ありふれた職業と異能使い   作:ローゼスト

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異世界召喚ってやつ?

「どこだ…?ここ…?どうなってんだ…!?」

 

 

 今自分が立っているところを見るとどうやら教室ではないらしい。まさかの異世界召喚かな?

周りを見渡し、クラスメイトの無事を一応確認したところ声を上げたのは俺だけのようだ。…なんか情けないな。

 クラスメイトの無事確認した俺の視界に飛び込んで来たのは巨大な壁画だった。それは、まるで宗教画の様だ。いや、事実、宗教画なのだろう。ここなんかの神殿っぽいし。

 と、まぁこんな感じで考察は終わったので今度は答え合わせと行こう。

 

 

「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。歓迎致しますぞ。私は、聖教教会にて教皇の地位に就いておりますイシュタル・ランゴバルドと申す者。以後、宜しくお願い致しますぞ」 

 

 

 イシュタル?この爺さんが?え?イシュタルって女神様じゃ無いのかよ。ほら、黒髪ツインテールの美少女。いやあれも伝説通りの姿では無いだろうけど。

 いやその前に考えなきゃ行けないことがあったな。まず、ここは異世界で間違い無いみたいだな。んで、イシュタルの言った内容からして恐らく、俺たちの中の誰か(なんとなく察せる)が勇者とその他大勢として召喚された感じかな?もしくは巻き込まれたか、だとすると召喚したのはイシュタルとその周りの人達かな。

 

 

 こんなことを考えているうちに光輝がみんなを纏めて行っていたのでここで思考を中断した。

 

 

 

 

─────────────────

 

 

 

 

 今はみんなある程度落ち着いていて、恐らく晩餐会用のテーブルの並んだ部屋に通されていた。因みに上座の近くには愛子先生と光輝達四人が座っていた。俺は雫の正面に座らされた。恐らく監視だろう。なんでだ。因みにハジメは最後方である。

 

 

 そして異世界ならいると思った。そう…男の夢!美女・美少女揃いのメイドさんである!

しかし、俺はここで凝視するような真似はしない。内心めちゃめちゃはしゃいでいたが。今、メイドさんをじっくりと拝んでしまったら何が起こるか分からない。事実、ハジメが香織に冷たい笑顔を向けられていた。

 

 

 全員に飲み物が行き渡ったのを確認してイシュタルが話しを始めた。

 

 

「さて、あなた方においてはさぞ混乱していることでしょう。一から説明させて頂きますのでな、まずは私の話を最後までお聞き下され」

 

 

 イシュタルの話を一言で言うなら、ザ・テンプレ。実に簡単な内容だった。要約すると。

 

 

 トータスと呼ばれるこの世界には、北一帯を支配する人間族、南一帯を支配する魔人族、そして、東の樹海で暮らす亜人族がいること。

 

 

 この内人間族と魔人族が何百年も前から戦争を続けているらしい。

 

 

 人間族は個人の能力が高い魔人族と数で対抗してきたが、多くの魔人族が魔物を使役し始め、人間族の数という武器が通用しなくなり、均衡が崩れ始めているのだそうだ。

 

 

「あなた方を召喚したのは〝エヒト様〟です。我々人間族が崇める守護神、聖教教会の唯一神にして、この世界を創られた至上の神。おそらく、エヒト様は悟られたのでしょう。このままでは人間族は滅ぶと。それを回避するためにあなた方を喚ばれた。あなた方の世界はこの世界より上位にあり、例外なく強力な力を持っています。召喚が実行される少し前に、エヒト様から神託があったのですよ。あなた方という〝救い〟を送ると。あなた方には是非その力を発揮し、〝エヒト様〟の御意志の下、魔人族を打倒し我ら人間族を救って頂きたい」

 

 

 つまりは自分達が負けそうだから頑張って戦ってね!ってことだ。馬鹿馬鹿しい。俺らを召喚している暇があるなら自ら手を下せばいいだろうに。それに不満を感じないこいつらも相当だが。この時点で俺は、帰れなかった場合、ある程度知識を手に入れたら好き勝手に行動する事を決めた。

