次の日、俺は一人で外を出歩いていた
集落の外に出ようとマークさんに
「外でうろついてるバンダ―共ぶっ殺して来るわ(要約)」と、告げた所大慌てでカーラさんまで一緒になって引き留められた
引き留められた俺は主人公の如く「この集落のみんなの安全を脅かすバンダ―達をやっつけて来るよ(要約)」と説得したが
一人で3人のバンダ―を倒した君の実力は信じているが恩人を一人で危険にさらす訳にはいかないとマークさん
全く持ってその通りなんだけど一人残らず皆殺しにする(経験値的に)予定だからドン引きされるかもしれないと思うと……
聖人ムーブかましてるから、虐殺シーンを繰り広げると俺の信用度に関わる可能性がある
そして一番の懸念は、戦闘に他の人間が参加すると経験値が分散して俺の取り分が減る可能性がある、と言うか多分減る
なので経験値的な意味でも誰かが付いてくるのはマジで勘弁してもらいたい
俺の我儘で皆を危険に巻き込みたくないし、それでここの守りが手薄になったらそれこそ集落が危ない
自由に動ける俺が危険の種を潰すのは理に適っていると思う、俺もこの集落の為に何かしたいんだ……と
The勇者みたいな言葉で暗に付いてくんじゃねぇよと説得
それでも渋っていたので、彼らの前で銃弾を止めて見せたらようやく渋々認めてくれた
銃弾を止めるような芸当が出来るなら死んでしまう事はないだろうと
只、無理はせず危険だと思ったらすぐに戻ってくるように言われた
前向きに検討する所存です
ある程度集落から離れたら訓練がてら飛行移動して索敵する、空からだと地上が良く見える
2人組で行動するバンダ―がいたので1人は着地に巻き込んで轢殺、もう一人は混乱している間に射程圏内まで近づいて圧殺した
ステータスを確認したがレベルは上がってない、当たり前だが必要経験値は徐々に上がっていってるんだろう
死体を漁り、引き続き空から索敵していると、一人で歩いているバンダ―を見つけた
「1人か……」
見た所周囲に他の仲間はいない、ちょっとばかりお話するチャンスだ
アジトの場所でも吐いてもらうとしよう
「お、重っ……動けなぃ……」
奇襲し手加減した重圧で無効化したバンダ―に話しかける
「さて、お前の生殺与奪の権利は俺が握ってる訳だ
お前が属してる組織の規模はどんなもんだ? アジトの場所は?」
「そ、それは……」
バンダ―の男が言い淀む、流石にすぐには吐かないか
足にかかる重圧を上げ、軋む音がすると男が悲鳴を上げた
「分かった! 言う! だからやめてくれ! 足が潰れちまう……ぅぅ」
「だったら今すぐ吐くんだな」
「北に山が見えるだろ? あれを越えたら石造りの2階建ての建物がある、そこがアジトだ!
人数は18人だ……だけど3人昨日から戻って来てない、今日外に出てるのは俺以外は2人だった筈だ
後の奴らはアジトにいる筈だ、これでいいだろ!? 早く解放してくれ!」
痛みに喘ぎながら男は口早に答えた、戻ってない3人は昨日の奴らだろう
後者の2人はさっき始末した奴ら……こいつを抜きにしてアジトに居るのは12人か
「ああ、十分だ」
男の顔に安堵が見えたが、次の瞬間その顔が潰れて地面に赤い花を咲かせた
さっき圧殺したときそいつが持ってる物までダメになったからな、余裕があれば潰すのは顔などにするか他の方法で殺した方が良いと学んだ
死体を漁って、奴らのアジトがある北を進む
さてどうするか……一番手っ取り早いのは建物ごとぶっ壊す方法だがそれだと溜め込んでるであろう金目の物なんかを瓦礫の中から探す羽目になる
やっぱ正面から行って全員殺すのが得策か
後、レベルが上がっていたので持久に全振りした、耐久に関しては長時間ぶっ続けでもない限り高速移動によるGの負荷を感じなくなったので今からのアジト襲撃が長引いた場合に備えて持久を底上げしておく
山の頂上辺りまで来た所で例のアジトが見えた、遠目に見てもそこそこ大きい、まだ余裕はあるが一応休憩をはさむ
万全の状態で挑みたいからな
