-ゾネス・ゴルドー-
34歳。ワシントンD.C.出身。士官学校時代におけるケンジローの元教官であり、ルウム戦役から戦い続けてきたベテランパイロット。ジムに搭乗する。階級は大尉。
※原案はバッフロン先生。
-マサヒコ・イシモリ-
26歳。宮城出身。ゾネスの最初の教え子であり、ケンジローの良き兄貴分として彼を支える。フルアーマーガンダム試作0号機に搭乗する。階級は中尉。
※原案は仮面ライダー大好き先生。
-ヨシナオ・シンジョウ-
24歳。北海道出身。かつては特殊部隊に所属していたエースパイロットであり、戦果よりも生還を優先して戦い抜いてきたベテランの1人。ジムスナイパーIIに搭乗する。階級は大尉。
※原案はエクシリオン先生。
ケンジロー達の反攻により、徐々に勢いを失っていくビグロ隊だが――彼らもMAを任された精鋭の1人であり、そう容易く倒されるような相手ではない。
「ぐぁッ……! し、しまったッ!」
ビームスプレーガンの連射をかわし、ケンジロー機をクローで捕まえた1機のビグロが、メガ粒子砲を集束させていく。パブリクのビーム撹乱幕を受けなかったのか、その発射口は眩い輝きを放っていた。
『だらしがないぞ、ケンジロー! 生きて帰れた時は、再訓練してやるから覚悟しておけッ!』
「ゾネス教官ッ!?」
だが、その直前。背後からビグロに取り付いてきたジムに姿勢を乱されたことで、メガ粒子砲は明後日の方向に飛んでいってしまう。
ナイフを持った軍服姿のピエロ。そのエンブレムを右肩に施した、ジムのパイロットは――ケンジローの元教官、ゾネス・ゴルドー大尉であった。教え子の窮地に駆け付けてきた彼は、ビグロに取り付いたまま、両腰部からビームダガーを引き抜く。
『接近戦こそ、MS戦の醍醐味というものだッ! 斬り刻んでくれるッ!』
そして、繰り出される斬撃の嵐。その刃の雨はビグロの装甲を徐々に焼き切って行く……のだが、撃破に至るには威力が浅い。
『……ちぃッ!』
「教官ッ!」
やがて、激しく機体を揺さぶったビグロに振り落とされてしまい。間合いを離されてしまったゾネス機が、新しいターゲットにされた。
師を撃たせまいとケンジロー機もビームスプレーガンを連射するが、ビグロのパイロットも手練れなのか、背後から飛ぶそのビームを全てかわしている。そのままゾネス機に肉迫するビグロは、先に彼から仕留めようとクローを振り上げた。
『……!』
その時。2連ビームライフルと5連装ロケットランチャーの猛雨が、頭上から降り掛かり。ビグロの巨体に、風穴を開けてしまう。
瞬く間に爆炎の中へと消えたビグロから、上方へと視線を移したケンジロー機とゾネス機の前には――ダークブルーと白を基調にした、フルアーマーガンダム試作0号機が佇んでいた。
『よう、危なかったな! ケンジローもこんな時に大尉に見つかるなんて、災難だったねぇ』
「マサヒコ中尉……!」
『……遅いぞ、マサヒコ。他の連中を相手にしていたとはいえ、手こずり過ぎだ』
『ははっ、相変わらずお厳しいこって。あんたに仕込まれた根性でここまで来てんだぜ? ちょっとは褒めてくれないもんかねぇ』
『その無駄口が治ったら、考えてやる』
そのパイロットを任されているマサヒコ・イシモリ中尉は、ゾネスにとって最初の教え子であり――いわば、ケンジローの兄弟子に当たる存在であった。彼は弟分との再会に笑みを浮かべながらも、次のビグロに狙いを定め、鋭く目を細めている。
『……数が減ってきているとはいえ、あのMAは1機だけでもかなりの脅威だ。友軍機を襲わせるわけにはいかん』
『そうそう。てなわけで、俺達でさっさとお掃除しないとな。久々に手を貸してくれよ、ケンジロー! 大尉に叩き込まれた俺達の根性、見せてやろうぜッ!』
