あれはもう、一年は前の事。海の向こうに雷が落ちたかと思えば、突然の大竜巻が海を荒らした。
晴れた日じゃった。多くの船が漁に出てた。そして、沈んじまった。麗々の父親の船も、戻ってこない。
この子は嘆いた。何せ父一人、娘一人じゃ。麗々は必至の思いで港に立ち、嵐の中で父の帰りを祈った。
ところが、いくら待っても父親の船は戻らん。そこで麗々は荒れる海に向かい、こう叫んでしまったのよ。
「青龍様、漁の神様、誰でもいい。とと様を助けて。助けてくれたなら、何でも望みの物を捧げましょう!」
その瞬間じゃ。大きな雷がピカリと鳴って、嵐は止んだ。嘘のように、海は静まり返った。そして、その上を滑るように父の船は帰ってきたよ。
じゃが、神様は残酷じゃ。こんなメゲえ娘っ子から、声を奪ってしまった。いんや、そればかりでね。父親の野太い漁師声と入れ替えちまったんだあ。
父親の方は、鈴ころがしたみでな麗々の声。麗々の方は、おっかねえ漁師の胴馬声。麗々も父親も、口さきがねくなったよ。
ワシャ、何とか声を戻してやろうと知る限りの術ためしたが、駄目だあ。何をしても、戻せね。ワシに分かるのは、たった一つ。父親を殺すしがね。
神様に祈って、捧げた対価。取り戻すなら、得た物を返すしがね。父親の命を返さなけりゃ、麗々の声を戻す方法はネエだと。
できねよなあ。できねよなあ。たった一人の家族じゃ。何に代えてもええと祈った、大切な父親の命じゃ。今更返すなんで、できるわげね。
そんな中じゃ。こんな村には珍しぐ、旅芝居の一座が来たさ。まんず間の悪りごとに、一座の小ワラシが麗々と恋に落ちただよ。
花形の役者に恋しても、麗々は想いを伝えられね。ワラシにどれ程求められても、麗々は答えてやれね。元のメゲーえ声を、取り戻さにゃあ。
ワシャ、自分が情けながった。なさげねよう。毎日毎日、曇っでくこの子の顔。分がってるのに、何もしてやれね。
そんな日々が続いたある晩、麗々はワシとこ来てさ。顔に合わぬ親父声で、こう言うだ。
「婆様、あの刃物を貸して頂戴な。魔封じの短剣。婆様がお祭りに使う、あの刃物。私、決めたのよ」
愛くるしい唇からよ、そったがおっかねえ言葉を吐く。おっとろしい目でワシを見てよ、指一本動かせなくなってまったんだあ。
「そうよ。だから父さんが痛がったり、苦しんだりしないように、一番よく切れる刃物を頂戴」
ほんと、なさげねよう。ワシャ、何もできなかった。助げてやれね娘の声に、怯えて震えるだけしかできね。
動けねワシのとごからよ。麗々は魔封じの短剣を持ち出しよった。親父様を殺すため。メゲーエ声を、戻すため。
ところがよ、麗々は直ぐに親父様を殺さなかった。いいや、殺せながったんだあ。
毎夜ふけ。父親の寝所を訪れ、眠る親父様の枕元に立つ。刃物を髭もじゃの喉元へ当てる。が、それを引くことも、振り下ろすこともできね。
しばらくじぃーっと枕元へ立ち竦み、やがて涙を浮かべて寝所を去る。夜毎その繰り返し。ところがよ。親父様の方も、眠ってなどいねんだ。
「娘の声が戻るなら、手前の命を奪われても構わね」
父親は知っておった。とうに覚悟はできてたんだなあ。手前の命で、娘が幸せになれるなら。親父様も、娘を愛しておったのじゃ。それは麗々も同じ。
枕元に立つ娘。喉元に刃当てられたまんま薄目を開け、寝たふりしてる父。結局振り下ろせず、泣きながら寝所を去る。ワシャ、胸が痛んでならね。
それがずぅっと、続いとるんじゃあ。
――1900年5月19日、中国は大連『海亀飯店』にて――
「それが、お前さんらが知りたがった、麗々の事情だあ」
海婆と名乗った老婆はそうして、真に迫った語りを終えた。話を聞かされたウルムナフは、斜向かいに佇む女を見る。
声を捧げた麗々は、深く後悔しているのだろう。顔を俯かせたまま小さく震えて、吹けば消えてしまいそうな程に儚く映る。
