混沌を齎す者   作:土曜日の魔術師

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外道ムーブと言っても暗躍とか策略みたいな感じになりそう


第3話

 

 

 集落を出発して1週間と少し、道中バンダ―を狩ったり、アジトを壊滅させたり、それを見た商人にドン引きされたりしながら目的地であるライドランテに到着した

 

 レベルは3上がって17に、持久に10だけ振っておいた

 

 目的である宇宙船を手に入れる方法を別れ際に商人に聞いて見た所、他の惑星からの宇宙船は停泊しているがこの街では販売してないらしい

略奪するしかないか?と思ったが

 

 このライドランテの市長であるレゾナンテさんならどうにかできるかも知れないとの事

 

 とりあえず転送組との接触を警戒して商人が扱っている商品の中にあったフルフェイスのメットを購入

顔が割れない様に街に入る前に装着しておいた

 

 ちなみに持ち歩く分以外の俺の財産は商人に預かって貰っている、着服されるかもしれないと思うかもしれないが容赦なくバンダ―共を皆殺しにする俺を見て最初は恐怖してたからな

もしそんな事をどうなるかを理解しているのでそんな真似はしないだろう

 

 解散する直前にきちんと

 

「俺はお前を信頼して預けるんだ……分かってるな?」

 

 って言ったらもげるんじゃないかと思う勢いで首を縦に振っていた

 

 宿を取り市長に接触する方法を模索しながら街を散策していると先の方が騒がしい事に気づいた

 

「俺が盗んだって証拠が何処にあるんだ!」

 

「監視モニターで貴方が取引未完了の商品をバッグに入れた事を確認しました」

 

「デタラメ言うな!俺は急いでるんだ、さっさと行かせてもらうぞ!」

 

 叫んでその場から立ち去ろうとする男とそれを止める人間、否

 

 一瞬全裸の変態かと思ったが違う、顔や体に継ぎ目のある人型のロボット…アンドロイドだ

マネキンの様な形をしている

 

「何なんだ?あの、アンドロイドは?」

 

 近くに居た住民に聞いて見る

 

「ライドランテが誇る自立思考型治安維持アンドロイドを知らないのかい?さてはこの街に来たばっかりのお上りさんだな?」

 

「ああ、今日来たばかりなんだ」

 

 自立思考治安維持、ね

 

「あれは我らが市長であり科学者でもあるレゾナンテさんが長年を掛けて開発したまるで人間の様に話し、そして自らで思考できる最高のアンドロイドさ!」

 

 住民の話を聞いている間にアンドロイドが男を捕縛していた

 

「へぇ、それは凄いな・・・教えてくれてありがとう」

 

「いや、良いって事さ、あんたのヘルメットも中々イカしてるね」

 

 礼を言ってその場を離れる

これは、この街の事を深く知る必要がありそうだ

 

 解散して然程経ってないが、商人の拠点へ赴く

 

 

 

「おや、どうしました?金をお卸で?」

 

「いや、この街の事を詳しく教えて欲しくてね」

 

 手短に用件告げる

 

「あれ、お知りにならなかったんですか?まぁ、いいですよ、お教えします」

 

 椅子に座り話を聞く

 

 

 

 市長邸を囲むように展開されたライドランテの街は自立思考型アンドロイドに守られ、治安も良く活気に溢れている

 

 この自立思考型アンドロイドは長い間市長であるレゾナンテが開発に取り組んでいた物の中々成功しなかったらしい

だがある時、それまで何の進展もなかった筈が急に上手く行き、自立思考型アンドロイドが完成

その勢いのままに市長はアンドロイドを街の治安維持に抜擢したらしい、疲れる事なく24時間街の監視モニターと常に同期している為、死角などもカバーできるし監視モニターに映れば一発で摘発だ

 

 しかも自身で思考し判断する事も出来る為、柔軟に対応できるし、人間の様にスムーズに会話できる

 

 治安維持アンドロイドの投入で犯罪検挙数は何倍にも増加し、瞬く間にこの街で犯罪行為を行う輩は滅多にいなくなり、街も大きくなったが良い事だけという事もない

 

 元々存在していた街の警備団はアンドロイドに立場を奪われ、警備の職を追われ、それに付随する仕事をしていた人間達も職を失った

そして24時間四六時中アンドロイドに監視される事に反発する住民も一部存在し、それらの人も市長の怒りを買い立場を失った

 