 

 

 こんな自分勝手な話を聞かされれば抗議する者がいるのが普通である。そしてその例が愛子先生である。

 

 

「ふざけないで下さい! 結局、この子達に戦争させようってことでしょ! そんなの許しません! ええ、先生は絶対に許しませんよ! 私達を早く帰して下さい! きっと、ご家族も心配しているはずです! あなた達のしていることはただの誘拐ですよ!」

 

 

 愛ちゃんがんばえー。と適当な声援を心の中で送っておく。この人が今年二十五とか信じられない。まぁ、この抗議は無駄だとなんと無くわかっている。

 

 

「お気持ちはお察しします。しかし……あなた方の帰還は現状では不可能です」

 

 

 この言葉で部屋の空気が凍りついた。

 

 

「ふ、不可能って……ど、どういうことですか!? 喚べたのなら帰せるでしょう!?」

 

 

 これには愛子先生含め全員が驚いていた。俺を除いて、だが。なんと無くわかってたし。

 

 

「先ほど言ったように、あなた方を召喚したのはエヒト様です。我々人間に異世界に干渉するような魔法は使えませんのでな、あなた方が帰還できるかどうかもエヒト様の御意思次第ということですな」

「そ、そんな……」

 

 

 ようやく現状を理解したクラスメイト達が騒ぎ始めた。

 

 

「うそだろ? 帰れないってなんだよ!」

「いやよ! なんでもいいから帰してよ!」

「戦争なんて冗談じゃねぇ! ふざけんなよ!」

「なんで、なんで、なんで……」

 

 

 こうなる可能性はあるだろう。と声を大にして言いたかったが、俺がオタクで異世界モノを理解しているが故にここまで落ち着いているのだと今更ながら気がついた。

 

 

 そして当然ここで口を開くのは奴に決まっている。

実質的にクラスの主導権を握っている勇者(仮)の光輝だ。

 

 

「皆、ここでイシュタルさんに文句を言っても意味がない。彼にだってどうしようもないんだ。……俺は、俺は戦おうと思う。この世界の人達が滅亡の危機にあるのは事実なんだ。それを知って、放っておくなんて俺にはできない。それに、人間を救うために召喚されたのなら、救済さえ終われば帰してくれるかもしれない。……イシュタルさん? どうですか?」

「そうですな。エヒト様も救世主の願いを無下にはしますまい」

「俺達には大きな力があるんですよね? ここに来てから妙に力が漲っている感じがします」

「ええ、そうです。ざっと、この世界の者と比べると数倍から数十倍の力を持っていると考えていいでしょうな」

「うん、なら大丈夫。俺は戦う。人々を救い、皆が家に帰れるように。俺が世界も皆も救ってみせる!!」

 

 

 馬鹿だ。馬鹿すぎる。頭をもう少し使って欲しい。そして歯を光らすな。しかし、みんなを落ち着かせたのはナイスだ。

 

 

「へっ、お前ならそう言うと思ったぜ。お前一人じゃ心配だからな。……俺もやるぜ?」

「龍太郎……」

「今のところ、それしかないわよね。……気に食わないけど……私もやるわ」

「雫……」

「え、えっと、雫ちゃんがやるなら私も頑張るよ!」

「香織……」

「龍太郎はわかるが雫もかよ」

 

 

 思わずツッコんでしまった。こんな展開予想してない。

 

 

 いつもの四人がやる気になった以上、誰も反対する者はいなかった。

 

 

「俺は反対だ」

 

 

 俺が宣言するまでは。

 

 

 




遅くてすみませんでしたぁ…!

主人公に禁止してほしいことがあったらお願いします

  • 魔法科の分解魔法の対人使用
  • 魔法科の再生の乱用
  • 鯖の宝具使用(デメリットあり)
  • 雫への武力的な抵抗
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