だが一体、何に後悔しているのか。声を捧げた事か。父を殺さんとした事か。この今も嘆いている事か。まだ年若い少年には分からない。
「もうじぎ、旅芸人の一座は村出る。本当は春先さ出発する予定だったが、急にさみぐなってな。良がったんか悪がったんか」
麗々と想いを交わした青年は、一座と共にもう間もなくこの地を離れる。本来、こんなにも長く一ヶ所に留まっていたのが異例である。
大都市ならば兎も角、演劇を見る者もそう多くはない小さな寒村だ。演じるだけでは満足に糧を得る事も難しく、となれば場所を移そうとなるのは当然の事。
青年は麗々に、一緒に行こうと手を伸ばした。麗々もその想いに頷いて、だがだからこそ怖くなる。
今の麗々の声は、漁師の胴馬声を恐ろしく悍ましくした物。共に過ごす中で口を開いてしまえば、百年の恋も冷めるのではないか。
青年を愛すればこそ、麗々は声を取り戻したいという願いを強くしてしまう。父と別れると分かっているからこそ、もう良いのではと感じてしまう。
だと言うのに、振り上げた刃を下ろせない。力を込めて突き刺せば、その一瞬で終わると言うのに。その一歩を踏み出せなくて、麗々は今も何も出来ずに居る。
「先月の事さ。突然海が凍って、船が出せねぐなった。青龍様のお怒りがど、皆怖がってな。旅立つには縁起が悪いと、滞在が長引いだよ」
4月に起きた、季節外れの大寒波。海が凍り付くという異常事態に、村の人々は混乱した。麗々の件もあればこそ、誰もが神の実在を感じていた。
天罰を恐れる村人たちの言葉を真に受け、また極寒の中を歩くというのも難しいと言う現状も相まって、一座の出立は一月以上も遅れる形となったのだ。
そんな言葉を聞いたウルとヒルダは、大寒波を引き起こした下手人をジト目で見る。松花江から黄海に至るまで影響を及ぼし、中国経済に大打撃を与えたであろうニコルは平然と微笑んだままである。
「げんとも旅立づ事は変わらねぇ。そんだがら、父親は氷が解げで直ぐに船出した。旅立ぢの祝いに、大ぎな魚贈るのだど」
状況は破綻する寸前であった。原作の知識を持たないウル達には分からない事であるが、もしもニコルが黄海を凍結させてなければ麗々は既に破滅していた。
麗々の父は旅立ちの贈り物を用意する為に漁に出て、嵐に飲まれて命を落とす。海中で醜い死体になって、それでも麗々の祈りが故に地を這い摺りながら村に戻って来る。
生きた死体と化した父の姿に、それを齎した己の祈りに、麗々の心は壊れてしまう。果てに彼女は怨霊として、この地の全てを呪う化け物と成るのである。
それこそが原作の流れ。この世界が本来、辿り着くべき場所。それを知るニコルは思う。間に合ったと言う事は、即ちこれも運命なのだと。微笑みの質が、僅かに変わった。
「麗々には何も出来ね。父親を殺す事も、危ねぇがらと止める事も。それはワシも同じ。この親子をワシは救ってくれれねぇ」
そんな小さな変化には、その場の誰も気付かない。海婆にはそんな余裕がなくて、ウルとヒルダと麗々は老婆の強い気持ちを感じた為に。
「ワシには、何もできね。けど、お前さんに、この子らを救う事ができるんなら。お願げぇだ。どうか、麗々を。メゲえ娘なんだ。助けてやってくれねか」
海婆。この皺だらけの老婆こそこの村一の術師にして、麗々が頼りに出来る唯一無二の者。そしてその信に、応えてやれなかった人物。
神に縋った若い娘が幸を奪われ、真綿で首を絞めるかの如くに苦しみ続ける。ゆっくりと腐っていく状況に、海婆は忸怩たる想いを抱いていた。
だから、だろう。己の四半分も生きていない子供に、頭を下げて頼めるのは。大切なのだ。恐怖や怯懦を抱こうとも、娘か孫のように思っている。だからこそ、老婆は知る限りの全てを語った。
「……なあ、ニコル。如何にか出来るんだよな。これ、如何にかしねぇと駄目だろ」
