SPECIALになるために   作:Zuiki

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初めまして。ハーメルンには初投稿です。
個人的にポケモンの中では一番アツいと言っても過言ではないポケスペで二次創作を書いていけたらなと思い、投稿させてもらいました。

先人の方たちには及ばないところばかりだと思いますが、慣れないなりに頑張って改善しながら投稿していきます。
よろしくお願いします。



第1章 始まりは若葉から
第1話 VSオタチ


 ワカバタウン。そこは、始まりを告げる風の吹く町。

 その町は穏やかで、何の騒ぎもなく、人々は平穏そのものな生活を送っている…わけでもない。

 

「おい!そっちへ行ったぞ!」

「回り込むのよ!」

「ダメだ逃げられた!」

 

 町の商店街は喧騒に溢れており、誰がどこでどうなっているのか区別もつかないほどその場は混沌としていた。原因となっているものは人々の間を縫うように走り、縦横無尽に行き交ってる。

 

「早くそいつを捕まえろ!!」

「分かってる!」

 

 だがしかし、それは嘲笑うかの如く捕まえようとした者の手をすり抜けて走り去る。阻めど阻めど躱されるというやり取りを先程からずっと繰り返しているため、人々には疲れの色が見え始めていた。

 

「エーたろう、"ひっかく"だ!」

「マグナ、"かみつく"!」

 

 ところが、どこからともなく聞こえた声と、逃走者の動きが止まったのはほぼ同時のことだった。

 エーたろうと呼ばれたエイパムの放った攻撃が逃走者の行く手を阻むと、マグナと呼ばれたタツベイが行き場を失くした逃走者の尻尾をしっかりと捕まえたのだ。

 

「へへ、捕まえたっと」

「随分やんちゃなオタチだなぁ」

 

 あっという間に逃走者ことオタチを捕まえた少年たちに、大人たちからは拍手と感謝の声が上がり、先程の騒ぎは嘘のように様変わりした。

 少年たちは手柄を立てたポケモンをそれぞれ褒めながら、別々の反応を見せる。

 

「いやいや、こんなのオレにとっちゃ当たり前っすよぉ~」

「ゴールド調子に乗りすぎ。はいこれ、盗まれたきのみです」

「おお、助かる」

 

 エイパムを肩に乗せてドヤ顔している前髪がはねた黒髪の少年と、タツベイを連れた大人しそうな少しだけ青みがかった短髪の少年は、オタチが盗んでいた商品を店員に返却し、会話に興じている。

 

「カズトよぉ、おめェはもう少し自分のしたことに誇り持った方がいいんじゃねぇか? 折角周りも認めてんだしよ」

「いちいち自惚れることでもないでしょ。よ~しよし、お前を傷つける気はないからな。でも、こんなことはもうしちゃいけないぞ」

 

 カズトと呼ばれた少年が友人からの言葉を適当にあしらいつつ、オタチに注意を促すと、了解したとでも言いたげな真剣な顔で頷いたオタチは近くの草むらに飛び込んで姿を消した。

 

「流石カズトだ。あんなに生意気だったオタチが一言で従うなんてな」

「オレの唯一と言ってもいい特技ですから」

「お前がポケモンに嫌われてるの見たことねぇもんな」

「不思議と昔からそうなんだよね。何だろ、ポケモン寄せ?」

 

 賑やかな少年たちの登場で、商店街も普段の様子を取り戻していく。

 そして、そのまま商店街を歩く二人を横から呼び止め、お礼の品が振る舞われるというのは、このような騒動が起こると必ずと言っても良いほどの、所謂「お約束」であった。

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

 自分たちの背丈よりも高く積まれ、前が見えなくなるほどのお礼を抱えた二人は、ポケモンたちの助けを借りてやっとこさ彼らの自宅付近に辿り着いた。

 すると近くから岩が砕ける音が響き、二人の視線は自然と音の発生源へと向く。

 

「あちゃあ、やり過ぎたなこれ」

「ハル兄!」

 

 そこには、粉々になった岩の残骸と一人の少年、そして一匹のポケモンがいた。

 

