とあるヒモノ女の憂鬱。   作:SUN'S

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第11話

≡月÷日

 

私はドイツ代表候補生ラウラ・ボーデヴィッヒの校舎案内役を押し付けられ、誠に遺憾ながら彼女を案内していると「貴様は日本の軍事関係者か?」等と聞いてきた。

 

いや、私は軍事関係者ではない。

 

それにドイツ代表候補生と殴り合うつもりはない。だいたい、織斑千冬のことを尊敬しているなら彼女の顔に泥を塗るような行為は控えるべきだ。

 

自己紹介の時だって織斑一夏をビンタした理由を話さなかったせいで「織斑千冬の教育が悪いからだ」と抗議する者が現れるかもしれない。

 

そんなことを言いながら屋上と階段を隔てる扉を開け、屋上庭園を案内しているとアバズレ生徒会長からメールが届いた。

 

私は首を傾げているラウラ・ボーデヴィッヒへ簡単に説明すると学園の空気を乱す者へ制裁を加えろと頭のおかしいメールだと伝える。

 

向こうも向こうで困ったような表情を浮かべ、私のことを殴っても良いのかと本気で悩んでいる。こういうときは殴り合う真似事を行ってやり過ごすしかないか。映画で言えば殺陣のようなモノだ。

 

≡月ゎ日

 

ラウラ・ボーデヴィッヒとは殴り合う真似事を行って、その場をやり過ごすことは出来たが…。

 

私達のことを新聞部の生徒が撮影していたらしく「日本代表候補生VSドイツ代表候補生、死闘の末に何を得るのか!」等と意味の分からないモノを掲示板に貼っていた。

 

ちょうど下駄箱へやって来たラウラ・ボーデヴィッヒを呼び止め、生徒の集まっている掲示板のことを説明すると「なぜ、お前との戦いを撮影した者がいるのだ」と言葉を返してきた。

 

確かに言われてみれば私達の殺陣を撮影するなんてタイミングが良すぎる。また、あのアバズレ生徒会長の差し金ということか。

 

私はラウラ・ボーデヴィッヒにカバンを預け、生徒会室へ抗議するために三階へ続く階段を登っていると織斑千冬が此方へ向かってくるのが見えた。

 

今は織斑千冬と口論する時間すら無駄だというのに、彼女の訪れるタイミングの悪さは最悪だな。そんなことを考えながら三階へ登り、後ろを着いてくる織斑千冬と共に生徒会室へ入る。

 

布仏本音のお姉さんが「生徒会長は逃げました」という看板を持ちながら書類整理を行っていた。アイツ、自分の仕事もせず奔放しているのか。どう考えてもゴミクズ野郎じゃねえか。

 

≡月ヶ日

 

私の部屋へ入ってきた二人目の男性操縦者は着替え中だというのに赤面する素振りすら見せない。異性と親密な交遊関係を結んだことはないが、異性の肌を見れば発熱するのは当たり前だとアバズレ生徒会長が言っていた。

 

とりあえず、学生寮の廊下に放り投げて織斑一夏の住まう二人部屋へ帰ってもらうとしよう。だいたい、寮母の部屋と隣接している部屋だとはいえ頻繁に間違えるとか有り得ない。

 

いったい、どのような思考で部屋の扉をノックしているんだ?そんなことを思いながらも部屋の扉を何度も叩いて救助を求める二人目の男性操縦者には呆れてしまう。

 

私より寮母の織斑千冬を頼るべきだ。然程、凄くもない日本代表候補生を頼るより何倍も安全なはずだ。それなのに助けを求めないのは秘密を隠したいからか?

 

部屋の外から聞こえてくる猿叫を聞きながら朝食の準備を行っていると織斑一夏の声も聞こえてきた。お前は「二度と部屋を訪れない」と約束していたよな。それも嘘だったのか?

 

しかし、ずいぶんと生々しい打撲音だな。

 

人間を殴るときと大差無い音だ。最近の軽音部は色々と工夫を練っているんだな。今後とも有り余る力を使って応援しよう。

 

 

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