熱の籠ったその感情に、ウルは心を震わせる。苦しむ人を見て、救いを求める人に縋られて、感情を揺らさない程にその心は擦れていない。
少年の隣で大きく頷く、ヒルダも気持ちは同じだろう。悲劇を知った。救う術がある。それでどうして、見捨ててなど居られるものかと。女の過去に憐みを抱かない者など、この場にはたった一人しかいやしない。
「ふむ。まあ、想定内の状況ですからね。可能性は十分にあるかと」
『本当か!?』
その一人にしても、利害が一致するならば動かない道理がない。麗々の悲劇など路傍の塵と変わらぬ物だが、その石の近くに硬貨が落ちているならついでに拾って捨てるくらいはするだろう。
ましてやこれは、ウルムナフに関わる運命なのだ。ニコラス・コンラドはそう考えていて、故に興味も憐みも一切感じぬどうでも良い女であろうと救い上げてやろうと考える。その程度には余裕があった。
「ええ。……しかし些細な疑問なのですがね、どうして皆さんは気付かれないのか」
「気付くって、何がニャ? 婆ちゃん熱演し過ぎだろ、としか感じなかったけどニャ」
「それな」
「いえ、違います。語りの口調ではなく、話の内容に先ず疑問を抱きなさい。低能ども」
そして誰よりも余裕があるからこそ、ニコルだけが気付いたのだろう。本来ならば違和感を抱いて当然の要因に、気付けぬウルとヒルダは首を傾げる。海婆と麗々も変わらない。そんな周囲の様子に愚鈍に過ぎると嘆息してから、ニコルは己の感じた違和の内容を語り聞かせた。
「声を捧げて、父が戻った。その神秘、それを何故神の御業と決め付ける。一体どうして、青龍に祈りが届いたのだと思い込む。そうだとするには、余りに醜悪が過ぎると何故考えない」
父を助けて欲しいと神に縋って、対価として声を捧げてしまった。其処に誰も疑いを持たず、誰もが捧げた相手を神だと認識している事。それが先ずおかしいと、ニコルは一つ口にする。
神の御加護と語るには、余りに内実が悍ましい。命の対価と言うには相応なのかもしれないが、誰かの悪意を感じずにはいられない程に現状は醜悪だ。それこそ悪魔の仕業だと、断言出来てしまう程。
「確かに洋の東西を問わず古来より、利益を得る為に神に対価を捧げる事はありました。ですがそれは、確かな繁栄を得られればこその話。祈り手を破滅させる超常の存在。それは神ではない。悪魔と言うのですよ」
「せ、青龍様が、悪魔じゃと!? な、何ど罰当だりな」
「人を苦しめるだけの神など、下劣な妖魔と何が違う」
真顔で断じるニコルの言葉は、ある意味らしい物でもあるのだろう。神とは人を守り救うモノ。契約者を破滅させるような存在は、悪魔と呼ぶべきモノである。
神とは唯一無二のモノ。神と騙るは悪魔であり、悪魔と契約すれば何れ必ず破滅する。そういった思想を教えられてきたニコルにとって、青龍を騙るナニカは崇めるに足りぬモノなのだ。
「……まあ実際に、彼女を呪っているのは青龍ではないのですがね。種を明かせば、私は知っているのですよ。その嵐の夜に、一体何が起きたのか」
とは言えそんな宗教思想を、異なる国で語ったとして受け入れられよう筈もない。肩を竦めて微笑みを張り付けた少年は、持論を深く語る事なく引き下げた。
そして言い聞かせるかの如くに、語るは原作知識を元に組織の構成員を使って調べさせた事実。麗々の祈りを聞き届けた存在が、神ではない証明を行う為にそれを明かした。
「あの日、上海にてとある儀式が行われていました。名を、鬼門御霊会」
その言葉は何故だか、ウルムナフの耳に強く残った。理由もないのにきっとそうだと、確信の如く抱いてしまう。
鬼門御霊会。その出来事が、己の知りたい真実に関わっているのだと。胸に宿った誰かの想いが、その言葉に反応したのだ。
「間際にて阻止されたその大禁呪。発動には地脈を守護する四神の存在が邪魔となる。故に、事前に排除されていたそうですよ。唯一柱、西方を守護する白虎を除いて」