「おーい、お前ら… また何か騒ぎ起こしたのか」

「いや、違うって!」

「……ハル兄、からかうのは程々にね」

「ははは、分かってるって。 寧ろ騒ぎを治めてきたんだろ? その荷物を見れば分かる」

 

 二人よりも幾らか身長の高い少年は、自然な流れでカズトの荷物を手に取った。

 

「ったく、相変わらずいやらしいぜ、ハルヤはよ」

「一々反応するゴールドもゴールドだと思うよ……」

 

 ハルヤはカズトの二つ上の兄だ。ポケモンバトルを得意としており、近所でもその実力は高いと専ら噂になっている。

 

 そのハルヤのわざとらしいからかいに反応するゴールドへ、カズトは苦笑いを浮かべてツッコミを入れるが、それが本人に届いているかどうかは、今までにこのやり取りが幾度も行われていたことからも明らかだろう。

 

「にしても今日は随分ともらってきたな。すまないアル、手伝ってくれ」

 

 彼の指示を聞き終える前に、アルと呼ばれたキノガッサは荷物を纏め始める。惚れ惚れするほどの手際の速さである。

 

「ありがとう、アル」

「さっすが仕事早ぇな、ポケモンレンジャー様のポケモンは」

「俺は正式なポケモンレンジャーじゃあないけどな。正確には臨時隊員だ」

 

 カズトの兄であるハルヤは弱冠十二歳にしてレンジャーユニオンからその才能を認められており、父親でポケモンレンジャーのサトルと共にジョウト地方で活動する権限を与えられている。

 ただし、あくまでもポケモントレーナーとしての活動であるためポケモンレンジャーのみが所持を認められているキャプチャスタイラーは支給されていない。ハルヤの主な仕事は複数の敵を相手取り、ポケモンレンジャーの仕事をサポートすることである。

 

 話している間に荷物を纏め終えたハルヤとキノガッサは、大量の荷物を軽々と持ち上げる。その一連の動作を見るだけで、ハルヤとポケモンの練度が高いことが分かる。

 

「さて、帰るぞ。カズトは体の調子どうだ?」

「大丈夫。問題ないよ」

「カズトのことはオレが見てるから大丈夫だって!」

「もちろん、頼りにしてるぞ。ゴールド」

 

 カズトは二年ほど前まで、病院での生活を余儀なくされるほど体が弱く、外で遊ぶことなど以ての外だった。

 だが故郷のホウエン地方からジョウト地方へ引っ越して来てからは、今までが嘘のように容態が良くなり、今では町中を駆け回っている。

 これは偏に、お隣さんになったゴールドと彼の家のポケモンたちの影響が大きい。明朗快活な彼らに触れるうちに、カズトの中で何かしらの変化が起こったようだ。

 

「それじゃあオレは、研究所に行ってくる!」

 

 ゴールドの家まで今日の戦利品を届けると、カズトはその場の勢いでワカバタウンの辺境にあるウツギ研究所へ向かって走っていく。

 

「研究所って、あのウサンクセー建物のことか。あいつも物好きだよなぁ」

「胡散臭いってのは失礼だな。ウツギ研究所のウツギ博士といえば、ポケモン研究においてかなりの有名人だぞ」

「えっ、マジ……?」

「マジだ」

 

 どうして毎日のように連れ合っている二人の知識の方向性が全く違った向きに行っているのか、少し不思議に思ったハルヤであった。

 

 

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

 

 

 ウツギ研究所は基本的に人手が足りない。どれくらいかと言うと、博士本人も含めて片手で数えられるほどである。

 カズトはそんな研究所に、手伝いを兼ねて時折遊びに来ている。

 

「失礼しまーす!」

「あ、博士ぇー!カズトが来たでやんすよー!」

 

 助手の一人のゴロウが研究所を訪ねたカズトに気づき、奥の部屋に向かって声を張り上げるとすぐに、ガタガタと機材を動かす音が聞こえウツギ博士が顔を出した。

 

「カズトくん! 待っていたよ」

「今日はマグナたちの研究の続きですよね?」

「そうだね。ホウエン地方のポケモンはまだ研究が進んでいなくて謎が多い。こうして直に見せてもらえるのはとても貴重な機会だ」

 

