9-nine- にじいろゆめいろきみのいろ。   作:氷桜

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やれば出来る。
やっても出来ない。
そんな、日常の筈なのに。


85.各々の。

 

とんとんとん。

じゅーじゅー。

ことことこと。

 

三種三様の音がしていて。

楽しみ半分と恐怖半分だった。

 

『え、えっと……春風先輩? それは?』

『隠し味ですけど……?』

『隠し味はお玉一杯も入れるものじゃないですよ……?』

 

今聞こえた声で恐怖側に傾いた。

ついさっき台所から追い出された俺からすれば何をしてるのかわからないのは恐ろしいの一択。

…………買ってきた食材的にカレーのはずなんだが。

お玉一杯って何入れる気なんだ。 と言うかまた同じことを繰り返すのか。

 

「大丈夫かよ本当に……。」

 

溜息を漏らしながら、テーブルの上に広げられた幾つかのモノへ目を向けた。

今回は時間があったわけでもないから紙の使い捨てな食器類と割り箸。

GW辺りには全員揃って……って言いたいが。

前の、天と二人での出来事を考えると口に出すのも少し怖い。

それに、以前は希亜も含めて……なんてことを思ってたはずなのに、今は同じアパートに住むことになっているわけだし。

もう少し様子を見てから相談してもいいか、と気分転換(しこうほうき)から立ち直る。

 

『みゃーこ先輩ー、これくらいでいいのかな?』

『好みかなぁ、天ちゃんはどれくらいが好き?』

『私はみゃーこ先輩のが一番好みでっす!』

『そんなこと言ってもなんにも出来ないよ?』

 

ただ、それとは反対(?)に天は比較的に真面目に……まともに作っているようだった。

まあ彼奴は真面目に作れば料理が出来ることは弁当で知ってはいたけど。

ただ4人で一番誰が上手い、というか手慣れているかと言われればやはり都。

()()()()()()に舌が肥えてしまっていると言うか、手料理に慣れてしまっている。

通い妻ってこういう事を言うんだろうか、とかどうでもいいことを思って頭から振り払った。

 

(しっかし……。)

 

スマホを見れば昼を回って一時を少し超えたくらい。

 

「今日は流石に戻ってくると思いたいが。」

 

ソフィも、レナも戻ってこない。

その大きな要因はあちこちで発生しているユーザー絡みなのだと分かっていても。

スリープ状態にしながら、小さく呟いてしまうのは仕方ないことなのだと。

自分を自分で納得させる。

 

『ん? にぃに何か言った?』

「あー、独り言ー。」

『何? 寂しいならそっち行くけど!』

「そっち集中してろ!」

 

唯でさえ火やら刃物を扱ってるんだ。

下手に此方に気を向けさせるのも不安になる。

()()()()()()()()でも酷い結果を招くものなのだから。

――――それに、火と刃物には最近酷い目に合わされたばかりだし。

過剰なくらいに警戒する俺のほうが正しい筈だ、うん。

 

『あ、翔くん。 そろそろ出来るから準備お願いできる?』

「おう、了解。」

 

そんな雑談をしていれば、間を割くように都の声が飛んできた。

……若干疲れてるような気もする。

あわわする春風の声も聞こえてくるから多分相当止めてくれたんだろう……そこには感謝するしか無い。

さて、と一息吐いて立ち上がろうとした際に。

 

どん、と揺れた気がした。

地震のようにではなく、何か――――。

そう、何かが爆発でもしたような。

 

『きゃっ!』

『おおっとぉ! 危ないですぜみゃーこ先輩!』

「大丈夫か!」

 

台所の方で聞こえる姦しい声に心配する声を投げ掛けながら。

ベランダ側から、何かが見えないかを確認してみた。

……直ぐ側で、黒い煙が見える。

確か、あの辺りは……。

 

「事故……か?」

 

大通りの、それも比較的交通事故が多発する辺りのはず。

それにしては衝撃が此方まで響いてくるというのはどういうことなのか。

不可思議と言うよりも、不安が先立つ。

特に今のこの現状。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

背筋に、冷たいものを覚えた。

一般版発売記念外伝ヒロインを決めよう。

  • 春風
  • 希亜
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