とあるヒモノ女の憂鬱。   作:SUN'S

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後書きにヒモノ女のイラストを記載しています。


第10話

㌔月Σ日

 

早朝、身体機能を維持するために摂取していた自己修復用ナノペーストが無くなっていた。多めに取り寄せていたはずなんだが、冷蔵庫の中を探しても見付からない。臨時就業の倉持技研に搬送してもらうのも悪いし、昨日の残りを食べるしかないか。

 

自己修復用ナノペーストと食パンの相性は最悪の上に噛めば噛むほど生臭い臭いが口内に広がり、吐き気すら催す気持ち悪さだ。この摂取する方法を考えたヤツは頭の中が腐ったゴミクズ野郎だ。

 

そんなことを思いながら食パンを頬張っているとアバズレ生徒会長が中学時代の制服を持ちながら部屋の中へ入ってきた。握り拳を作ろうとした瞬間、布仏本音のお姉さんが仲裁するように話し掛けてきた。

 

一応、布仏本音のお姉さんとは仲良くしている。彼女の面子は立てるとして、このアバズレ生徒会長の関係することには関わりたくないと伝えてた。しかし、その約束を破るほど重要な話なのだろう。

 

私は二人の話を聞いて後悔した。布仏本音のお姉さんまで悪ふざけに加担するとは信じたくなかった。なぜ、私は外出する織斑一夏の警護として友人宅へ同行しなくてはいけないんだ。

 

㌔月¥日

 

本土へ向かう電車の中は混雑することは多いが、今日ほど電車が混雑することは無いだろうな。私を含めて数名は織斑一夏の護衛のはずだ。

 

この淀んだ空気を和まそうと話し掛けてくる織斑一夏の気遣いは場違い過ぎとしか言いようがない。普通なら学生服ではなく私服だろうと突っ込むべきだろ?等と思いながらも問い掛けてこない織斑一夏に感謝するしかない。

 

そんなことを考えながら傾く電車のせいで迫ってくる織斑一夏の腹を叩いて押し返す。痴漢だと騒ぐバカがいると考えないのか?

 

そんなことを問えば「えっ、そんなことするヤツいるのか!?」と言葉が返ってきた。

 

まあ、そんなことはどうでもいい。友人宅へ向かったら私は帰るからな?と織斑一夏へ告げると携帯端末が鳴り響いた。

 

だいたい、こういう時の相場は決まっている。まあ、予想していた通り、メールの内容は「織斑一夏の住まう家でも警護しろ」とのことだ。

 

そんなことより私の休日を返せよ。

 

私は織斑一夏のことなんてどうでもいいし、遺伝子サンプルを採ろうと考えている連中と仲良くするつもりもない。そういうことはアバズレ生徒会長に頼めば良いだろうが…。

 

㌔月∨日

 

最悪の二日間を過ごすことになりそうだ。数日は晴れだと言っていたのに、天気を調べる機械の故障すら見抜けないのか?

 

そんなことを考えながら五反田弾という織斑一夏の友人の貸してくれたスウェットを着て、彼の部屋で騒いでいる織斑一夏を警護するために部屋へ向かう。

 

なぜか五反田弾の妹には敵視するような目を受けたが、私は織斑一夏の護衛なだけだ。恋人関係ではないし、婚姻関係でもない。それに、どちらかと言えば五反田弾の方が異性としては好みのタイプだ。

 

そう、五反田弾の妹に告げると「えぇっ、あのロン毛が良いの?」等と聞いてきた。いや、髪の毛は関係ないぞ?私は友人のことを心配する優しさを好ましいと言っているだけだ。

 

私は織斑一夏など欠片も興味はないが、IS学園へ通っている女子生徒の半数以上は織斑一夏の遺伝子サンプルを狙っている。

 

所謂、ハニートラップを仕掛けようとする連中ばかりだ。いっそのこと特定の異性と付き合ってもらえれば警護する必要も無くなるんだがな。

 

 





【挿絵表示】

「ははっ、笑えばいいだろ…」

【挿絵表示】

「…なんだ…」
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