㍑月Ю日
更識簪の専用機「ヌル」はグレイ・フォックスと見間違うほど酷似しているが、本家の方が少しだけ色彩が明るい。それに更識簪は高周波ブレードではなく小型の軽機関砲を前腕部に搭載している。
私と真っ向から殴り合えるほど強固な装甲だと言っていたが、友達と殴り合う必要はあるのだろうか?そんなことを考えながらも布仏本音の盗ろうとしている竜田揚げを頬張る。
生憎と私は好物は最初に食べる主義なんだ。
クスクスと頬を膨らませて拗ねている布仏本音に竜田揚げを差し出すと「むふぅ、汝を許そぉ~っ」と言いながら竜田揚げを美味しそうに食べてた。
ちょうど自販機のゼリーを購入して、整備室へ向かおうとしている更識簪を見付けた。布仏本音に呼び止めるように言いつつ、私は食堂を取り締まる料理長に竜田揚げを三人分ほど用意してもらう。
最近は異様なほど疲れることが多かった。
しっかりと食事を取らないと死ぬぞ?等とゼリーを抱えている更識簪に告げ、布仏本音の座っている席に運ばれていく竜田揚げを指差しながら「一緒に食べよう」と言えば観念したように着いてくる。
㍑月х日
早朝、謝罪のために訪ねてきた凰鈴音を廊下へ放り投げて帰えるように促した。なぜ、私の部屋を訪れる必要があるのだろうか?私は憂さ晴らしを出来て満足しているんだが…。
そんなことを考えていると織斑千冬が合鍵を使って部屋の中へ入ってきた。お前もなのかと織斑千冬を見ながら思っていると書類のようなモノを差し出し、そのまま部屋を出ていった。
書類を見ると一週間後に転校してくる二人の生徒のことを個人情報をまとめた書類だった。アイツ、私に面倒事を押し付けようとしているのか?等と思いながらも二度寝するために布団を被った瞬間、目覚まし時計が頭の上で鳴り響いた。
はあ、マジでIS学園潰れねえかな。
いろいろと溜まってきた鬱憤を晴らす機会すら与えてもらえず、毎日のように訪問してくる代表候補生と織斑一夏の話し相手ばかりだ。私の休日を奪うのは楽しいのか?と奴らを問い詰めたい。
もう、いっそのこと内部を破壊してやろうか?なんて考えながらも珍しく早起きな布仏本音の「ごはん、ごはんだよぉ~っ」という気の抜けそうな声が部屋の前で止まったことに気付いた。
なあ、頼むから私を眠らせてくれよ。
㍑月℃日
早朝、篠ノ之箒と織斑一夏がやって来た。最近は眠ることも出来ない。二人の話を聞けば相手の悪いところを言い合って仲良くなるという心理的テストを受けたとのことだ。
正直、私には関係無いことだ。それなのに私を訪ねてきた理由を問えば「物知りだから」という適当な返答だった。私の休日を潰してまで聞くことなのか?そういうのは教師や友人に聞くものだろう。
今日は面倒なこと起こしていない二人を部屋の外へ追い出そうとした瞬間、凰鈴音とセシリア・オルコットが部屋の扉を破壊しながら訪問してきた。
お前達は私の部屋を壊すために訪問してきたのか?等と二人に問えば首を左右に振りながら否定する。じゃあ、なんで私の部屋に来るんだ。あの二人のところへ相談しに行けばいいじゃないか。
五時間ほど説教してやれば訪問する回数は減らすと約束してくれたが、二度と私の部屋には近寄らないとは一言も言っていない。