私の親友「向井雪路」の遺体は実験道具として日本政府にて保存するという手続きを行うようにと意味の分からないことを話す織斑先生を見上げる。
どこか悲しそうな表情を浮かべているけど、少しだけホッとしたような表情を浮かべている。
ああ、なるほど、織斑一夏の代わりを作れて安心してるんですね。そこまで織斑一夏を守りたいなら監禁すれば良いじゃないですか。
そんなことを考えながら部屋を出ようとした瞬間、篠ノ之束博士が織斑先生にソックリな女の子を縛り上げて持ってきた。
どういうことですか?なんて篠ノ之束博士へ問えば「この子が向井雪路の『コア』を奪ったんだよ」と話し始め、ムッちゃんはこんな子供に負けたの?と考えていると「一応、この子はちーちゃんに似てるからね」と言ってきた。
「まさか織斑先生だと誤認したせいでムッちゃんは『コア』を奪われたって言いたいんですか?」
私の問い掛けに対して篠ノ之束博士は「うん、その通りだけど。なにか問題でもあるの?」と人が死んでいるのに微塵も興味を抱いていない。
「それにアレの肉体は黒い雨の時に崩壊寸前だった。お前達には誤魔化そうとしてたみたいだけど、ナノマシンだって殆んど枯渇していたし…」
篠ノ之束博士の言葉を聞いていた代表候補生も織斑先生も明らかに顔色が悪くなった。そんなの、そんなこと私は聞いていないのに、どうして篠ノ之束博士はムッちゃんの秘密を知ってるの?
「まあ、今回だけ束さんの天才的な頭脳を使って助けてやるよ」
その言葉を聞いて死んだ人間を生き返らせるなんて無理だと叫ぼうとした瞬間、面倒臭そうな表情で睨んでくる篠ノ之束博士が私の目の前に座りながら「いいか、これはお前のためじゃないよ?アレの心臓代わりだった『No.003』のお願いを聞くだけだ」なんて言ってきた。
篠ノ之束博士は織斑先生にソックリな女の子の持っていた「コア」を奪い取り、ムッちゃんの遺体を保管している部屋へと向かう。
私は、私の身勝手な苛立ちを織斑先生にソックリな女の子にぶつける。そのことを織斑先生に言えば「好きにしろ、ただし殺すなよ?」と言われた。
私はムッちゃんと離れるようなことを仕出かすつまりはない。ただ、この例えようのない怒りをコイツにぶつけるだけだ。
「ねえ、貴女は私の親友を殺したんだよ?そうなると私が貴女を殺しても問題ないよね?」
そんなことを全身を拘束された女の子へ問えば睨み付けてくるだけで反論もしてこない。べつに情報を取ろうとしている訳じゃないし、なにを喋ろうと私には何一つ関係ないことだから……。
じっくりと顔面を狙えるように馬乗りになり、上半身の筋肉を最大限に活かすために左右の拳を残像を作り出す勢いで殴り続ける。
昔、ムッちゃんとアキバへ行ったときに遊んだゲームセンターで使ったキャラの技だけど。馬乗りで放つ必殺技のインパクトは世界一だと思う。
呼吸困難を起こす寸前のところで拳を止め、花月荘の西館にあるサウナへ女の子を放り込んできた。ムッちゃんへ謝罪するまで出すつもりはない。
よし、着替えたらムッちゃんのところへ行こう。
一応、本編完結です。
番外編として、ヒモノ女の平穏な学園生活を書こうと思います。