俺の重力操作は強力だと思うが如何せん射程がなぁ……
今回は弾岩を使うとアジトが崩壊する危険があるし、そもそも中に弾に使える物があるか分からない
銃使ってみるか
使えるようになって損はないだろう、弾も結構あるし集落である程度の使い方は教えてもらった
マシンガンタイプだから数撃てば当たるだろ、使ってみて無理そうなら能力でゴリ押ししよう
休憩も終わり、飛んでアジトの屋上に音を立てずに降り立つ
見張りも立てないとかどうなんだ? こっちはありがたいが
ここからでもバンダ―達の声が聞こえて来る、呑気にどんちゃん騒ぎしてるなぁ
階段を下りてドアの隙間から覗き見ると室内で酒を飲みながら騒いでるのが見える
全員ベロベロに酔っているし何なら2人寝てる奴がいる、もうちょっと危機感持った方がいいだろこいつら……
それなりに緊張していた筈が気が抜けた
さっさと終わらせるか
ドアを勢い良く開き銃を乱射する
突然の事に反応出来てない奴らは呆けた声を出した後、銃弾が命中した奴は苦痛の声を上げた
3人……いや4人殺った、思ったよりやれなかったな
「侵入者だ! 殺せ!」
「クソッ、銃を取れ!」
「う、腕が! 痛えよぉ……」
死ななくとも弾が当たった奴はまともに戦えないだろう
俺が撃っていたマシンガンの弾が切れたのでマガジンを交換する、その隙に銃を手に取ったバンダ―達は俺に向かって銃を構える
まだ慣れない手つきでの交換だったので向こうの方が早かった
奴らが一斉に銃を撃ち始めるが俺が作り出した重力の壁に阻まれる
ここで交換を終えた俺はある事に気づく
これ俺が撃った弾も止まるじゃん
自分の撃った弾だけ素通りさせるなんて真似、少なくとも今の俺には出来ない
銃を使っての戦闘は無理かぁ
まぁ、無理とは言わないが能力使った方が早いわな、銃を手放すと同時に向こうの弾が切れた
「銃が効かねぇぞ! ストレンジャーか!?」
気づいたか、もう遅いけど
銃弾をバンダ―達にばら撒く、弾の量が多かったので上手く纏めて打ち出せなかった
それでも残りは3人だ、後は重力を纏った高速タックルで二人を吹き飛ばす
逃げようとした残り一人を拘束して一息ついた
「身体が……っ、くそ! 何なんだお前!」
「そんなこと今はどうでもいい、それより金目の物溜め込んでるんだろ?
何処にあるか教えてもらえる?」
バンダ―の言葉を無視して用件だけ伝える
「……い、1階の床にある隠し倉庫だ、蓋はとてもじゃないが一人で開けられる重さじゃない、
俺も開けるのを手伝うから見逃してくれ! 中の物は全部やるから……」
「いや、それだけ分かれば十分だわ」
「ま、まっ——————」
はいトマト
1階で床を調べると、切れ目のある部分を見つけた、半分が大きい箱で隠れている
箱をずらすと持ち手が見えた、そこまで隠れていると言う訳でもない
念の為に持ち上げようとしてみたが案の定持ち上がらない、まぁ俺ってクソ雑魚筋力だしな
大人しく重力で浮かせて開けると結構な量の金や宝石、装飾品……そして
「何だこれ? 何かの鉱石か」
くすんだ灰色の鉱石の様な物が少量だがあった、まぁ貴重な鉱石か何かなんだろうな
貰っとこう
持ち手を隠していた箱が丁度いい大きさだったのでそれに移し替えながらステータスを確認する
レベルが2上がって7になった、12人殺して2か
そう考えると意外と上がりにくいのかもな、耐久と持久に5ずつ振った
~~~~~~~~~~
NAME.須黒 拓斗
Level 7
勢力.混沌
筋力 2
耐久 20
持久 31
瞬発 2
残ポイント:0
能力『グラビティ』
~~~~~~~~~~
この偏り具合よ、俺はこれでいいんだけどさ
今日は帰るかぁ、これ持って帰らなきゃいけないし
け、結構疲れた……
俺の貧弱筋力じゃ間違いなく持ち上げられない戦利品の入った箱を浮かせて、かつ飛んで帰ったのだが
かなり消耗している、休みなしでとは言え持久31もあるのにこんな疲れる?
もしかして俺の能力クソ燃費悪いのでは?
