理想を抱く誰かへと。
*本日二話目です。
LINGに届いた、幾つかの文面。
送り先がグループではなく、私個人だったことに最初に首を傾げた。
『ごめん、手を貸して。』
送り主は、都から。
翔が送り出していって大分経ち。
何かあったのか、とそろそろ心配になり始めた時間だった。
『襲撃!?』
『……違う。 それでも……多分、希亜ちゃんが一番適任だから。』
そんなやり取りは極短時間に。
最初に浮かんだ言葉は、幾つかの疑問とともに浮かんだものだったけれど。
都のすぐの反応で消えはしたものの……更に、疑問が浮かび上がった。
私服、
その間にも、都からの返答は続いていた。
説明……ううん、彼女からの
『私と同じ……それ以上に、翔君は傷ついてると思う。』
『私と同じ顔をしてた。』
『私と同じ、動き方をしてた。』
『……一番、苦しんできたのは翔君だから。』
今日何が起こったのか。
それは、天や春風からある程度は聞いていた。
けれど、翔と都は――――二人以上に、傷ついていた?
思い出せ、結城希亜。
彼と最初に出会った……
あの時の私は、何処か他人を見る視線だった。
幾つもの枝を超えて、ちゃんと「仲間」として皆に迎えられた時。
そして、今。
それを考えれば――――間違いなく、苦しんでいるのは彼。
『貴女は大丈夫なの、都。』
『私は……うん、少しなら大丈夫だと思う。』
眠れるかはわからないけど。
そんな、冗談にもならない言葉を追記して。
馬鹿、と返したらすぐに謝ってきたけど……多分、これも事実なんだと思う。
眠れば思い出してしまうだろうから。
そんな心を救えるのも……同じ経験をした、
その当人が沈んでいるのでは、何の理由にも救いにもならないから。
『だから……ごめんね、任せちゃっていい?』
『全く……一個、
『え?』
そこでLINGを止め。
にゃぁお、と鳴くシュバルツの頭を一撫でして。
少しずつ暖かくなり始めている外へと出た。
借り。
彼女に対しての借り。
物語のヒロインみたいに、誰かを救う機会を貰えるんだから。
本当なら、一番向いているのは彼女だって何となく感じてるけど。
「文字通りのお嬢様で、無意識にでも護って貰えるような相手で……私は精々、何かの戦士とかかなぁ。」
そんな愚痴にも似た言葉を独り言として呟く。
羨ましい、という感情がないわけではない。
私は私、という立場をずっと抱えていく。
過去があるから、別の枝の積み重ねがあるから。
今の私という立場が、選択肢がある。
「さて。」
護られる立場ではないから。
共に歩く相手だからこそ。
背中を押すのではなく、腕を引いて共に進める。
それを出来るのは、私しかいないんだから。
(コンビニで待ってれば来るかな……あのコースからなら、その筈。)
この先を考えて。
この後を考えて。
眠れなくなるのを分かっていて――――珈琲でも飲もう、と。
静かに、待ち人を待ち始めた。
それくらいのほうが、きっと。
『みんな』の為に、『私』の為になると感じていたから。
*希亜がコンビニ前で待っていた理由。
一般版発売記念外伝ヒロインを決めよう。
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都
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天
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春風
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希亜