 そしてそんな職を失い立場を失った人達が街の最南端にある工場跡地に住み着き始めた、今では貧民街と呼ばれているらしい

そこは治安維持アンドロイドの管轄外である為治安も悪く、人が頻繁に行方不明になるらしい

 

 貧民街は基本的に市長に恨みのある人間しかいない為、市長であるレゾナンテも貧民街をアンドロイドで警備する事もない

だが、治安が良い事を売りにしているライドランテにその様な場所がある事は街のイメージダウンに繋がる

 

 商人達も含め、誰もがすぐにでもアンドロイド達によって撤去されると思ったが市長が

彼らの居場所を奪ってしまった自分にも非があるだろうが自分も譲る気はない、だが一度彼らの居場所を奪い彼らが見つけた新しい居場所すら奪うのはあまりにも酷だ、なので私は貧民街に関しては干渉しない

撤去する事もしない、だが逆に支援する事もない

 

 完全な不干渉を貫く、と

 

 街の人達はこの行為を市長の慈悲だと言うがそんな事が出来るならそもそも治安維持のいざこざの時点で誰からも恨まれない様な折衷案を出している筈だ

治安の良さが誇りのこの街で人攫い等が当たり前になっている区画があるなんて不利益にしか繋がらない

 

 急に上手くいったアンドロイドの開発に貧民街、そして何もしない市長、か

 

「成程なぁ」

 

「ですから貧民街には近寄らない方がいいですよ、貴方なら問題ないでしょうが」

 

「まぁ、行く用事もないし行かないさ」

 

 あ、そういえば

 

「俺が預けた中に良く分からない鉱石があるんだけどあんたなら何か分かるか?」

 

 ふと思い出した、謎の鉱石について質問する

 

「箱の中身は見てないので何とも言えませんが、鉱石も扱っているので恐らく分かるかと」

 

 

 

 

 箱から取り出したくすんだ灰色の鉱石を見せる

 

「アドミラ鉱石ではありませんか!非常に貴重な鉱石ですよ、高い硬度を誇り、固さに反して加工しやすいので様々な応用が利く鉱石です

ですが産出量が僅かで市場では稀にしか見る事が出来ません」

 

 あのバンダー達そんな貴重な物どっから手に入れたんだよ

 

「是非とも買い取りたい所ですが、確か市長が積極的に買い取っていますのでその鉱石を利用すれば…」

 

「市長に接触できるって訳か」

 

 頷く商人、中々やるじゃないか

箱から装飾品をいくつか取り出しくれてやる、金の切れ目が縁の切れ目って言うからな

 

「情報量だ、やるよ」

 

「いやぁ、助かります!このネックレスなんて加工が細やかで高値で売れますよ」

 

 それは良かった

 

 

 

 

 翌日、市長邸を尋ねた俺は受付と話していた、ヘルメットは付けたままだと怪しいので市長邸に入る直前に外してある

 

「今回はどのようなご用件で?」

 

「いえ、実はとある筋から非常に貴重な鉱石を手に入れまして、人伝に聞いたのですが市長殿がその鉱石を必要としていると聞いて取引をと思い尋ねさせて頂いた所存です、はい」

 

 今の俺は鉱石を売りに来た商人だ、口調は適当である

 

「そうですか、では担当の者を呼びますのでそこで取引をお願いします」

 

 やっぱりそうだよなぁ、市長自らなんて在り得ないよね

でもそれじゃダメなんだよ

 

「担当、と言うと市長殿ではないのでしょうか?」

 

「ええ、そうなります、市長は御忙しいので」

 

「ああ!それはいけません!」

 

ここで大げさに仰け反って声を上げる

 

「私、商人になる際にそのお品物を必要とする御本人とでなければ取引を行わないと亡き父に誓ったのです!」

 

 嘘っぱちの誓いで遠回しに市長本人を出せと要求する

 

「で、では取引はなしという事でよろしいでしょうか?市長は取引になど応じる時間はありませんので……」

 

「おお!それは何という事でしょう!私がお聞きした所市長殿は大変その鉱石をご所望になられているとの事ですが一介の受付嬢が貴重な商談を勝手な判断で断ったと知れば何と仰る事やら!」

 

 最後に恐ろしや…と呟き、迫真の演技を終える

 

 

 ……ど、どうだ?

