ガーリーエアフォース―不死鳥は舞う― 作:三本線
『GALM1.Runway01.Cleared for takeoff.』
『Roger,cleared for take off』
轟音とともに一機の戦闘機が滑走路から飛び立っていく。
漆黒に鈍く光る戦闘機は一気に速度を上げ、鈍色の雲に消えた。
それからしばらくした太平洋上。
先ほど離陸した戦闘機の搭載するレーダーにいくつもの輝点が出現する。
それを見て、機体の装甲化されたコックピットに座る少女は口角を上げた。
『ガルム1からガルム2。目標捕捉。曲芸飛行するぞ、合わせろ。』
『こちらガルム2。……ついていきますよ、隊長。』
戦闘を飛ぶ漆黒のF-14が右にロールし、アフターバーナ―を吹かし、その主翼をたたみながら淡いオレンジの残光を残して急降下していく。
それからワンテンポ遅れて通常のF-14が続く。
そして護衛目標の輸送機の真横につくと、背面飛行に移行する。その機体の腹にぴったりと二番機のF-14が付き、上下に分かれて同時に旋回を繰り返して輸送機の左右に一定の距離を保ちながら飛行を続ける。
『こちらは第404飛行中隊所属のガルム隊。ジョージ・ワシントン、応答せよ。』
『こちら航空母艦「ジョージ・ワシントン」。ガルム隊の諸君、護衛に感謝する。』
『「ジョージ・ワシントン」こちらの燃料がまずい。着艦の許可を。』
『こちら「ジョージ・ワシントン」。ガルム隊、着艦を許可する。空軍機に着艦ができるのか?』
『あんまりなめるなよ?了解、着艦体制に入る。』
空母の管制に従って機体を降下させ、機体の後輪が甲板に接触したのを確認して一気にスロットルを押し上げる。
すると着艦フックが甲板のワイヤーを捉えたらしく一気に機体が減速しする。
そのまま甲板のエプロンに移動しながらコンソールを操作し、装甲キャノピーを開く。
コックピットの座席から腰を上げ、艦尾の方向を見る。
そこには、ゆっくりと着艦体制についているガルム2のF-14が見えた。
そのまま着艦コースに降りていくが、再度高度を上げ、旋回を開始する。
再度アプローチしたガルム2は着艦し、漆黒のF-14の隣に停止する。
すると機体の周りに何人もの整備兵たちが集まってきた。
その人波をかき分けるように大佐の階級章を付けた一人の男性が駆け寄ってきた。
「ご苦労だった、ガルム1。私はウィリアム・バーキン大佐、この間の副長だ。艦長に話は通してある。ゆっくり休んでくれ。案内役には……彼をつけよう」
そう言って近くにいたウイングマークを付けた男性を手招きする。
25ほどの若い男性は人ごみから出てくると、ぴしり、と敬礼した。