私はあなたと共に歩む。
重力が数倍になったような重さを感じていた。
引きずるわけではないが、持ち上げるのにも一苦労。
そんな、行きとは違う明らかに変わった帰り道。
駅前を介した、俺の家への通り道。
「……お疲れ様。」
そんな場所の、コンビニ前。
片手にカップのような物を持ち、
「……希亜? 何してんだ。」
「見て分からない?」
片手に袋、片手にコーヒー。
最初に浮かぶのはまず。
「買い食いでもしてたのか、位は思いつくんだが。」
「……全く。 貴方を待ってたの、言わせないでよ。」
「俺を?」
他に誰を待つのよ、と呆れ口での回答。
確かに、そう言われてしまえば……いや、思いつくといえば思いつくが。
「天とか春風は?」
「口ではなんとでも言ってたけど、疲れてそうだったから先に戻らせたわ。」
一旦は希亜の部屋に案内し、俺が戻り次第俺の部屋で全員合流する予定だったと。
……まだ引っ越して2日しか経ってないのに、そんな扱いで良いのかと思ったけれど。
多分口に出したら面倒な事になるのだろうと珍しく直感が仕事した気がする。
「勿論、貴方も――――
何故か、名前でなく。
どことなく別人を呼ぶような口調に違和感を覚えたものの。
頭の底にへばりつくような……疲労が、それを問い掛けることを拒んでしまう。
「何か買っていく?」
「……飲み物だけ買っていく。」
そのまま連れ立って、コンビニで紙パックの飲み物を幾つか購入。
自分以外に三人が来る予定だと、買っておいて損はないと思ったから。
ありがとうございましたー、という挨拶を背に受けて。
家までの短い距離を、希亜とともに歩んでいく。
……先程までの、都と同じように。
「ナインボールで聞いた以外にも、二人にも話を聞いたわ。」
「……そうか。」
「なんだか無理してるように見えてたけど、気のせいじゃなかったみたいね。」
かつん、ざらり。
ビニール袋がズボンに擦れる。
「ねえ、翔。」
「……何だよ。」
「私になにか出来ることは?」
なにもない、と咄嗟に吐き捨てそうになった。
それ程までに、蝕まれているのか――――先程起こった出来事に。
自分で自分を嫌悪する。
「……そう、だな。」
「うん。」
「少し、話を聞いてくれるか。」
「私で良ければ。」
さっきの都のことは、
ただ、今日起こったことを自分視点で語っただけだ。
ナインボールで伝えた、三人称と言うか……複数人で語った内容ではなく。
自分で思った事柄を。 自分で行った事柄を。
都自身を、傷つけてしまったその行動を。
そう、とだけ希亜は呟いた。
その言葉に、どれだけの意味があったのか。
俺には到底理解出来なかったけれど。
語る度に、歩みが鈍くなり。
呟く度に、歩みが重くなり。
零す度に、歩みは止まった。
家までの、ほんの少しの距離を。
たった一人で歩くことを拒むように。
「そう。」
繰り返すように、彼女は呟いた。
先程よりも、その意味は強く感じて。
無意識に、救われたような気がしてしまって――――。
「
その言葉で、凍りつく。
折れる?
誰が?
…………俺が?
「そんな、つもりは……。」
「そうよね。 自分で気付いてない分、余計に酷いもの。」
顔色、気付いてないでしょう?
そんな、夜に溶けそうな小さい囁き。
それが何よりも、心に刺さる気がした。
「誰よりも背負ってきてるのは、
「…………。」
「
俺にとっての、希亜。
希亜にとっての、俺。
――――隣に立って、ずっと歩くと決めた相手。
「だから、私は手を引くよりも……発破を掛けるという感じになってしまうけれど。」
一呼吸。
「一緒に終わらせるんでしょう? 私達全員で。」
だから、自分の過去は背負っていって。
無理な分は、全員で分け合うのだから。
引き継いで、一週間と少ししか経っていないのだから無理を言っているのは分かるけど。
そんな、言葉を幾つも重ね。
「そんな姿だからこそ――――私が、好きになった翔だから。」
…………その後。
どうやって、自分の家に帰ったのかも覚えていない。
気付いたら、家にいて。
心配そうに見つめる三人の顔を見て、
――――都は、大丈夫だろうか。
安心した次の瞬間に。
自分のことなんかよりも、そう思ってしまった程に。
入れ込んでいるのだと気付けたことに、安心した。
思いが変貌する前に、皆に止められたのだと。
*過去を背負ってるからこそ精神的に不安定になっている主人公の図。
ダメージが薄い順に希亜=春風>天>翔=都な感じなのが趣味出てる気がする。
一般版発売記念外伝ヒロインを決めよう。
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都
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天
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春風
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希亜