9-nine- にじいろゆめいろきみのいろ。   作:氷桜

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9-nine-全年齢版(新章)完走しました。
…………あの、イーリスさん?
絶対やると思ってたけどマジで同じことするのやめませんか?

後改めて沙月ちゃんルート……とナイン×ソフィルート楽しそうだなーって。

*公式で改めて明言された「世界の目を介した共有・同調ルール」に関しては基本想定で問題なさそう(翔の心境的に~)なのでそのまま適応。


89.先。

 

商店街は想定以上に混み合っていた。

学生のための街であり、コロナ関係者が多い白巳津川市では。

夕方の時間帯はどうしても混むもんだが――――それを考慮しても多い。

というよりも、密集してると言い換えていいレベル。

 

「……何が、あったんだろ。」

「さっきの爆発音次第……ってとこな気もするが。」

 

人の流れはどうやら駅前へ流れていくようで、吐き出されるように一方通行。

若干走る姿でさえ見受けられる。

と考えるなら……向こう側で何かがあったって感じっぽいが。

 

「都、買い物とか任せていいか?」

「あ、うん。 それはいいけど……翔君は?」

「少し様子見てくる。 細かい合流場所はLINGで連絡してくれ。」

「え、大丈夫それ? 何かあったら一人じゃ対応できなくない?」

「ただ複数で行って全員巻き込まれても最悪だろ。 場合によっちゃレナ無理矢理呼ぶし。」

 

今何処で何してるか分からんが、出す/消す主体があるのは俺だ。

後で文句でも言ってきそうだが……そこはまあ許容範囲として受け止めることにする。

 

「だったら……その、レナちゃんを向かわせる、というのは?」

「同時共有できればそれでも良いんだろうけどな。」

 

万が一のタイムラグがあれば……と。

そんな少しの遅れで()()()()()()の事まで思い返してしまうと、それはどうにも選べなかった。

その辺りの情報を一方的に共有すること自体は出来るが、同時となると正直そこまで練度を高められるかは分からない。

出しっぱなしにしている部分が多いから、レナとの連携に関しては春風や希亜(ほか)の枝と同じくらいには出来るんだが……。

()()()使()()()であるイーリスやソフィのように、遠隔での瞬時的な情報把握までは何とも言えない。

 

「そこは今後考える。 三人は念の為警戒しながらにしてくれ。」

 

不満が当然のように見えるが、不承不承頷いている。

……出来れば一緒に行動したいんだがな。

ソフィとの連絡が途絶えている以上、警戒しすぎてしまうのは悪癖かもしれない。

「全て」の記憶を持つ弊害――――と、そんなところか。

 

幻体を一度解除し、自分の隣……人混みの中に埋もれるように出現させる。

防壁は上手く出来ないというのに、こういった小技ばかりは出来るのは何でだろうな。

 

「…………おい。」

「悪いな……まあ、現状は分かってるんだろ。」

「そりゃまあ……だが、急に呼ぶのはやめろ。 こっちもこっちで考えて動いてんだからよ、大将。」

「ならもう少し情報寄越せよ……結局戻ってこねえし。」

()()()()()疲れてそうだったから行かないでやったオレへの当て付けか?」

 

その言葉に、ちらりと視線だけを向けた。

 

「……目に見えて?」

「そりゃ大将の荒れ具合は分かるっつーの。 オレは魂の力が大本だぞ?」

「ああ……いや、そういう意味か。」

 

俺にはよく分からないというのは……やはり練度不足ということで間違いなさそうだ。

後でレナを含め相談しよう。

 

「で、結局何が起こってんだ……?」

「んー…………アレか? 見えっか?」

 

流れに逆らいつつ動くこと暫く。

レナが何かを見つけたように指を指した場所にあったのは、商店街の入り口の信号を挟んだ反対側。

ビルに突っ込んだ一台のトラックらしき残骸と、無残に折れた信号機。

警察が多数おり、その場で色々調査をしているようだったが……。

 

「事故、か?」

()()じゃないかもしんねーけどな。」

 

……トラック自体に作用すれば、確かに簡単に事故なら発生させられる。

それはこの一週間と少しで起こった、幾つもの騒動で理解してはいた。

だが――――。

 

「起こす理由なんて、あるのか?」

「あん?」

「ああ、いや……前にも少し話したが、ここまで大きい問題を起こす理由なんて浮かぶか?」

「あー……。 推測入ってていいなら言うけど。」

「浮かぶのか?」

 

その場で佇み、変化を確認しながら。

一見物人としての立ち位置を崩さないように、少しだけ話を続けた。

 

「前にも言ったよな、周囲に隠す為に問題を起こしてるって。」

「ああ、それ自体は俺も同意してるが。」

「ただ、少し目線を変えれば――――()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、みてーになるわけだ。」

「アーティファクト、ユーザー……でもないなら?」

「アーティファクトを奪った後の痕跡を隠す為、ってのが今の行方不明を含んだオレの考え。」

 

……アンブロシアを使用しない形でのアーティファクトの奪取。

つまり、ユーザーを殺した上での強制的な契約。

死体を隠すための、大事故。

 

「いや……。」

「ありえない、とは言い切れねえだろ。」

「そうだな、ありえないとは言えない。」

 

イーリスの起こした、人体への変化を含んだ大騒動。

その考えを引き継いでいるとしたら、彼奴なら。

――――いや。 ()()()()()()()のではなく?

 

「お。」

 

そんな思考に飲まれていたら。

レナの珍しい声が聞こえ、視線を上に上げた。

視線の先にいたのは希亜。

 

「このルートで来たのか?」

「だろうな……だが。」

 

なんか、顔沈んでねーか?

レナの言葉のとおりに――――妙に沈んだ、彼女の姿があった。

【新章】クリアした中で誰が一番好きでした?

  • 春風
  • 希亜
  • ソフィ
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