 ウツギ博士はテキパキと必要な道具をかき集め、研究の準備を整えていく。カズトはそれを待っている間にゴロウの仕事の手伝いをして時間を潰すのが密かな楽しみだったりする。資料整理の際にチラッと読む研究資料がこれまた興味深いものが多いのだ。

 どうやらウツギ博士は最近、ポケモンのタマゴについての研究を進めているらしい。母親のアケミがポケモンブリーダーをしているカズトとしては、タマゴについては見慣れたものであり、そちら方面でも時々意見を言ったりしている。これが意外と好評らしく、母親に話を聞いては博士に報告に来ることも少なくない。

 

「よし、準備完了だ。カズトくん!」

「はい! 出てこい、マグナ、シード」

 

 カズトの手元から、先程もオタチの動きを止めたタツベイともう一匹、どんぐりポケモンのタネボーが現れた。

 

「二人とも、ウツギ博士に協力してくれないか?」

 

 カズトの声に、もちろんだと言いたげな顔で二匹はウツギ博士の元へ向かった。

 そしてカズトはと言うと、研究所内の一際目立つ位置にある台座の上にある三つのモンスターボールの方にやって来ていた。

 

「お前たちも、元気してたか?」

 

 声をかけた先のボールの中には、チコリータ・ヒノアラシ・ワニノコの三匹が入っている。

 ウツギ博士に、研究が終わるまではこの三匹と遊んでいてほしいと言われたのは、つい最近のことである。断る理由ももちろんないため、カズトは喜んで承諾したところ、その三匹が予想以上に活発だったことに驚いたのも記憶に新しい。

 

 ボールから三匹を出し、外で離れない程度に自由にさせる。すると三匹は元気よくじゃれ合いに興じ、研究所の周辺を目一杯走り回る。

 そしてしばらく経つと、カズトの側で昼寝をし始めるというのがいつものパターンだ。ポケモンたちの寝顔に釣られ、カズトも眠りに落ちてしまうのも最早お決まりとなっている。

 こうして晴れた空の下、一人と三匹の時間はゆったりと流れていく。

 

 

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

 

 

「――ト! カズト! 起きるでやんす!」

「んぁ……?」

「チコリータたち、とっくに起きて研究所に戻ったでやんすよ!」

 

 そして毎回ゴロウに起こされるまでがワンセットなのである。

 

「あ~、またやっちゃった? オレ」

「またでやんす」

「ハル兄の昼寝癖移っちゃったのかなぁ」

 

 寝癖を残したまま、研究所へ戻るカズトの後ろをゴロウはついて行く。

 毎度のごとく目覚まし係を担っているゴロウは慣れたもので、カズトに寝癖が残っていることを指摘する。照れたようにその寝癖を直すカズトは、ゴロウに確認をしてもらいながら、やがて研究所の扉をくぐるのだった。

 

 その後ろ姿を影から見ている存在がいることには気づかずに。




主人公の簡単なプロフィールです。書き方についてはポケSPediaを参考にしました。

カズト
性別:男
年齢:10歳(3章)
出身地:ホウエン地方・シダケタウン
現住所:ジョウト地方・ワカバタウン
誕生日:10月8日
星座:てんびん座
血液型:A型
身長:142cm(3章)
体重:31kg(3章)
利き手:左利き(一部右利き)
家族:父(サトル・ポケモンレンジャー・35歳)
母(アケミ・ポケモンブリーダー・34歳)
兄(ハルヤ・12歳)
特技:ポケモンと仲良くなること
趣味:ゲーム
好きな食べ物:甘味全般
好きな色:青系
持ち物:ポケギア
一人称:「オレ」

容姿についてですが、髪型はリメイク版のユウキの前髪とコウキの後髪を少しずつ足したような感じを想像していただければと。
顔つきはTHE・優しい少年という感じですね。ゴールドたちが結構切れ長っぽいのでその逆のフワッとした雰囲気をしています。
他の細かいパーツは皆さんのご想像にお任せします!
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