とあるヒモノ女の憂鬱。   作:SUN'S

3 / 21
第3話

ヰ月∈日

 

私の振るう拳撃を受け止める更識簪の動きを真似しようとする織斑一夏へ応援を飛ばす布仏本音の優しさに感謝することだな。彼女達の説得が無ければ私は昨日で貴様を鍛えることを止めていた。

 

苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる織斑一夏を武道館の中央に立つように言うと、更識簪の得意とする投擲剣を受け流すようになるまで朝食抜きだと言い聞かせる。

 

こんなの無理だと言ってくる織斑一夏へ向かって多少の苦難を乗り越えねば代表候補生と張り合うなど不可能だと言い放ち、いっそのこと土下座でもしてこいと告げればやる気を出す。

 

単純な性格だと失笑すら出てしまうが、ここぞという時には役立ちそうだ。織斑一夏を鍛えあげ、代表候補生と渡り合えるほど強くすれば布仏本音と一緒に私を4組へ移籍させることを約束してくれた。

 

なんとしても織斑一夏を鍛えねばならない。

 

そのためには人手不足だ。

 

私を含めて三人しか織斑一夏を鍛えようと尽力するものは一人も現れない。

 

あの時のように篠ノ之箒が来れば良いんだがな。そんなことを考えながら織斑一夏へ筋肉を締め上げるスプリング型ギプスを装着する。

 

ヰ月。日

 

たぶん、昼頃だろうか?

 

自席にてギプスを装着しながらダンベルを上下させている織斑一夏を見掛けた。

 

筋肉を鍛えるのは良い心掛けではあるが、そのように目立つような行動は控えるべきだな。お前の決闘する相手も同じクラスで過ごしていることを忘れているのか?

 

お前の惨めな最後は私には関係無いことだが、親友達と素晴らしい学園生活を送るためにも勝って貰わねば此方も困ってしまう。

 

とりえず、その小さなダンベルより持ち上げることの出来るギリギリの重さのダンベルを持つべきだ。私の素晴らしい学園生活のために勝つまで逃げることは許さない。

 

そのことだけをハッキリと覚えておけ…。

 

私のところへ近寄ってきたイギリス代表候補生の悪臭のような香水の匂いを我慢していると「このような低脳の穀潰しを鍛えようという心意気は称賛しますが、クラス代表を務めるのは、この私ですわ!」等と言ってきた。

 

べつにクラス代表に興味はないし、誰が代表だろうと反論するつもりもないが、強いて言えば面倒事を引き起こすのはやめてほしい。今の言葉は教員の意思を代弁していると思ってくれればいい。

 

だいたい、私は女尊男卑なんて興味もない。

 

ヰ月^日

 

早朝、筋肉へ負荷を掛ける織斑一夏の背中を踏んで柔軟体操を手伝っているつもりの布仏本音へ素肌を踏むのは控えるように言い聞かせる。

 

私の祖父は男の肌は汚くて不潔なモノだと言っていた。その言葉を信じて、私は祖父との接触を控え続けた結果は祖父の孫成分の不足という意味の分からない危機だ。

 

布仏本音の足の裏をタオルで拭き取り、未使用のタオルを織斑一夏へ放り投げて上半身裸は女子高では犯罪だと教授してやる。

 

更識簪は「その性格を難儀だ」と言ってくるが、そこまで酷くはないはずだ。

 

私の祖母はドリルで世界平和を守れると信じて疑わない人だったし、そんな祖母を騙して結婚した祖父の巧妙な話術には驚きしかない。

 

なにより布仏本音は隠れサディストなのかもしれないな。明らかに恍惚とした表情を浮かべながら織斑一夏を踏んだり蹴ったりしている。

 

まあ、織斑一夏は気付いていないようだが…。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。