9-nine- にじいろゆめいろきみのいろ。   作:氷桜

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大晦日ですので一話短めに。
来年以降もぼちぼちやっていくのでよろしくおねがいします。


92.反動。

 

「~♪」

 

キッチンに立つ都は、普段に比べて何処か楽しそうな表情を浮かべている。

元々の性に合っているからなのか、それとも……あー、口にはしたくないけどそういう何かか。

お嬢様、と言うには(俺の勝手なイメージで)庶民属性が強い気がするけれど。

ナインボールでのあの姿が目に焼き付いてしまっているのも大きいのかもしれない。

 

「ねえ、都。 次は……?」

「えーっと……。 しっかり練った後は。」

 

いや、正確に言えばキッチンに立つのは都だけではなく。

おっかなびっくりではあるが希亜も同じ場所にいた。

彼女曰く。

 

『今は、少しでもなにかしていたいの。』

 

とだけ口にしていた。

無論それだけでは無さそうで。

俺を含めた5人(いつものメンバー)の中で料理の腕が随一なのは都だから、教わるという理由も当然あるらしい。

 

「ねー、兄やん。」

「あん?」

 

そんな光景を横目で見ながらも、パソコンを打鍵。

スマートフォンで何かを見ている春風は時々顔色が良くなったり悪くなったり。

ただ、「普通にしていれば」お嬢様に見えなくもないよなぁと思いつつも。

隣でダラケている駄妹に返事を返す。

 

「すっっごい今更な事聞いていい?」

「内容次第では無視するぞ。」

「最初から圧迫するのやめてよー。 全く。」

「いいから言ってみろ。」

 

何で自分が被害者みたいな顔してるのかが分からん。

内容次第では勿論やるぞ。

場合によっては実力行使も辞さねえぞ。

 

「って言っても純粋な疑問? に近いんだけどさ。」

「おう。」

「お兄様視点だと()()()()ってどう思ってるの?」

 

今の?

目をパチクリと開いてしまったが、言われて考える。

 

……例えば、希亜の枝の時。

与一のやつの最初の犯行を止めたことで全ての流れを切り替えられた。

そういった意味で、根本的な対策を取れないかってことか?

 

「後手後手に回ってるとは思ってるが、元々俺達は対処する方向でしか――――。」

「あ、違う違う。 そういう真面目な話じゃなくて。 いや此方も真面目なんだけども。」

「は?」

 

何抜かしてんだ此奴。

折角俺が前置きしてやった上で。

 

()()()()()()とか当然初めてなわけじゃん?」

 

そう言われて少しだけ鎮火。

天の視線が向いているのはキッチンと、向かい側の春風。

…………まあ、確かに。

全員の記憶が、どころか()()()()()()()()なんて状況普通じゃ考えられないしな。

 

あの一回で終わらせるための最終手段として取った行動。

けれどこうして再び騒動が発生している。

だからこそ、有耶無耶になっている部分は絶対あるんだが。

 

「ぁー…………。 勿論、責任は取るぞ。」

 

どういう形式になるにしても。

これ以上悲しませたり、離別するようなことは絶対に起こさない。

相棒の力頼りになってしまう部分はあるが、それだけは俺の中の誓いだ。

 

「はー。」

「何だよ。」

「いや、戸惑いとかなしでいきなりそう言えるわけだしー。」

「だからなんだよ。」

「ヘタレだったにぃには何処行ったんだろうなーって。」

「置いてきた。 後その発言は流石に見過ごせんぞ我が妹。」

 

ヘタレなのは分かっててもお前に言われたくねーんだよ!

 

「ぼうりょくはんたーい!」

 

騒ぐ。

春風も気付けば此方へ目線を向けて薄く笑い。

キッチンの二人も何だ何だと顔を見せる中。

夕飯前の時間帯は、ゆっくりと過ぎていった。

【新章】クリアした中で誰が一番好きでした?

  • 春風
  • 希亜
  • ソフィ
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