強力な能力だし戦闘に関してはほぼ万能な能力だ、欠点が無いなんて都合が良すぎるよな
戦闘も基本速攻で終わってたから、あんまり実感が湧かなかった
まぁ、俺のステ振りは間違ってなかった訳だ
耐久には当分振らなくていいかな
能力が使えなくなったらそこそこ丈夫なクソ雑魚ナメクジと化すからな俺は
そんな自体にならない為に持久に振りまくってスタミナを上げる
後は長時間の戦闘を避ける事と、戦闘が長引きそうだったら躊躇せず逃げる事が絶対だな
俺は別に尻尾巻いて逃げるのに何の抵抗もないし、最終的に勝った奴が勝ちだ
門の前に降り立ち門番の青年に挨拶する
「門の番ご苦労さん」
「ああ、それにしても本当に飛べるんだなぁ、銃弾も平気な顔で防いでたし……羨ましいよ」
「まぁ、俺もこの力には世話になってるよ」
青年が俺の持ってる箱に目をやる
「その箱は?」
「戦利品さ」
それだけ言い集落の中に入った
すれ違う人達に挨拶しながらマークさん一家の家に戻る
「あっ、おかえりなさいタクトさん! それ何?」
どうやらナンシーちゃんだけらしい
マークさんは警備で日中は基本居ないし、カーラさんも農業などで家を空ける事が多いみたいだ
「バンダ―達をやっつけて得た戦利品だよ」
ソフトな言い回しで事実を伝える
「見てもいい?」
蓋を開けて、行動で答えを示す
覗き込んで中を見たナンシーが驚きながら声を上げた
「すごーい! お金も宝石もこんなに一杯! これだけでこの集落の誰よりもお金持ちよ」
へぇ、結構溜め込んでたんだなあいつら
いやはや、経験値も貰えて金も稼げるなんてバンダ―様々だな
「お父さんとお母さんが見たらびっくりすると思うわ……ね、それより今日はもう外には行かないの?」
「ああ、あんまり無理をしてもしょうがないからね」
「じゃあ遊んで!」
その後ナンシーちゃんを能力で浮かせて遊んでいると
楽しそうにはしゃぐナンシーちゃんに釣られて集落の子供たちが集まって来た、能力の特訓がてらその子達も浮かせて遊んであげる
それで分かったのは、一度に重力を操る事のできる対象に制限はないが増えれば増えるだけゴリゴリスタミナが削られるという事だった
ついでに限界まで能力を使ってみたが、感覚は普通に運動して疲れるのと同じ感じだった、それでも使おうとすると頭痛と心臓が締め付けられる様な痛みに襲われた
これはきついな、この状態じゃとてもじゃないが戦闘何て不可能だ
楽しそうにはしゃぐ姿もだが、限界ギリギリの俺を心配するナンシーちゃんもかわいかったです。
「そうか、バンダ―のアジトを……何人いたんだ?」
「アジトに居たのは12人ですね、全員銃で武装していたのでそこそこ厄介な集団だったかもしれませんね」
「銃で武装した12人を一人で……凄いな」
夕食後、マークさんに今日の事を聞かれたので答える
「討ち漏らしは?」
「ありません」
最後にアジトがあった場所を伝えて、奪った銃と弾薬を自分が使う分以外は集落の自警団に寄付した
マークさんと集落の男性達に感謝された、好感度稼ぎは抜かりなくだ
話が終わった後は就寝までナンシーちゃんを構ってあげながら過ごした
断じてロリコンではない、そもそもナンシーちゃんは14歳で俺は17歳だ3歳しか変わらないからロリコンじゃないです
それからはバンダ―をサーチアンドデストロイしながら戦利品を強奪、帰って子供達で重力制御の特訓、夜はナンシーちゃんとイチャイチャしていたら何と3週間経ってた
この3週間に潰したバンダ―のアジトは7つ、人数にしたら100は越える……レベルは何と7も上がって14になった
~~~~~~~~~~
NAME.須黒 拓斗
Level 14
勢力.混沌
筋力 2
耐久 20
持久 60
瞬発 2
残ポイント:6
能力『グラビティ』
~~~~~~~~~~
これがステータス、振ってない6ポイントは何かあった時の為に残しておく……切りのいい数字っていいよね
持久が60に到達した、3週間前の倍だ
相変わらず筋力と瞬発はクソ雑魚である
計8つのバンダ―のアジトから金品を強奪した今の俺はかなりの金持ちだ
多くの戦闘をこなし、能力の制御も上達した
星一番の街、ライドランテに行く準備は万全と言えるだろう
ぶっちゃけこの3週間で、このままここに留まってナンシーちゃんルートも悪くないんじゃないかと思い始めていたが流石にマズイ
マークさんとカーラさんが俺達をくっつけようと企んでいる感があるしナンシーちゃんも満更でもなさそうだが
ごめんね、俺この銀河を混沌に陥れなきゃいけないから
集落に行商がやって来た、ここを出たらライドランテに向かうらしい
これも(混沌の)神の思し召しだろう
夕食を終えて3人に話を切り出す
「マークさん、カーラさん、ナンシーちゃん、話があるんだ」
真剣な顔の俺にナンシーちゃんは首を傾げ、マークさんとカーラさんは悲しそうな顔をした
「ああ、分かっているよ……明日、ここを発つんだろう?」
そう言ったマークさんに俺は頷く
「え……集落を出ていくって事? な、何で?」
「仕方がないわ、ナンシー……タクトさんにはやらなきゃいけない事があるの」
そうなんだよナンシーちゃん、お兄ちゃんな、宇宙船を手に入れるついでで手始めにライドランテを混沌に陥れようと思うんだ
「そんなのいいよ、ずっと此処にいようよ」
ナンシーちゃんが泣きそうになりながら俺を引き留めようとする
泣き顔もかわいいなぁ
「ごめんね、ナンシーちゃん」
俺はただ謝るだけだ、将来有望だし正直手を出しそうになった事もあったけどごめんね、思い止まったから許して
「い、嫌だよ……ずっと一緒にいようよ、行っちゃうなんてやだよぉ……」
とうとう泣き崩れてしまったナンシーちゃんを抱きしめる
「ナンシーちゃん、ごめんね」
本当にごめんね? ナンシーちゃん……ここで涙でも流せば最高なんだろうけど1mmも出る気配がないんだ!
