IS異聞帯   作:銭湯妖精 島風

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痛い話

 

 

 

地平の彼方から陽が上がり空を焼く暁、ほのかに赤く色づく澄んだ空に幾つもの軌跡が描かれる

 

白銀と白が舞う様に攻防を繰り返し、激しい火花を散らす

 

 

「箒!」

 

「応」

 

白が白銀を抑え込み紅へ合図を送ると紅は短く返答し刃を振るう、しかし 白銀は紙一重で紅の刃を躱し白と紅から距離を開け反撃を開始する

 

「ちっ・・・うざったいな、ほんと」

 

白は己の唯一の武装である大盾を紅を背に庇い構え白銀の弾雨を防ぎながら面倒臭そうに言う

 

 

「一夏、もう一度頼む」

 

「OK、任せろ相棒」

 

紅の頼みを白はニッと笑み了承を告げ

 

「ラウラ、牽制行けるよな?」

 

「無論問題ない、だが そろそろ位置がバレる、支援砲撃を命中させられる可能性が高いのは次が最後だ」

 

「だ、そうだ。みんな聞いてたな? 仕留めるチャンスは次が最後だ、行くぞ」

 

 

白は黒の言葉を聞き指示を出すと、仲間達からの返事が聞こえ行動が開始される

 

 

再び激しい攻防が繰り広げられ幾重もの軌跡が空へ描かれ、火花を散らし長くも短い時間が経った頃

 

「捕まえた、今度こそ逃さねぇ・・・箒、私ごとやれ」

 

「貫通しない事を祈ってくれ一夏」

 

紅の突き出す光の刃が白銀に突き刺さり・・・

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼

 

 

「・・・あー・・・おん? 」

 

軽く頭痛を感じながら目を開けて周りを見て首を回して溜息を吐き自分の置かれている状況を確認する

 

 

変な夢を見た様な気がして正直気分は最悪だが、後ろ手に縛られていて身動きが出来ないので、更に気分が悪くなる

 

 

「あーそうだ、姉さんの決勝見に行く途中で誘拐されたんだっけか」

 

 

ウチは確かに そこらの一般家庭に比べたら裕福な分類だろうけど身代金目的なら選択を間違えてると思う

 

だとしたら、何が目的なんだ?

 

そんな事を考えつつ何とか脱出出来ないか模索する

 

 

ひとまず私の見える範囲では見張りは居ないし、かなり動いて音が漏れている筈なのに見にこないって事は近くに居ないか、近くにいるが余程 逃げられない自信があるのか・・・よく分かんないな

 

ひとまず手錠の鎖が鉄骨を通してあって動けない

 

「あークソ・・・早くしないと決勝始まるしなぁ・・・外すしかないかぁ?」

 

 

正直、やりたくは無い、やりたくは無いが救助がいつ来るか分からない以上は、やるしか無い

 

でも物凄く痛い思いをする事になる、だって手の関節を無理矢理外して手錠から手を抜くのだから

 

外した関節を嵌めるのもかなり痛い思いをする事になるから、本当はやりたくない

 

 

「あー・・・せめて携帯使えたらなぁ」

 

身体を捩ったりしてポケットを探ったりしてみたが、誘拐犯に盗られた様で存在を感じなかった

 

 

「はぁ・・・腹括るか・・・」

 

私は深呼吸して歯を食い縛り無理矢理 利き手とは逆の手の関節を外して手錠を外し深く息を吐く

 

「クソが、クソ痛ぇ・・・あー血も出てるし・・・」

 

幸い手錠の鎖は鉄骨を回して有っただけだったのて悪態を吐きながら立ち上がり辺りを警戒しながら再び深呼吸をして外した手の関節を嵌め直し、深く息を吐いて、今すぐに目の前の廃材を蹴飛ばしたい衝動を我慢し

 

「んじゃ、逃げますかねっと」

 

滅茶苦茶 痛い右手を庇いつつ足音を出来るだけ立てない様に出口を目指して進み、出入り口を探ると 1人分男の話し声が聞こえる

 

 

そーっと扉の隙間から覗くと、目出し帽を被って見覚えの有る携帯で電話をしている男が1人見える

 

「・・・私の携帯を勝手に使ってやがるわ・・・誰と話してんだろ?」

 

身代金目的なら両親なんだろうし、私の身体・・・臓器とかなら わざわざ私の携帯を使う必要は無いわけで・・・まさか、姉さん?

 

もしかして姉さんに八百長しろって脅迫する為に私を誘拐した、と?

 

そんなクソみたいな理由で私は誘拐されて、こんな痛い思いをしてるのか?

 

とはいえ、感情に任せて電話してる誘拐犯を殴りに行っても失敗するリスクが高い、何とか隙を見つけて奇襲するしかない、と腹を決めて誘拐犯の隙を窺う

 

 

それはそれとして、姉さんが八百長をする訳ない、八百長をするぐらいなら棄権するだろうし?

 

ん? アレ? ちょっと待てよ? 私が誘拐されているって事はマドカも? 可能性は有る、あるけどマドカの歳を考えると両親と一緒にいるだろうから誘拐されてない可能性も有る

 

まぁ姉さん以外 全員 誘拐されていたら、その限りでは無いけど

 

それから暫く誘拐犯の隙を伺っていると、舌打ちして通話を切り溜息を吐いて近くのドラム缶の上に携帯を置いてボヤく

 

誘拐犯の様子を見る限り、交渉は上手くいかなかったのかも知れない

 

とりあえず誘拐犯はイライラし過ぎて此方に気付いて居ない様なので、そっと扉を開き足音を出来るだけ消して誘拐犯に忍び寄り背後からチョークスリーパーをかまして落とし誘拐犯を探って手錠の鍵を回収、手錠を外した後に誘拐犯に手錠をかける

 

これで時間稼ぎぐらいにはなる筈だ

 

あとは拳銃とかもバラバラに分解して地面にばら撒いて置き、自分の持ち物を回収しておく

 

「とりあえず第1段回は終了か? んじゃさっさと帰りますかね」

 

誘拐犯を全力で蹴りたい衝動に駆られたが我慢して逃走を開始する

 

まずは隠れて現在位置を確認して逃走経路を決めなきゃな、うん

 

 





空いた時間でツギハギして書いていきます


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