「馬鹿な。青龍様が、既に滅ぼされでるど」
「或いは、封じられているのか、歪められているだけかもしれませんがね。ともあれ今も、青き龍はその役を果たせていない。麗々さんの祈りに、応えられる筈がないのです」
無関係ではないと、ニコルが言った言葉に得心する。確かにその出来事が関係しているのならば、この悲劇とウルムナフは無縁では居られない。
帰って来ない父親と、守れなかった母親。二人が関わったであろう鬼門御霊会の影響で、悲劇に落とされた麗々。彼女を助ける事は、生き延びた己の役目であるのだと。
「詰まり別の何かが、青龍の振りをして麗々さんに呪いを掛けた訳ニャ」
「なら、話は簡単だな。その妖魔ってのをぶちのめせば、それで全部解決だ」
麗々の祈りに応えて、彼女の父親を救い彼女の声を奪ったモノ。それが青龍ではない事は確定で、ならば倒してしまえば解決だろうと結論付ける。拳を握ったウルの言葉に、しかしニコルは首を横に振った。
「いえ、それは余り現実的な解決策とは言えないでしょう。この広い黄海から、十数日以内で一匹の妖魔を探し出すなど不可能に等しい」
「十数日以内って……あ、そっか。旅芸人の一座の件が」
「彼女の呪いを消せたとしても、本来得られる筈だった幸福を取り戻せなければ片手落ちでしょう」
時間がないと言うその言葉は、一面においては確かに事実だ。時間制限がある中で、黄海から一匹の妖魔を見つけ出すなど今のニコルには不可能な事。確かに嘘は吐いていない。
だが、真実を語ってもいない。発見は不可能でも、撃破は実は容易である。海底まで一定間隔で凍らせて、少しずつ粉砕していけば良い。それが出来るだけの能力があって、語らないのは望んだ流れに導きたいから。
「なら、どうすんだよ?」
「方法は二つ。一つは居場所の分かる妖魔の召喚者を狙う事。そしてもう一つは、呪詛返しです」
ただ妖魔を倒した所で、ニコルには利益が全くないのだ。ウルムナフに関わらせなければ意味がなく、何よりその方法ならば別の利もある。
「まで、呪いだどしても、返してしまえば麗々の父親はどうなる?」
だからと語るニコルに対し、海婆が疑念を挟む。麗々が声を捧げたからこそ、父親は戻って来れたのだと。海婆はそう考えていたが故に。
「余程高位の存在でも、死者の蘇生などそう簡単には出来ません。恐らくですが、そもそも彼は死んでいないのでしょう」
対してニコルは、あっさりとした答えを返す。死者の蘇生を求めた結果、狂った人々を知るからこそ。そう簡単ではないのだと。
怨霊として呼び起こす事や、死者を死んだまま操る事は可能である。だが死者の蘇生は容易くないから、結論はそもそも死んでいないのだろうと言う物。
死体や怨霊であれば、ニコルは遠目でも見た時に気付く。そもそも既に死んだ存在が、娘の為にと自発的な行動を見せるとは思えない。
ならばまだ生きているのだ。青龍の語る妖魔が為したのは、船が戻って来られるように嵐の中に道を用意しただけ。その対価として、麗々に呪詛を掛けたのだろう。
「軽く霊視した限り、麗々さんの肉体に異常はありません。声帯は正常のまま、男性の声が出る筈がない状態です。詰まりその程度の呪いしか掛けれていないのですよ、その妖魔とやらは」
肉体に異常がないのなら、その呪いは精神にのみ作用している。音を耳にした対象が、他の音と誤認してしまうような類の呪いであろう。
その呪詛にした所で、肉体に不可逆の変異を齎す程の物ではない。嵐に道を生み出す事も、ある程度の風と水を操れる存在ならば出来てしまう。総じて、黄海の海魔は中位か低位の魔物である。
「お父君の状態も視なければ断言出来ませんが、恐らくは同じく聞こえる音を誤認させているだけ。蘇生は勿論ですが、人体を物理的に作り替えるような術もまた高等な物ですからね。一介の妖魔風情に、出来るような事ではありません。故に呪詛を払ってしまえば、それだけで全てが解決するという訳です」
