とあるヒモノ女の憂鬱。   作:SUN'S

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第5話

□月↑日

 

織斑一夏のデビュー戦を応援するためにクラスメイトの殆んどは観戦席に向かっているそうだが、私は更識簪の専用機へ搭載する兵器を選ぶことを優先する。布仏本音も織斑一夏の応援のためにアリーナにいるとのことだ。

 

私は織斑一夏の試合には興味ないが、彼には勝って貰わねば更識簪や布仏本音と楽しい学園生活を送ることが出来なくなってしまう。

 

私は二人と放課後や休日に遊ぶことは出来るが、授業をいっしょに受けることは出来ない。

 

だいたい、私は三人で楽しく過ごしたいだけだ。男性操縦者の遺伝子を奪えという仕事を請け負うつもりはない。そういう仕事はアバズレ生徒会長へ頼めば良いだろうが…。

 

そう言えばアバズレ生徒会長はヘタレだった。いつものように布仏本音のお姉さんが拒否の電話を受け取っているのか?なんて考えいると整備室の天井板が僅かに動いていた。

 

そこまで妹の動きを束縛したいのか?

 

そんなことを思いながらも気付いていない更識簪へ天井を指差して人の気配を探るように小声で伝えると「誰か居るの?」と臆すことなく問い掛けた。

 

やはり、彼女の勢いの良さは見習うべきだな。

 

□月∀日

 

結局、勝敗は付かず引き分けという中途半端な終わり方だったそうだ。

 

尤も一週間で代表候補生と渡り合えるほど成長したと校内新聞で話題となっていた。しかし、私の願いは引き分けという中途半端な結果だったため、移籍の話は無くなってしまった。

 

折角、手伝ってやったのに私の願いを叶えることも出来ないのか。そんなことを思いながらも食堂で馬鹿騒ぎしているクラスメイトから離れて座る。

 

あんな馬鹿騒ぎしている連中と同類とは思われたくないし、織斑一夏の発言のせいで「短期間IS操縦者育成指導者」とかいう意味不明かつ長くて面倒事の種になりそうな不名誉な称号を与えられた。

 

あとは専用機の有無を尋ねてくることが増えてきた。なぜか布仏本音が私の専用機のことを話しているし、更識簪は運ばれてくるケーキを食べながら「糖分を取らないと脳ミソが死ぬ」なんて言い出した。

 

私の専用機は人類初の試みとも言える代物だ。そうだな、私はSF映画やアニメには必ず登場する「サイボーグ」のようなモノだと思えばいい。私の心臓は人工物であり、その動力源は「コア」だ。

 

この「コア」を引き抜けば私は死ぬだろう。

 

まあ、実際に私の「コア」を狙って襲ってきた他国のモノは返り討ちにしている。あの頃は殺伐とした雰囲気を楽しむことが出来たし、楽しかったので良い思い出だとは思うようにしているつもりだ。

 

□月Η日

 

私のサイボーグ発覚騒動から三日ほど経過した頃だろうか?なぜか転校生の噂が学園中を駆け巡っている。布仏本音へ転校生のことを聞けば「うんとねぇ~っ、転校生はかわいい女の子だよぉ~っ」と言葉が返ってきた。

 

そんなことを聞きたい訳じゃないんだが、その転校生の出身国や専用機の有無を知りたいだけだ。いろいろと布仏本音に説明していると織斑一夏と小さな女の子が話しているのが見えた。 

 

アイツの友好範囲を測ろうとするだけ無駄だな。今後は話すこともないだろうし、更識簪の専用機へ助力することだけを考えるとしよう。

 

先ずは更識簪の専用機へ搭載する兵器の種類を布仏本音に相談するべきか?なんて考えいるとドリルの似合うイギリス代表候補生と篠ノ之箒が小さな女の子に詰め寄っているのが見えた。

 

おいおい、相手の力量を測る前に攻撃を仕掛けるのは三流以下のすることだろう。

 

そんなことも忘れているのか?

 

私はイギリス代表候補生と篠ノ之箒に向かって呆れたような溜め息を吐きながら騒いでいる小さな女の子の口の中へ角砂糖を弾いて入れる。

 

怒ったり喚いたりするのは糖分が不足しているせいだと更識簪が言っていたことを思い出した。今後は怒っているヤツには角砂糖を投擲するとしよう。

 

 

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