 

 

「あ、え…えっと、しょ、少々お待ちください、市長に確認を取り次ぎます」

 

 よし来た!チョロい

後は市長が本当にこの鉱石を必要としているかどうかだが…

 

「はい、はい、分かりました、お通しします……先程は申し訳御座いません、係りの者が市長室まで案内致します」

 

 第一関門は突破だな、一番重要なのはこれからだが

 

 

 

 

「こちらが市長室です、失礼の内容にお願いします」

 

「ご丁寧に、ありがとう御座います」

 

 市長室に入るとデスクに座った男とその両脇に武装したアンドロイドが立っていた、市長と俺以外の人間はいない

 

 市長であるレゾナンテは40代程の男だ、成程…確かに学者って感じの風貌をしている

 

 俺が今からしようとしている事は一種の賭けだ、確証もないし確信もない……が、レゾナンテを実際に見て思った、勝算は高い

 

 俺は先程までの似非商人の様な態度を止め、レゾナンテのデスクに鉱石の入った箱を投げた

音を立てて箱はデスクに着地し、衝撃で蓋が取れ鉱石が飛び出す

 

 アンドロイドが銃を俺に向けて来て、レゾナンテが眉を顰める

 

「取引をしに来たんだ」

 

 俺は不遜な態度で堂々と言い放つ

 

「……聞いているよ、予想通りアドミラ鉱石の様だな」

 

「あー、違う違う……そっちじゃない」

 

 分かりやすくアンドロイドを一瞥し、レゾナンテに視線を戻す

 

「分かるだろ?なぁ?」

 

レゾナンテは眉一つ動かさず動じていない

 

「すまないが、私には君の考えは理解できないようだ……アンドロイドが君を攻撃する前に鉱石の取引に戻るか、部屋を出て来た道を戻るかをお勧めしよう」

 

 ま、認めないよな

 

「分かったよ、じゃあ少しだけ俺の話を聞いてくれ、それでもあんたが帰れって言うなら大人しく帰るさ、鉱石もただでくれてやる」

 

 言葉にはしないが目で続きを促して来た

 

 ここからが正念場だ、全部俺の予想で妄想だが全て理解しているとでもいう様に堂々と話し切らなきゃならない

 

 

 

「ある所に一人の男がいた、そいつは科学者でアンドロイドの開発をしていたんだ…人間の様に自身で考え、会話する事の出来る」

 

 語りだした俺に不審な目をしたレゾナンテだが、内容を理解した瞬間その目付きが鋭くなった

 

「その男は市長でもあり、その財力と、その知識で、アンドロイドを開発しようとしたが上手くいかない

どれだけの時間を、知識を、財力をつぎ込んでも成果は出なかった」

 

 レゾナンテは只黙って俺の話を聞いている

 

「そしてある時、男は気づいたんだ、作れないなら…既に”在る”物を使えばいいと

 

 自らが理想とする形をしていて、喉から手が出る程欲しかった高度な自立思考を可能とする脳を持った生物……

 

 そう、人間だ

 

 だが、周囲の人間や街の住民を使えば、行方不明になった時に捜索が始まり、バレる可能性がある

 

 なら、いなくなっても誰も探そうとしない人間だったら?

 

 例えば……犯罪者、とかな」

 

 レゾナンテが目を閉じた、良い感じだ

 

「犯罪を犯すような人間が消えた所でまず誰も探さないし、もしいたとしても何とでも言える

 

 今は服役中だとか、その男は追放したとか、な

 

 後は簡単だ、必要な部分だけ残して、残りは自身が望む機械の身体…アンドロイドにすればいい

 

 そして男は見事、自立思考型アンドロイドを完成させた……大発明だ!」

 

 俺が大袈裟にそう言っても、何の反応もない

 

「男は自身の作ったアンドロイドを街の警備に当てた、24時間休まずに街を守り続ける最高の警備員だ

 

 男の予想通り、アンドロイド達は凄まじい検挙率で犯罪者を逮捕していった

 

 犯罪者を確保すればする程、アンドロイドは増え

 

 アンドロイドが増えれば増える程、犯罪の検挙率は上がる

 

 男にとって最高の循環が産まれたんだ」

 

 

「銃を下げろ」

 

 

