それを避けるには、彼等には。
全員が意識を失い、気付いたら一時間も経過していた騒動。
ほぼ全ての生徒・教員まで倒れ込んでいた騒ぎがそう簡単に片付くわけもなく。
何が理由なのか、全員の体調面に異常がないか。
そんな至極当たり前のことを調べる為――――全員が一度、急遽病院へ向かうこととなり休校。
同時に施設内の調査の為に明日一杯も立ち入り禁止・休校と相成った。
『しっかし何だったんだろうな。』
『ガス漏れだったとかって聞こえてきたけど……。』
『もしそうなら匂いで気付くんじゃね? 水に何か混じってたとか……。』
「お馬鹿ね。 全員が倒れる理由にはならないでしょう?」
出る結果は異常なし。
だからこそ。
何も知らない、知らなくて良いことを知らない生徒たちは。
思い思いに自分の考えを並べ続けていた。
そして、理由を知る俺達は。
そんな生徒たちと別れた後に希亜に連絡。 事情はLINGでも連絡して、合流待ち。
倒れたことを強く心配する俺達と、大丈夫と言い張る都とで何とか折り合いをつけ。
もし少しでも
「……流石にこんな流れは見た覚えないな。」
「というか、完全に同じ流れなんて経験したことあるの? 翔君。」
「……無いです。」
いや、正確に言えばあるんだぞ?
ただ、それは
「まぁまぁ、折角こうしているわけですし。」
ずず、とコップから音を立てながら天が呟いた。
……今は、ここ。
喫茶《ナインボール》にて、閉店の時間帯まで片隅を借りて暫くの間過ごす事となった。
本来なら両親がいる家に戻れれば良いのだが……家業が家業だけに、両親共に暫くは忙しいらしい。
それでもたった一人の娘が心配で、祖父に依頼し……という流れになったのだとか。
つまりはそれ相応に信用されていると思って良い……んだと思う。
前、
俺個人としては、家で寝ていてくれたほうが安心できるんだが。
そんな目線に気付いたからなのか、少しだけ口元を歪めつつ。
「……今は、一人にならないほうが良いって言ったのは誰だっけ?」
当人にそう言われると、二律背反となって口を閉ざさざるを得ない。
「やーっぱにぃにはみゃーこ先輩には弱いよねえ。」
「多分都と並んで被害受けたのお前なんだが……。」
俺も実際眠ってはいるが、倒れるまでは行かなかった。
都の場合は……春風の能力の少しの差が故に倒れたんだとは思う。
精神的に脆い、という部分も加味したとして。
春風→俺→都、という繋がりがある以上。
ほんの少しでも差が出てしまうのは仕方がない範囲なのだから。
「え、何? 心配してくれてんの?」
「そりゃするさ。 しないとでも思ったのか?」
「してくれたらいいなーとは思った。」
倒れたにしては元気な妹。
まあ、特に気付かずに寝てただけなら然程被害は酷くなかったのだろう。
最も不味いのが、あのまま眠り続けて衰弱死――――ということで。
その次に不味いのが、精神的な負荷による病なのだろうから。
……しかし。
「ソフィのやつ何処行ったんだ……?」
「……戻ってきませんね。」
「愛想尽かしたとか?」
「俺が彼奴とそういう関係に見えるのか天……。」
「いやほら、ダメダメだし?」
笑顔で拳を握る。
笑顔で椅子から遠ざかる。
そんな俺達を見て笑う、春風と都。
「でも、確かにそうだよね。 普段なら……特にこんなことがあったら。」
「なにか……思い当たることはないんですか? 翔さん。」
「強いて言えばレナの方くらいだよ。 後は……与一を探してるか、それくらいか。」
こんな騒動が起こった要因は、まず彼奴だろう。
何処で何をしているのか、そんな手がかりすら掴めない現状。
影だけが見える状況に事後的に対処するしか無い今は、不気味さを余計に増していた。
「どうしたもんだろうな。」
そんな呟き。
同時に、俺の腹から小さく音が鳴った。
……頬に熱が集まるのを感じ、目線を逸らしながら。
「……何か頼むかね。」
「そう、だね。 待ってるだけって言うよりは。」
「あ、にぃに。 私今日も泊まってくから。」
「いやもうお前は好きにしろよ諦めたよ。」
今は、少しばかりの休息を。
一般版発売記念外伝ヒロインを決めよう。
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都
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天
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春風
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希亜