第三章 出現
第三章 出現
朝食を食べ終わった士道たちのもとにとある来訪者がきた、
「皆さんおはようございます。みんなの美九ですよ!皆さん今日もかわいいですぅ、ここが私のユートピア!」
そう、今をときめくアイドル
「んんん〜、今日の朝食は誰がいいかな〜」
美九がそんなことを言うとまるで警戒するかのように全員身構えた。まあ一人「ビクッ!?」っとなっている者もいたのだが、すると美九の目が一人の男性にとどまった。
「あなた誰ですか?だーりんの家に入ってるので悪い人ではなさそうですが」
だーりんと言う言葉に困惑しつつも秀真は言った、
「俺は秀真、訳あって今はここに世話になっているよろしく」
と、手を差し出す。
「誘宵美九です。よろしくお願いしますね」
と挨拶はしたが握手は返されなかった、すると今度は
「やあ、みんな集まっているね」
「令音さんおはようございます。」
「やあ、シン、秀真くん、君もよく眠れたかね?」
「はい、ありがとうございます」
「さっそくだが秀真くん絡みの件でまた情報が入った、昨日また別の力の反応の情報を得た、秀真くんが持ってきた刀の力とはまた別のものだ、空間が歪んだとも情報がある、すまないが秀真くん、シンも一緒に行ってくれ。他の聖霊の者たちは二人のバックアップだ、戦闘になった場合困るからね」
「わかりました、じゃあ早速行きましょうか秀真さん」
「ああ」
二人は用意を済ませると反応のポイントへ向かった、
「ここは四糸乃と出会った神社か」
「四糸乃と言うとあのぬいぐるみをつけた?」
「そうです。あれが四糸乃です、っと反応はこの辺りか」
「きひひひひ」
「「!?」」
何事かと思った二人だったが、すぐに事情を理解した、地面が歪みそこから人が出てきたのである。
「っ....狂三!?」
そう、最悪の精霊
「ええ、ええ士道さんご機嫌よう、そちらの方は初めましてですわね」
「狂三!お前何しに!?」
「まあそう構えないでくださいまし、わたくしは今この町に起きている異変を調べているだけですわ、さしづめあなたがほとんどの原因を占めているようですけどね、ねえ忍さん?いいえ朧の里の当主と言いましょうか、きひひひひ」
「どういうことだ狂三!お前は何を知っているんだ!」
「まあまあこの神社の境内を調べてみたらわかることですわ、そのうち危険なことが起きるかもしれませんわね、ご注意を」
すると彼女は地面に消えていった。
秀真は考えていた、朧の里の当主?あの朧はそう言う意味だったのか?いろいろ考えてみたがやはり思い出せなかった。
「秀真さんいきましょう、狂三はこの中に答えがあると言った」
「彼女は信用できるのか」
「ええ、精霊が災厄なんて誰にも言わせません、いつか必ず彼女も救います」
この少年は何て強いんだ、そう思いながら秀真は士道と共に中に入った。
中に入ると物が散乱しておりあちこちがめちゃくちゃになっていた。
「うわなんだこれぐちゃぐちゃじゃないか」
「ん!?誰か倒れている!」
二人は駆け寄ると巫女の服を着た少女がいた。
「!?」
秀真は知っている、この少女が誰なのかをここにくる前に窮地を救ってやった記憶を少しだけ思い出せたがどうしてそんなことをしたのか、また彼女の名前も思い出せなかった。
「士道、とりあえず彼女を......。」
士道は無言で頷くと琴里に頼みフラクシナスの転送装置に拾ってもらった。
フラクシナスに到着ししばらく待っていると令音から少女が目覚めたと言う報告が入り、士道、琴里、秀真が部屋へ向かった。部屋へ入った瞬間少女が秀真の方を見て、泣き始めた。
「秀真様.....必ず生きていると思っていました」
「すまない、君のことを全く覚えていないんだ、俺も以前君と何をしたのか覚えていない」
「そう........ですか、では改めて、
「私たちも紹介するわね、私がこの船の司令官の五河琴里よ」
「五河士道です」
「早速だが篝くんすまないね、秀真くんと君のこと、君たちの世界の話をしてくれ」
「わかりました」
篝は説明した。自分たちの世界は何年か前の別の次元の東京だと、関東大震災という事件があり自分の祖先産土ヒルコの仕業であること、またそれを解決したのは秀真のいた朧の里の忍びたちであったこと、秀真が当主になったあとの朧の里は封印が解かれたヒルコの手によって滅ぼされたこと、また黄金城を使い、式神と呼ばれる妖怪を使いまた世界を支配しようとしたこと、それを秀真が倒し解決したこと、秀真の行方を気にして自分も式神を使いこの世界にきたことを一から全て話してくれた。
「そんな悲惨なことがあったのね」
「はい、私たちが今平和に暮らせているのも秀真様のおかげなのです」
「なるほど、経緯はわかった、ではなぜ秀真くんがこの世界に来るのだろうか、ここにくるのなら理由があるはずだ」
と令音は問いかける
「それは秀真様が使っておられた「悪食」のせいかもしれません」
「その悪食というのはなんなんですか?」
「朧の里が代々受け継いできた妖刀「悪食」、次の朧の当主が決まると、その刀は当主が使い一生その刀で敵を倒さねばならないのです」
「なぜその刀なんですか?」
「悪食はその名の通り妖刀、人の御霊は陽の魂≪コン≫と陰の魄≪ハク≫から成り立っています。魄は人の負の感情、つまり憎しみや恨みそのものです、悪食は目覚めると魄を吸い続けるのです。食い足りなければ持ち主の魄まで吸い、最終的には命まで..........。」
「ふーんなるほど、意味はわかったわ、これで秀真が最初に来たときに刀から強大な力が観測できたのにも納得がいくわね」
とチュッパチャップスをピコピコさせながら琴里は頷いた。
「!?」
突然ガクッと秀真が膝をついた、
「秀真様!」
「秀真さん大丈夫ですか?」
「まさか!?琴里様、悪食はどこにありますか!」
「すぐそこの保管室よ!」
篝は飛び出した、士道もついていく。するとそこには赤く光る悪食があった。
「悪食はまだ魄を求めてる..........八面王の魄を吸ったはずなのに..........」
すると突然艦橋内にけたたましくサイレンが鳴った。
「士道!篝!今すぐ司令室に来て!」
二人がすぐに向かうとそこには信じられない光景が広がっていた。
「式神...........なんで.............。」
「なんなんだこれ」
モニターには