IS異聞帯   作:銭湯妖精 島風

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誘拐された翌日から事情聴取やら怪我の治療やら安全確保やら、なんやらがあって予定より少し遅れて自宅へ帰って来れた

 

 

私は自室のベッドに倒れ込み天井を見上げて溜息を吐く、少々色々とあり過ぎて疲れてしまった

 

 

誘拐なんてされたの初めてだし、激おこ の姉さんは怖かったし、右手は痛いし、ほんと色々と疲れた

 

なんか姉さんは私が誘拐された事を伝えるのが遅かったとかなんとかで、日本政府に不信感を持って現役引退するって言い出して、2連覇祝勝の記者会見で引退宣言して、後進を育てる為に教育者を目指すとか言ってたな

 

 

束さんは束さんで姉さんが日本代表を辞めるなら自分もって言って首席整備士を辞職して自分の会社起すとか起こさないとか何とか

 

 

まぁ姉さんと束さんが居なくなって日本政府は大慌てだろうけど、私の預かり知らぬ所だから知らね

 

 

「よし、行くか」

 

ベッドから起き上がり立って伸びをして少し気合いを入れてドイツで購入した お土産の入った紙袋を左手に持ち部屋を出てリビングの扉だけ開けて

 

「道場に お土産持って行ってくる」

 

ソファーで寛いでいた両親へ言い返事を半分聞き流し靴を履いて自宅を後にする

 

 

道すがら包帯の巻かれた自分の右手を見て、もう1週間は稽古できねーなーとか、その事を先生に伝えなきゃ行けないなぁとか考えながら のんびり歩いて鳥居をくぐり境内に入り社務所へ歩み

 

「先生、本日戻りました」

 

社務所の中で作業をしていた先生・・・篠ノ之 柳韻へ軽く頭を下げて挨拶をする

 

「おかえり一夏君、大変だったみたいだね? 」

 

作業を一旦中断し、社務所から出てきて少し苦笑して先生は言う

 

 

「はは・・・まぁ、それなりに」

 

私が誘拐された事も多分ニュースになってるけど、突然姉さんが現役引退したってニュースの方が多分 大々的に広まってるみたいだ、うん

 

 

「ま、まぁそれはそれとして、これドイツのお土産です。あと右手がコレなんで向こう1週間は剣が握れそうに有りません、正確な日数は医者と相談ですかね」

 

ドイツの お土産を先生に渡し、右手を見せて説明すると

 

 

「お土産ありがとう、右手の件は分かったよ、ひとまずは右手に負担にならない鍛錬をする事にしようか。とはいえ次の練習日からになるだろうけどね? 」

 

 

と先生は穏和な笑みを浮かべ言う

 

篠ノ之柳韻と言う人は、厳格な人だ規律と礼儀を重んじ不正を嫌う人

 

子供を叱る時には怒鳴りつける事はなく、何故ダメなのかを一つ一つ丁寧に子供が分かるように、理解出来るように諭す

 

私が尊敬する大人の1人だ

 

 

私の人生の目標の1つが先生の様な優しく強い人になる事だったりする

 

 

そんなこんな話をしていると

 

「ただいま お父さん、あれ? いーちゃん も居るね? まぁ良いか、とりあえずただいま」

 

 

後ろから束さんが現れて声を掛けてきた、まぁ此処は束さんの実家だから束さんが此処に現れてもおかしくない、おかしくないんだが・・・少し不安顔の銀髪美少女を伴っている事が気になる

 

「おかえり束、珍しいね? 君が帰ってくるなんて」

 

「ちーちゃんが現役引退しちゃったし私はちーちゃんが纏うIS以外は触る気も無かったからね、三行半叩きつけてきたんだ。それに夢もまだ見ていたいし」

 

 

先生の言葉に束さんは答えて空を見上げて言う、今でこそISはスポーツに使用されているが、元々は宇宙進出をする為の翼だと束さんは言っていた

 

 

束さんもまだ若いし、夢を追いかけたいのだろう

 

「まぁ私の夢は置いておくとして、お父さんにお願いがあるんだ」

 

 

空を見上げていた束さんは珍しく真剣な表情をして先生を見ていう

 

 

「その子の面倒を見て欲しいのだろう? 構わないよ、部屋なら余ってるし、それに君のお陰で家計に余裕があるからね」

 

 

「うん、ありがとう。くーちゃん がウチに慣れるまでは家にいるつもり」

 

 

相変わらず先生の凄さに舌を巻きつつ、この父娘はとんでもないな、と思う

 

 

「私は織斑 一夏、よろしく」

 

私より少し背の低い銀髪美少女に挨拶をすると

 

「クロエ・クロニクル、です」

 

少し小さな声でクロエは挨拶を返してくる、なるほどクロエだから くーちゃん なのか

 

 

「こんにちは、私は篠ノ之神社 神主 篠ノ之 柳韻、束の父でもあります。今日から君を家族として迎えるから何かあったら頼って欲しい、束のお陰で子供があと10人増えても余裕があり過ぎるぐらい家計が潤っているから遠慮はしなくて大丈夫だよ」

 

と先生は微笑みクロエに言う、まぁクロエ本人は困惑顔をしているから どう反応したら良いか分からないのだろう

 

 

とはいえ先生の言葉は真実だろう、なんたってISの産みの親でありISコアを唯一製造出来るのが束さんだ

 

そのコアのレンタル代だけでも相当な額が束さんの口座に振り込まれているだろうし、束さんの口座から毎月 篠ノ之の家計にどれぐらいのお金が動かされているのか、計り知れない

 

 

ま、束さん程じゃないけど姉さんも高給取りなんだけどね?うん

 

 

「ははは、困惑するのも分かるけど時期に慣れる、とりあえず仲良くしようぜ? クロエ。あ、私の事は一夏で構わないから」

 

「は、はい。よろしくお願いします一夏」

 

クロエって少し大人しいタイプみたいで、少し距離を詰めるの速すぎたかも知れない、とほんの少しだけ反省し、クロエと仲良くなる事に決めた

 

 






出来た、出来た〜

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