第二章 目覚め
秀真は夢を見ていた。3人の子供の一人の少女が寺の中にある刀を持ち上げている。秀真は叫ぶ。
「その刀はダメだ!」
しかし3人には聞こえていないようである。すると刀は光始めてしまい、秀真が見ていたものは途切れてしまった。
秀真はゆっくりと目を開けた、とても明るい、なぜ自分がベッドで寝ているのか、ここはどこなのか、するとひとりの女性がこちらに気がついた。
「目が覚めたかね?」
抜群のプロポーションを持っているが常に眠そうで胸ポケットにはくたびれたクマのぬいぐるみがある女性だった。
「ああ、すまないね、紹介が遅れた、私は
秀真は何を言っているか理解できなかった、船?ここは病院じゃないのかと、状況が理解出来ぬまま令音と名乗る女性は質問を始めた。
「まず君の名前を教えてもらおうか」
「秀真」
「ふむ、では次の質問だ..... 」
自分でもなぜ名前だけ覚えているかわからなかったが、それ以外に答えられるものはなかった。
「ふむ、覚えているのは名前だけか、まあそのうち思い出すだろう、君にはしばらくここにいてもらう、それともう一人君と話がしたいという人物がいる」
すると一人の少年がそこにいた、話を聞くと、少年の名前は五河士道であるということ、彼が最初に自分を見つけ助けてくれたこと、この街のこと、精霊のことなどについてだ。いきなりいろいろな情報は多かったが現にこの船は普通の船じゃないこと彼の妹である琴里が精霊だということの証明を受け、納得するしかないと感じたからだ。
「秀真さんといったかしら?危険はないようだし今夜は私たちの家に泊まりなさい。でも常にフラクシナスが監視しているから自由はないけど」
「それで構わない、何から何まですまない」
秀真は五河家に着くと様々な精霊と呼ばれる少女たちに熱烈な歓迎を受けた。
「シドー、そやつは誰なのだ?」
「あれ?聴いてないのか?秀真さんだしばらくいてもらうことにしたんだ」
「秀真だ、皆よろしく」
「うむ、私は夜刀神十香だ、よろしく頼む」
「ふっふっふ、我らと対等に話せることに驚くが良いわ、我は颶風の御子八舞耶倶矢だ!」
「あほ耶倶矢はほっといて改めて、挨拶、八舞夕弦です。以後お見知り置きを」
「あの、その、四糸乃です。よろしくお願いします」
「......七罪よ.....よろしく.....(うわー絶対変な根暗なやつと思われたわ........)」
個室を用意してもらいベッドで横になってふと自分が何をしたのか、なぜここにいるのかなどを考えてみたが何も思い浮かばなかった。しかし自分が着ていた服の背中に書いてある朧という文字、どこか懐かしいような悲しいようなそんな切ない気持ちになりながら秀真は目を瞑った。
同時刻、秀真がいた世界、東京、某神社。
「絶対...絶対に秀真様は生きてる!」
一人の少女はそう願うと鏡に妖術を唱えた。すると鏡が歪みとある人物が映し出された。
「秀真様........やっぱり.......。」
秀真は生きている、そう喜びを噛み締めたと同時にさらに別の妖術を唱えその空間が鏡に映し出される、一度もこの術を使ったことはなかったがうまくいったようだった、少女は意を決して鏡の中へ飛び込んだ。
翌日、秀真が起きると士道は朝食の用意をしていた。
「あ、おはようございます、秀真さん。昨日はよく眠れましたか?」
「ああ、なんだか久しぶりに暖かい布団で寝たような気がする」
「それはよかったです、あ、今朝食を出しますね」
「おっはよーございます、秀真さーん」
「ん!?琴里か!?昨日とは態度というか性格が違うような?」
「あー琴里はリボンの色で性格が変わるんですよ、白の時は妹モード、黒になると司令官モードになるんです」
「むう、なるほど」
と士道と秀真が話していると、
「おはようだ!シドー!」
「颶風の御子八舞耶倶矢であるぞ!」
「挨拶、おはようございます」
「おはようございます」
「....おはよ。誰も聴いてるはずない(ブツブツ)」
「ああ、みんなおはよう、みんなも来たし、飯にしよう」
「うむ!いただきますなのだ!」
「「「いただきます」」」
その頃フラクシナスに保管されている妖刀「悪食」が赤い光を帯び始めていた。
それは秀真の戦いが終わってないことを意味していた。