ならば後は、悪魔祓いの領分だ。呪詛を掛けた存在を排除するか、呪詛そのものを跳ね返す事で解呪と排除を両立させる。それだけの手札を、ニコルは既に持っている。
「おおっ! なら、これで全部解決ニャ!」
「いえ、問題点はまだあります。当然の事ですが、私はこの地の術を詳しく知りません。そんな状態で呪詛に手を加えれば、正直どうなるか読めません」
「駄目じゃん!?」
「なので、此処は専門家に依頼しましょう。東洋の権威に、彼女ら父娘の呪いを解いて貰うのです」
だがその事実をおくびにも出さず、平然と自分には出来ないと嘯く。そんなニコルの目論見は、彼が語った通りの物。東洋の権威に、繋ぎを取る事こそが彼の利だ。
「優れだ術師。ワシが知る限り、九天真王絶行仙であらせられる朱震様ぐれえなもんだが、今何方におられるがわかんね」
「ならやっぱ、召喚者っての狙うしかねえんじゃねぇの。上海で何かやらかしたってんなら、其処に今も居やがんだろ?」
そんな内情を、察した訳ではないのだろう。だが同時に、確かに感じては居たのだろう。上海で鬼門御霊会を行った存在こそが、その妖魔の召喚者であるのだと。だからウルムナフは、術者を狙う事を提案した。
「……それはまだ早い。少なくとも念入りに準備しなければ、彼の邪仙は倒せません。時間が余りに足りてない」
「上海の邪仙? まさが、それは!?」
ウルの提案にニコルは首を振り、もう少しだけ情報を明かす。まだ早いとその正体を暗に漏らせば、想定通りに老婆が釣れた。
上海の支配者。中華の大地において神秘に関わる者らにとって、彼の邪仙は余りに高名だ。知らねばモグリと断じられる程に、凶悪無比な大邪仙。
その名を聞けば、海婆は絶対に相対するなと語るであろう。少年達を案じればこその言葉に、ウルムナフも否とは言えない。となれば事態は、ニコルが望んだ形に収束する。
「彼の堕九天真王地行仙に挑むは愚策。……ならば彼の師に、弟子の不始末を片付けて頂きましょう」
ニコルが得ようとする利は、彼の至高仙との関係構築。西でロジャー・ベーコンに学んだように、その知識を得ようと考えたのだ。
その為の理由として、麗々の悲劇は都合が良い。彼女を使えば渡りを付けられ、その上でウルムナフの成長にも役立てられる。ならば動かない理由はない。
「上海から西へ800キロ。西園九宮寺を守護せし“九天仙術筆頭真王”西法師。東洋の頂点ならば、麗々さんを救う事も容易いでしょう」
次なる目的地は武漢。郊外に位置する西園九宮寺にて、残る四神の一つである白虎を守護する者。徳壊と朱震と言う高位の術者が師事した最高位の仙人。“九天仙術筆頭真王”西法師。彼と会い更なる高みに至る事こそ、ニコルの望みであったのだ。
麗々の死亡時期は原作では不明。ただ父親が巻き込まれたという大きな嵐が甚八郎と徳壊の決戦の影響と思われるので、当作ではそれから1年と少し後。原作14年前のこの時期辺りに起きた出来事としています。
今後のストーリー展開は次の内どれが良いですか?
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ヒロインは一人。純愛ルート。
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ヒロイン複数。ハーレムルート。
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ヒロインは甘え。求道者ルート。
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ウルと二人で漢祭りルート。
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宿命の兄妹対決! ニコルとアナスタシア!