希亜が落ち着くまでには、その後15分ほどを要した。
ただ、飽くまで表面上は落ち着いていると言うだけで。
実際にアーティファクトを行使しないといけない、という状況へは近付きたくない。
(んで……。)
三人は買い物を終わらせる直前、と言った状況らしい。
しきりに飛んできていたLINGでの連絡を見るに、出来れば何処かで合流してそのまま帰宅したいと。
……俺は別にそれでもいいんだけど、都は一体どんな理由を付けて来てるんだろうな。
いやまあ、その理由付けをちゃんと説明する為に今度駆り出されるんだろうけど。
「翔?」
「ん、ああ何でも無い。それより希亜、もう大丈夫なのか?」
「多分?」
「お前が曖昧なのも珍しいな……。」
『罪人』だと言い切れる相手に行使したのとは違う。
彼女自身がそう判断し、それに見合う罰を与えた。
希亜自身の意思が介入したことで、普段とは違った意味で負担がかかったんだろうと思うけど。
ゲームか何かのように、そういった負担を分かち合う手段でもあれば良いんだがな。
考えるだけ無駄だから、頭から追い払った。
「……それで。さっきからずっと反応してると思ったら、皆から?」
「だよ。心配してたんだし戻ったら謝っておけよ?」
「分かってる。心配して貰えるって、嬉しいものね。」
「それが分かってるならせめてだなぁ……。」
「出来る時と出来ない時がある。
店を出て、商店街の通りを戻っていく。
普段一人では絶対に立ち寄らないと言い切れる精肉店付近で合流することになってるんだが。
……料理作ってくれると言ってたけど、何作る気なんだ。
何となくハンバーグとかその辺想像してたけど。
「そりゃまあそうだけど。」
「でしょ?」
軽口のような、付き合いの長い幼馴染との雑談のような。
何本もの枝の記憶から来る既視感は互いに持つ。
……希亜との深い付き合い自体は、記憶の中でも多いわけではないんだが。
まあそれを言い出せば天以外との付き合いも長くて一ヶ月くらいなんだよな。
「変な感じ。」
「何が?」
思わず口に出ていた思考に問い掛けの声。
何と答えて良いものか、少しだけ悩んだが。
「
「短いと言えば短い…………けど、濃い?」
「濃すぎるって呼んでもまだ足りない気がするんだが……。」
「それはそう。」
他人に言っても馬鹿にされると言うか絶対に信じて貰えない。
というかあの浮くぬいぐるみっぽい幻体……ソフィを見たら(そもそもユーザーじゃなければ見えないんだが)どうなるんだろうな。
「あ、やっと来た。」
「希亜ちゃん、大丈夫でしたか!?」
「遅かったね。」
そんな会話をしながら、人の流れに流され、逆らい。
やっと付いた精肉店前。
既に三人は幾つかのビニール袋を手にしている。
飛び出して見える黄緑……野菜だよなあれ。
「ええ、何とか。一人だったら……いえ、一人でも大丈夫だったと思うけど。」
「私達の間で意地張っても仕方ないと思うんですけどにぇ、結城先輩。」
「お前は目上に対する態度取り繕えよ……。」
「それ言い出したら戦争だぜ……?」
「無駄に腰の入った素振りすんのやめろ。」
溜息を吐きながら頭を抑えて遠ざける。
むがー!とか叫びながら腕を伸ばしてきてるが、此処外だからな?
周囲からすれば微笑ましい兄妹とかに見えてるかもしれんが限度もあるからな?
ぷっ、と誰かが吹き出して。
「……じゃ、お肉買ったら戻ろっか。」
「ああ……帰ったらレシートくれ。払うから。」
「うん。」
五人で、一塊で。
仲のいい集団に見えていたのかは分からないが……。
進路を俺の家に。
もう少し正しく言うなら、その途中のコンビニ目掛けて歩き出した。
…………天はずっとむがむが言ってたが。
【新章】クリアした中で誰が一番好きでした?
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都
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天
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春風
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希亜
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ソフィ