≪月ヾ日
今朝、私の部屋に凰鈴音がやって来た。その理由を聞けば織斑一夏の指導者の座を賭けて勝負しろということらしい。
正直、私には関係無いことだろ?なんて思いながらも適当に返事をして廊下へ放り出しておいた。だいたい、こんな朝早くに押し掛けてくるのは非常識だと思うんだがな…。
そこまで織斑一夏の指導者になりたいなら直談判すれば良いじゃないか。そんなことを考えいると織斑千冬が部屋の扉を蹴破って入ってきた。
どうやら凰鈴音のヤツは指導者の座を賭けて勝負することを学生寮の廊下まで響くほど声を発していたため、勝負を無かったことには出来なくなったそうだ。あのチビの策略なのか?等と考えながら布仏本音に凰鈴音のことを調べてもらう。
代金は食堂にあるケーキを一週間ほど奢るというモノで承諾してもらっているが、私の残金は心許なくなっている。いっそのこと凰鈴音をボコって金を奪い取ってやろうか?
まあ、そんなことはどうでもいい。
私の二日しかない休日を奪ったことは万死に価するということを骨身に刻んでやる。そう言えば日取りを決めず、勝負を行うということは奇襲ありということなのか?
≪月ゝ日
なぜか篠ノ之箒が凰鈴音と同じように勝負しろと詰め寄ってきた。お前達は織斑一夏を育てたいのか?それとも婚姻関係を結ぶことの出来る関係になりたいのか?なんて問えば黙ってチラチラと織斑一夏のことを見ている。
そんな幼稚園児のようなアプローチで靡くような男だったら百戦錬磨の恋愛マスターだろ?と篠ノ之箒達に告げると「一夏、貴様は百戦錬磨の恋愛マスターなのか!?」等と問い詰めいた。
もう、説明するのも面倒くさいんだが…。
だいたい、私の仕事は織斑一夏をイギリス代表候補生と張り合えるほど強くすることだった。そのイギリス代表候補生が織斑一夏を育てたいと言っているわけだし、指導者の座を譲るのは当然だろ?
あとはイギリス代表候補生の恋する乙女のような瞳は呆れるほど妄信的というこだ。
彼女が私の代わりに織斑一夏を鍛えてくれるならアホでもバカでも使うのは当たり前のことだ。べつにイギリス代表候補生をバカにしている訳じゃないからな?
なにしろ、私と織斑一夏の専用機「白式」の相性は最悪の上位互換と言っても過言ではない代物だ。
それに彼の振るう剣「雪片弐型」の放つ「零落白夜」はシールドエネルギーを削ぎ落とし、私の纏う硬化した皮膚を切り裂くことが出来る二つ目の武器だ。
≪月ゞ日
ナノマシンを動かせば肉体の一部は黒化する。私の専用機の見所は乱打殴打の強さだ。極限まで鍛え上げた肉体を用いて戦えば如何なる兵器だろうと恐れることはない。
なにより筋肉は裏切らないと偉い人も言っていたような気もする。更識簪だって関節の稼働領域を拡げるより一直線をブチ抜く武装を発注していた。私の考え方を否定するものが居れば実力で叩き潰せば問題ない。
それに私の勝利を願う友人の信頼を裏切るわけにはいかない。如何なる相手だろうと親友の応援を受けた私を止めることは不可能だ。
しかし、監視カメラを仕掛けたヤツは謝っても殴り潰すつもりだ。人の部屋を覗き見するなど変態行為でしかない。まあ、その監視カメラを仕掛けたヤツは特定済みなのだが…。
正直に謝ってくるようであれば拳骨を叩き込むだけで許してやろうかと思っていた。そして、アバズレ生徒会長は謝罪どころか逃げ回っている始末だ。
いろいろと持て囃されて学園最強だと言われているそうだが、ヘタレなアバズレ生徒会長を最強だと認めるつもりは私はない。
とりあえず、お前は更識簪に謝ってこい。