こんな俺を許してくれなくてもいいけど出来れば許して
夜、ナンシーちゃんが俺の寝床に入って来た
逆夜這いか? 俺を行かせない為に既成事実を作りに来たのか? と思ったかどうやら違うみたいだ
ただ抱きしめて来ただけでそれ以後動きはないし、何も言ってこない
悪魔の俺が立つ鳥跡を濁してイケよといっている
天使の俺は……そんな奴いなかったわ、代わりにもう一人いた悪魔がヤっちゃえよ、と言ってる
でも駄目です
もう此処には来ないみたいな雰囲気だけど普通に来ます、この集落には俺の最終防衛ラインになって貰う
此処の人達は思わず憐れんでしまう程、馬鹿みたいに俺を善人だと信じ込んでるからな
もし、救済勢力に出くわして追いつめられた時はこの集落に逃げ込んで此処のみんなに庇ってもらいます
それで諦めてくれるなら良し、諦めなくても救済勢力に選ばれるようなお人好しならさぞ戦い辛くなるだろう
躊躇ってる間にぶっ殺せば万事問題なし
なのでここでナンシーちゃんを喰っちゃうと戻って来た時に変に期待されかねない
俺も抱きしめてナンシーちゃんの身体の柔らかさを堪能させてもらうだけに留めた
生殺しって辛いね
翌日、行商人には話はつけた
俺の財産(奪った)が入った箱×3つも報酬を払って積んで貰ってる
俺が発つと聞いて集落のみんなが見送りに来てくれていた
この3週間好感度上げる為に頑張ったからね! 順調なようで何より
俺がバンダ―から奪った武装は全部貢いだから男衆の装備がやけにごついので商人がちょっとビビってるのが面白い
「マークさん、これを」
俺は財産の一部をマークさんに渡す
「これは……受け取れない、宇宙船を手に入れるのに相当な金額が必要な筈だ」
いいからいいから、この程度で好感度が稼げるなら安いもんだから
「いえ、出ていく俺が最後にこの集落の為に出来る事です、受け取ってください」
どうせライドランテに行ったら獲物は腐るほどいるだろうからさ
「君は頑固だからなぁ……分かったよ、受け取る、この集落の為に大事に使わせて貰うよ」
よし、稼げるだけ好感度を稼いでいくぞ俺は
集落のみんなからも話しかけられるので別れを告げていく
「タクトさん……」
目を赤くしたナンシーちゃんがやって来た、昨日の夜も静かに泣いてたからな
「これが最後じゃないさ、約束するよ……また来る」
「本当?」
本当だよ、ただちょっと厄介事も持って帰ってくる可能性があるだけだよ
「ああ、でも当分会えないだろうから、悲しそうな君じゃなくて笑ってる君が見たいな」
決まった
「約束だよ? 絶対、絶対帰って来てね」
ナンシーちゃんが飛び込んで来たので抱きしめ返してあげる
「また、ね?」
「うん……またね、タクトさん」
最後に彼女は飛び切りの笑顔を見せてくれた、ちょっと泣きながらだけど
手を振るみんなが遠目に見える、俺もみんなが見えなくなるまで手を振り続けた
…………っしゃあ! 解放されたぜ!
みんないい人でナンシーちゃんもかわいかったけどやっぱり善人ロールプレイ息が詰まるわ
いやぁ、こっからはもう自分に嘘は付かない
ライドランテでは思うままに混沌勢力らしく好き勝手振るまいます
とりあえず行商の護衛もかねて道中のバンダーは俺が受け持つよ! 誰にも譲らない!
ついでにアジトの場所を聞ければ、潰しに行って金を稼ぐ
ちょっと分けてやるって言えば嬉々として着いて来るからなこいつら、やっぱ商人だわ
さて、街に着くまでにいくつレベルが上がるか楽しみだ
昼間は命乞いをするならず者達を容赦なく皆殺しにして
夜は美少女とイチャイチャするサイコパス
次話からナンシーちゃん達と言う枷が外れた主人公の外道混沌ムーブが始まります
100%の好意に対して利用する気満々の最低主人公がいるってそれマジ?