契約者の条件。
でもそれより前に、彼等は学生。
外の煙が落ち着き始め。
あちこちから聞こえていたサイレンの音が遠ざかって少し。
俺達が落ち着くまでは、そんな程度の時間を要した。
そして、目の前のカレーを一口。
うん。
「…………凄い普通の味だ。」
なんだかジーンとした。
「ねえ兄やん、凄い感慨深そうなとこ悪いんだけどそんなに感動するとこか?」
「うう……。」
そりゃお前には分からんだろうな。
というか分かるのは俺と春風だけだ。
向こうは針の筵みたいに縮こまってるから実質俺だけみたいなものだが。
「もう少し工夫したかったなぁ。」
「……カレーに工夫?」
「上になにか載せたりとか。」
今日の昼のメニューはカレーに(多分天が作った)サラダにインスタントのスープ。
十分豪華だと思うし、これ以上は贅沢なラインに乗る気がする。
「え、いや十分すぎるくらいじゃないです?」
「ううん、でもバランス考えると。」
「バランス。」
確かに具材は大分少ない、何方かといえばスープカレーのような感じではある。
突発的な休みだったのも有り、昼飯に掛けられる金銭が通常の昼飯と同じくらいだったからだが。
「ううん……これだと……。」
「……都?」
「あ、うん。 どうかした? 翔くん。」
いや、スプーンも止めて何を考えていたのか聞きたかっただけなんだが。
なんと言うか……
そんな直感にも似た言葉が口から飛び出しそうになり、慌てて別の言葉で塗り潰した。
「昼飯食ってるところで悪いんだが、夜……と言うよりはこの後か。 どうするか考えてるか?」
「どうする……?」
首を少し傾けた後、スプーンで一口。
口を数度動かして飲み込んだ後で。
そういう礼儀の部分はきちんとしてるのを見て、お嬢様だよなぁと再認識する。
「午後ってことでいいの?」
「ああ、急に学校も休みになったが……その分自習って扱いになってたろ。」
「そう、だね。」
実際、これから後は時間が空いている。
その分、外に出るという選択肢もあるが……希亜のことを考えると、少しだけ躊躇ってしまう。
だからこその提案。 丁度
それに――――。
「あの、お兄たま? 勉強しようってお話ですかい?」
それ以外の何に聞こえた、という目線を向けたら目を背けた。
おい此方を見ろ。
そんな意味を込めて無理やり此方を向けようとすれば抵抗し続ける。
「ちょ痛い痛い痛いってば!」
「……いや、大真面目にな? 俺は大事な大事な妹のことを考えて勉強って言ってるんだぞ?」
「じゃあこの行動は何!?」
「愛の鞭。」
高校入って初めての中間テストも控えてるんだし。
ここで躓くと色々面倒になる。 周囲を見ていると何となくそれを理解できる。
いやまあ、言わなくても分かってるとは思ってるがそれは口にしない。
「あ、あの……私、教えられる程頭がいいわけではないのですが……。」
「多分自信を持って誰かに教えられるのは都くらいだと思う。」
「……私も自信無いよ?」
それでも俺よりは信用できる。
「何も全部が全部って訳じゃない、分からない所を教えられるってのが大事なんだろ。 後集中できる。」
「あ~……。」
春風とか天は追い込まれればやるが自主的に、とか一人になると遊んでしまう感じだろ。
都……は何とも言い切れないが、希亜は自主学習……というか、家では勉強ばっかりしてた筈だし。
帰ってきた後で聞けばある程度は答えてくれると思う。
「という訳で勉強の時間です。」
「折角の休みなのに!」
……仕方ない。
言いたくはなかったが口にしよう。
「……というかだな、勉強今のうちにしとかないと怖いんだよ。」
「怖い?」
「
イーリスが消滅したから全てが片付く、という状態を超えてしまっている。
……というより、首謀者が意図的にそうしたんだが。
だからこそ、やれる時にちょこちょことでも勉強しておかないと後に引きずる。
そんな気がする。
「…………おぉ。」
「何だその目は。」
「ちゃんと考えてるんだね。」
………………。
「真顔で此方来るの怖いって!?」
「仲がいい、で良いんでしょうか……?」
「……ま、まあ兄妹だし?」
逃げるな駄妹。 そこに直れ。
結局。
勉強を始めるよりも。
食事を終わらせるまでに相当時間を掛けてしまったのは反省する他ない。
一般版発売記念外伝ヒロインを決めよう。
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都
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天
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春風
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希亜