「はいッ!」
ゾネスの言う通り、ビグロは単機でも巡洋艦すら容易く撃沈できる火力を持っており、非常に危険な存在と言える。この宙域を抜けられ、別働隊を襲われれば甚大な被害は免れない。
その脅威を排除できる戦力がここに揃っている以上、何としてもこの場で撃滅せねばならない。そんなゾネスの方針に従い、ケンジロー機も戦力の一つとして、彼らに続きビグロ隊に立ち向かっていく。
そんな彼らを捕捉した1機のビグロは、先頭を飛ぶゾネス機に狙いを定め、4連装ミサイルランチャーを放とうとしていた。ジムの装甲でその火力をまともに浴びれば、ひとたまりもない。
『……させんッ!』
だが、発射直前。宙を裂くロングレンジビームライフルの一閃が、ミサイルの発射口に直撃する。やがて誘爆の連鎖によって、ビグロは内側から吹き飛ばされてしまった。
『1機、撃破。……しかしあいつら、命が惜しくないのか。MAの小隊に真っ向から立ち向かうとは……』
白と黄色を基調とするジムスナイパーIIを駆り、ゾネス機を守り抜いたそのパイロット――ヨシナオ・シンジョウ大尉は。MAを撃破したというのに全く気を緩めることなく、次の獲物に狙いを定めている。
『そりゃあ惜しいでしょう。……だからですよ』
『なに?』
その時。ヨシナオ機の背後を守っていた僚機――エメリヤーエンコ・コピュロフ中尉の機体から、通信が入ってきた。
彼には、分かるのだ。無茶を承知でビグロ隊に挑む、ケンジロー達の思いが。
『MAが1機でもこの宙域を突破したら、後方の艦隊に大きな被害が出る。大尉と同じように、あいつらにとっても「命は宝」だから……今ここで、命を懸けている。そういうことですよ』
『……なるほどな。つまり我々が一肌脱いで、その道を切り開かねばならんということか。コピュロフ中尉』
『別に良いじゃないですか。大尉も嫌いじゃないでしょう? ああいう、無茶が大好きな奴らは』
『ふっ……よく分かってるじゃないか』
そんな部下の言葉に、ヨシナオは微かに頬を緩めつつ――ビグロ目掛けて、ビームライフルを構え直していた。
『あいつらのような連中を死なせんために、俺達がいる。……命は宝、だからな』
元特殊部隊所属のエースパイロットでありながら、「戦果」よりも「生還」を優先して戦ってきたヨシナオは。頼れる相棒と共に銃を取り、ケンジロー達の進撃を陰ながらサポートしていく。
彼らの強力な援護射撃が功を奏し、ケンジロー達は次々とビグロを撃墜していき――レゾルグ機は再び、孤立を深めていった。
仲間達を「駒」としか思わず、冷徹に利用してきた彼には相応しい、決着の瞬間が。徐々に、そして確実に近付いている。
『くそぉおぉおッ……! まさかビグロ隊までもがッ! ディートハルトのゲルググJは何をしておるかッ!? 奴にもここへ来るよう信号を飛ばしたはずだッ!』
『そ、それが……クリーガー少尉は要塞内部に突入した連邦軍と交戦状態にあり、この宙域には来れない状況で……ぐあぁああッ!』
そして、最後のビグロが撃破され、爆炎の中へと消えた時。その奥から炎を破り、現れた1機のジムが――ザクレロを捕捉する。
『き、貴様ァッ……!』
「……これで最後だ。ケリを付けてやるッ!」
ケンジロー・カブト。レゾルグ・バルバ。
燃え盛るア・バオア・クーを舞台に、2人の男が今――雌雄を決しようとしていた。
本日を以て、本作最後の募集企画は終了となります。この度の第3弾募集企画にご参加頂いた皆様、ご協力誠にありがとうございましたー!(*≧∀≦*)
次回でいよいよ本作も完結です。どうぞ最後までお楽しみに! であります!٩( 'ω' )و