 俺の話が一区切りついた所でレゾナンテがアンドロイドに銃を下げさせた

 

 

「続きを」

 

 

 促され、肩を竦める

 

 

「だが、その循環は長くは続かなかった

 

 治安の良さを武器に街は有名になり、元々大きかった街がさらに大きくなった

 

 市長としての男は大いに喜んだ、しかし…科学者としての男にとっては一大事だった

 

 治安維持アンドロイドによる圧倒的な警備力に、街で犯罪を犯す様な愚か者が居なくなったからだ

 

 アンドロイドを作る為に必要な素体の供給が絶たれたのさ

 

 街はこれからも大きくなっていくだろう

 

 今はまだ問題ない、でも街の大きさとアンドロイドの数が釣り合わなくなったら?

 

 街は大きくなっていくがアンドロイドは今までの様に継続的に生産するのは不可能になる

 

 科学者としての男は途方に暮れていた

 

 男が頭を悩ませていた時、ある情報が男の元へやって来た

 

 治安維持アンドロイド政策で行き場を失った警備団や政策に反発して男が追いやった一部住民が工場跡地に住み着き始めたらしい」

 

 

 俺とレゾナンテの視線が交差した

 

 

「自身に恨みを持っている様な奴らを守ってやるほど男はお人好しではなかった

 

 街の中で唯一の無法地帯になった工場跡地…いや、貧民街は以前の街の様な治安の悪い場所に逆戻りした

 

 そんな治安の悪い場所が存在すれば街の汚点だ、即座に撤去しようと男は思った

 

 だが、それに待ったを掛けたのが科学者としての男だ

 

 男は貧民街に対して、もう一度彼らの居場所を奪うのはあまりに酷だといい貧民街には手を出さないと、不干渉を貫くと掲げた

 

 そんな市長に対して住民は慈悲深い人だと感動したんだ、貧民街を利用して市長としての男は住民からの信頼をさらに得た

 

 そして、科学者としての男は行方不明になっても住民が気にしない、街から見放されたはぐれ者達が集う無法地帯を手に入れた

 

 継続的な素体を供給する事の出来る男にとっての金の卵を……」

 

 話が終わり俺は来客用のソファに勢い良く座り込んだ

 

「……驚いたよ、そこまで事細かに把握しているとはね」

 

 今までとは打って変わって、薄く笑う彼は俺に問う

 

「何が目的かね?全てを把握しているなら何故態々こんな所に足を運んだ?」

 

「はっ、最初に言ったじゃないか、レゾナンテ」

 

 立ち上がりレゾナンテの元へ近づくと、手を机について正面から彼を見据える

 

 

 

「取引を、しに来たんだ」

 

 

 

 場所を変えようとレゾナンテに提案され、承諾した俺は市長邸の地下に居た

 

「参考までに聞かせてもらいたいのだが、どうやって私の研究について調べ上げた?」

 

 やっぱそう思うよなぁ

 

「別に、そもそも昨日この街に来たばっかだから調べる時間何かねぇよ」

 

「……益々、聞かせてもらいたいのだが」

 

「表面上だけのこの街の、そしてあんたの経緯を聞いて怪しいと思った、そんであんたを実際に見て確信した」

 

 立ち止まってレゾナンテが俺を見る

 

「何をどう確信したんだ」

 

「あんたが俺と同じ手段を選ばない外道だって、確信したのさ」

 

 嗤いながら俺はそう告げる

 

 いや本当に、ビビッと来たね

見た瞬間一発で分かったわ、”こっち側”だって

 

「先程語ったのは…」

 

「全部俺の予想、でっち上げだ」

 

 レゾナンテが額に手を当て俯いている

 

「つまり、勘で私の悪事は暴かれたという事か」

 

 引きつった笑みで彼は笑っている

 

「ま、究極的に言えばそうなるな」

 

 

 

 

「さて、話を戻そうか」

 

 製作途中のアンドロイドが置かれている作業場を通り過ぎて、奥にあった部屋に通された

 

「君は取引と言ったな、詳しく話を聞こう」

 

「簡単な話だよ、宇宙船が欲しいんだ…強力で、頑丈で、銀河中飛び回ってもビクともしない様な凄い奴が」

 

「ふむ、私はこの星から出るつもりがなくてな、宇宙船にもあまり興味がない」

 

 は?

