、あのドムは撃つな、なんて言えたものじゃない。俺がなんとかしないと……!)

 

 クーディアのゲルググを落とした時のように、戦力だけを奪って身柄を回収できれば良いのだが。レゾルグ機と戦いながらでは、それも難しい。

 ならば手足を奪って無力化させるしかないのだが、仲間達の強力な武装では手加減しきれず、そのまま殺してしまう可能性がある。

 クーディアの友人、つまりは戦争に巻き込まれただけの子供達を救うには、「程々の火力」であるビームスプレーガンに賭けるしかない。

 

「カブト少尉……!?」

「……任せろ、クーディア。これ以上君の友達は、誰にも殺させないッ!」

 

 拙い狙いでジャイアントバズを連射しているリックドムを盾に、ザクレロは仲間達を攻撃し続けている。仲間達もリックドムの様子から、パイロットが学徒動員兵であることには薄々勘付いているようだった。

 ならば、自分が終わらせるしかない。その一心でビームスプレーガンの引き金を引くケンジローは、リックドムの手足を瞬く間に撃ち抜いてしまう。

 

『きゃあぁあッ!』

『ええぃ、何という使えんガキだッ!』

 

 両腕を失い、ジャイアントバズを撃てなくなったリックドムは、邪魔だとばかりにザクレロに跳ね飛ばされてしまう。その先に待ち構えていたケンジロー機は、両腕を広げてリックドムを受け止めた。

 

「そのドムはもうダメだ、ここから逃げろッ!」

『……!?』

「近くに連邦の軍艦がある。そこまで行ったら、白旗を上げて投降するんだ! ここまで生き延びておいて、今さら死に急ぐようなことはやめろッ!」

『……は、はいっ……』

 

 学徒動員兵を救うには、武装を取り上げて投降させるしかない。幸いこの宙域の近くには、「お人好し」のクルーが集まったサラミスが控えている。

 リックドムのパイロットも、もはや戦いを続ける意味などないと感じ始めたのか。ゆっくりとケンジロー機から離れ、戦場の外へと吸い寄せられるかのように、動き始めていた。

 

『貴様ァ、逃げるつもりかァッ! 栄えあるジオン軍人の1人として、情けなくはないのかッ!?』

『ひっ……!? きょ、教官っ……私の機体はもう、武装がっ……!』

『リックドムならば胸部のビーム砲があるだろうがッ! それでそいつを撃てッ! ジオン軍人としての、務めを果たさんかァァッ!』

 

 だが、それを見逃すレゾルグではない。彼の恫喝を受けた学徒動員兵は、怯えた様子でリックドムを反転させ、躊躇いがちにケンジロー機と相対する。

 すでに胸部の拡散ビーム砲は、発射態勢に入っていた。

 

「くッ……!」

 

 恐怖に支配され、望まぬ戦いを強いられてきた子供達の意識は、容易く変わるものではない。その現実を突き付けられ、ケンジロー機は悔しさを胸に盾を構える。

 

『きゃああぁあーっ!?』

「……!?」

 

 だが、拡散ビーム砲が発射される直前。学徒動員兵を乗せたリックドムは、真横から来た「新手」によって勢いよく蹴り飛ばされてしまった。

 姿勢を維持できなくなり、回転しながら宇宙を漂っていくリックドムは、サラミスの方向へと流されている。リックドムをキックで吹き飛ばした、その「新手」は――RGM-79L「ジムライトアーマー」だった。

 

『……やはり、ジオン共は外道ばかりだな。年端も行かない子供を盾にして、投降すらも許さない。コロニー落としなんてマネができるわけだ』

「リュート中尉……!」

『ビーム砲を向けてきた時点で、落としてやっても良かったところだが……今回だけはお前に免じて、蹴り1発で済ませてやる。脅されただけなのは、事実だからな』

 

 RGM-79FP「ジムストライカー」のものと同じ、ツインビームスピアを携えたジムライトアーマー。そのパイロットを務めるリュート・カドクラ中尉は、コロニー落としで家族を奪われた過去を持っていた。

 本来ならば彼の言う通り、学徒動員兵であろうと銃を向けてきた時点で撃つべきだったのだろう。それでも彼は、反撃よりも防御を選んだケンジローの意を汲み、キックだけで済ませたのである。

 

『……それにもう、倒すべき敵はわかってる。でしょう? リュート』

『……余計な口を挟むな、ドロテア』

 

 そんな彼の傍らに、1機のMSが接近してきた。RX-78-1「プロトタイプガンダム」……の外観に擬装されたそのジムは、リュート機の肩を気安く叩いている。

 囮作戦への従事を条件に、刑務所行きを取り消すと約束された、元懲罰部隊所属のドロテア・ルイーゼ・マルティン中尉。彼女の乗機(ジム)はその囮作戦のために、この姿に改修されていた。

 

『悪いね、ケンジロー。こんだけガンダムヅラした連中が集まってんなら、アタシが居る理由は本来ないんだけど……ウチの相棒、どうしても許しておけない奴を見つけちまったらしくてさぁ』

『……そういうわけだ。お前には悪いが、俺達も混ぜてもらう。行くぞ、ドロテアッ!』

『はいよッ!』

「ちょっ、リュート中尉! ドロテア中尉ッ! 奴にはビームを通さないバリアが……!?」

 

 彼ら2人はケンジローの制止を敢えて無視して、ザクレロに襲い掛かる。一方のレゾルグ機も、リュート機とドロテア機に狙いを定め、拡散ビーム砲を集束させていた。

 

『ガンダム共は、アースノイドは、皆殺しだァァッ!』

『俺達は、誰もくたばらんッ!』

『くたばるのは、あんた1人さァッ!』

 

 だが、閃光の豪雨を前にしても。2機は被弾を覚悟の上で猛進し、そのまま間合いを詰めていく。

 やがて傷付きながらも、射程圏内に辿り着いたドロテア機のビームライフルが火を噴き。その一撃が決まる瞬間、リュート機もツインビームスピアを、ザクレロの大顎に突き立てた。

 

『ぐぉあぁあぁあッ! バカなッ、まさか我輩のIフィールドがッ……!?』

 

 ツインビームスピアで拡散ビーム砲を破壊された上に、ビームライフルの一撃を浴びせられたレゾルグ機は――黒煙を上げ、後退する。

 その機体に起きている「異変」は、ケンジロー達にも伝わっていた。

 

「奴のバリアが、破られた……!?」

 




 活動報告にある通り、キャラ募集企画は明日の7月26日00:00まで続いております。長きに渡るこの企画も、残すところ24時間。まだまだ募集は受け付けておりますので、機会がありましたらお気軽にどうぞー(о´∀`о)


Ps
 このザクレロが俺YOEEEくせにしぶとすぎる。
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