第七章 絶望
第七章 絶望
ゲームセンターを後にした秀真と篝はフードコートで昼食をしていた。
「このハンバーガーというものもなかなか美味だな」
「このラーメンもすごく美味しいです」
「篝、食べてみるか?」
「え?いいんですか?」
「ああ」
「すごくおいしいです」
「秀真様、こっちのほうもどうぞ」
「ああ」
ずるずるとラーメンをすする、
「これもすごくうまいな」
「ですよね、食べ物ってすごいなあ」
するとこちらをみていた男(高校生?士道と同じくらいだろうか?)いきなり大声で叫び始めた。
「俺も彼女がいればうわあああああん間接キスとかしてえええええええ」
と言い何処かへ走り去ってしまった。インカムから士道の「殿町の野郎・・・」という声が聞こえてきたが秀真はそれどころではなかったのである。
「か、間接!?」
「///////」
秀真は顔を赤くしたが特に意識してなかった篝に関しては不意打ちを食らって顔を真っ赤にし下を向いてしまった。するとインカムからこんなことを言われた。
「あら?何を意識してるのかしら?キスもしたんじゃない、ここで一つ一つ反応してたんじゃ埒が明かないわ。早く次のステップに行きなさい」
秀真と篝は注目の的になってしまったため逃げるようにその場を後にした。
しばらく楽しんでいたが着実に絶望までの時間は迫っていた。それは突然に起こった。一瞬暗くなったと感じた瞬間、凄まじい爆発と音が鳴り響いた。
「!?」
秀真たちが驚いているとモール内はパニックになってしまった。爆発の原因は式神だった。割れた場所からたくさんの式神が入ってくる、モール内は阿鼻叫喚の地獄絵図であった。
「くっ、篝逃げるぞ!」
「は、はい!」
秀真は篝の手をギュッと強く握りしめその場から一目散に駆け出した。
♢
「秀真くんと篝ちゃんは依然逃走中、モール内式神の攻撃によりパニック状態です」
「式神の影響で死傷者、怪我人多数です」
式神の予期せぬ攻撃によりフラクシナス艦内も困惑していた。
「くっ、まさかこんな人の多いとこで行動を起こすなんて、やられたわ、十香、四糸乃、折紙、耶倶矢、夕弦、美九、そして士道準備なさい!秀真たちを救いにいくわよ!」
「「「「おう」」」
「くそ、悪食がないと........」
武器がない秀真にとって逃げるしか手がなかった。たとえ武器があっても篝と一緒ではまともに戦えるはずがない。そう判断するしかなかった。秀真は駆ける、たとえこの場にいる人間が死のうとも篝を助ける。秀真には篝しかいないのだ。その時、突然目の前に障害物が現れ秀真は体制を崩してしまった、
「くっ」
体制を崩し篝との手を離してしまった、そこにいたのは仮面を被った二刀流の忍びだった、
「お前が元凶か、誰だ!」
「ふっ、悪食で早く死ねばいいものを、まあ貴様にはもう時間がないがな」
そんな会話をしていると式神が一匹向かってきた。秀真は攻撃を避けることしか出来なかった。
「さらばだ朧の当主よ、娘はもらっていく」
「待て!」
そんなことを聞き入れるはずなく篝をさらって忍びは何処かへ行ってしまった。
式神が集まってきており絶体絶命の状況になってしまった。
「くそ!」
その時突然の衝撃が起きたかと思うと、目の前にいた式神が突然死んだのだ。
「!?」
そこにいたのは・・・
「士道、皆・・・」
そう、士道含め精霊たちがいた。
「秀真さん、諦めるのは早いです、これを」
士道の手には悪食があった。
「ありがとう」
「ここは精霊に任せて俺たちは黒幕を追いましょう」
「ああ、時間短縮だ」
「へ?うわあああああああ」
秀真の言葉にきょとんとした士道であったがすぐに意味がわかった、士道を抱えた秀真がものすごい勢いで跳躍したのだ。
今ならまだ追いつける、そう確信した秀真はさらにスピードを上げた。
「あそこか」
秀真たちは高層ビルを駆け抜けるととあるビルの屋上に先程の忍びがいた。
「きたか、このスピードについてくるとは腕をあげたな」
「貴様!篝をどうするつもりだ!」
「もちろん八面王の生贄だ、そのためにこの娘は必要なのだ」
「ヒルコなのか!?」
「ふん、あんな胡散臭い奴と一緒にするな、まあもう一度動けるようになったのは感謝するがな」
「貴様!」
秀真は悪食を手に取り敵に向かって駆けた。グサッという鈍い音がした。確かな感触しかし秀真は刺したものを見て驚いた。
「!?か・・がり・・?」
そう秀真は篝を刺してしまったのだ。
「ははは!その娘の力は弱まっていたからな、操ってお前がこの娘を殺し絶望する瞬間を待っていたわけだ、絶望した分憎しみが増えるからな、本当に必要なのはその悪食の力だ!勝負をつけたければあの展望台へ来いははははは」
「篝!」
秀真は篝へ近づき抱きかかえた。
「秀真様・・今日はとても楽し・・・かった・・・あなたは生きて・・・」
「篝!おい!返事をしろ!」
何度も問いかけるが返事はない、篝はただ肩を揺らすだけであった。
「篝・・・・ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
そこには篝の亡骸を抱いた秀真の叫び声が響くだけであった。