俺の考えていたプランが崩れる音がした様な気がしたが

 

「だが、市長であり、富豪である以上立派な船の一つでも持っていなければ顔が立たないのだよ

君の望む基準を満たしているかは分からないがそれなりの物は持ち合わせている」

 

 思わせぶりな事言うから本気でどうしようか一瞬考えたんだが?

 

「私は船を差し出すと言う訳だ、君は何を提示する?」 

 

 まさかこの鉱石と言う訳でもあるまい?と目で訴えて来る

 

「そうだな、時に市長、貴方の”事業”を嗅ぎまわる不埒な鼠なんかはいないのか?」

 

 聞きたかった事を質問してみる、恐らくだが存在するだろう

 

「…ああ、いるよ、この邸宅内に忍び込んでいる鼠は既に特定している」

 

「何だ、仕事が早いな、で?どんな奴なんだ?」

 

 大体予想は付いているが

 

「十中八九、貧民街の人間だろう…背後の仲間関係も把握する為に泳がせているが中々尻尾を掴ませてくれなくてな、こちらのも掴ませてないが」

 

 まぁ、貧民街のやつらだよなそりゃ

 

「アンドロイドに調べさせるって言っても限界があるだろうしな」

 

 隠れて人一人攫う位ならともかく、そいつらの目的であるアンドロイドを差し向ける訳には行かない

形振り構わず叩き潰すだけならアンドロイドを大量投入すればいいが、表立っては不干渉を貫いてるからな

 

「ああ、この件に限ってはアンドロイドを調査で貧民街に向ける訳には行かない」

 

 自分で正解って言う様なものだし、アンドロイドが向こうの手に渡れば終わりだ

 

「だからあんたは欲しかったんだろう?秘密を守れて、自由に動かせられる人間の協力者を」

 

 彼にとって俺は都合のいい存在の筈だ

 

「事が終われば俺はあんたから貰った宇宙船でこの星を出ていく、邪魔な鼠も消えて秘密を知る人間はいなくなるって訳だ」

 

「……いいだろう、だがどうやって尻尾を掴むつもりだ?」

 

 そこが問題だな、俺が貧民街で知らべて回ってもいいが流石に怪しまれそうだ

一網打尽にする為に中枢部まで深く入り込んで人員構成を隅まで把握する必要がある

 

「その鼠ってのは誰なんだ?」

 

「ここで働く職員だ、女性で名前はレーナン、アンドロイドによる調査で貧民街に入る所は確認している」

 

 まず間違いなくクロって事だな

 

「やろうと思えばすぐにでも消せるのか?」

 

「可能だ、彼女は街では常に一人で行動している、街の中なら私の腹の中同然だからな」

 

「そうか、じゃあもう襲っちまえ……そんで彼女が追い込まれたら俺が助けに入る」

 

 自分の素性がバレてしまった彼女は貧民街の仲間の元へ逃げるだろう、命の恩人である俺を連れて

 

「成程、だがそれなら現実味を出す為にアンドロイドにはそれなりに本気で掛からせないといけなくなるが」

 

 俺とレゾナンテの間にあるテーブルに触れる、それだけでテーブルは独りでに宙に浮いた

レゾナンテが目を見開き、驚いた様子を見せる

 

「驚いたな、ストレンジャーだったのか」

 

「そういう事、これでアンドロイドを適当な所に吹っ飛ばすからそのタイミングで退却させろ

そいつの目の前でアンドロイドを壊す訳には行かないからな」

 

 その後は相手方の組織の規模なんかを見て判断かね

 

「実行のタイミングはあんたに任せるけど?」

 

「分かった、襲撃に使うアンドロイドの調整がしたい、準備が出来次第・・・そうだな、明日辺りに君の宿にアンドロイドを遣わせる」

 

 その日はレーナンの情報を貰ってから解散して市長邸を後にした

 

 この街の混沌を払拭しようとするレジスタンス達を根絶やしにしてから宇宙に飛び立つとしよう

 

 





主人公が名探偵並みの推理力を持ってるみたいな感じになってるかもだけど違うんだよなぁ

こいつただアンドロイドに人間を使っていると仮定して、自分が市長と同じ立場だったらどうするかをそれっぽく語っただけだよ



凶悪犯罪者の犯行を暴くには凶悪犯罪者を使うのが良いってそれ一番言われてるから

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